マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ミス・サイゴン

2012-12-29 15:14:51 | 舞台

ーミス・サイゴンー

1226日 梅田芸術劇場 夜の部

 

【解説】

ミュージカル「ミス・サイゴン」は1989年ロンドン・ウェストエンドを皮切りに、91年ニューヨーク・ブロードウェイ、そして92年に東京・帝国劇場にて上演されました。

帝劇で3度上演された演出版は、その余りにもスケールの大きな舞台装置から"日本では帝劇以外での上演は不可能"と言われてきました。帝劇以外では唯一、福岡・博多座は、設計当初から「ミス・サイゴン」の上演を想定して3ヶ月間上演されました。

新演出版では、大型スクリーン映像を駆使して、より臨場感のある舞台に生まれ変わりました。それに伴い、舞台装置、衣裳、照明といった視覚的なものから、音響に至るまで、すべてのセクションが刷新されました。

この度の2012年の日本11都市での上演が可能になったのは、かつてのような劇場の大きさや設備の制約を受けない、新演出版=21世紀の「ミス・サイゴン」によるものなのです。

新演出版として生まれ変わったとはいえ、このミュージカルを貫くテーマは、「究極の愛」であり、それは日本初演から20年の月日が経っても、全く色あせることはありません。(公式HPより抜粋)

 

【感想】

「ミス・サイゴン」と言えば、故本田美奈子さんを思い浮かべる人も多いことでしょう。

彼女がこの作品を転機に、アイドルからミュージカルスターに成長を遂げたエピソードはあまりにも有名です。

 

でも、今回が大阪初上演だそうです。

上記にもありますが、舞台装置の都合で、限られた劇場でしか上演できなかったようですね。

問題のそのシーン、実にうまく表現してあったので、これで全国の皆さんにも見ていただけるということでしょう。

お楽しみに!!

 

実はこの日、観劇の前に「レ・ミゼラブル」の映画を見ていて、奇しくも製作・キャメロン・マッキントッシュ、作曲・クロード=ミシェル・シェーンベルク、作詞・アラン・ブーブリルの作品が続くことになりました。

しかも、秋にホーチミン市に行って来たばかり、なんというタイミングでしょう!

 

時は、ベトナム戦争の終末期、アメリカ軍に村を焼かれ、両親を失い、ひとりぼっちになったキム(笹本玲奈)は、17歳でサイゴン(現ホーチミン)にあるエンジニア(市村正親)が経営するキャバレーに働きに出た。

 

アメリカ人の軍人・ジョン(岡幸二郎)にこの店に連れて来られたクリス(山崎育三郎)は気が進まない。

かつてベトナムで戦い一時帰国したが、母国に居場所がなく、再び軍属としてサイゴンで働いているのだが、この戦争に対する虚しい気持ちがクリスを苦しめていた。

 

成り行きでキムと一夜を過ごしたクリス。

キムの純真な真心に触れて、二人は恋に落ちる。

しかし、サイゴン陥落は迫っていた。

仲間の協力で結婚式を挙げ、書類も整えた二人だったが、クリスの元に届いたサイゴン陥落の通知は、即撤退という命令となり、ふたりは引き裂かれた。

 

☆ネタバレ

数年が経ち、キムは難民キャンプでクリスの子供を育てながら、クリスの迎えを信じて耐えていた。

新政府の思想教育を受けていたエンジニアは、軍部の幹部となったトゥイ(泉見洋平)からキムの居場所を聞かれた。

トゥィはキムが13歳のときに親が決めた許嫁だったのだ。

 

難民キャンプにトゥィを案内するエンジニア。

トゥイは復縁を迫るが、キムは息子タム(荒川槙)を見せてトゥイに応じない。

逆上したトゥイはタムを手にかけようとした。

キムは思わずクリスから護身用にもらった銃でトゥイを撃ってしまう。

 

難民に混じってバンコクへ逃れるエンジニアとキム、タムの親子。

そのころ、クリスは自分の子供がベトナムにいるのも知らず、ベトナムでの辛い体験からトラウマに苦しみ、それを救ってくれたエレン(木村花代)と結婚した。

 

アメリカでも、ベトナム人とアメリカ軍人との間にできた混血児「ブイ・ドイ」の存在が社会問題化していた。

その問題に関わっていたジョンから、クリスにクリスとキムの間に子供がいると聞かされた。

エレンに打ち明け、バンコクに向かったクリスとエレン。

 

バンコクでは、キムがタムのために夜の町で働いていた。

そこへ、ジョンからキムにクリスが来たことを知らされるが、待ちきれず、キムはクリスの泊まっているホテルを訪ねる。

でも、そこにいたのはエレンだった。

クリスが結婚している事実を知ったキム。

気が狂ったように部屋を飛び出した。

 

ジョンとクリスが戻って来て、今後のことを話し合う。

クリスはエレンと別れられない。

キムとタムも引き離せないだろう。

アメリカから二人に援助する、と決めて、キムの元に向かう。

 

キムは、タムに着替えをさせ、荷物を持たせてクリスに会う準備をしていた。

そして、クリスが来てタムと初対面している間に、キムはクリスからもらった銃で自らを撃ったー。

 

悲しい結末でした。

観客たちの涙は止まりません。

キムの気持ちはよくわかりました。

キムは、タムと一緒にアメリカに行くことを夢見ていたのですから。

それがかなえられないとなると、こういう結末しかないと思いました。

 

日本でも、戦後はこんな悲劇がたくさんあったのでしょうね。

他人事とは思えず、身につまされました。

クリスは、苦しんだといってもキムほどではありません。

だってキムは17歳からずっと、自分ではどうしようもない運命に翻弄され続けて来たのです。

今秋に会ったベトナム人の若者の笑顔が浮かんできました。

 

ほんと、戦争は悲劇しか生みませんね。

平和になってよかったです。

 

この日は初日とあって、大阪出身の市村さんと木村さんの舞台挨拶がありました。

アンコールがなごやかで、とてもほっとしました。

感激しました。

 

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レンタネコ

2012-12-29 09:21:30 | 映画ーDVD

ーレンタネコー

2011年 日本

監督=荻上直子 キャスト=市川実日子(サヨコ)草村礼子(吉岡)光石研(吉田)山田真歩(吉川)田中圭(吉沢)小林克也(謎の隣人)

 

【解説】

大の猫好きで知られる『かもめ食堂』や『トイレット』の荻上直子が監督を務め、猫を通して人と人のきずなを描く心温まる人間ドラマ。寂しい心を抱える人々に猫を貸し出して回る不思議な女性と猫たちが遭遇する、それぞれの事情を優しく見つめる。主人公を演じるのは『東京オアシス』などで独特の存在感を放つ市川実日子。彼女から猫をレンタルする面々を草村礼子や光石研ら実力派俳優が演じ、説得力のある物語作りに貢献している。

