マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

キング 罪の王

2006-11-29 21:01:16 | 映画ー劇場鑑賞
2005年 アメリカ ジェームズ・マーシュ監督 ガエル・ガルシア・ベルナル 、ウィリアム・ハート 、ペル・ジェームズ 、ローラ・ハリング 、ポール・ダノ

【解説】
まだ見ぬ実の父親に会いに行った青年が、初めて会う父に自分の存在を拒否されたのを機に復しゅうの権化となっていく姿を描いた衝撃のサスペンス・ドラマ。主人公の青年エルビスを演じるのは『バッド・エデュケーション』のガエル・ガルシア・ベルナル。彼の父を『ヒストリー・オブ・バイオレンス』のウィリアム・ハートが演じる。あらゆるタブーを冒していく主人公にふんしたガエルの美しい怪演と、ショッキング極まりないストーリーは必見。

【あらすじ】
海軍を退役し、まだ見ぬ父デビッド(ウィリアム・ハート)に会うためテキサスの田舎町を訪れたエルビス(ガエル・ガルシア・ベルナル)。しかし、今は裕福な牧師として妻子とともに暮らすデビッドは、エルビスの存在を拒否。絶望したエルビスは父の娘であり、自分とも血がつながった妹マレリー(ペル・ジェームズ)を誘惑する。 (シネマトゥデイ)

【感想】
フライヤーに、「懺悔しよう、愛のために」とか「愛されるまで、許さない」とか脅迫っぽく紹介してあったけど、私は、ガエル君のエルビスは自分のしたことが、そんなに罪深いことと自覚していたのかなあ、と思いました。
彼に復讐心なんか、あったかどうかも、映画を見る限りでは確認できませんでした。

海軍を除隊したエルビス(ガエル・ガルシア・ベルナル )はまだ見ぬ父(ウィリアム・ハート)に会いにいく。
おずおずと申し出る。
「あなたが過去に関係のあった女性の息子です」「知らない」「息子です」と2度告げると、父親は二度と自分の家族の前に姿を現すなと、言い捨て、家族にも彼と会うことを禁じます。

エルビスはこの町に腰を落ち着け、働きだします。
そして、16歳の父の娘マレリー(ペル・ジェームズ)を誘惑して関係を結ぶわ、優等生の兄が自分を批難しにきたら、逆上して刺してしまうわ、むちゃくちゃ。
でも、計画性があるとは思えないんだなあ。

マレリーに妊娠したと聞かされたら、兄殺しを白状して、マレリー共々お祈りを捧げて終わり。
息子のことは諦めたのかどうか、父がエルビスを受け入れる決心をします。
懺悔をして、信者さんにエルビスを紹介します。
Oh my God!!
お母さんは半狂乱。それはないでしょ!!
真実を知ったマレリーの神経ももう切れそうです。
あ、切れちゃった…。
そして、最悪の結末。

「最後の懺悔をして天国へ」とお父さんに告げに来るのがラストシーン。
かなり切実な表情にはなっているけど、他の感情は読み取れません。
罪の意識におののくとか、復讐を遂げた喜びとか。

こんな調子だから、暗い映画ではありません。
彼はたぶん、現代人のある意味代表者なのでしょう。
罪の意識も、愛することも、全部忘れてしまった。
そして、見ている私たちも、彼とどれだけ違うのか、よーく考えなくちゃ。

めぐみー引き裂かれた家族の30年

2006-11-29 20:52:22 | 映画ー劇場鑑賞
2006年 アメリカ クリス・シェリダン 、パティ・キム監督

【解説】
北朝鮮による拉致問題を、横田めぐみさんの拉致事件と残された家族の視点から描いた衝撃のドキュメンタリー。『ピアノ・レッスン』のジェーン・カンピオン監督が製作総指揮を務め、めぐみさん拉致疑惑の真相を究明するために闘い続けた横田夫妻らの姿を追う。日朝間の政治的な問題にも触れながら、拉致という非人道的な行為によって傷つけられた親子間の愛を浮き彫りにする。30年以上にも渡って、娘の生存を信じながら活動を続ける横田夫妻の姿が胸を打つ。

