マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

アデル/ファラオと復活の秘薬

2010-07-28 10:36:42 | 映画ー劇場鑑賞



ーアデル/ファラオと復活の秘薬ーLES AVENTURES EXTRAORDINAIRES D'ADELE BLANC-SEC/THE XEXTRAODINARY ADVENTURES OF ADELE BLANC-SEC

2010 フランス

リュック・ベンソン監督 ルイーズ・ブルゴワン(アデル・ブラン=セック)マチュー・アマルリック(デュールヴー)ジル・ルルーシュ(カポニ警部)ジャン=ポール・ルーヴ(ジュスタン・ド・サン=ユベール)フィリップ・ナオン(メナール教授)ニコラ・ジロー(アンドレフ・ズボロフスキー)ジャッキー・ネルセシアン(エスペランデュー教授)ムーサ・マースクリ(アクバー)ロール・ドゥ・クレルモン=トネール(アガット・ブラン=セック)

 

【解説】

『レオン』『フィフス・エレメント』などで数々の印象的なヒロインを描いてきたリュック・ベッソンが手掛けるファンタジー・アドベンチャー。フランスの人気コミックシリーズを原作に、エジプト王家に伝わる秘薬をめぐる冒険が繰り広げられる。ヒロインに抜てきされたのは、アンヌ・フォンテーヌ監督作品にも出演したルイーズ・ブルゴワン。その宿敵を『潜水服は蝶の夢を見る』の演技派マチュー・アマルリックが演じる。職業をさまざまに変えるルイーズの見せる、キュートな衣装にも注目。

 

【あらすじ】

1911年、エジプト。妹の命を助けたいフランス人ジャーナリストのアデル(ルイーズ・ブルゴワン)は復活の秘薬の手掛かりをつかむが、宿敵のマッドサイエンティスト、デュールヴー(マチュー・アマルリック)に阻まれてしまう。ちょうどそのころ、パリでは博物館の卵の化石からジュラ紀の翼竜がかえり、人々を恐怖に陥れていた。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編に騙されてはいけない。

キャッチコピーに騙されてはいけない。

ユル~いフレンチコメディということを頭に入れて見てください。

 

そう思ってみたら、なかなか楽しめる作品でした。

 

特に私は、今年始めに旅行したエジプトの「王家の谷」やピラミッドが出て来て、うれしかったです。

 

予告編を見て、ヒロインがあまり美人じゃないなあと思ったことが、ネタバレでした。(コメディですもの!!)

 

☆ネタバレ

売れっ子作家のアデルは、取材でマチュピチュへ行くと編集者には告げて、実はエジプトの王家の墓へ、復活の秘薬を求めて来ていた。

しかし、そこには宿敵のマッドサイエンティスト、デュールヴー(マチュー・アマルリック)の妨害にあう。

それも乗り越えて、ファラオの侍医(ミイラ)をパリに連れ帰った。

 

アデルには双子の妹アガット(ロール・ドゥ・クレルモン=トネール)がいたが、姉妹で遊んでいたテニスの試合で、アデルの帽子のピンがアデットの頭を貫通するという事故が起こり、それ以来、アデットはベッドに寝たきりとなっていた。

アガットを助けるために、アデルは命がけでファラオの侍医を連れ帰ったのでした。

でも、ミイラをまず復活させないといけない。

 

一方パリでは、ジュラ紀の翼竜を復活させて、パリ中が大混乱していた。

その犯人エスペランデュー教授(フィリップ・ナオン)が捕まり、死刑が確定する。

 

復活のために彼の力がどうしても必要なアデルは、刑務所から教授を救出しようと、あれやこれやと変装するが、ことごとく見破られてしまう。

 

と、この辺で、かなりのおバカ映画というのがわかっていただけたと思います。

フランスで大人気お天気お姉さん、ルイーズ・ブルゴワンの魅力爆発です。

ルーブル美術館にまだシンボルのピラミッドがない時代で、そういうくすぐりは日本人の私でもクスリと笑えたので、パリッ子たちがこの映画に大喜びした姿が目に浮かびます。

 

エンドタイトルが始まって、観客たちがざわざわ帰り始めた頃に、小さなエピソード始まるんだけど、それもどうでもいいような話で、そこでも笑っちゃいました。

この洒落っ気が好きかどうかで、この映画の評価が分かれると思いました。

 

私はお気に入りです。

 

 

ピラミッド!!