 

【あらすじ】

サヨコ(市川実日子)は、都会の片隅にある平屋の一軒家で数えきれないほどの猫たちと一緒に暮らしている。幼いころから人間よりも猫に好かれる子どもだった彼女の状況は今も変わらず、サヨコは占い師などの数ある肩書とは別にある仕事をやっていた。それは寂しい人に猫を貸し出す「レンタネコ」という一風変わった商売で……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「バーバー吉野」「かもめ食堂」と名作を見せてもらてって、期待しています、荻上直子監督。

いままで、不思議な脇役で活躍して来た市川実日子さんを主役に迎えての、癒し系「レンタネコ」、結構期待していたんですが。

 

おばあちゃんが残した庭付き一軒家にたくさんのネコと住むサヨコ(市川実日子)。

ネコは寄ってくるのに、本当は人に寄って来てもらいたい。

今年の目標を「今年こそ結婚するぞ」に決めたけど、どうやったらいいかわからない様子。

「レンタネコ」屋をやっている。

 

このサヨコという女性、レンタネコやのほかに、株屋や占い師やCMの作曲家をやっていると言うけど、とにかく生活には困っていないらしい。

 

なんか、このあたりで現実感がないと言うか、そんな人に他人の心の中まで干渉して欲しくないわと言う気になってしまいましたが。

 

それでも、ネコが借りたいという人がいる。

「寂しい人にはネコを貸します」というのが売り文句ですが、そもそも寂しいと言われて手を上げるくらいの寂しさなら、軽いですよね。

 

本当は、このサヨコの人生が問題だと言う深読みもできますが、情報が少な過ぎて、彼女に感情移入できませんでした。

中学時代は保健室で寝てばかりいて、いじめられっ子だったのかなあ、と思わせるけど、断言はしていないし、おばあちゃんの死がトラウマか、両親の話が一言も出て来なかったので、そのへんに傷があるのか、ほんと分かりにくい話でした。

 

主人公の立ち位置がわからないので、それぞれのエピソードも薄っぺらく感じてしまいました。

いつそ、サヨコをファンタジーの人物にしてしまった方がよかったかもしれませんね。

 

それから、レンタネコ屋のお客さんの名前にみんな「吉」の字がつくんだけど、何か意味があるのかと思っていたけど、説明がありませんでした。

何だったのでしよう?

 

サヨコの服はどれもすごーくかわいかった!!

市川実日子は本当にステキな女優さんです。

 

荻上直子監督は「バーバー吉野」「かもめ食堂」のみずみずしさが失われていた感じで、とても残念だと思いました。

次に期待します。

 
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レ・ミゼラブル

2012-12-28 11:28:43 | 映画ー劇場鑑賞

ーレ・ミゼラブルーLES MISERABLES

2012年 イギリス

トム・フーパー監督 ヴィクトル・ユーゴー原作 アラン・ブーブリル・クロード=ミシェル・シェーンベルク脚本 ヒュー・ジャックマン(ジャン・バルジャン)ラッセル・クロウ(ジャベール)アン・ハサウェイ(ファンテーヌ)アマンダ・セイフライド(コゼット)エディ・レッドメイン(マリウス)ヘレナ・ボナム=カーター(マダム・テナルディエ)サシャ・バロン・コーエン(テナルディエ)サマンサ・バークス(エポニーヌ)アーロン・トヴェイト(アンジョルラス)イザベル・アレン(コゼット(少女時代))

 

【解説】

文豪ヴィクトル・ユーゴーの小説を基に、世界各国でロングラン上演されてきたミュージカルを映画化。『英国王のスピーチ』でオスカーを受賞したトム・フーパーが監督を務め、貧しさからパンを盗み19年も投獄された男ジャン・バルジャンの波乱に満ちた生涯を描く。主演は、『X-MEN』シリーズのヒュー・ジャックマン。彼を追う警官にオスカー俳優のラッセル・クロウがふんするほか、『プラダを着た悪魔』のアン・ハサウェイ、『マンマ・ミーア!』のアマンダ・セイフライドら豪華キャストが勢ぞろいする。

 

【あらすじ】

1815年、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「レ・ミゼラブル」は19世紀フランスの作家、ヴィクトル・ユーゴー原作の小説で、日本では「ああ無情」というタイトルで少年少女向けの本で読みました。

たった1つのパンを盗んで19年もの間牢獄につながれていたジャン・バルジャンが、泊めたくれた教会から銀の食器を盗む。

捕まったジャン・バルジャンだが、司祭は「差し上げたものだ」と彼をかばい、それによって善に目覚めるというのが主な筋書きだったと思います。

 

私は原作を読んでいないし、ミュージカルも見たことがなかったので、とても楽しみに見ました。

 

「レ・ミゼラブル」というのは「悲惨な人々」という意味で、1815年の王政復古から1930年のフランス7月革命という激動の時代が背景です。

 

妹の子供が飢えているのを見かねてたった1つのパンを盗んだことと脱獄の刑を加えて、19年もの間囚人として重労働をさせられていた囚人番号24601、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)が、ジャベール警部(ラツセル・クロウ)から命じられて、国旗を折れた支柱ごと取ってくる。

ジャベールはその怪力を見極めた上で、仮釈放を告げる。

「いずれ近い日にまた刑務所に戻るだろう」と予言して。

  ジャベール警部

19年の恨みが心の中で渦巻くジャン・バルジャン。

しかし、1夜の宿に受け入れてくれたミリエル司教から、神の赦しを教えられたジャン・バルジャンは、自らの名前や過去を捨て、新しい自分として生きることを誓った。

 

数年後、彼はある町の市長となり工場も経営していた。

そこで働くフォンテーヌ(アン・ハサウェイ)が、工場で働く女性たちからあらぬ噂を立てられ、いざこざを起こしていたのだが、ジャン・バルジャンは赴任の挨拶に来たジャベールに気を取られ、適切な対処ができない間に、フォンテーヌは工場をクビになってしまった。

さらにジャベールは、荷馬車の下敷きになった人を助けた市長の怪力を見て、本能的に彼をジャン・バルジャンと見抜き、監視するようになった。

 

フォンティーヌは工場を辞めさせられて、途方に暮れる。

宿屋の夫婦に預けてある幼い娘のためにした多額の借金が彼女を苦しめるのだ。

髪を売り、歯も売って、娼婦に身を落としたフォンティヌだが、窮地をジャン・バルジャンに救われる。

  フォンティーヌ

一方、ジャベールから「逃亡者ジャン・バルジャンはつかまった」と聞かされたジャン・バルジャン、無実の人間が裁かれるのは許されないと、裁判所に名乗り出た。

 そしてフォンティーヌの元に駆けつけるが、フォンテーヌは娘をジャン・バルジャンに託して息を引き取る。

しかし、ジャベールが彼を逮捕しにやって来た。

 