【内容】
1977年11月15日、いつものように学校へ出かけた当時13歳の横田めぐみさんが忽然と姿を消す。一家は帰ってこない娘を探し続け、彼女の無事を祈り続けた。それから30年。その実態が北朝鮮による拉致事件であることが判明。怒りや悲しみに包まれながら闘い続けた一家の捜索活動は、世論を巻き込み、やがて政府をも動かしていく。 (シネマトゥデイ)

【感想】
アカデミー賞も注目するドキュメンタリー映画、アメリカの制作なんですね。

拉致問題のニュースに接する度に、私は国家って何だろうと考えてしまいます。
国家って、国民の生活や生命を守るためにあるのと違うの?
めぐみさんやそのご家族、他の拉致被害者やご家族の心労を思うと、なぜこの問題が未だに解決されないか、とても不思議です。
だって、映画だったら、北朝鮮にいるとわかっている我が子を誰かヒーローが助けにいってくれるでしょう。
当然でしょ。
それが、なぜ…。

この問題を政治問題にするのは間違っている気がします。
なんで、めぐみさんや他の被害者がお米と比べられなくちゃならないのでしょう。
経済報復も違うでしょう。
北朝鮮は「日本だって同じことをした」と言う。
それはそれで、話し合って、謝るべきは謝って。
でも、13歳の少女を拉致していいことには決してならないはずです。

横田ご夫妻の闘いはもう30年も続いているのですね。
北朝鮮はもちろん言語道断ですけど、日本政府も頼りない…冷たい…。

この映画では、めぐみさんのソロの肉声が涙を誘います。
なんて、澄み切った美しい歌声。
でも、泣いてなんかいられないわ。
ご両親がお元気なうちに、めぐみさんを取り戻したい。

この映画、最後に監督夫妻の両親に捧げられていました。
親が子を思う気持ちは、どの国でもどんな人種でも同じですものね。

この映画、日本では、TV局で放送して、世界中でも放送してほしい。
もっと、国連や国際会議の場で上映してほしい。
力のある人もない人も、みんなで見たら、なんかできることが見つかるのじゃないかしら。


幸せだった横田さん一家

アトランティスのこころ

2006-11-29 09:20:27 | 映画ーTV
2001年 アメリカ スコット・ヒックス監督 スティーヴン・キング原作 アンソニー・ホプキンス 、ホープ・デイヴィス 、デヴィッド・モース 、アントン・イェルチン 、ミカ・ブーレム 、アラン・テュディック 、アダム・ルフェーヴル 、トム・バウアー 、セリア・ウェストン 、ティモシー・レイフシュナイダー 、ウィル・ロスハー

【解説】
写真家ボビーのもとに幼なじみの訃報が届く。生まれ故郷に戻ったボビーはそこで、過去の出来事を思い起こす。それは1960年の夏。11歳のボビーは友だちのキャロルとサリーの3人で楽しい毎日を過ごしていた。そんなある日、彼と母親が二人で住む家の二階に新しい下宿人テッドがやって来た。知的で物静かなその老人にはある不思議な力があった。父を早くになくしたボビーは、そんなテッドに特別な親しみを感じていく。しかし、テッドはその不思議な力のために謎の男たちから狙われていた。そして、男たちはすぐそこまで迫っていた……。

【感想】
少年の心の成長を一夏の体験を通して描いた作品です。

子役たちもいいし、アンソニー・ホプキンスも名演ですが、見終わった後、あまり感動が残らないのはなぜかなあ。

テッド(ホプキンス)は結局何者だったのか、謎の男たちの正体は?
その答えがありませんでした。

サリーやキャロルのその後や、主人公の現在もあまり描かれているとはいえません。
ボビーが母親と二人で暮らす孤独や、初恋のキス、三人の森の中の遊び場など、とてもよく描かれていたのに。
キャロルが傷つくところと、母が傷つくところをオーバーラップさせたのは、ちょっと違う気もしました。
傷ついたキャロルを必死で運ぶ姿には、心を打たれました。