懐かしいわあ。


抱擁のかけら

2010-07-28 09:39:03 | 映画ーDVD

ー抱擁のかけらーLOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES

2009年 スペイン

ペドロ・アルモドバル監督 ペネロペ・クルス(レナ)ルイス・オマール(ハリー・ケイン(マテオ・ブランコ))ブランカ・ポルティージョ(ジュディット・ガルシア)ホセ・ルイス・ゴメス(エルネスト・マルテル)ルーベン・オチャンディアーノ(ライ・X)タマル・ノバス(ディエゴ)

 

【解説】

ボルベール<帰郷>』のペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルスにとって、4度目のコラボレートとなる恋愛ドラマ。愛と視力を同時に失った男の過去へとさかのぼり、男と運命の女との愛に満ちた日々と悲劇を描く。過去の出来事を封印して生きる男を演じるのは、『バッド・エデュケーション』のルイス・オマール。ペネロペは男の恋人で、すべてを求める美しい女優を演じる。人生の苦しみや痛み、そして愛と幸福の詰まった濃厚なドラマが涙を誘う。

 

【あらすじ】

愛する人と視力を失った14年前の事故を封印し、名前を変えて生きる脚本家のハリー(ルイス・オマール)。かつて、ハリーは新進気鋭の映画監督だった。ハリーは主演女優のレナ(ペネロペ・クルス)と激しい恋に落ちるが、レナには権力のあるパトロン、エルネスト(ホセ・ルイス・ゴメス)がいた。ある日、逃避行先の島で、二人を悲劇が襲う。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

まず、思ったのは色彩のセンスの良さ。

劇中の家に飾られてある絵画も素敵。

美的センスがすばらしい作品でした。

ペネロペの美貌とともに楽しみたい作品です。

 

ストーリーは、悲劇的な三角関係の物語。

 

まず、名前を変えて生きる盲目の脚本家、ハリー(ルイス・オマール)の独白から始まります。

そして、新聞で実業家エルネスト(ホセ・ルイス・ゴメス)の死を知る。

折しも、ライ・Xと名乗る男が現れ、エルネストの映画を撮りたいので、その脚本を書いて欲しいという依頼があった。

ライ・Xがエルネストの息子だということがわかったことで、ハリーの辛い記憶が甦る。

時間を遡り語られる、ハリーとエルネストとレナ(ペネロペ・クルス)の激しい愛憎の物語。

 

☆ネタバレ

ハリーは、その昔、マテオ・ブランコという高名な映画監督として名声をはせていた。

その新しい映画のオーディションにレナが現れた。

その美貌に魅せられたマテオは、彼女を主演とした映画を撮影することにした。

マテオには仕事での長年のパートナーのジュディット(ブランカ・ポルティージョ)がいた。

ジュディットはシングルマザーで、ぜんそく持ちの子供ディエゴを育てていた。

 

レナは、エルネストの秘書だったが、貧しさ故に父親の治療ができず困っていたところ、エルネストの愛人となることで両親を助けた。

でも、女優への夢を諦めきれず、マテオのオーディションに応募したのだった。

エルネストは、レナを独占したい思いから、息子にカメラを持たせて、レナの行動を逐一撮影して報告させていた。

 

エルネストの邪推と嫉妬が高じていく中、愛情が燃え上がるマテオとレナ。

映画を撮り終えると、二人は海辺の町へ逃避行することになった。

エルネストは怒り、編集をめちゃくちゃにして映画を公開した。

新聞では酷評され、マテオの目にも入った。

 

マテオは、マドリードに戻ろうとしたとき、交通事故にあった。

レナは死亡。

失明しながらも生き残ったマテオは、ハリーとしてしか生きれなくなっていた。

 

記憶を戻し、マテオとして再び生きることになったマテオに、ジュディットは過去の自分の重大な過ちを告白する。

編集する許可を与えたのは自分と編集の人で、エルネストに買収されたと言う。

さらに、ディエゴに本当の父親はマテオであると告げた。

こういう愛の形もあると、けっこう胸キュンのシーンでした。

これも、この映画の主題の一つじゃないかな、と思いました。

 

レナの遺作にもなった「謎と鞄と女たち」を再編集して満足げにしているハリーの姿で終わります。

ハリーは長い間苦しんだけど、やっと安らぎの時が訪れたのかもしれません。


アフター・ウェディング

2010-07-24 09:44:58 | 映画ーDVD

ーアフター・ウェディングーEFTER BRYLLUPPET/AFTER THE WEDDING

2006年 デンマーク

スザンネ・ビア監督 マッツ・ミケルセン(ヤコブ)ロルフ・ラッセゴード(ヨルゲン)シセ・バベット・クヌッセン(ヘレネ)スティーネ・フィッシャー・クリステンセン(アナ)クリスチャン・タフドルップ(クリスチャン)フレデリック・グリッツ・アーンスト(マーティン)クリスチャン・グリッツ・アーンスト(モートン)イーダ・ドゥインガー(アネッテ)