なんとかジャベールから逃れてコゼットを探しに来たジャン・バルジャン。

森の中で水汲みをしているコゼットに出会う。

宿屋の夫婦テナルディエ夫婦(サシャ・バロン・コーエン・ヘレナ・ボナム=カーター)に大金を払い、コゼットとともにパリに向かう。

ジャベールは執拗に追うが、二人は修道院に匿われ、時は過ぎる。

 

パリの片隅のお屋敷で、成長したコゼット(アマンダ・セイフライド)とともにひっそりと暮しているジャン・バルジャン。

彼にとっては、生涯で初めての至福の時だった。

 

そのころパリでは学生たちが政治結社を作り、革命を起こそうと準備をしていた。

その中のひとり、マリユス(エディ・レッドメイン)は、一目見かけただけのコゼットに恋をしてしまう。

テルナディエの娘エポニーヌ(サマンサ・バークス)に彼女の居所を突き止めてもらって、二人は愛を打ち明ける。

  コゼットとマリウス

しかし、ジャン・バルジャンにはまたもジャベールの影がー。

ジャベールもまた、パリに赴任して来ていたのだ。

ロンドンに渡る決心をしたジャン・バルジャン。

そして、決起のときが近づいたマリウス。

恋人たちは引き裂かれようとしていた。

 

とうとう学生たちはバリケードを築き、立ち上がった。

あとに市民たちが続いてくれると信じて。

でも、市民たちは沈黙し、学生たちは孤立した。

失敗だ。

軍隊がなだれ込み、マリウスも傷ついた。

ジャン・バルジャンは、コゼットのため、マリウスを助けるためにバリケードの中に入っていったー。

 

ミュージカルが苦手という人がいます。

うちの夫もそうですが、私は「ミュージカルというのは、声や言葉に出せない思いを歌にして表現しているのよ」と説明しています。

 

このミュージカルは、まさにその通り。

ジャン・バルジャンが初めて赦しの心を悟る歌「バルジャンの独白」、フォンテーヌが娼婦に落ちてしまった身を嘆いて歌う「夢やぶれて」、テーマ曲とも言える「民衆の歌」、ジャベールが自殺する心境を歌った歌、フォンテーヌに導かれて神の国に旅立つ「バルジャンの告白」などなど、歌でしか表現できない独白が胸を打ちました。

これが正しいミュージカルだなあと思いました。

 

そして、映画の武器であるカメラワークや映像も素晴らしい。

ヒュー・ジャックマンが歌えるのは知っていたし、アマンダ・セイフライドは「マンマミーア」で見ていました。

でも、アン・ハサウェイやラッセル・クロウがあんなに情感豊かに歌えるなんて、びっくりしました。

心情が痛いほど伝わって、何回泣いたか!

 

そのなかで、ほっとさせてくれるのがテナルディエ夫婦。

予告編で見たときには、浮いているんじゃないかなあと思ったけど、その小悪党ぶりを1曲の間のエピソードで見せてしまうなんて、憎い演出。

要所要所でピエロ役に徹して、よい緩和剤でした。

  エポニーヌ

この作品を見終わった友達も言っていましたが、きらりと光るエポニーヌの純情。

マリウスに好意を寄せながら、彼の恋に協力を惜しまず、最後はバリケードの中でマリウスの腕の中で死んでいきます。

切なかったわ。

 

そしてバリケードの陥落は、70年代の安田講堂陥落にも似て、当時を知る私なんかは、ジーンと熱いものがこみ上げてきました。

振り返っても誰もいない虚しさ。

今思い出しても、あのときの熱病のような浮かれた情熱は何だったんだろうと思います。

今につながっているのだろうか?

 

そんなことも考えつつ長尺の映画でしたが、まるで長さを感じません。

点数があるなら、満点を付けたいです。

 

たくさんの人が見に来ていましたが、最後は拍手していた人もいましたし、エンドロールが終わるまで席を立つ人が少なかったです。

みんな感動しているんだなあって、思いました。

ああ、この年末にこんないい映画が見られてよかった。

 

お正月映画はこれで決まりですよ!!

 

 民衆の歌

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クリスマスその夜に

2012-12-27 10:49:29 | 映画ーDVD

ークリスマスその夜にーHJEM TIL JUL/HOME FOR CHRISTMAS

2010年 ノルウェー/ドイツ/スウェーデン

ベント・ハーメル監督 トロンド・ファウサ・アウルヴォーグ(パウル)クリスティーネ・ルイ・シュレッテバッケン(トネ)フリチョフ・ソーハイム(クヌート)セシル・モスリ(エリサ)サラ・ビントゥ・サコール(ビントゥ)モッテン・イルセン・リースネス(トマス)ニーナ・アンドレセン=ボールド(カリン)トマス・ノールシュトローム(クリステン)ライダル・ソーレンセン(ヨルダン)イングン・ベアテ・オイエン(ヨハンヌ)

 

【解説】

クリスマスの夜に巻き起こる複数のエピソードを見つめながら、不器用ながらも懸命に生きる人々の物語を描くハートウオーミング・ストーリー。監督は、『ホルテンさんのはじめての冒険』『キッチン・ストーリー』でも優しい人間ドラマを作り上げたノルウェー出身のベント・ハーメル。さまざまなエピソードがつながっていき、登場人物たちの人生が明かされていくうちに引き込まれていくストーリーの行方に注目だ。

 

【あらすじ】

とあるノルウェーの町では、クリスマスイブを迎えていた。その夜、以前のわが家に潜入する、サンタに変装した男がいた。一方、男の友人の医師は、コソボ出身のもう帰郷することができないというカップルの赤ちゃんを取り上げようと奮闘。また、ある少年は、イスラム教徒のためクリスマスを祝うことがない女の子と一緒に過ごしていた。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「ラブ・アクチュアリー」みたいな群像劇です。

ノルウェーのクリスマス。

凍えてしまいそうに寒い映像です。

 

冒頭は、子供がクリスマスツリーの木を探しに森の中へ。

でも、それを銃口が狙っています。

 

次は、除雪車が通ったあとの道路の遠景。

カップルが隠れながら歩いています。

妻は妊娠中のようです。

 

次は町の中。

クリスマスは、家庭で祝うものなのですね。

町はひっそりとしています。

おもちゃやのディスプレーを見ている男の子に、女の子が声をかけました。

「お祝いしないの?」

男の子は「君は?」と聞いて、女の子が「イスラム教だからお祝いしないのよ」というと、「ぼくもしないんだよ」と言いました。

少年の家には家族が集まってお祝いしていましたが、少年は少女と一緒にいたかったんですね。

少女の天体望遠鏡で見つけた星はシリウス。

ベツレヘムに導いた星でした。

 

次の話は医者と患者。

患者は、妻に追い出された惨めな男。

患者の男は、妻の家に行き、サンタの格好をして、妻の愛人を気絶させ、サンタに成り済まして子供たちにプレゼントを届けました。

 

