マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

サブウェイ123 激突

2011-01-29 09:16:44 | 映画ーDVD

ーサブウェイ123 激突ーTHE TAKING OF PELHAM 1 2 3

2009年 アメリカ デンゼル・ワシントン(ウォルター・ガーバー)ジョン・トラヴォルタ(ライダー)ジョン・タートゥーロ(カモネッティ警部補)ルイス・ガスマン(レイモス)マイケル・リスポリ(ガーバーの上司ジョンソン)ジェームズ・ガンドルフィーニ(ニューヨーク市長)

 

【解説】

1974年の『サブウェイ・パニック』を『デジャヴ』などのイギリスの名匠、トニー・スコット監督がリメイクしたサスペンス。突如何者かにハイジャックされたニューヨークの地下鉄を舞台に、犯人グループとの身代金交渉を臨場感たっぷりと見せる。頭の切れる武装グループのリーダーを演じるジョン・トラヴォルタと、彼との交渉役を務める地下鉄職員役のデンゼル・ワシントンの頭脳戦も必見! 逃げ場のない地下鉄内での先の読めない展開に目が離せない。

 

【あらすじ】

午後2時、ニューヨーク地下鉄運行指令室で働くガーバー(デンゼル・ワシントン)は、ペラム発123分の電車が緊急停止したことに気付く。しかも、その電車はなぜか1両だけほかの車両と切り離されて停止していた。胸騒ぎを覚えたガーバーが無線連絡すると、ライダー(ジョン・トラヴォルタ)と名乗る男が人質19名の命と引き換えに、残り59分で1,000万ドルを市長に用意させるよう要求してくる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「サブウェイパニック」のリメイクだそうです。

オリジナルも見ていないのですが、この作品の見所は、パニックや激突と言うものではなく、ニューヨーク地下鉄運行指令室で働くガーバー(デンゼル・ワシントン)と、地下鉄乗っ取り犯のリーダー・ライダー(ジョン・トラヴォルタ)との緊張感溢れる会話です。

ガーバーは管理職でしたが、ある背任行為の疑いで降格させられ、この日も司令室で働いていました。

地下鉄乗っ取り事件が起こり、突然ガーバーのイヤホンにライダーの声が飛び込んできたのです。

ライダーはガーバーを気に入り、交渉役に選びました。

こうしてガーバーは、乗客を救うべく、凶悪犯人のライダーと交渉することになってしまいました。

 

さすが、名優対決、面白かったです。

 

ガーバー役のデンゼルは、少しでっぷりして小市民的な人物が、英雄になっていく様子を、繊細に演じていました。

対するライダー役のトラボルタは、無法者を生き生きとのびのびと演じているように思いました。

 

 

ただ、ラストはもう少し、盛り上がって欲しかったなあ。

ちょっと物足りなく感じてしまいました。


特攻野郎Aチーム THE MOVIE

2011-01-29 09:11:17 | 映画ーDVD

ー特攻野郎Aチーム THE MOVIETHE A-TEAM

2010年 アメリカ

ジョー・カーナハン監督 リーアム・ニーソン(ハンニバル(ジョン・スミス大佐))ブラッドリー・クーパー(フェイス(テンプルトン・ペック))クイントン・ランペイジ・ジャクソン(B.A.(B・A・バラカス))ジェシカ・ビール(ソーサ)シャールト・コプリー(マードック(H・M・マードック))パトリック・ウィルソン(リンチ)

 

【解説】

1980年代にアメリカで人気を博したテレビドラマ「特攻野郎Aチーム」を映画化したアクション大作。無実の罪で投獄された“Aチームと呼ばれる元特殊部隊の4人のメンバーたちがその汚名を晴らすため、国家に挑む姿を活写する。チームのリーダーを演じるのは、『96時間』のリーアム・ニーソン。その部下を『バレンタインデー』のブラッドリー・クーパーが演じている。命知らずの男たちによるド派手なアクションに目がくぎ付けになる。

 

