蕎麦喰らいの日記

蕎麦の食べ歩き、してます。ついでに、日本庭園なども見ます。風流なのが大好きです。

旭寿司  柏崎

2010-12-21 21:51:51 | 寿司
柏崎の街は、その規模に較べて寿司屋さんが数多くあり、どれも魅力的に見える。すぐれた庭師を輩出した歴史もあり、江戸時代の桑名藩の領地であった頃からの文化の伝統が残されているのかも知れない。


特上の握りを注文すれば、まずは大トロの姿が目に飛び込んでくる。


とりあえず手が伸びるのは、巻物。なにしろ海苔の具合が大切だ。トロを贅沢に使い、海苔もパリパリ。実によいお店だと実感できる。幸せな気持ちで酒が動き出す。


寒鰤も、赤貝も、イクラも鮮度が良くて食べやすい大きさ。これは堪らない。




ピンが手前に合ってしまったが、この大トロは素晴らしかった。糸魚川のお店のねっとり来る感じの旨みの凝縮もよいのだが、神経がピンと立つようなこの一カンに感動した。白身もまったりと、日本酒と楽しんだ。


あまりの美味しさに、追加を注文した。コハダに、白身(何だったか聞き忘れた)。でも、いい姿だと思う。


シャコ。これは、プリプリと旨い。


ご馳走様でした。

法然院  鹿ケ谷

2010-12-20 22:30:03 | 京都の建物、庭園
銀閣寺から南へ、哲学の小道沿いには浄土真宗ゆかりの寺が並ぶ。


この日、内部の庭は公開されていなかった。
しかし、山門の姿を見るだけでも白川からの急坂を登る価値があると思う。


白砂壇。砂紋は、その季節と水をあしらった柄が描かれるようだ。


背景の鹿ケ谷の自然や、屋根の侘びた佇まいなど、見事に演出がなされ本当に美しい山門だと思う。

そば屋 長森(2) 田舎そば  南魚沼市

2010-12-19 20:14:44 | 蕎麦
お店の名前は地名の長森新田から来ているのだろう。ちょっと名のある八海酒造さんの直営店である。


長森の前は、岡寮という料亭の建物を使って蕎麦を出していたが、2009年3月にこちらのお店に移転したそうだ。建物自体は新築だが建て具などは時代の付いた古民家の物を使っている。


移転後、蕎麦の種類を増やしたのか、今では二八、十割、田舎の3種類の蕎麦が味わえる。田舎は香り、食べ応え、汁のどれも実にそれらしい越後の田舎蕎麦。もう少し柔らかめでもよいかもしれない。


野菜天麩羅も楽しめるし、天麩羅用の汁も別にちゃんと出てくる。


田舎に似合うのは、煮干しから取った薄口の汁。それに、どっぷりと蕎麦をひたして食べるのが旨い。


食事の後、八蔵資料館を覘いてみた。料理と酒に関する文献が、考えられないほどの恵まれた環境で閲覧できる。

蓮華寺  洛北

2010-12-17 23:37:46 | 京都の建物、庭園
応仁の乱で、荒廃していた寺を17世紀後半に移したという。


洛北にあるお寺だからなのか、その昔の形式を忘れないように見える。


このポジションでも、決して正確ではないと思うが、このお寺の庭の見方は厳しい。
ここに柱があれば、視点は規定される。それは17世紀のこの寺が移転される時点で、定められているように感じる。


池の廻りの石はよくわからないが、この石だけは非常に古く、気品を感じる。


石橋にも時代が付いて、力を感じる。

思い掛けないところに、紅葉が残っていた。


本堂を見渡せば、それとして計算しつくされた姿のように感じる。

さび助  穴子天麩羅定食

2010-12-16 23:47:47 | 日本料理
乃木坂近く、外苑東通り沿いにある備前陶器のお店ですが、お昼には備前の器に盛る食事も出すようです。


基本は備前の器を売るお店です。


内装はレンガのアーチが組まれ、作品が展示されている。


穴子天麩羅は見事な出来上がりで、実に実に衣がパリパリと美味だった。しかし、それをちょっと上回るのが焚き合わせ。お店の奥のそれなりの広さの厨房で、トロトロと煮込んでいる鍋が気になったのだが、どうやらそれらしい。本当に柔らかい、正直な味を感じた。こういうものには、引き寄せられてしまう。


アップにすると、こんな具合。玉子焼きの出汁がまたよく効いている。


ご馳走様でした。


実相院  左京区岩倉

2010-12-15 23:36:37 | 京都の建物、庭園
江戸初期から天皇家との由来のが深まった、門跡寺院である。


室内の造りは、狩野派の襖絵があふれる女御御所である。板の間も恐ろしい程に磨きあげられ、床もみじ、床みどりがみごとに映る。
室内からの撮影は禁止なので、反対方向から、反射率がそれ程に高い事を示す一枚を撮ってみた。