医者の方は、一人家で待つ妻に、仕事優先の自分の気持ちを打ち明けて、またも急患の元へ。

呼ばれた行き先は、コソボから逃げてきたカップルのお産の手伝いでした。

二人は、コソボ紛争の犠牲者で、故郷にいるとお互いの家族から殺されてしまうと訴えました。

医者は、赤ちゃんを取り上げたあと、二人に車まで貸してあげて、歩いて戻ります。

でも、医者の心の中に、愛する妻と子供を持ちたいという願望が芽生えました。

 

おかしかったのは、愛人の元でクリスマスイブを情熱的に過ごした男。

朝になって、愛人に「妻と別れられない、僕は二人の女性を愛せるんだ」なんてしゃあしゃあという。

愛人は、クリスマスのミサに押しかけて、妻の隣にちゃっかり座りました。

おどおどする男の顔が見物でした。

 

生まれたばかりの赤ちゃんを抱いて、スウェーデンの姉の元に向かうカップル。

見上げた夜空にはオーロラが。

まるで、マリアとヨゼフと赤ん坊のキリストの逃避行のようでした。

 

冒頭の銃口をのぞいていたのはこの女性。

兵士だったのですね。

撃たなくてよかった、と見ている私もほっとしました。

 

最後のお話は、かつて栄光のサッカープレーヤーが帰郷するのですが、彼は物乞いに成り果てて、帰る汽車賃にもことかくほどに落ちぶれていました。

無賃乗車がバレて、途中で降ろされますが、そこは極寒の駅。

でも、昔の女性に巡り会い、食事とお風呂とひげ剃りができ、無事列車に乗りますがー。

 

「クリスマスにふさわしい映画を」と思って鑑賞しましたが、ぴりりと辛いものもあるいい映画でした。

世界はまだまだ平和とは言えないのですね。

 

ラストの歌がよかったです。

「クリスマスには家に帰ろう」

日本なら、「お正月には家に帰ろう」ですね。

 

みんなが幸せなお正月が迎えられますように。

この年末に来ての政権交代で、日本もばたばたしていますが、来年こそは、落ち着いた安定感のある年になってほしいものですね。

 
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ももへの手紙

2012-12-27 10:43:43 | 映画ーDVD

ーももへの手紙ー

2012年 日本

監督=沖浦啓之 キャスト=美山加恋(宮浦もも)優香(宮浦いく子)西田敏行(イワ)坂口芳貞(大おじ)谷育子(大おば)山寺宏一(カワ)チョー(マメ)

【解説】

『人狼 JIN-ROH』で世界の注目を集めた沖浦啓之監督が、7年の製作期間をかけて完成させた感動の長編アニメーション。父から遺(のこ)された一通の手紙を胸に、瀬戸内海の島へと移り住んだ少女が体験する驚きに満ちた日々を生き生きと描き出す。作画監督に『千と千尋の神隠し』の安藤雅司があたり、作画を『AKIRA』の井上俊之や『猫の恩返し』の井上鋭らが担当する。肉親との離別を体験した主人公の再生のドラマがしみじみと胸に響く。

【あらすじ】

父親を亡くしたももは、11歳の夏に母と2人で東京から瀬戸内の小さな島へとやって来る。彼女の手には、「ももへ」とだけ書かれた父からの書きかけの手紙が遺(のこ)されていたが、その真意はついにわからずじまいだった。ももは仲直りできないまま逝ってしまった父親のことで胸がいっぱいで、慣れない場所での新しい生活になかなかなじめずにいた。(シネマトゥデイ)

【感想】

すごく宮崎駿アニメ、「となりのトトロ」や「もののけ姫」、「千と千尋の神隠し」なんかを意識した作品ではないでしょうか?

これって、オマージュというのかしら?

 

父を亡くして都会の暮らしを引き払って、瀬戸内の静かな島に引っ越してきたもも(美山加恋)と母のいく子(優香)。

 

ももは、父との最後の言葉が喧嘩別れだったことから、心を閉ざしてしまっている。

そして、「ももへ」と書き出しで終わっている父の書きかけの手紙を何度も見返して、父が自分に何を伝えたかったのかと、自問してはしまうことの繰り返し。

 

母は、自立のためにと、介護講習を受けに留守がちだった。

母もまた、夫の急死を受け入れられないでいた。

なれない土地でひとりぼっちのもも。

 

空から雨粒のような水滴が3粒降ってきて、ももに触れて地上に落ちた。

彼らは、ももの家の古い妖怪の書いてある古文書にもぐりこんで、イワ(西田敏行)カワ(山寺宏一)マメ(チョー)という妖怪に姿を変えて現れた。

どういうわけか、ももにはその3人の妖怪の姿が見えるのだった。

 

☆ネタバレ

この3人の妖怪は、父が天に上がるまでのももと母の見守り隊だという。

そして、もものせいで母のぜんそくがひどくなり、医者を呼びに嵐の中を別の島へ行くというももを助けるのだった。

 

まず、この妖怪たちの畑を荒らしたり、作物を盗むというのが最後まで続いて、納得できませんでした。

日本は豊かだから、これくらいはいいのかな?

イノシシを追いかけ回すシーンでも、いろんなものを壊して、後始末がない。

もう少し、作物を作っている人に敬意があれば良かったのにと思いました。

 

あとは、嵐の中を、まだ開通していない橋を渡って医者を呼びにいくということ。

ちゃんと描いてなかったけど、お医者さんはどんなふうに連れて来たのかな?

嵐でヘリも飛ばないと言っていたけど。

母はぜんそくで、医者が来ても薬を処方する程度じゃないのかなあ?

それなら、電話か無線でもすみそうな気もするし。

立ち入り禁止の橋を渡る危険を冒す必要があったのかどうかって、びっくりしてしまいました。

追いかけてきた幸市も、大人なんだから止めるべきではなかったのか?

 

子供も見る映画でしょうに、理由があればは決まりを破っても命の危険を冒してもいいというのはどうなのかな? 