【あらすじ】

1年前、スミス大佐(リーアム・ニーソン)率いる元特殊部隊員で編成されたAチームの精鋭たちが、ある陰謀に巻き込まれて逮捕される。だが、スミス大佐をはじめ、部下のテンプルトン・ペック(ブラッドリー・クーパー)や、HM・マードック(シャールト・コプリー)らは刑務所から脱獄。彼らは再集結し、おのれの身の潔白を証明しようとする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

借りてから2回も見ちゃいました。

面白いよ。

 

テレビドラマのタイトルくらいは聞いていたけど、見たことはありませんでした。

この映画では、4人の特攻チームの出会いから見せてくれます。

 

冷静沈着、あらゆるシーンで完璧な作戦を立てるタフなハンニバル(リーアム・ニーソン)がリーダー。

どんな逆境でも、彼の作戦には不可能はありません。

 

相棒格はフェイス(ブラッドリー・クーパー)。

驚異のもて男で、物資調達の達人。

 

B.A.(クイントン・ランペイジ・ジャクソン)はどんな乗り物でも乗りこなす運転技術だけど、空の乗り物だけは苦手。

いつもだまされて乗せられてしまう。

 

マードック(シャールト・コプリー)は、精神に異常をきたしているんだけど、それは演技なのか?

航空機を操縦させれば天才的。

クレイジーなのかいい人なのか、つかみきれないキャラクターです。

「第9地区」の役者さんです。

 

この4人が、胸のすくような活躍を見せてくれるのですが、それは物語の発端でしかありませんでした。

 

成功の陰に、4人を地獄に落としてしまうような、恐ろしい陰謀に巻き込まれてしまいます。

汚名を着て刑務所に送られる4人。

 

4人は汚名をそそぎ、真犯人にたどり着くことができるのでしょうか?

パトリック・ウィルソン(CIAエージェント・リンチ)の悪役もなかなかいいです。

フェイスの元恋人のソーサ(ジェシカ・ビール)のクールさも素敵でした。

 

お楽しみくださいね。

 


わが心の歌舞伎座

2011-01-21 10:42:04 | 映画ー劇場鑑賞

ーわが心の歌舞伎座ー

2010年 日本

監督=十河壮吉

 

【解説】

伝統芸能・歌舞伎の殿堂として親しまれ、東京・中央区にあった歌舞伎座の知られざる全ぼうに迫るドキュメタリー。2009年、老朽化による建て替え工事を受けて歌舞伎座のさよなら公演がスタート、2010430日の閉場式までの間にも数々の名舞台が生まれ続け、その舞台裏にカメラが密着。その舞台に出演した名優たちが歌舞伎座への思いを語りながら、本邦初公開のけいこ風景や舞台の制作現場、楽屋の様子なども映され、歌舞伎の神髄に迫る。

 

【感想】

名実共に代表的な歌舞伎劇場として知られる東京・中央区にある歌舞伎座が、新築工事のために2010430日をもって休館した。数々の名舞台を生み出してきた役者たち、観客、関係者を含めた全員の万感の思いと共に歌舞伎座は幕を閉じ、2013年春5代目の歌舞伎座誕生に向けて新たに動き出す。

(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私は東京の歌舞伎座へは数えるほどしか行ったことはありませんが、りっぱな劇場だということは知っています。

 

歌舞伎座が現在の場所に建ったのは、1889年のことです。

その後、1921年に漏電による火災のために焼失し、1923年の関東大震災で再建工事が中断したりしましたが、1925年に新築しました。

 

1945年、第二次世界大戦中の東京空襲でふたたび全焼。

戦後、1949年ようやく株式会社歌舞伎座が設立され、松竹から譲り受けて復興工事が行われることとなった。

1950年竣工、1951年(昭和26年)に興行を開始した。

 

そして、このたび、4度目の立て替えが決定し、歌舞伎座取り壊しが決まりました。

この26年から今日までを忍び、歌舞伎役者がたくさん登場して、それぞれの思いを語って行きます。

 

その間に、歌舞伎座の建物の紹介、裏方さんの紹介、舞台裏、日常などの映像を織り交ぜて、3時間弱、とてもいいドキュメンタリーに仕上がっていました。

 

私もそこにいるような、歌舞伎座の歴史を経験してきたような、深い感動に包まれました。

 

先日「壽初春大歌舞伎」を見たばかりだったので、感慨深く見ました。

よかったです。

誘ってくださったキヨちゃん、ありがとうございました。

 

キヨちゃんごひいきの片岡仁左衛門さん。

若々しい!!