少年の日の美しい思い出、という感じで作品をきれいにまとめすぎたのでしょうか。

ソフィーの選択

2006-11-28 12:16:48 | 映画ーTV
1982年 アメリカ アラン・J・パクラ監督 メリル・ストリープ 、ケヴィン・クライン 、ピーター・マクニコル 、リタ・カリン 、スティーヴン・D・ニューマン 、ジョシュ・モステル 、ジョセフ・ソマー 、グレタ・ターケン 、ロビン・バートレット 、ジョン・ロスマン 、デヴィッド・ウォール

【解説】
かけだし作家のスティンゴが、ソフィーというユダヤ人女性と知り合う。彼女には誰にも語ることの出来ない恐るべき過去があった。それは、彼女の人生を大きく左右する第一の選択であった……。ナチスのユダヤ人収容所に端を発する、一人の女性の悲劇を描く力作。

【感想】
ソフィーのような悲劇が二度と繰り返されないようにと、祈るばかりです。
この映画はホロコーストを真正面から描いた映画ではないんだけど、収容所のシーンは人が人でなくなる行為の連続で、神経がマヒしそうです。

ソフィー(メリル・ストリープ)は第二次世界大戦中のポーランド人で、父親は反ユダヤ主義の教授だったにもかかわらず、ナチスは学識者をいっぱひとからげに処刑してしまいました。
自分の父親が反ユダヤ主義だと知った衝撃の上に、処刑という酷い結果。
これがソフィーの悲劇の始まり。

その後、禁止されていたハムを闇で買った罪により、ソフィーは幼い二人の子供とともにアウシュビッツへ送られます。
「どちらかの子供の命を助けてやろう」ドイツ人医師にささやかれ、究極の選択をしてしまうソフィー。
ここのシチュエーションが、私の無知故にか、よくわからないのです。
いくらナチスと言えど、一個人に生かすか殺すか決める権限が与えられていたのか?
しかも、ポーランド人に対して?
この子は罪が全くないわけだし…。
とにかく、このことが生き延びたソフィーのその後の生き方に、重い十字架としてのしかかっていくのです。

この物語は南部から都会に出てきたスティンゴ(ピーター・マクニコル)と言う若い作家によって語られます。
彼の無垢な心が救いの物語でした。

ソフィーと同棲しているネイサン(ケヴィン・クライン)はユダヤ人。
普段は理知的で愉快で、アイデアに溢れた人。
でも、とても精神不安定な人物。
いつも、騒動を巻き起こすのに、憎めない。
やがて、病気がどんどん重くなって、スティンゴとソフィーの仲を邪推して、銃を持ち出して二人を脅迫する。
ネイサンは、平和な世界の心の闇を象徴しているのでしょうか。

スティンゴはソフィーを連れて逃げ出し、プロポーズするが、ソフィーはネイサンの元へ戻り…。
これが、ソフィーの最後の選択です。

この作品でメリル・ストリープはアカデミー賞とゴールデングローブ賞の主演女優賞を獲得しています。

重いテーマの作品だということで、後回しにしてきたけど、見て良かったと思いました。

マイガール

2006-11-28 12:05:31 | 映画ーDVD
1991年 アメリカ ハワード・ジーフ監督
アンナ・クラムスキー 、マコーレー・カルキン 、ダン・エイクロイド 、ジェイミー・リー・カーティス 、グリフィン・ダン

【解説】
 '72年、ペンシルヴェニア州マディソン。ベーダ(クラムスキー)は、葬儀屋を営むやもめ暮しのハリー(エイクロイド)と少し老人性痴呆症気味の祖母と暮らす11才の女の子。遺体に死に化粧を施すために美容師のシェリー(リー・カーティス)が雇われ、ハリーとシェリーは次第に接近して行く。近所に住む幼なじみのトーマス(カルキン)と父の恋の邪魔をするベーダだったが効果は全く無し。やがて、ベーダとトーマスの間にも恋心が芽生えるのだが……。

【感想】
心温まるファミリーコメディーかと思って見ていたら、シリアスな悲しい映画でした。

だって、お父さんがエイクロイドで、お母さんがジェイミー・リー・カーティスだもの、ドタバタがあっても不思議はないでしょう?