ラストは、瀬戸内の情景とともに、ももと父、母の心が通じて感動的だったけど、これでいいのかなあって思いが残りました。

 

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ホビット 思いがけない冒険

2012-12-22 12:16:39 | 映画ー劇場鑑賞

ーホビット 思いがけない冒険ーTHE HOBBIT: AN UNEXPECTED JOURNEY

2012年 アメリカ/ニュージーランド 

ピーター・ジャクソン監督 JRR・トールキン原作 イアン・マッケラン(灰色のガンダルフ)マーティン・フリーマン(ビルボ・バギンズ)リチャード・アーミティッジ(トーリン・オーケンシールド)ジェームズ・ネスビット(ボフール)ケン・ストット(バーリン)シルヴェスター・マッコイ(ラダガスト)ケイト・ブランシェット(ガラドリエル)クリストファー・リー(サルマン)ヒューゴ・ウィーヴィング(エルロンド卿)アンディ・サーキス(ゴラム)エイダン・ターナー(キーリ)ディーン・オゴーマン(フィーリ)グレアム・マクタヴィッシュ(ドワーリン)アダム・ブラウン(オーリ)ピーター・ハンブルトン(グローイン/ウィリアム(トロル))ジョン・カレン(オイン)マーク・ハドロウ(ドーリ/バート(トロル))ジェド・ブロフィー(ノーリ)ウィリアム・キルシャー(ビフール/トム(トロル))スティーヴン・ハンター(ボンブール)イライジャ・ウッド(フロド)イアン・ホルム(ビルボ・バギンズ)

 

 

【解説】

『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督が、同シリーズの60年前を舞台にした小説「ホビットの冒険」の実写化に挑んだアドベンチャー大作。凶悪なドラゴンに占拠されたドワーフの王国を奪還する旅に出たホビット族の青年ビルボや魔法使いガンダルフの一行が、さまざまな戦いを経て強大な力を秘めた指輪と対峙(たいじ)する姿を壮大なスケールで映し出す。ガンダルフにふんするイアン・マッケランやイライジャ・ウッド、ケイト・ブランシェットら、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のキャストとキャラクターも再登場する。

 

【あらすじ】

ホビット族のビルボ・バギンズ(マーティン・フリーマン)は、魔法使いのガンダルフ(イアン・マッケラン)から思わぬ旅の誘いを受ける。それは、ドラゴンに乗っ取られたドワーフの王国を奪取するというものだった。ドワーフの戦士トーリン(リチャード・アーミティッジ)が率いる13人のドワーフたちと、最初の目的地はなれ山を目指してワーグ、オークといった怪物や魔術師がひしめく荒野を進んでいくビルボ。そんな中、ゴブリンが巣食うトンネルに入っていった彼は、そこでゴラム(アンディ・サーキス)という醜悪な化け物と出会う。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

待ってました!!

「ロード・オブ・ザ・リング」の感動をもう一度!!

 

オープニングから嬉しかったですね。

ビルボ・バギンス(イアン・ホルム)が「行きて帰りし物語」を執筆中。

彼の家には、まだ「ロード・オブ・ザ・リング」の旅が始まる前の、無邪気なフロド(イライジャ・ウッド)がいます。

今日は、ビルボの111歳のお誕生日なのです。

もうすぐ、ガンダルフが来ます。

フロドが村はずれまで迎えに行きました。

懐かしいわー♡

 

フロドを見送って、ビルボが一服しながらの回想となります。

 

遡ること60年前、自分の家で平和に暮らしている若き日のビルボ(マーティン・フリーマン)の元に、灰色の魔法使いガンダルフ(イアン・マッケラン)がやってきます。

そして「冒険に行かないか」などとビルボを誘い、ビルボが相手にしないと、扉に印をつけて立ち去りました。

  ガンダルフ

そしてその夜、ひとり、またひとりと、ドワーフたちがやってきて、ビルボの家で傍若無人なパーティを始めました。

その数、なんと13人。

お人好しで穏やかなビルボも、この有様には黙っていられませんが、ドワーフたちの勢いを止めることもできません。

そこへ、ガンブルフがやってきて、パーティは最高潮に。

 

ガンダルフがドワーフたちにドワーフの王が持っていた地図を見せ、故郷を取り戻すためにははなれ山の見えない扉を探し出す「忍びの者」が必要だと力説し、その役目を担うのにホビットが最適で、ビルボを仲間に加えることを強く主張した。

 

ビルボは契約を渋ったが、ドワーフたちの故郷を思う歌を聞き、心を動かされ、旅に加わることを決心した。

 

しかし、ドワーフのプリンス、トーリン・オーケンシールド(リチャード・アーミティッジ)は、ビルボを疑っていた。

 

これは第1部です。

ドワーフたちが、邪悪な竜スマウグに襲われて失った故郷エレボールを奪還するため、ガンダルフとビルボ、そして13人のドワーフたちとホビット荘からエレボールに向かって旅をします。

 

その旅の途中には、トーリンに腕を切り落とされたオークの王が恨みを込めて追ってくるし、トロールやゴブリンなどが立ちはだかります。

 

エルフのエルロンド卿(ヒューゴ・ウィーヴィング)や、ガラドリエルの奥方(ケイト・ブランシェット)、まだ悪の手先になっていない白の魔法使いサルマン(クリストファー・リー)も出てきます。

 

また、新しい顔として茶の魔法使いラダガスト(シルヴェスター・マッコイ)や、エルフ王、スランドゥイル(リー・ペイス)が加わりました。

スランドゥイルは、旅の仲間のレゴラスのお父さんだそうです。

第2部が楽しみですね!

  ゴラム

この作品の見所は、ビルボがあの「たったひとつの指輪」を手に入れるところです。

ゴラム(アンディ・サーキス)との出会いが丁寧に描かれています。

もう一つは、ビルボとトーリンの和解が感動的です。

 

最大の危機を、ガンダルフの呼んだオオワシが救ってくれるというのは、「LOTR」と同じですが、これなら最初からオオワシに送ってもらえば簡単だったのに、と思ってしまいました…汗!!

ガンダルフの助けはいつも危機一髪ですね。

 

約160分の長編だし、どのシーンもたっぷり時間をとってあるんだけど、まったく退屈しません。

それぞれのエピソードが楽しくて、もっと見ていたい気分です。

 

このころの中つ国は、とても平和。

フロドが旅する戦いのあとが残る暗い荒野ではありません。

その違いを味わいながら、観客も旅をしている気分になります。

ビルボののんびりしたキャラクターと、ドーリンの緊張感溢れるキャラクターがいいバランスを保っています。

トーリン、かっこいいです。

  トーリン

今回の3D、とてもよかったですよ。

最初の竜が襲ってくるシーンは迫力満点。

でも、そればかりではなく、奥行き、広がりともにリアルな世界で、自分もそこに入り込んでいるような気持ちになりました。

これは、3Dでも高くないと思います。

 

ピーター・ジャクソン監督って、あんな顔して(失礼!)すごいロマンチストなんじゃないかなあ?