 

【解説】

2007年のアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされたデンマーク映画。コペンハーゲンを舞台に、孤児たちの援助活動に従事する中年男性ヤコブと彼の元恋人の家族をめぐる愛のドラマが展開する。監督は『しあわせな孤独』が高い評価を得た女性監督スザンネ・ビア。主人公のヤコブを『007/カジノ・ロワイヤル』の悪役マッツ・ミケルセンが演じる。人を愛する心とその裏にひそむ孤独、さらには家族の大切さを見つめた衝撃の展開は必見。

 

【あらすじ】

インドで孤児たちの援助活動に従事するデンマーク人ヤコブ(マッツ・ミケルセン)は、巨額の寄付金を申し出てきた実業家ヨルゲン(ロルフ・ラッスゴル)に会うため故郷デンマークへ。そして偶然にも、ヨルゲンの妻ヘレナ(サイズ・バベット・クヌッセン)が自分のかつての恋人であるということが判明する。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「マイ・ブラザー」を見たことで、オリジナルのデンマーク映画「ある愛の風景」を見て、スザンネ・ビア監督作品を「悲しみが乾くまで」とこの「アフター・ウェディング」と見てきました。

主演のマッツ・ミケルセンは、「シャネル&ストラヴィンスキー」に続いてです。

「007/カジノロワイヤル」では、極悪人でしたが、この2作品では、繊細な演技を披露して、なかなか魅力的な俳優さんです。

 

「アフター・ウェディング」というタイトルから、もっと華やかな映画を期待しましたが、スザンネ監督らしい、人々の心の繊細なひだを描写する作品でした。

 

二人の対照的な男がデンマークで会うところから話が始まります。

一人はインドで孤児たちを支援しているヤコブ(マッツ・ミケルセン)。

もう一人は、ヤコブの活動の援助を申し出た実業家ヨルゲン(ロルフ・ラッスゴル)です。

 

☆ネタバレ

ヨルゲンは自分の娘の結婚式に参列してくれるよう、ヤコブに頼みました。

列席してみると、ヨルゲンの妻ヘレネは、20年前に別れた恋人でした。

しかも、花嫁のアナはどうも自分の娘のようです。

ヘレネもヤコブとの再会に驚きます。

でも、アナの存在を知らなかったのはヤコブだけ。

妊娠を知る前に別れてしまったからです。

 

契約を済ませたらすぐにインドに帰るつもりだったヤコブ。

でも、ヨルゲンは引き止めます。

「デンマークにいてくれるなら、インドの活動に援助は惜しまない」

自分をお金で買われるようで不快感でいっぱいのヤコブ。

 

でも、「自分は癌で余命がない。幼い息子もいるので、あとの面倒を見て欲しい」というヨルゲンの言葉に、父親としての気持ちが揺らぎます。

 

インドに残して来たかわいがっている少年の声を電話越しに聞きながら、身が引き裂かれそうな思いはしても、目の前の娘に心がどんどん引かれてしまうヤコブでした。

 

始めは、勝ち組で、俗物にしか見えなかったヨルゲンが、よき父、よき夫であるという描き方。

ヤコブが、理想に燃える活動家なのに、心のどこかに現実逃避などの弱さが見えるところが、人間という複雑な生き物をよく描いていると思いました。

 

ここまで、スザンネ監督の作品を見て、「人間というものは、ある一面を見ただけではわからないものだ」というのが監督のテーマではないかと思いました。

表の顔があれば裏の顔もある、また、切羽詰まったときに表れる人間性など、本当に人間の心理の奥深さを追求している監督だなあと思いました。

しかも、複数の主人公たちの誰かに肩入れすることもありません。

みんなを平等に評価しているところがすごいなあと思いました。

 

その反面、あまりに客観的で感動が少なく、物足りない気もしますが、一方では「これが人生」という気もします。

 

「しあわせな孤独」も昔見たことがあるんですが、ビア監督の作品という視点で、もう一度見直そうと思いました。


ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い

2010-07-19 09:01:19 | 映画ー劇場鑑賞

ーハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔いーTHE HANGOVER

2009年 アメリカ

トッド・フィリップス監督 ブラッドリー・クーパー(フィル)エド・ヘルムズ(ステュ)ザック・ガリフィナーキス(アラン)ヘザー・グレアム(ジェイド)ジャスティン・バーサ(ダグ)マイク・タイソン(本人)

 

