都心に在りながら、実に立派な田舎です。
神楽坂の目立たない横丁を入った先の中村屋さん、こちらは大久保通り沿いにあった頃から田舎が一つの呼び物だった。
平打ちの色黒の蕎麦が、つやつやと光る。都会の蕎麦らしく口当たりは滑らか。本当の田舎蕎麦のようにゴツくざらざらなどしない。
それでも、もっちり噛みしめる蕎麦の味は、田舎らしさを十分に堪能できた。
残念ながら汁はせいろと共通なので、煮干し出汁の柔らかい味わいではない。田舎蕎麦を使って辛みおろし蕎麦を注文し、おろしにまぶすように田舎を食べたらいいかもしれない。
このお店、実に気負いがないところがよい。