しかも、映像作りの天才。

彼が監督して絶対正解だし、期待した以上でした。

素晴らしい作品です。

 

ああ、また新しい物語が始まったなあ。

わくわくしますね。

 

コメント (4)
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テルマエ・ロマエ

2012-12-22 09:08:34 | 映画ーDVD

ーテルマエ・ロマエー

2012年 日本

監督=武内英樹 原作=ヤマザキマリ キャスト=阿部寛(ルシウス)上戸彩(山越真実)北村一輝(ケイオニウス)竹内力(館野)宍戸開(アントニヌス)勝矢(マルクス)キムラ緑子(山越由美)笹野高史(山越修造)市村正親(ハドリアヌス)

 

【解説】

古代ローマ帝国の浴場設計技師が現代日本の銭湯にタイムスリップしてしまう、ヤマザキマリの人気コミックを実写映画化。監督は、『のだめカンタービレ最終楽章』シリーズの武内英樹、脚本を『クローズZERO』シリーズの武藤将吾が手掛ける。古代ローマと現代日本、時空を越えて異文化交流を繰り広げる主人公ルシウスを、阿部寛が妙演。漫画家志望のヒロインに上戸彩がふんするほか、古代ローマ人役の北村一輝、宍戸開、市村正親という日本屈指の顔の濃い役者陣の成り切りぶりにも注目。

 

【あらすじ】

古代ローマ、アイデアが行き詰まり失業した浴場設計技師のルシウス(阿部寛)は、友人に誘われた公衆浴場でタイムスリップしてしまう。たどり着いた場所は、何と日本の銭湯。そこには「平たい顔族=日本人」がいて、彼は漫画家志望の真実(上戸彩)と出会う。ルシウスは日本の風呂の文化に感銘を受け、そこで浮かんだアイデアを古代ローマに持ち帰り一躍有名になっていくが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

漫画もテレビアニメも見ていません。

映画は、原作とは少し違うストーリーらしいですね。

 

この作品は、突飛な設定を楽しむ作品ですね。

古代のローマ帝国で日本語を話しているところがおかしい。

すぐにこの世界に入れるのが、成功の秘訣でしょうね。

 

そして、難しいことはさておき、ローマ人と日本人だけですってね、こんなお風呂好き。

その1点だけでこの設定を考え出してしまうところが、原作者ヤマザキマリさんのすごいところです。

 

ローマは滅びて、ヨーロッパでのお風呂文化はすたれてしまいましたが、日本はこのお風呂好きを世界に広めて、世界平和に貢献したいという気持ちになりました。

 

こうして見れば、日本人にも濃い顔の俳優さんがたくさんいたのですねえ。

それにしても、竹内力さんが薄い顔に入っているなんて、ユーモアを感じました。

 

阿部寛さんは裸で勝負でした。

鍛え抜いたのでしょうね。

ローマ人もびっくりのいい体でした。

 
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フランケンウィニー

2012-12-21 17:09:26 | 映画ー劇場鑑賞

ーフランケンウィニーーFRANKENWEENIE

2012年 アメリカ

ティム・バートン監督 キャサリン・オハラ(スーザン・フランケンシュタイン/体育の先生/フシギちゃん)マーティン・ショート(トシアキ/ブルゲマイスター町長/ボブ)マーティン・ランドー(ジクルスキ先生)チャーリー・ターハン(ヴィクター・フランケンシュタイン)アッティカス・シェイファー(エドガー)ウィノナ・ライダー(エルザ・ヴァン・ヘルシング)

 

【解説】

『チャーリーとチョコレート工場』のティム・バートンが1984年に発表した短編を、ストップモーションアニメーションによる長編へと再生させたファンタジー。愛犬を亡くした孤独な少年が、その蘇生に挑んだことから巻き起こる騒動と冒険の行方を映し出す。『シザーハンズ』から約22年ぶりにバートン監督とタッグを組んだ、ウィノナ・ライダーが声の出演を果たしている。『ティム・バートンのコープス・ブライド』でも披露された、バートン監督ならではのダークで温かな味わいのストップ・モーションを駆使したビジュアルに目を見張る。

 

【あらすじ】

大好きな科学に夢中になるあまり、友達が一人もできない少年ヴィクター。そんな彼を両親は心配していたが、ヴィクターは愛犬スパーキーを相棒にして楽しい毎日を送っていた。しかし、思いも寄らぬ事故が起きて、スパーキーは天国へと旅立ってしまう。深い悲しみに沈んでいたヴィクターだったが、次第にスパーキーをよみがえらせたいという強い気持ちを抱くように。少しばかり危険な科学な知識を駆使してスパーキー蘇生に成功するが、その姿はつぎはぎだらけで、まるでフランケンシュタインのようだった……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私も犬を飼っているし、子供の時の犬との思い出とかある人にはたまらないアニメです。

主人公のヴィクター少年って、たぶんティム・バートンの少年時代だし、こんなふうな子供だったんだろうなあと、にんまりします。

 

このアニメは、1984年に実写で撮影した短編を作り直したものだそうです。

ティム監督お得意のストップモーションアニメ。

初の白黒3Dだそうで、私も夫と3Dで見ました。

 

ヴィクターがお父さんとお母さんに見せている自作の映画。

愛犬スパーキーが活躍して悪い怪獣をやっつけます。

 

フィルムは焼き切れて、大急ぎで編集。

こんなところにも、映画大好き人間のティム・バートン魂が生きています。

 

ヴィクターの住んでいるところは、まるで「シザーハンズ」の町のよう。

同じようなお家が整然と並んでいる郊外型のニュータウン。

シザーハンズではお城があった高台が墓地になっています。

 

ある日、交通事故で大好きなスパーキーが死んでしまった。

動物霊園に丁重に葬った。

それでも、ヴィクターは悲しみに包まれていて、両親の慰めも何の役にも立ちません。

 

理科の先生が、動物の筋肉は電気ショックで動くとおっしゃいました。

ヴィクターは、思いついた!!

 

この町は毎晩雷が落ちる町です。

ヴィクターは、墓場からスパーキーを掘り出して実験を始めました。

まるで、フランケンシュタイン博士のように。

 

結論から言うと、スパーキーは動き出します。

生き返ってはいないけど。

でも、スパーキーは平気。

だって、大好きなヴィクターと一緒だから。

 

このへんの犬の表情の表現が素晴らしいです。

犬のかわいらしさそのもの。

そうなのよねえ!

犬って、ほんとかわいい!!