相変わらずいい男ですねー。

 

 

大好きな中村勘三郎さん。

語る口調は「勘九郎ちゃん」と声をかけたい気分でした。

 

 

中村吉右衛門さん。

この方もかっこいいですねー。

 

 

坂東玉三郎さん。

言わずと知れた当代1級の女形。

この作品でも紹介されていましたが、代表作の壇浦兜軍記』の阿古屋(あこや)見たいです!!

 

 

先日「壽初春大歌舞伎」でも拝見しました、松本幸四郎さん。

よかったなあ。

 


 

1月3日に亡くなられた中村富十郎さん。

ご冥福をお祈りします。

 


 


スケアクロウ

2011-01-21 10:33:16 | 映画ーDVD

ースケアクロウーSCARECROW

1973年 アメリカ

ジェリー・シャッツバーグ監督 ジーン・ハックマン(マックス・ミラン)アル・パチーノ(フランシス・ライオネル(ライオン)・デルブッキ)ドロシー・トリスタン(コーリー)アイリーン・ブレナン(ダーリーン)リチャード・リンチ(ジャック・ライリー)アン・ウェッジワース(フレンチー)ペネロープ・アレン(アニー)

 

【解説】

ホモ・セクシュアルではない、男同士の深い友情を描いたアメリカン・ニューシネマの傑作。出所したばかりのマックスは、南カリフォルニアの道路で、同じくヒッチハイクをしていたライオンと知り合う。ライオンは5年ぶりに帰ってきた船員で、自分の居ない間に生まれた子供に会うため、妻のもとに向かう途中だという。意気投合した二人は、共に行動することにしたが……

 

【感想】

学生時代に名画座で見たと思います。

アル・パチーノもジーン・ハックマンも知らなかったけど、すごく感動しました。

アメリカン・ニューシネマにはまっていたときです。

 

見直してみました。

やはり、いい映画でした。

 

ふたりのアウトローが出会い、旅をするロードムービーです。

「真夜中のカウボーイ」に似ていました。

 

この二人の取り合わせが絶妙です。

マックス(ジーン・ハックマン)は、他人を信じず、無口で短気でけんかっ早い。

何度もケンカをしては刑務所に入れられるという人生。

お金は貯まったので、出所を契機に、ピッツバーグで新しいビジネスをしようと思っていた。

 

ライオン(アル・パチーノ)は船乗り。

お腹の大きい恋人を残して長い船旅に出て行ってしまった自分に、後悔していた。

生まれたであろう子供へのお土産を持って、デトロイトへと向かう途中だった。

 

同じ場所でヒッチハイクを試みていた二人。

ライオンが、最後のマッチをマックスのために使ったことがいたく気に入ったマックス、ライオンに共同事業を持ちかける。

デトロイトに寄ることを条件に快諾するライオン。

でこぼこコンビの誕生です。

 

二人は容姿も対照的ですが、人物像も対照的、考え方も対照的です。

 

持っている服を何枚も重ねて着て、猜疑的で人を寄せ付けず、神経質なマックス。

いつもおどけていて、軽口をたたき、人懐っこくて争いごとの嫌いなライオン。

 

旅を続けるうちに、お互いがお互いを必要として行く様子がひしひしと伝わってきて、観客の胸を打ちます。

 

ライオン「スケアクロウ(かかし)って、なんでカラスが来ないか知ってる?」

マックス「怖いと思うからだろう?」

ライオン「違うよ。あんな面白い顔して、面白いかっこうして、怖いはずがないじゃないか。あんな面白いものを立てているお百姓はきっといい人なんだろうから、畑を荒らすのは止めようと、思うんだよ」

 

やがて、マックスはこの話の真意を悟り、スケアクロウとなって生き方を変えていくのです。

ライオンがマックスにとってかけがえのない人間に変わって行くー人間って素晴らしいなあと思う瞬間です。

 

人間の弱さと、友情の大切さ、人間同士の絆の強さなど、この映画は結末を表していないんだけど、それだけに余韻が残ります。

 

やはり、名作でした!!