【解説】

『スタスキー&ハッチ』のトッド・フィリップス監督が手掛けた、スリリングでパワフルなコメディー。結婚前夜祭に参加した4人の男たちがラスベガスで酔いの勢いに任せて体験する、ぶっ飛んだ2日間を描く。出演者も『バレンタインデー』のブラッドリー・クーパーや、『ナイト ミュージアム2』のエド・ヘルムズら個性派が勢ぞろい。アメリカの歴代コメディー映画史上最高額を稼ぎ出した、パンチの効いた笑いにノックアウトされる。

 

【あらすじ】

2日後に挙式を控えたダグ(ジャスティン・バーサ)は、バチェラーパーティーと呼ばれる結婚前夜祭をラスベガスで過ごすことにする。彼は親友のフィル(ブラッドリー・クーパー)やステュ(エド・ヘルムズ)らと共に一路ラスべガスへ。だが、翌日ホテルで目を覚ますとひどい二日酔いで、花婿になるはずのダグの姿はどこにもなく……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

アメリカのドタバタって、日本では難しいと思うんだけど、これは大当たり!!

笑いたい人は見てください。

 

結婚式5時間前になっても、連絡が取れない花婿を心配していた花嫁に、電話が入る。

「もう、ダメだ。ダグ(ジャスティン・バーサ)がいなくなった」

モハーベ砂漠から、ダグの友人のフィル(ブラッドリー・クーパー)から悲痛な声ー。

 

☆ネタバレ

結婚式を2日後にひかえたダグ(ジャスティン・バーサ)は、独身最後の夜を男ばかりで過ごすバチェラーパーティのため、ラスベガスにやってきた。

親友である教師のフィル(ブラッドリー・クーパー)と歯科医師のステュ(エド・ヘルムズ)、花嫁の弟のアラン(ザック・ガリフィナーキス)たちと。

 

アランを演じているザック・ガリフィナーキスは、ジャック・ブラツクを彷彿とさせます。

絶対この人がなんかやらかすわー。

 

ラスベガスへ着いたご一行、最初からテンションが上がりっ放し。

立ち入り禁止の屋上に上がって、まずは乾杯。

 

そして、一夜明けて、ラスベガスのホテルの豪華なスイートルームで目覚めたご一行様。

いろんながらくたが散乱していて、鶏が歩いている。

部屋はぐちゃぐちゃ。

女性がこっそり部屋を抜け出した。

次々に起きだす男たち。

 

ステュの歯は1本抜けているし、アランがトイレに行ったら、なんと虎がいた。

そして、ダグがベッドのマットとともに、いなくなった!!

携帯電話も置いたまま。

しかもみんな、昨夜の記憶がまったくない。

 

ダグを探すためにとりあえずホテルを出る。

乗って来たはずの高級車が、パトカーに変わっているし、フィルの腕には病院で治療を受けた印がー。

手がかりの断片をつなぎ合わせて、昨夜の記憶とダグを探すと言うもの。

 

記憶をなくした一夜の出来事は、エンドロールで明らかにされます。

もうめちゃくちゃ楽しい夜だったようです。

 

酔っぱらって記憶をなくしたことが、1、2回あります。

夫なんてしょつちゅうです。

お酒好きの皆様、飲み過ぎ家には注意しましょうね。

 

でも、安心して。

この映画のおバカさんたちは、悪い薬を知らずに飲んだ結果でした。

薬はあかんねー。

 

ヘザー・グレアムがいい役で出ていました。

これぞ、マドンナ!!

びっくりはマイク・タイソンが本人役で!!

こわー!!


ザ・ロード

2010-07-17 08:48:11 | 映画ー劇場鑑賞

ーザ・ロードーTHE ROAD

2009年 アメリカ

ジョン・ヒルコート監督 コーマック・マッカーシー原作 ヴィゴ・モーテンセン(父)コディ・スミット=マクフィー(息子)ロバート・デュヴァル(老人)ガイ・ピアース(男)シャーリーズ・セロン(母)

 

【解説】

コーマック・マッカーシーがピューリッツァー賞を受賞した同名のベストセラー小説を映画化したロード・ムービー。文明崩壊後のアメリカで、人間としての心を失わずに旅を続ける父子の苦難の日々を描く。よき父親を熱演するのは『イースタン・プロミス』のヴィゴ・モーテンセン。共演者も『アンダーカヴァー』のロバート・デュヴァルや『ハート・ロッカー』のガイ・ピアースら個性派が集結。ジョン・ヒルコート監督も絶賛のヴィゴの危機迫る演技に、思わずうなる。

 