 

でも、この秘密が友達にバレていろんなものを生き返らせたから、さあ、大変。

町は大騒ぎです。

 

いろんな仕掛けが詰まっていて、すごく面白い映画になっています。

悪者は出て来ないし、気持ち悪さも子供らしいおかしさで包んであります。

 

日本へのオマージュもあるんですよ。

楽しいです。

 

そして、感動のラスト。

ヴィクターがひとつ大人の階段を上がれた感じが、とても良かったです。

涙が出たんだけど、3D眼鏡がじゃまでした。

 

変にいじくり回さなかったところが良かったと思いました。

ティム監督の、子供の心をそのまま表現したところが、いい作品になったんだと思いました。

 

犬が大好きな人にはお薦めです。

 

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少年は残酷な弓を射る

2012-12-21 14:44:28 | 映画ーDVD

ー少年は残酷な弓を射るーWE NEED TO TALK ABOUT KEVIN

2011年 イギリス

リン・ラムジー監督 ライオネル・シュライバー原作 ティルダ・スウィントン(エヴァ)ジョン・C・ライリー(フランクリン)エズラ・ミラー(ケヴィン)

 

【解説】

イギリスの女性作家に贈られる文学賞として著名なオレンジ賞に輝く、ライオネル・シュライバーの小説を映画化した家族ドラマ。息子がとある事件を起こしたことを機に、それまでの彼と自身の向き合い方を見つめ直し、悩み抜く母親の姿を静謐(せいひつ)かつ重厚に映し出す。『フィクサー』のティルダ・スウィントンが、苦悩する母親にふんするだけでなく、製作総指揮も担当。メガホンを取るのは『モーヴァン』で注目を集めた、リン・ラムジー。衝撃的展開と殺伐としたムードに圧倒されるだけでなく、親と子の関係についても深く考えさせられる。

 

【あらすじ】

自由を重んじ、それを満喫しながら生きてきた作家のエヴァ(ティルダ・スウィントン)は、妊娠を機にそのキャリアを投げ打たざるを得なくなる。それゆえに生まれてきた息子ケヴィン(エズラ・ミラー)との間にはどこか溝のようなものができてしまい、彼自身もエヴァに決して心を開こうとはしなかった。やがて、美少年へと成長したケヴィンだったが、不穏な言動を繰り返した果てに、エヴァの人生そのものを破壊してしまう恐ろしい事件を引き起こす。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

旅行作家エヴァ・カチャドリアン(ティルダ・スウィントン)は、アメリカ人のフランクリン(ジョン・C・ライリー)と出会い、新しい命を授かる。

それが息子ケヴィン(エズラ・ミラー)。

玉のように美しい男の子だが、エヴァには悪魔のように感じられる息子だった。

 

この作品は、これから母になろうという人には見せられませんね。

怖くなって、子供を産むのはやめようという気持ちになるでしょう。

でも、私のように子供を産み育てた経験のある母親にとっては、とても興味深くラストは胸に沁みるものでした。

ホラー作品のように物語は進みますが、「オーメン」のようなホラーではありません。

 

オープニングは、トマト祭り(ラ・トマティーナ)でトマトにまみれ恍惚の表情のエヴァから始まります。

人生の絶頂期にいるエヴァ。

次のショットでは、エヴァの赤いペンキで落書きされた自宅で目覚めるエヴァが登場する。

この作品には赤が頻繁に出てきます。

トマトの赤、ペンキの赤、血の赤、ワインの赤、ジャムの赤…、赤は良い意味の象徴ではありません。

あのトマトの赤も、いずれ待っているエヴァの不幸な未来を暗示しているようです。

 

エヴァは、赤く汚された車に乗って職場の面接に向かいます。

面接した女性が、「すごい経歴ね。でも、事務仕事さえできたらいいのよ。採用するわ」とぶっきらぼうに言う。

「来週から来ます」とエヴァがいい、職場を出ると二人連れの女性のひとりがエヴァに気づき、罵声を浴びせた上に頬を叩いた。

そばにいた人が「大丈夫ですか?警察は?」と声をかけても、「私が悪いから」と足早に立ち去るエヴァ。

エヴァの息子ケヴィンは、少年刑務所に収容されていた。

エヴァが面会に行っても、会話はない。

 

この作品はエヴァの息子が重大事件を起こしたことから、一変してしまったエヴァの人生を、彼女の回想によって語られていきます。

自分の子育てを中心に過去を、とりとめもなく断片的に思い出しているという設定。

いったい何が起こったのか、それはかなりひどいことだと想像はつくけど、具体的にはどういうことなのかは最後まで見ないとわからないしかけです。

 

エヴァの輝かしいキャリアの途中で生まれたケヴィン。

心構えの不十分なまま母親になったせいなのか、あやしても泣き止まない、不機嫌な赤ちゃん。

ようやく寝かせても、フランクリンが帰ってきて抱き上げ、「ほらね、こんなふうにあやしたら機嫌がいいんだよ」という。

エヴァは疲れ果ててくたくたです。

エヴァはニューヨークで暮したかったけれど、フランクリンは子供のためと郊外の庭付き1軒屋へ引っ越した。

 

子供時代のケヴィン。

不機嫌にエヴァを睨みつけて、なかなかしゃべらない。

しゃべりだしても、なかなかおむつが取れないし、そのくせ憎たらしいことを言って自分の賢さをひけらかす。

怒りに燃えたエヴァが突き飛ばすと、腕を骨折した。

 

残った傷を見て「僕はママを許してあげるよ」と刑務所のケヴィンが言う。

この傷がさらにエヴァとケヴィンの間に溝を作ったようだ。

 

フランクリンが、おもちゃの弓矢をケヴィンに与えた。

ケヴィンが喜ぶ顔を見て、歳が大きくなるごとに本物の弓矢に変わっていく。

ケヴィンも「ロビンフッドの冒険」の絵本が大好き。

この絵本を読むときだけ、エヴァに甘えてきた。

 

妹ができた。

かわいい妹。

でも、不幸な出来事が続く。

妹のかわいがっていたハムスターがいなくなったり、妹が誤って溶剤を目に入れて片目を失明したり。

ケヴィンが関わっていることはエヴァにはわかっていた。

でも、きっちり問いただしたり、叱ったりできないエヴァとフランクリン。

 

何度も繰り返し出てくるケヴィンの食べるとき姿勢や遊びながら食べるクセ。

注意できない親。

そのうちに夫婦仲も悪くなり、離婚の話まで出るようになった。

ケヴィンが16歳のときだった。

 

そして、その事件。 

原題が「ケヴィンについて私たちは話す必要がある」。

そう、ようやくエヴァがその言葉をフランクリンに切り出したときには、もうその事件は起こってしまった。

 

☆ネタバレ

ケヴィンは自宅の庭でフランクリンと妹を射抜き、学校の体育館を閉め切って無差別殺人を試みた。

事実を知って立ち尽くすエヴァ。

そのときから、彼女は感情をなくしてしまったようです。

 

私は、両親の離婚話が惨劇の引き金になったのではないかと思いました。

幼いときから母親になにかこじれた感情を持ち、父親をバカにしているケヴィンが、まだ親に頼らないと生きていけない歳で、両親の離婚が自分の人生に取って命取りとなるかのような大げさな被害者意識に陥っての犯罪のような気がします。

この父親役に ジョン・C・ライリーを持ってきたのはキャストの妙ですね。
お人好しでいい人キャラなんだけど、ちょっと愚鈍な感じ。
 

ラストは、ようやく生活も落ち着いて、再びケヴィンに面会に行ったエヴァ。

「あれから2年、もう18歳ね。もうすぐ大人の刑務所に行くけど、気分はどう?」

「そこがどんなところか知らないくせに」と厳しい顔で言うケヴィン。

「未成年の頃の事件なんだから、あと2年で出られるわよ」共犯者のように答えるエヴァ。

さらに「なぜ、あんなことしたの?」と聞くと、

「2年前はわかっていたのに、いまはわからないんだ」

初めて、不安な顔を見せたケヴィンを、エヴァは精一杯抱きしめた。

 