しあわせの雨傘

2011-01-17 10:05:36 | 映画ー劇場鑑賞

ーしあわせの雨傘ーPOTICHE

2010年 フランス

フランソワ・オゾン監督 カトリーヌ・ドヌーヴ(スザンヌ・ピュジョル)ジェラール・ドパルデュー(モリス・ババン)ファブリス・ルキーニ(ロベール・ピュジョル)カリン・ヴィアール(秘書ナデージュ)ジュディット・ゴドレーシュ(ジョエル)ジェレミー・レニエ(ローラン)

 

 

【解説】

ジョギングが日課の裕福な妻が、心臓発作で倒れた夫の代わりに雨傘工場を任されたことで意外な才覚を発揮していく人間ドラマ。フランソワ・オゾン監督とカトリーヌ・ドヌーヴが『8人の女たち』以来のタッグを組み、一人の主婦が問題を乗り越えながら自分の居場所を見つける姿を、コミカルな演出を交えながら描く。ジャージ姿や歌声を披露する大女優カトリーヌのコケティッシュな魅力満載で、涙あり笑いありの女性賛歌に共感必至。

 

【あらすじ】

スザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)は毎朝のジョギングが日課の幸せなブルジョワ妻だったが、ある日、雨傘工場を運営する夫ロバート(ファブリス・ルキーニ)が心臓発作で倒れ、雨傘工場を切り盛りすることに。亭主関白の夫の下で押し黙る日々を送っていた彼女だったが、子ども、昔の恋人、工場の従業員たちの協力を得て予想外の本能が目覚めていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

フランソワ・オゾン作品は、好き嫌いがあったし、コメディーも一皮肉がきついんじゃないかと危惧しながら見ましたが-。

 

面白かったですよー。

くすくす笑いがいっぱいでした。

 

 

まず最初から、真っ赤なジャージーを着て鼻歌まじりでジョギングするスザンヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)。

彼女の父の後を継いで雨傘工場を経営する夫・ロバート(ファブリス・ルキーニ)のために朝食を用意しても、夫は「使用人に任せておけばいい、君は飾り壺でいいんだ」と侮辱的。

 

時は、1979年。

フランスでも、男の人の意識はこんな感じだったのですねー。

 

娘のジョエル(ジュディット・ゴドレーシュ)は結婚して子供が2人いるけど、夫は仕事が忙しく不在がちで離婚まで考えています。

 

息子のローラン(ジェレミー・レニエ)は学生でアートに関心を持ち、経営には無関心です。

 

☆ネタバレ

そんなときに、工場では労働争議が起き、ロバートは労働者と対立し、監禁され、そんな中で脳の発作を起こして入院を余儀なくされました。

急遽経営者として工場に関わることになったスザンヌ。

父の経営を幼い頃から見ていたこともあって、自分でも気づかなかった経営の才能に目覚めます。

 

昔の恋人で今は市長になっているモーリス・ババン(ジェラール・ドパルデュー)の協力も得て、労働争議も治まりました。

子供たちも適材適所に配置して、経営は順調。

 

ロバート(左)とババン

 

でも、ロバートはババンを思想的な敵と憎んでいるし、ローランはロバートの隠し子を婚約者と言うし、問題は山積み。

 

いよいよ、ロバートが退院してきて、それぞれの問題が思いがけない方向へと展開して行きます。

 

経営方針が違うスザンヌは、夫と対立しても工場の経営権を得ようとしますがー。

 

ほんと、波乱に継ぐ波乱で飽きないです。

スザンヌのバイタリティーはすごいです。

いいなあ、カトリーヌ・ドヌーブ。

私は見損なったのですが、「徹子の部屋」に出ておられたようですね。

 