【あらすじ】

謎の天変地異がアメリカを襲い、ほとんどすべての動植物が死に絶え、文明も消滅。そんな世界に残された父(ヴィゴ・モーテンセン)と息子(コディ・スミット=マクフィー)は、ひたすら南を目指して歩き始める。生き残ったわずかな人々が互いを食らうという狂気の中でも父は決して正気を失わず、息子に人としてのモラルを語り続ける。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

謎の天変地異がアメリカを襲い、生き物が死に絶え、わずかな人間だけが生き延びて、お互いを食べ合う、なんてシチュエーションが考えにくいですがー。

観念的な終末の風景ですね。

この世の地獄ー。

 

そんな世界でも、父親は体を張って子供を守り、人間性と生きる力を教えるという映画でした。

 

ある意味、父親論。

 

登場人物には名前もありません。

希望もない。

南を目指しているけど、そこには何があるのかもわかりません。

 

それでも、父と息子は南を目指すわけです。

 

それは、ある意味人生そのものですよね。

父は何かを息子に伝えたいわけです。

人間とは何か、男とは何か。

 

ヴィゴ・モーテンセンがその父親を体現していました。

枯れて、精神的で、それは素晴らしい。

 

息子は限りなく無垢でかわいい子供でした。

 

だから、何?

と言う気もしましたが、何も語らない分、考えてしまう作品でした。

 

テーマは「ザ・ウォーカー」に似ているけど、まあどっちもどっちだなあ。

はっきりいって、どちらも私には理解不可能なシチュエーションです。

 

アメリカ人は終末が近いと考えているのかなあ?

 


告白

2010-07-17 08:40:27 | 映画ー劇場鑑賞

ー告白ー

2010年 日本

監督=中島哲也 松たか子(森口悠子)木村佳乃(下村優子(直樹の母))岡田将生(寺田良輝(ウェルテル))西井幸人(渡辺修哉)藤原薫(下村直樹)橋本愛(北原美月)新井浩文(修哉の父)山口馬木也(桜宮正義)黒田育世(修哉の母)芦田愛菜(森口愛美)山田キヌヲ(修哉の継母)

 

【解説】

2009年本屋大賞に輝いた湊かなえの同名ベストセラー小説を原作に、教え子にまな娘を殺された中学校教師の復讐(ふくしゅう)を描くミステリー。『嫌われ松子の一生』の中島哲也監督がメガホンを取り、事件にかかわった関係者たちの告白によって真相が明らかになっていく緊張感あふれるドラマを作り上げた。『ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~』の松たか子がヒロインの狂気を体現するほか、『キラー・ヴァージンロード』の木村佳乃、『重力ピエロ』の岡田将生らが共演する。

 

【あらすじ】

とある中学校の1B組、終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ担任の森口悠子(松たか子)が静かに語り出す。「わたしの娘が死にました。警察は事故死と判断しましたが、娘は事故で死んだのではなくこのクラスの生徒に殺されたのです」教室内は一瞬にして静まりかえり、この衝撃的な告白から物語は始まっていく……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編を見た時は、「絶対見に行かないなあ」と思っていました。

中学生のイジメの話なんて、絶対見たくないわ。

 

でも、世間の評判がすごくいいし、中島哲也監督作品への信頼があるので、とうとう時間とタイミングが合った日に、見に行きました。

 

テーマは中学生のイジメではなく、「13歳の犯罪」でした。

殺人をしても、法的に裁かれない年齢の犯罪ーということです。

 

☆ネタバレ

この映画は、最初に殺人事件と犯人が明かされ、先に結末があるような作り方なので、内容について何も語れません。

知りたくない人は、これから先は読まないでね。

 

教師の森口悠子(松たか子)は中学1年B組の終業式のホームルームで、静かに語りだしました。

「私は今日で教師を辞めますー」

その内容は、自分が教師になるときに、これだけは心がけようと思ったこと。

マスコミにも取り上げられ、有名な教師の桜宮正義(山口馬木也)との間に娘・愛美(芦田愛菜)ができたが、彼がHIVに感染しているので、結婚せずに子供を産んだこと。

その愛美が中学のプールに落ちて死んだこと。

警察では事故死と言うことなったが、犯人はこのクラスにいること。

それは、二人で、優等生のBと平凡な生徒のB。

この二人は、実名もすぐにわかる。

自分はその二人に桜宮の血を混ぜた牛乳を飲ませたこと。

それが自分の復讐だ、と言い残して、悠子は教室を去りました。

 