主人公のベーダは見かけはとても明るい元気な少女だけど、自分は病気で死ぬと本気で不安に怯えている少女です。

ほんと、物語が急展開していくラストは、涙なくては見られません。
でも、、私が感じたのは、11歳半なのに痛々しいくらい強い娘だということでした。
彼女の置かれた状況を考えると、彼女は強すぎると思いました。

ベーダは辛いことがいっぺんに押し寄せて、家出をして、思い出の木の下で一人で耐えて、心を癒して、自分の問題を克服して帰ってきます。
すごすぎるわ。
私だったら、無理ーと思いました。
もう少し、周りの大人が彼女を支えてあげて欲しかったなあ。

こんなに強い子ばかりなら、世の中、問題がないんだけどね。

ハービー/機械じかけのキューピッド

2006-11-28 11:55:34 | 映画ーTV
2005年 アメリカ アンジェラ・ロビンソン監督 リンジー・ローハン 、マイケル・キートン 、マット・ディロン 、ブレッキン・メイヤー 、ジャスティン・ロング 、シェリル・ハインズ 、ジミ・シンプソン 、ジル・リッチー 、トーマス・レノン 、ジェレミー・ロバーツ 、E・E・ベル

【解説】
人間のように感情を持つ、不思議なフォルクスワーゲン“ハービー”を主人公にしたアクション・アドベンチャー。主演は女優であり歌手として全米で大人気のリンジー・ローハン。共演は『バットマン』のマイケル・キートン、『メリーに首ったけ』のマット・ディロン。監督はこの作品が長編映画2作目となるアンジェラ・ロビンソン。“ハービー”の愛らしい感情表現は要チェック!

【あらすじ】
マギー・ペイトン(リンジー・ローハン)は、卒業式の翌朝、卒業祝いに好きなクルマをプレゼントしてくれるという父親(マイケル・キートン)とともにジャンクヤードへ行く。マギーは自分の気を引こうと必死にアピールしているように感じたスクラップ寸前のフォルクスワーゲンを買ってもらうが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
こちらの作品の方が古いけど、カーズにストリー仕立てが似ていました。

チビのワーゲン、ハービーがかわいい。
元の持ち主のマックスも登場するかと期待していたけど、出てきませんでしたね。

マット・ディロンの悪役、わかりやすくてよかった。
リンジーもかわいいし、ストーリーも無理がなく、楽しめました。

虚栄のかがり火

2006-11-27 12:46:53 | 映画ーDVD
1990年 アメリカ ブライアン・デ・パルマ監督 トム・ハンクス 、ブルース・ウィリス 、メラニー・グリフィス 、キム・キャトラル 、ソウル・ルビネック 、モーガン・フリーマン 、F・マーレイ・エイブラハム 、ジョン・ハンコック 、アラン・キング 、クリフトン・ジェームズ 、ドナルド・モファット 、キルステン・ダンスト 、ケヴィン・ダン 、ノーマン・パーカー

【解説】
アメリカでベストセラーとなったトム・ウルフの原作を基に、ブライアン・デ・パルマが映画化した作品。ウォール街のエリート、マッコイはある日、不倫相手とブロンクスをドライブ中に車で黒人を跳ねてしまう。ひょんなことからこの轢き逃げのネタを仕入れた新聞記者ファローは、偶然マッコイと知り合いになり、記事を書きはじめる。そしてやがて彼の記事はマッコイを追い詰めてゆくのだが……。

【感想】
この映画、あまり評価が高くないようですね。
中身はコメディに近いのに、タイトルが真面目すぎるからでしょうか?