この邦題は明らかに「シェルブールの雨傘」を意識しているのでしょうが、原題の「POTICHE」は飾り壺という意味のようです。

何度も繰り返される飾り壺というキーワード。

スザンヌを表している言葉ですが、最後にロバートは「飾り壺だけど、中身が詰まっている」と言いました。

 

とうとう自分の個性を夫に認めさせたスザンヌ、ほんとすごい女性でした。

男がバカに見える作品。

女性必見です。

 


RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

2011-01-17 09:34:08 | 映画ーDVD

RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語ー

2010年 日本

監督=錦織良成 中井貴一(筒井肇)高島礼子(筒井由紀子)本仮屋ユイカ(筒井倖)三浦貴大(宮田大吾)奈良岡朋子(筒井絹代)橋爪功(一畑電車社長 大沢悟郎)佐野史郎(一畑電車運輸営業部長 石川伸生)宮崎美子(絹代の介護士 森山亜紀子)遠藤憲一(京陽電気・工場長 川平吉樹)中本賢(肇の同級生 西田了)甲本雅裕(一畑電車運転手(指導係) 福島昇)渡辺哲(一畑電車車輌課長 高橋晴男)緒形幹太(一畑電車運転士 薮内正行)石井正則(一畑電車司令室 田窪利和)笑福亭松之助(絹代の同級生 長岡豊造)

 

【解説】

仕事に追われ、家族を省みることのなかった50歳目前の男が、ふと人生を振り返り、幼いころの夢を追い求め始める感動ストーリー。監督は『白い船』などで知られる島根出身の錦織良成。主人公の男を『亡国のイージス』の中井貴一、その妻を「天地人」の高島礼子、娘を『ドロップ』の本仮屋ユイカが演じている。一畑電車の走る島根の風土を描きながら、家族や仕事といった人生の普遍的なテーマを扱った深遠なストーリーが感動を呼ぶ。

 

【あらすじ】

大手家電メーカーで数々の実績を積み上げ、50歳を目前にしながら仕事に追われる日々を送る肇(中井貴一)。一人暮らしの母が倒れたのをきっかけに故郷へ戻った彼は、一畑電車の運転手になるという幼い頃の夢を思い出し、採用試験に応募してみる。そして、年齢のハンディーを乗り越えて試験に合格した肇は運転手となるが……

 

【感想】

去年、島根に旅行した時、島根出身のツアー企画者が「これが映画化された一畑電車の駅です」と案内してくれました。

その時から、見たかった映画、ようやく見ることができました。

 

肇(中井貴一)は大手家電メーカーでやり手として、ばりばり働いていた。

取締役に大抜擢という話の引き換えに、ひとつの工場閉鎖の知らせを現場に持って行った。

工場長は京陽電気・工場長、川平吉樹(遠藤憲一)は親友だった。

 

そんなときに、島根で行商をしている母(奈良岡朋子)が倒れたという知らせが。

あわてて帰ると、肇を追いかけるように、川平が交通事故で亡くなったと言う知らせが飛び込んできた。

 

揺れ動く気持ちでいる肇の前に、一畑電車が運転士を募集していることを知り、自分の幼い頃の夢が電車の運転手だったことを思い出した。

 

☆ネタバレ

憧れの運転士になった肇だが、ハーブティーの店を始めたばかりの妻(高島礼子)とは、別居生活となる。

就職を控えた一人娘(本仮屋ユイカ)にも影響を与えることとなった。

 

そんな一家の変化に加えて、同期で入社した運転士・宮田(三浦貴大)との関わりなどが軸になって、人々の人情が語られる秀作でした。

 

島根は、日本のふるさとの原点みたいな場所です。

その豊かな風景の中を走って行く電車。

とても郷愁が誘われる作品でした。

 

よかったですよ。

 

三浦貴大さんて、山口百恵さんの次男なんですって。

どうりで「素敵な新人さん」と思いました。

頑張って欲しいですね。

 


ウルトラ I LOVE YOU!