石組の真ん中に写実的な石像を入れるとか、禅寺の石庭とはまるで異なる理念で造られた庭なのでしょう。


借景の姿、今日でも見事だと思う。




どことなく、茶道のはやりを取り込むのも、そつがなかった感じがする。
これ程の洗練をひそかに擁護し、伝える文化の奥深さは、他に例えようもない。

富美家  先斗町

2010-12-14 21:54:15 | 日本料理
富美家さんは、鴨川に向かって張り出す川床もある落ち着いた感じのお店。ゆっくりとお料理にお酒をいただいた。


まずは、アンキモに大根の味噌漬け。アンキモは脂が非常に少なく純な味わいだが、もっと脂がのった下手な味が少し恋しくなった。まずは生ビールで。




八寸から、本格的に冷酒が始まる。
左上は子持ち昆布(鰹の出汁が素晴らしかった)。下の魚はもろこ。
お麩やら、クワイやら、一々お酒が進む。


平目と鯛のおつくり。こういうものは、ゆっくり味わうに限ると思う。また酒が進んでしまうが。


えび芋の焚き合わせ。これも素晴らしい出汁を使い、お腹が落ち着く。


鍋の具は鴨。季節がら、丁度だったと思う。


締めの御飯とお味噌汁。


デザートの皿にも、センスが感じられる。

金閣寺 北区  夕陽に輝く

2010-12-13 21:40:06 | 京都の建物、庭園
この日は夕方近くなって、本当に雲ひとつなく晴れ上がった。抜けるような空の色が印象的だった。


太陽が沈む時に、東西のどの位置に沈むのか、また時刻によって刻一刻と変わるが地平線からどれだけの高さにあるのか、それぞれの条件がたまたま合致しないと、金閣寺の表に張られた金箔に光が照り返す姿は見られないのだろうと思う。
たまたま、その条件に合う時に金閣寺を訪れたのだが、果たしてそれが足利義満が仕組んだ中のことなのか、判断が難しい。


この時点では夕日は金閣の足元までしっかりと照らし、陽の光を反射する様は、まるで丸の内のガラスと鉄のビルディングの夕景のようだ。このようなギラギラした姿を14世紀の人々が良しとしたかは、甚だ疑問である。しかし、今日の目で見れば、この輝きは何にも代えがたいように思う。


池を取り巻く石組も、実に力があるとは思ったのだが、ともかく見学する道の人の波が凄い。気持ちを落ち着ける余裕は全くなかった。


庭師さんが一日の仕事を終えて、静かに船を出す。できれば、この辺りまで園路を公開していただければ、どんなに庭がよく見られるかと想う。


金閣の池には、それらしいシンボリックな石がたくさん展開している。


短時間の内に、夕陽が当たる範囲が変化してきた。
一年のなかで、この日この時でなければ出会えない、しばしの時だったのだろう。

オールド タイランド  飯田橋

2010-12-12 21:20:22 | エスニック料理
スパイスの香りが高く、刺激的な味わいのタイ料理は、食べたくなると堪らない。


まずはポピア ソット(生春巻き)とビール。ビールもシンハとチャングの2種類が用意されている。


続いてネーム ソット(酸味の効いたソーセージの前菜)。これにもビールが抜群に合う。
キャベツをちぎり、ソーセージやバクチー等を巻きこんで食べると旨い。


調子に載って、ガイヤーン(鶏肉のスパイシーソース焼き)。これもバクチーの香りが堪らない。タイ料理はこういうちょこちょことしたつまみでビールに合わせると、なんて美味しいんだろう。


最後はカオソイ(タイカレーラーメン パリパリ揚げ麺載せ)で締めた。
料理の味は深いのに、お手ごろ感があって、気楽に食べられる。

源光庵  京都市北区

2010-12-11 17:09:38 | 京都の建物、庭園
午後も遅めの時間に源光庵に着いた。14世紀半ばに臨済宗の寺として開創され、17世紀末に曹洞宗に改まった寺である。


境内には、僅かながら紅葉が残っていた。


有名な悟りの窓と、迷いの窓。


丸い方が「悟りの窓」。


四角い方が「迷いの窓」。なんとなく納得できる。




その他にも、意匠をこらした窓がある。




この寺で、もうひとつ有名なのが本堂内の血天井。伏見桃山城で家康側が戦いに敗れ、380人の武将が自害した。その血染めの床板を天井に使っているという。