「1990年、トム・ウルフのベストセラー小説の映画化『虚栄のかがり火』が大コケし、再起不能寸前のところまで追い込まれる。日本ではあまり知られていないが、キャスティングや脚本の度重なるリライト、再編集など映画制作を巡るゴタゴタが大々的に報道され、歴史的大失敗作と称された。」(ウィキペディア)

でも、見終わった私は大満足の映画でした。
家でだらだら見たからかしら?

偽証する証人、それをかつぐ検察、それを踏み台に政治家へのし上がろうとする検事総監、弱みを装って賠償金をせしめようとする被害者家族やその尻馬に乗る聖職者。
モーガン・フリーマン扮する判事は、それをみごとに切りまくります。
けれども、ああ、本当に、この世から正義が消えて幾久しい。
こんな判事がいたら天然記念物ものだわ。

裁判の最後に判事が言うセリフ。
「正義は節度、節度はおばあさんに教えてもらうもの、節度は心の問題だ」
そのまま今の日本に来て言ってもらいたいセリフでした。
聞かせたい人がたくさんいます。

本を書いた飲んだくれ新聞記者のピーター(ブルース・ウィリス)だって、虚栄の上にあぐらをかいて生活していたシャーマン(トム・ハンクス)だって、誉められた人生じゃないけど、踏みにじられていいものではありません。
でも、ピーターの惨めな生活も、シャーマンの宇宙の支配者だと思えた一瞬も、あっというまに逆転し、入れ替わってしまうようなものだったのです。
シャーマンには永遠に続くと思っていたすべてのものが、はかない幻のようなものに支えられていただけなのだということが露呈されます。
仕事も、家も、家庭生活も。
逆にピーターにはチャンスの女神の気まぐれとしか思えない、栄光が訪れるのです。

でも、最後にピーターが言う「何もかもを手に入れてそれで魂を失うとしたら…そのとき考えよう」
これが現代人の本音です。
魂よりも、目の前の富が大切。
あさましいけど、それが実態です。
それが、ここまで弱者を踏みつけにしても平気な世の中に成り果ててしまったすべての根源だと思います。

おばあちゃんの忠告を聞かずに、虚栄に走って生きてきたからなあ。
だけども、やっぱり魂はなくしたくないと、切実に思うのです。

あの子役、見たことあると思ったら、やっぱりキルステン・ダンストでした。
メラニー・グリフィス、私はぴったりだと思いました。
あんな人、いそうだわ。

椿山課長の七日間

2006-11-22 18:21:02 | 映画ー劇場鑑賞
2006年 日本 河野圭太監督 浅田次郎原作 西田敏行 、伊東美咲 、成宮寛貴 、和久井映見 、市毛良枝 、桂小金治 、須賀健太 、志田未来 、渡辺典子 、沢村一樹 、綿引勝彦 、伊藤大翔 、松田悟志 、青木崇高 、西尾まり 、茅島成美 、藤村俊二 、余貴美子 、國村隼

【解説】
突然死した中堅サラリーマンが、3日間だけ美女に姿を変えて残された家族の元へ舞い戻るハートフルドラマ。中高年層を中心に大反響を呼んだ浅田次郎の同名小説を、『子ぎつねヘレン』の河野圭太監督がファンタジックに映像化した。主人公の椿山課長には日本映画界を代表する名優の西田敏行、絶世の美女となってよみがえった椿山課長には伊東美咲がふんする。親子の愛や家族の間の秘密など、現世で椿山課長が直面するエピソードの数々が身につまされる。