2011-01-17 09:31:52 | 映画ーDVD

ーウルトラ I LOVE YOU!ALL ABOUT STEVE

2009年 アメリカ

フィル・トレイル監督 サンドラ・ブロック(メアリー)ブラッドリー・クーパー(スティーブ)トーマス・ヘイデン・チャーチ(ハートマン)

 

【解説】

「あなたは私の婿になる」のサンドラ・ブロックが愛する男性にどこまでも猪突猛進のエキセントリック・ヒロインを怪演したドタバタ・ラブ・コメディ。共演は「ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」のブラッドリー・クーパー。クロスワードパズル作家のヒロイン、メアリーは、ブラインドデートでニュースチャンネルのTVカメラマン、スティーブと出会い一目ぼれ。突然スイッチが入った彼女は、相手の気持ちなどお構いなしに猛烈アタック。スティーブをドン引きさせているとも気づかず、全米を飛び回る彼の仕事現場にストーカー顔負けの神出鬼没ぶりで現われるメアリーだったが。(allcinema ONLINE

 

【感想】

去年のアカデミー賞でサンドラ・ブロックは、「しあわせの隠れ場所」で主演女優賞を獲得したものの、この「ウルトラ I LOVE YOU!」では、その前日ラジー賞でワースト主演女優賞に選ばれ、W受賞ということになったことでも話題の映画です。

 

サンドラのアカデミー賞授賞式のスピーチはとても素晴らしかったですが、ラジー賞にもちゃんと出席してスピーチをして、「ちゃんと見てね」と言いながら、このDVDをみんなに配っていたのが印象的でした。

 

この映画のヒロイン・メアリー(サンドラ・ブロック)は、クロスワードパズル作家で、30代半ばだと言うのに、両親と同居している。

 

アメリカでは、こんなにも両親と同居していることが咎められる社会なんだなあ。

職場でも、友達からも変人扱い。

 

両親も心配してブラインドデートを企てた。

気乗りしないメアリーだったが、現れたのはテレビカメラマンのスティーブ(ブラッドリー・クーパー)。

メアリーは一目で気に入り、スティーブの気持ちも確かめないで惚れ込んで行く。

 

こうなるとほとんどストーカー。

スティーブが取材で訪れるところへ押しかけて行きます。

 

一途でクレージーな感じがサンドラにぴったり。

理想の人に出会えたんだから、逃してはならないという切ないまでの一途さが伝わってきました。

 

しかも、ラブコメにありがちなハッピーエンドではなく、メアリーのようにちょっと痛い系の人たちにも優しいまなざしがあって、私はいいエンディングだったと思いました。

 

この作品、サンドラにはラジー賞をもらったことも含めて、いい作品だったんじゃないかな?

 


ウエディング宣言

2011-01-14 08:54:00 | 映画ーDVD

ーウエディング宣言ーMONSTER-IN-LAW/DAS SCHWIEGERMONSTER

2005年 アメリカ/ドイツ 

ロバート・ルケティック監督 ジェニファー・ロペス(チャーリー)ジェーン・フォンダ(ヴィオラ)マイケル・ヴァルタン(ケヴィン)ワンダ・サイクス(ルビー)アダム・スコット(レミー)モネット・メイザー(フィオナ)アニー・パリッセ(モーガン)

 

【解説】

ベテラン女優ジェーン・フォンダが久々のスクリーン復帰を果たしたことでも話題のロマンティック・コメディ。ジェーン・フォンダ扮する女性が、息子の結婚を阻止しようと相手の婚約者と壮絶な嫁姑バトルを繰り広げるさまをコミカルに描く。共演は「Shall we Dance? シャル・ウィ・ダンス?」「ウェディング・プランナー」のジェニファー・ロペス。監督は「キューティ・ブロンド」のロバート・ルケティック。(allcinema ONLINE

 

【感想】

かつて嫁であって、今は姑の私。

この作品は、「私のことやー!」と思えるいろんな要素が詰まった痛快コメディーでした。

 