春休みが終わり、クラス替えもなく、2年B組として新学期が始まりました。

新しい担任は寺田良輝(ウェルテル=岡田将生)。

桜宮正義先生に心酔して、熱血先生を目指している。

このクラスの黒い秘密を、彼だけが知らない。

A=渡辺修哉(西井幸人)は、いつも通りの生活を送っているが、B=下村直樹(藤原薫)は登校拒否。

 

ウェルテルは直樹の家にノートを持つていって、直樹に学校へ来るようにうながすことを提案。

そのときに北原美月(橋本愛)がクラスの代表として同行することになった。

しかし、直樹は引きこもったままで、母の下村優子(木村佳乃)が対応した。

直樹は、この訪問によって追いつめられていく。

 

下村家はこのあと、母も直樹も精神状態が不安定になり、悲劇に見舞われていきます。

一方、修哉は、生育歴が丁寧に語られ、彼が人を殺すのに抵抗のないモンスターに育っていく様子が詳しく描かれています。

 

彼の弱点が、彼を捨てて出て行った母親にあることを森口は突き止め、いろんな仕掛けをして彼をはめて、「これが私の復讐であり、あなたの更正の第一歩」だと言って、映画は終わります。

修哉に告げたことが本当かウソか、わからない終わり方です。

 

この森口と言う人物を、家族を亡くして復讐に燃える人間と見るか、それでも教育者であるという視点で見るか、わかれるところです。

 

1997年に神戸連続児童殺傷事件が起こり、その内容の特異さに世間は震撼しました。

しかも、この犯人はごく普通の家庭の少年であったこともショックでした。

当時、同世代の子供を育てていた私にとっても、衝撃的な事件でした。

 

この映画も、少年犯罪を扱っていること、快楽殺人であることなどから、あの事件を連想してしまいます。

 

少年は、生まれながらにモンスターなのか、モンスターとして育ってしまったのか?

私には謎です。

 

この映画は、モンスターである少年も、愛する者が命の危険にさらされることを知って、初めて命の重さを知ることとなるという展開でした。

この少年は、愛を知らずに育っていました。

 

これが原作者や中島監督のメッセージなのだと思いました。

特に、監督はいままでの派手な演出や映像を押さえて、メタリックな感じの映像表現で、人の心の冷淡な部分を強調しているように感じました。

それでも、中学生たちは明るく華やかに生活している感じもよく表れていたと思いました。

 

中学生は、大人には無口で何を考えているかわからない子が多いけど、心も体も一番成長する年代です。

 

直樹の親のように、過干渉もダメだし、修哉の親のように、捨ててしまったり、放任してしまうのもダメ。

でも、普通に育てているつもりでも、うまくいかないのがこの年代の子供たちと付き合う難しさです。

 

私も、反抗期を迎えた息子にとまどい、「息子の顔をしているけど、どこかで他人と中身が入れ変わったんじゃないか?」と思ったこともありました。

うちの場合は、3ヶ月ほどで終わりましたが。

 

中学生を持っているご家庭は、親子でこの映画を見て、話題になれば面白いと思いました。

予告編で感じたよりも、いい映画でした。


悲しみが乾くまで

2010-07-13 10:19:39 | 映画ーTV

ー悲しみが乾くまでーTHINGS WE LOST IN THE FIRE

2008年 アメリカ/イギリス

スサンネ・ビア監督 ハル・ベリー(オードリー・バーク)ベニチオ・デル・トロ(ジェリー・サンボーン)デヴィッド・ドゥカヴニー(ブライアン・バーク)アリソン・ローマン(ケリー)オマー・ベンソン・ミラー(ニール)ジョン・キャロル・リンチ(ハワード・グラスマン)アレクシス・リュウェリン(ハーパー・バーク)マイカ・ベリー(ドーリー・バーク)

 

【解説】

愛する夫の突然の死に直面した妻が、夫の親友との暮らしの中で徐々に運命を受け入れ、やがて前を向いて歩き始めるまでを描く感動ドラマ。監督は『アフター・ウェディング』などで評価の高いデンマークの俊英スザンネ・ビア。夫に先立たれる妻を『チョコレート』のハル・ベリー、ドラッグにおぼれる夫の親友を『シン・シティ』のベニチオ・デル・トロが演じる。2大アカデミー賞受賞スターの熱演と、美しくリアリティーのある画面作りが感動を呼ぶ。

 

【あらすじ】

夫のブライアン(デヴィッド・ドゥカヴニー)と2人の子どもに囲まれ、幸せな日々を送っていたオードリー(ハル・ベリー)。しかし、ブライアンが事件に巻き込まれ死亡。その葬儀の日、オードリーは夫の親友ジェリー(ベニチオ・デル・トロ)と再会する。ジェリーはかつて弁護士だったが、今はヘロインにおぼれ、堕落していた。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「ある愛の風景」のデンマークの監督スサンネ・ビアの、初めての英語の作品です。