【あらすじ】
幸せな家庭生活を送る椿山課長(西田敏行)は、勤務先のデパートで脳溢血のために突然死してしまう。しかし、現世に未練を残し死んでも死にきれない椿山は、あの世の“中陰役所”に頼み込み、3日間だけ現世に戻ることを許してもらう。あの世からこの世に舞い戻った椿山は、生前の姿とは似ても似つかない絶世の美女(伊東美咲)に姿を変えられていて……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
笑いながら泣いて、泣きながら笑って、いい映画でした。

「中陰役所」、死んだ年齢のまま天国に行くと言う設定では、悲しむ人も多いでしょうね。
私も、天国では若返れると信じているのに。
赤ちゃんのまま死んだ子供は、これからどうしたい、なんて聞かれても答えられないでしょうね。

西田敏行が須賀健太君のお父さんて、年が違いすぎる!?
25年ローンなんて、西田さんの年齢のサラリーマンには無理じゃない!?とか、
國村隼、市毛良枝さん夫婦のお子さんが志田未来さんて、これも年が??
とか、いろいろ言いたいこともあるし、
うまい役者さんと、下手な役者さんがはっきりしているね、
とかも言いたいけど、大いに笑って、大いに泣かされたから、それも含めて大成功!!な映画でした。

一番笑ったのが、本当の「重大な事実」が明かされたとき。
主人公にとってはすごく深刻なことで、笑っちゃいけないんだけど、場内爆笑でした。

泣いたのは、母と子の再会。
子供を亡くした親は、天使になってでも返ってきて欲しいと思うものでしょうね。
母は自分の産んだ子はどんなに変わっていてもわかりたいと思う、子はわかってもらいたいと思う、そこの人情を見事にとらえたシーン。
これは、母性への憧れですね。
現実はそうとは限らないでしょうが。

余貴美子さん、うまいね。
もらい泣きしました。

成宮寛貴君はとてもセクシーでした。

天に召されるシーンは「ゴースト」を思い出しました。
フィクションとわかっていても、崇高な気持ちになりました。

和久井映見さんみたいな天使が迎えてくれるなら、死ぬのも辛くなさそうです。

迷い婚 -すべての迷える女性たちへ-

2006-11-21 11:57:40 | 映画ーDVD
2005年 ロブ・ライナー監督 ジェニファー・アニストン 、ケヴィン・コスナー 、シャーリー・マクレーン 、マーク・ラファロ 、リチャード・ジェンキンス 、ミーナ・スヴァーリ

【解説】
結婚に踏み切ったものの、ためらう気持ちが強くなった女性が、自分の母親の駆け落ち相手を探す旅に出るヒューマンドラマ。主演は大ヒットした海外ドラマ「フレンズ」シリーズのジェニファー・アニストン。共演者にはケヴィン・コスナーやシャーリー・マクレーンら豪華スターが脇を固める。監督は『あなたにも書ける恋愛小説』のロブ・ライナー。結婚前の女性の微妙な心情を見つめたリアルな設定に、コミカルなストーリー展開を絡めた軽妙な味わいが見どころ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
ジャーナリストのサラ(ジェニファー・アニストン)は恋人のジェフ(マーク・ラファロ)との結婚を決めるが、心の中にはまだ迷いがあった。そんな折、祖母のキャサリン(シャーリー・マクレーン)から30年前に死んだサラの母が、結婚式の数日前に若い男と駆け落ちした事実を聞かされる。その真相を解明することは“自分探しの鍵”となるかもしれないと思ったサラは、母の同級生のボウ(ケビン・コスナー)を訪ねる旅に出る……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
マーク・ラファロみたいな誠実な(しかも弁護士の)恋人がいて、何を迷っているのよ!!
と叫びたいのを押さえて、押さえて。

ジェニファー・アニストンがかわいい。

この映画、原題は「Rumor its is…」うわさによれば…ということらしい。
映画のはじめにも「噂に基づく」と断ってあります。
そこから、もうわくわくが始まります。
噂というのは、「卒業」。
あれが実話らしい、しかも、パサディナで起こった事件が題材らしい、では、誰のことだろう、どの家?と、おしゃべり雀の噂が治まった、30数年後から、この物語は始まります。

妹の結婚式に久しぶりに古里へ帰ったサラは、なんか落ち着きません。
結婚を申し込まれて、踏み切れないのは、自分のアイデンテイティに問題ありかも、と考えます。
母親が結婚1週間前に家出して、ボー(ケビン・コスナー)という同級生とメキシコで過ごしたという事実を聞いて、ボーに会いにいきました。

ケヴィン・コスナー、ちょっと年とった?