派遣社員でなんでもこなすチャーリー(ジェニファー・ロペス)。

犬の散歩係、医院の受付、ケータリングのお手伝い。

本当はアーティスト志望です。

 

ある日、素敵な男性に1日で2度で会うという体験をした。

3度目には会話をかわした。

ケヴィン(マイケル・ヴァルタン)は外科医だった。

でも、彼のガールフレンドが告げ口「彼はゲイだよ」って。

 

次の日、ケヴィンから電話があった。

「ゲイなのになんで?」

 

また、犬の散歩中に彼に出会った、誤解が解けた。

ガールフレンドはやきもちから嘘を言ったのだ。

二人はラブラブになった。

 

ケヴィンには、有名なジャーナリストの母ヴィオラ(ジェーン・フォンダ)がいた。

超セレブ。

しかし、長年続けてきた番組を降板させられ、凶暴な神経症に。

 

ヴィオラは、生き甲斐を失ってケヴィンと一緒に暮らそうと考えていた。

そこへ突如現れた息子の彼女。

しかも、目の前でプロポーズ。

病み上がりのヴィオラにはあまりに刺激が強すぎた。

 

ヴィオラの攻撃が始まったー。

 

最後には、ヴィオラの上を行く大姑が登場して、お話はさらに盛り上がります。

 

息子には息子の人生がある。

わかっているけどねー。

 

辛いわ。笑!!

 

ジェーン・フォンダが15年ぶりにスクリーンに復帰した映画だそうです。

彼女の勢いが伝わります。

面白かったですよ。


空気人形

2011-01-14 08:49:28 | 映画ーDVD

ー空気人形ー

2009年 日本

監督=是枝裕和 キャスト=ペ・ドゥナ(空気人形)ARATA(レンタルビデオ屋の従業員・純一)板尾創路(空気人形の持ち主、ファミレス従業員・秀雄)高橋昌也(元高校国語教師・敬一)余貴美子(受付嬢)岩松了(レンタルビデオ屋の店長・鮫洲)星野真里(OL・美希)丸山智己(萌の父親・真治)奈良木未羽(小学生・萌)柄本佑(浪人中の受験生・透)寺島進(交番のおまわりさん・轟)

 

【解説】

『歩いても 歩いても』などの是枝裕和監督が、業田良家原作の短編コミック「ゴーダ哲学堂 空気人形」を映画化した切ないラブストーリー。心を持ってしまった空気人形と人間の交流を温かく見守る。『グエムル -漢江の怪物-』のペ・ドゥナが空気人形役を熱演。共演者も『蛇にピアス』のARATAや『ニセ札』の板尾創路ら個性派が顔をそろえる。国際的撮影監督、リー・ピンビンのカメラによる情緒豊かな東京の風景と、人形の純粋さに夢中になる。

 

【あらすじ】

レトロなアパートで秀雄(板尾創路)と暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)に、ある日思いがけずに心が宿ってしまう。人形は持ち主が仕事に出かけるといそいそと身支度を整え、一人で街歩きを楽しむようになる。やがて彼女はレンタルビデオ店で働く純一(ARATA)にひそかな恋心を抱き、自分も彼と同じ店でアルバイトをすることに決めるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

評価は高そうですが、私にはエロすぎました。

ペ・ドゥナさん、よく出演したなあ。

 

映画館へ見に行くのをためらったけど、もしかしたらとほのかな期待はありました。

でも

 

「ラースとその彼女」とは全然違いました。

また、「幸福の王子」みたいなのかなあ、とも思ったけど、違いました。

 

☆ネタバレ

一人暮らしの中年男、秀雄(板尾創路)は「のぞみ」と名付けた空気人形をかわいがっていた。

まるで、そこに本物の恋人がいるように。

その空気人形(ペ・ドゥナ)が、ある日人間の心を持ってしまった。

そして、レンタルビデオ屋の店員純一(ARATA)に恋をして、この店の従業員として働き出した。

 

夜は、空気人形として秀夫と暮らし、昼はのぞみとして恋人と働く。

 

もう、これで痛すぎました。

心を持ったら、秀夫とは暮らせないだろう…。

 