 

夫のブライアン(デヴィッド・ドゥカヴニー)と2人の子どもに囲まれ、幸せな日々を送っていたオードリー(ハル・ベリー)。

夫が、突然事件に巻き込まれて亡くなってしまう。

子煩悩で愛妻家で、事業にも成功した最愛の夫を、突然亡くした妻の心情をきめ細かく描いています。

 

夫には幼なじみの親友がいました。

ジェリー(ベニチオ・デル・トロ)。

優秀な弁護士だったが、麻薬に手を出し、溺れていました。

それを陰ながら見守っていたのがブライアンだったのです。

 

ブライアンを夫のお葬式に招いたオードリー。

ブライアンは自分にとっても、ジェリーにとってもかけがえのない人間だったからです。

 

ジェリーは、このことをきっかけに、薬との生活を断ち切ろうと努力をします。

オードリーは、家事で焼けた納屋を改造して、行き場のないジェリーを迎え、更正を助けようとしますが、自分自身もまだ夫を亡くした悲しみから立ち直れないでいます。

 

この弱い二人が、補い合い、ブライアンがいないという喪失感を埋めていくところが見所です。

誰かを失ったから、誰かで穴埋めができる、という簡単なことではありません。

同じ人を失ったから、悲しみを共有できるものでもないのです。

人の心理の複雑さ。

女性監督の目線らしい、細やかさとシビアさがいいバランスだなあと思いました。

 

ビア監督は、「ある愛の風景」でも感じましたが、喪失感や心に開いた穴などという、極めて個人的で繊細なことを、ストーリー化して映像化していくのがとてもうまい監督です。

また、どちらの作品も、子供たちが大きな役割を占め、心の傷を癒すための大きな支えとなっています。

 

最愛の人を失うなんて、まったく想像もしたくないことですが、その喪失感のすごさは、想像に難くありません。

だれもが、経験するかもしれない身近なテーマを、ただ悲しい、ただ可哀想だけで終わらせず、再生のきっかけまで見せてくれるこの作品は、心の奥にしみてきます。

 


キラー・ヴァージンロード

2010-07-13 10:17:41 | 映画ーDVD

ーキラー・ヴァージンロードー

2009年 日本

監督=岸谷五朗 キャスト=上野樹里(沼尻ひろ子)木村佳乃(小林福子)寺脇康文(大家さん)眞木大輔(江頭賢一)小出恵介(小峰くん)田中圭(利根川純)中尾明慶(北翔)小松彩夏(AYAKA)清水くるみ(中学時代のひろ子)田中要次(修理のオジサン)小倉久寛(小倉さん)高島礼子(春日先輩)北村一輝(景山道生)北村総一朗(沼尻源一郎)

 

【解説】

映画のみならず、ドラマや演劇と幅広く活躍する演技派俳優・岸谷五朗が映画初監督に挑んだコメディー。人気、実力ともに若手女優の注目株の上野樹里と、『ブラインドネス』の木村佳乃をダブル主演に迎え、結婚したい女と死にたい女が繰り広げる逃亡劇と奇妙な友情を描く。そのほか寺脇康文、小出恵介、EXILEの眞木大輔といった豪華キャスト陣が集結。主題歌は福山雅治が担当し、本作のために特別に書き下ろした楽曲を提供している。

 

【解説】

幼いころからドジな沼尻ひろ子(上野樹里)は、ようやくこぎつけた結婚式の前日にアパートの大家を誤って殺してしまう。結婚を逃したくない彼女は死体を隠すために向かった富士の樹海で、何度自殺を試みても死ねない小林福子(木村佳乃)と出会う。福子がひろ子の死体処理を手伝う代わりに、ひろ子が福子を殺すという条件で奇妙な逃避行が始まり……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編から、「嫌われ松子」とか「パコと魔法の絵本」みたいなのを期待していましたが。

 

全然違いました。

この豪華キャストなのになあ。

ストーリーもぐだぐだ、展開も遅すぎ、同じシチュエーションを繰り返し過ぎ。

なんか、日本映画の悪いところがたくさん出てしまった映画でした。

 


レポゼッション・メン

2010-07-12 17:12:02 | 映画ー劇場鑑賞
ーレポゼッション・メンーREPO MEN
2010年 アメリカ
ミゲル・サポチニク監督 ジュード・ロウ(レミー)フォレスト・ウィッテカー(ジェイク)リーヴ・シュレイバー(フランク)アリシー・ブラガ(ベス)カリス・ファン・ハウテン(キャロル)

