ービッグ・アイズーBIG EYES
2014年 アメリカ 106分
監督=ティム・バートン キャスト=エイミー・アダムス (マーガレット・キーン)クリストフ・ヴァルツ (ウォルター・キーン)ダニー・ヒューストン (ディック・ノーラン)ジョン・ポリト (エンリコ・バンドゥッチ)クリステン・リッター(ディーアン)ジェイソン・シュワルツマン(ルーベン)テレンス・スタンプ(ジョン・キャナディ)
【解説】
世界中でブームとなった絵画シリーズをめぐり、実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻が引き起こした事件の行方を描く伝記作品。妻が描いた絵を夫が自分名義で販売し名声を手にしていたことから、アート界を揺るがす大スキャンダルへと発展していく。監督は、自身もBIG EYESシリーズのファンであるティム・バートン。マーガレットに『アメリカン・ハッスル』などのエイミー・アダムス、夫ウォルターをオスカー俳優クリストフ・ヴァルツが演じる。
【あらすじ】
1950年代から1960年代にかけて、哀愁漂う大きな目の子供を描いた絵画「BIG EYES」シリーズが世界中で人気を博す。作者のウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)は一躍アート界で有名人になるものの、何と実際に制作していたのは内気な性格の妻マーガレット(エイミー・アダムス)だった。自身の感情を唯一表現できるBIG EYESを守るため、マーガレットは自分が描いたという事実の公表を考え……。(シネマトゥデイ)
【感想】
ティム・バートン監督作品ですが、ティム監督色というのはあまり濃くなかった気がしました。
そういう意味では普通な感じ。
とにかく、胡散臭さの良く似合うクリストフ・ヴァルツの独壇場という感じの作品でした。
エイミー・アダムスもうまいしね。
役者に助けられた部分が大きいんじゃないかな?
まず、マーガレット(エイミー・アダムス)が娘を連れて最初の夫から逃げ出すシーンから始まります。
職探しをするが、女が子供を育てながら働くというシステムが社会にない時代。
街頭で似顔絵を描き始めます。
なぜか、どの作品も大きな目が特徴に。
その才能に気が付いたのがウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)。
自分も絵を描くものの、才能がないのは自覚している様子。
でも、絵で成功するのが夢のようです。
マーガレットに近づいて、結婚。
彼女の絵を売ろうと努力します。
やがて買い手が付いたときに、「それは自分が描いた」と、サインもキーンと入れます。
マーガレットも抗議しようとしますが、ウォルターに「女の描いた絵なんか売れるか」と言われ、受け入れます。
そこから、マーガレットは自分の娘にも秘密で絵を描き続けることに。
名声を得たウォルターは、絵をポスターやカードにして売り始めます。
いまでは当たり前のことですが、これが始まりなんですね。
マーガレットは、偽りの人生に耐えられなくなり、すべてを投げ出してハワイに渡ります。
宗教と出会い、自分を取り戻すために裁判をして、ウォルターに勝訴。
卑劣なウォルターの所行が世間にしれ、ウォルターは世の中から忘れられて行きます。
マーガレットは生きるのに不器用な人で、ウォルターに出会わなければ、絵の才能にも気づかれなかった気がします。
ウォルターは反対に器用すぎる人で、たいていの人からは信用されないような人。
この二人が起こした化学反応のような事件。
才能があるということと、売れることとのギャップを感じた作品でした。
何度も言いますが、クリストフ・ヴァルツの演技が素敵です。
嫌みな人間をこんなにチャーミングに演じられるなんて、すごい。