これからは破滅の一途。

 

私には理解できないんだけど、純一を殺してしまって、ゴミ袋に入れてゴミとして出してしまう。

そして、自分もゴミになるんだけど、後半ははっきりいってよくわかりませんでした。

 

ファンタジーなんだから、一人でもいいから幸せにしてその命を終わって欲しかったなあと思いました。

結構いろんな隣人が登場するのに、ほとんどストーリーに関わらないのも不思議でした。

 

 


股旅

2011-01-12 09:13:24 | 映画ーDVD

ー股旅ー

1973年 日本

監督=市川崑 脚本=市川崑・谷川俊太郎 キャスト=萩原健一(黙太郎)小倉一郎(源太)尾藤イサオ(信太)井上れい子(お汲)常田富士男(仁義を受ける男)夏木章(石津の重蔵)加藤嘉(百姓又作)大宮敏充(半稼師の安吉)二見忠男(番亀)野村昭子(おはる)和田文夫(壺振り)加茂雅幹(百姓)吉田友紀(源太の弟余助)坂本長利(旅籠の亭主)美山晋八(野手の半兵衛)黛康太郎(半兵衛の子分)

 

【解説】

ヤクザの世界で名を売ろうと、社会の底辺で懸命にもがく3人の若者の姿を描いた、異色のアウトロー時代劇。前年、TVシリーズ「木枯し紋次郎」を手がけた市川崑監督が、70年代の閉塞した世相を反映させたアンチ・ヒーロー像を描く。一人前の渡世人をめざし、生まれ故郷を飛び出した源太、信太、黙太郎の3人だったが、厳しい世の中、喰うのもままならい。ある日、空きっ腹をかかえ、流れ着いた先、ニ井宿・番亀一家の世話になるのだったが……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

学生時代に見て、邦画にはまった頃の作品。

あの頃、ほんとわくわくして映画を見ていました。

そのうえに、この映画には特別な思い出があります。

 

生駒山頂遊園地で故・高田渡さんがライブをしていらして、そのライブに行きました。

帰りのケーブルカーの中で、高田渡さんと一緒になり「映画『股旅』見た?よかったね」

と声をかけていただきました。

生涯でたった一言、渡さんと交わした会話ですが、私の自慢の一つです。

 

さて、久しぶりに見直してみると、やくざ映画と言うより、青春群像劇という感じでした。

 

長々とした仁義から始まりますが、やくざ映画に出てくるような、かっこよさはどこにもない。

3人の装束はむしろ、とてもうす汚いです。

殺陣もぎこちない。

そりゃそうです、彼らは水飲み百姓の子供で、さらにあぶれ者。

剣術なんて習ったこともないし、怖かっただろうし。

 

家族からも村からも落ちこぼれて無宿者となってしまった黙太郎(萩原健一)源太(小倉一郎)信太(尾藤イサオ)が、渡世人=アウトローとして宿場宿場を流れ歩くうちに出会って、別れて、また出会って一緒に旅をする物語。

貧しい生まれのものはどこまでいっても貧しく、安住の場所なくやはり救いのない旅暮らししかない。

それでも彼らは、わずかな希望を糧に生きていくしかないのです。

 

それは、お金で年寄りの妻に売られたお汲(井上れい子)も同じ。

辛い生活から連れ出してくれた源太を頼るが、結局は飯盛り女に売られてしまう。

この二人の別れはとても切ないものがありました。

 

すごく淡々としたナレーションがいいです。

一世を風靡したテレビドラマ「木枯らし紋次郎」を思い出します。

 

☆ネタバレ

信太も源太もしょうむないことで死んでしまうし、最後一人残された黙太郎の「げんた~」と呼ぶ声がむなしい。

 

当時の学生の閉塞感と重なるところがあります。

 

さて、38年後の今、若者の状況はどうなっていますか?

同じ閉塞感の中にあっても、飛び出してアウトローになる人もいないのでは?

守りに入っている感じが強いですが、挑戦する若者に期待したいと思います。

 

やはり、この映画はいいわ!!