そして、その事実を認め、「卒業」のモデルということも認めるけど、果たして自分は彼の子供なのか?
ますます混乱して行くサラ。

シャーリー・マクレーン、健在なり。

じゃあ、アン・バンクロフトはおばあちゃん(シャーリー・マクレーン)なの?!

登場人物をオリジナルと重ねるだけで楽しい。
音楽もうまく導入に使っているし、「卒業」に思い入れを持つ世代にはたまりません。

これは、単純にラブコメディと見ては納得いかないかもしれない。
特に男性はサラの行動を許せないかもしれない。
でも、まあなにしろ元の話が噂だからね、大目に見ましょう。
ジェフ(マーク・ラファロ)がいいと言っているんだから。

と言うわけで、この邦題も「噂によれば…」にしておいて欲しかったなあ。

マーク・ラファロ、夫にしたい俳優ナンバ-1だわ。
誠実そうでしかもセクシー。

キャシー・ベイツが出ていました。
ちょっとした役でも、すごい存在感。

キス★キス★バン★バン

2006-11-21 11:39:33 | 映画ーDVD
2000年 イギリス スチュワート・サッグ監督 ステラン・スカルスガルド 、クリス・ペン 、ポール・ベタニー 、ピーター・ヴォーン 、ジャクリーン・マッケンジー 、アラン・コーデュナー 、マルティン・マカッチョン 、シエンナ・ギロリー

【解説】
フィリックスはかつて、このロンドンを根城に活動する組織の中でNo.1の殺し屋だった。だが、最近歳と共に腕の衰えを自覚してきた彼は、25年務めてきたこの稼業から足を洗うことを決意、弟子ジミーに後を継がせて引退する。しかし、“殺し屋は死ぬまで殺し屋”という掟を破ったとして組織のボスはフィリックスの殺害を画策する。その頃、フィリックスは生活していくために新たな職に就こうとしていた。知り合いのアンティーク密輸業者に持ちかけられたその仕事とは、33年間一歩も外に出すことなく大事に育てられた息子ババの子守というものだった。

【感想】
実は、間違って借りたんです。
見たかったのは2005年の「キスキスバンバン」でした。
でも、怪我の功名、この映画も面白かった。

ステラン・スカルスガルド の冴えない殺し屋、男の哀愁がいいわ。
33年間一度も家を出たことがないというババ(クリス・ペン)もよかった。
この冴えない二人が絶妙です。
ババの登場シーンは、「千と千尋~」のぼうを思い出しました。

背景もなかなか素敵です。
主人公に色も花もないからか、お部屋はシックで色使いがとても素敵でした。
恋人の部屋はグリーン、隠れている部屋はブルーと色の使い方もおしゃれ。
クライマックスはお花が一杯の歌壇だし、寂しい男の物語に色を持ち込んだセンス、素敵です。

ポール・ベタニーがフィリックスの弟子で、必死にフィリックスを守る役です。
影法師みたいな彼の役どころにもジーンときました。
すごくハンサムに見えました。
不思議がることもないですが。

クリスは今年のはじめに亡くなっているんですね。
薬物乱用と心臓の病気が原因と言われています。
お兄さんのショーン・ペンと全然違うキャラクターでいい役者さんだったのに…
この映画でも、太り過ぎは気になりました。

「ラブ・アクチュアリー」でヒューの秘書をやっていたマルティン・マカッチョンが明るいお色気を見せてくれていました。