これでようやく、母と息子は和解したのでしょうか。

 

見終わって、私はエヴァを偉いなあと、思ったのです。

エヴァの育て方の、どこが悪かったのかわかりません。

特別に避難されるべきものとは思わないし、ケヴィンが生まれついての極悪人だったのかもしれない。

でも、我が子が起こしたことの重大さ、未成年ということを重ね合わせて、エヴァが責任を免れることはあり得ません。

両親の責任も大きいのです。

でも、エヴァにはこの現実を耐えるよりほか、どうしようもない。

家族もなくし、賠償金で資産をなくし、キャリアもなくした。

世間の人の罵倒やあからさまな嫌がらせにも必死で耐えるしかない。

死んだ人は戻って来ないし、人生をやり直せるはずもない。

たぶん、自分にも息子にも明るい未来なんてないのです。

 

しかしエヴァは、殺人を犯し、夫や愛娘を殺したこの息子を、抱きしめることができる。

世間の罵倒にも、息子のためなら耐えることができる。

これが、これこそが、母というものなのかなあと思いました。

だからいいんだと言っているのではないけど、母以外にはできないことでしょう。

私も母なので、エヴァの生き様が心底身に沁みました。

 

考えさせられる映画です。

見る人を選ぶ作品ですが、興味を持った人は見てくださいね。

 

どういうわけか、音楽がどれも陽気なの。

エヴァの空虚な表情と対比して、印象的でした。

エヴァの心の中では、こんな明るい歌が鳴っているのかもしれません。

 

この事件が起こったのは、エヴァとフランクリンの子育ての失敗なのか。

それともケヴィンが生まれついての犯罪者なのか。

この作品のケースであえていうなら、エヴァは母親になる心得が足りなかったのでしょうし、フランクリンはケヴィンに甘過ぎました。

凶器となる弓矢を与えたのは父親なんだから、その責任は大きいでしょう。

ケヴィンに危険なものを感じながら、事なかれ主義で見過ごしたエヴァの責任も大きい。

ケヴィンは、賢すぎる子供で、しつけられず、野放しに頭の中で悪さばかりが増長していった。

でも、どんな子供にもこういう傾向はあります。

頭のいい子供ほどいたずらがひどいし、叱られてもいいから注目して欲しいと親の困ることばかりを繰り返す子供もいます。

でも、エヴァやフランクリンよりももっと出来の悪い親からも、とても立派な人が育つこともあるし、どうしようもない親を反面教師として成長する子供もいます。

そこが、子育ての難しいところですよね。

私も3人育てましたが、偉そうなことは言えません。

でも、我が子と向き合うときは、本気を見せないとダメです。

子供の観察力はすごいものがありますからね、手抜きは見透かされてしまいます。

エヴァとフランクリンは、本気が足りなかったんだと思いました。

難しい子供ほど、両親の結束力が必要なのでしょうね。

 

今から親になる若い人たち、恐れずに楽しく自信を持って子育てしてくださいね。

子育てしているときが、人生の華なのですから。

 

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砂漠でサーモンフィッシング

2012-12-18 10:47:43 | 映画ー劇場鑑賞

ー砂漠でサーモンフィッシングーSALMON FISHING IN THE YEMEN

2011年 イギリス

ラッセ・ハルストレム監督 ユアン・マクレガー(アルフレッド・ジョーンズ博士)エミリー・ブラント(ハリエット・チェトウォド=タルボット)クリスティン・スコット・トーマス(パトリシア・マクスウェル)アムール・ワケド(シャイフ・ムハンマド)トム・マイソン(ロバート・マイヤーズ)レイチェル・スターリング(メアリー・ジョーンズ)コンリース・ヒル(バーナード・サグデン)

 

【解説】

アラブの大富豪からの「イエメンでサケを釣りたい」という無理難題に応えるために奔走する人たちをコミカルに描いたドラマ。主人公の不器用な水産学者を、『スター・ウォーズ』シリーズや『ムーラン・ルージュ』のユアン・マクレガーが演じ、『プラダを着た悪魔』のエミリー・ブラントと『ずっとあなたを愛してる』のクリスティン・スコット・トーマスの実力派キャストが脇を固める。監督には『ギルバート・グレイプ』のラッセ・ハルストレム。『スラムドッグ$ミリオネア』のサイモン・ボーフォイが脚本を手掛ける。一見くだらないと思えることに大人が夢中になる姿に感動する。

 

【あらすじ】

「イエメンでサケ釣りをしたい」という依頼を受けた水産学者のジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)。そんなことは絶対無理だと相手にしなかったものの、何とイギリス外務省後援の国家プロジェクトに発展。ジョーンズは、イエメンの大富豪の代理人ハリエット(エミリー・ブラント)らと共に無謀な計画に着手する。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

イギリスの官庁に勤める水産学者のジョーンズ博士(ユアン・マクレガー)は大の釣りマニア。

自室の中でも竿をふるのが趣味。

この特技があとで生きてくるので、面白いです。

 

彼の元に電話がかかり、依頼してきたのがイエメンの大富豪の代理人ハリエット(エミリー・ブラント)。

「シャイフ(アムール・ワケド)が、イエメンの川に鮭1万匹を放流して、サーモンフィッシングがしたい」と。

「イエメンって、砂漠でしょう?そんなバカな!」と、取り合わないジョーンズ。

 

そこに勃発したイラク戦争。

中東におけるイギリスのイメージをできるだけよくしたいと、広報官のマクスウェル(クリスティン・スコット・トーマス)がネットで見つけたのが、ハリエットのプロジェクト。

広報官が提案して、首相も気に入り、思いがけない国家プロジェクトに発展。

ジョーンズもあとに引けなくなった。

  左から、シャイフ、ジョーンズ博士、ハリエット

この大筋に、ハリエットの軍人の彼氏が、戦場で行方不明になったり、ジョーンズの妻との不仲があからさまになったり。

 また、シァイフの真の心情は、そんな浮ついたものではなく、国家国民を思ってのことだったと言う展開で、クライマックスへと展開していきます。

 

このシャイフも、ハリエットの恋人のロバート(トム・マイソン)もめっちゃハンサム!!

 

ジョーンズは、どことなくKYなアスペルガーっぽい人物ですが、その誠実さ、純粋さゆえに憎めません。

ハリエットとの恋の行方が気になります。

 

でも、一番楽しかったのは、マクスウェルと首相のメールのやり取り。

すごく息が合ってて、イギリスジョーク炸裂でした。

  広報官のマクスウェル

面白いですよ!!

 
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