【解説】
『マッチスティック・メン』の原作者でもあるベストセラー作家、エリック・ガルシアによる原作をジュード・ロウ主演で映画化したSFサスペンス。人工臓器で長寿が可能になった近未来を舞台に、人工心臓を埋め込まれた臓器回収人の男が真実を追い求める姿を描く。共演には『ラストキング・オブ・スコットランド』のフォレスト・ウィッテカー、『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のリーヴ・シュレイバー、『ブラインドネス』のアリシー・ブラガら実力派がそろう。

【あらすじ】
人工臓器により長寿が可能になった近未来、高額ローンの返済が滞るとレポ・メンと呼ばれる臓器回収人が強制的に人工臓器を取り立てていた。レミー(ジュード・ロウ)は腕利きのレポ・メンとして恐れられていたが、ある出来事によって人工心臓を埋め込まれてしまう。多額の借金を背負い追われる身になった彼は、謎の女性債務者ベス(アリシー・ブラガ)と出会う。(シネマトゥデイ)

【感想】
「車のローンが払えなくなったら、車は回収される。
家のローンが払えなくなったら、家が回収される。
人工臓器のローンが払えなくなったら、人工臓器が回収される」
というわけで、近未来の世界で、人工臓器を高利のローンで売り込んでいるユニオン社が行っている合法的なレポ(回収)。
その一流のレポ・メンがレミー(ジュード・ロウ)です。

人工臓器の滞納者のリストをもとに、滞納者の元に行き、逃げ惑う滞納者をスタンガンで気絶させて回収を行う。
「回収の後に救急車を呼びますか?」と問いかけても、気絶しているし、臓器を取った後は死んでしまうので、この問いかけはいつもムダです。

レミーには妻と子供がいて、妻は、このレポメンの仕事を嫌がっていた。
そんなとき、相棒のジェイク(フォレスト・ウィッテカー)臓器を回収しているところを妻に見られてしまう。
レミーも、子供のことを考えると、そろそろ潮時かな、と思う。

そんなある日、回収のため徐細動器をかけたとたん、自分がふっとんで心臓に大きな疾患を持った。
ユニオン社の社長フランク(リーヴ・シュレイバー)は、人工心臓を進める。
死ぬ以外に他に方法のないレミーは、それを受け入れローンを組んだ。

自分に人工臓器が入ると、いままでように冷徹に仕事ができなくなり、自分も回収対象の滞納者になってしまった。
逃亡の途中で女性債務者ベス(アリシー・ブラガ)と出会い、ユニオン中枢に入り込んでデータを消そうとするが…。

☆ネタバレ
かなりのグロです。
痛いし、血だらけだし、それに弱い方にはお薦めしません。
でも、CGだし、あまり感情移入しないように作ってあるので、その方面はたいていの人は大丈夫かとも思います。

そして、夢オチなので、がっかりする人も多いかもしれません。
夫は、かなりの部分寝ていました。
確かに前半の流れが悪い。

レミーと一緒に逃避行をするベスは、たくさんの人口臓器や器官を体に入れていて、「最高の感度の女性器」も入れているそうです。
そういうところだけ、夫はしっかり聞いていて、最後のスキャナーでデータを削除していくシーンでは、かなり期待したそうですが、その期待に応えられることはありまんでした。残念ながら。

でも、もう少しエロティックな要素も加味したら、グロさも際立ってどちらも生きたかなあ、と言う気はします。

ただ、この映画の意図は、たぶん、エンドタイトルに出て来るユニオン社のロゴで完結するということでしょう。
すごく風刺が効いていて、まるでイギリス映画みたい、と思いました。

でも、近い将来は、どんな形にしても臓器移植が盛んになっていくのでしょうね。
たぶんクローン技術の発達の方が早いとは思うけど、こちらは倫理的な問題をクリアするのが難しそうなので、この映画のように、精密な人工臓器の開発まで待たないといけないのでしょう。

でも、そんな未来が来たとしても、レポ・メンに回収されるのは嫌だ。
私は、なにがなんでも一括払いにしたいし、できなかったら買うべきではないよね。
たとえ、命は助からないとしても…。

これは、サブムライム問題への皮肉でもあるのかなあ?

浪速温泉銭湯ライブ 石田長生ワンマンキャラバン2010

2010-07-12 16:51:37 | ライブ
ー銭湯ライブ 石田長生ワンマンキャラバン2010ー
浪速温泉(大阪市西成区花園町)


浪速温泉外観

去年の5月25日に、有山じゅんじさんのライブ「有山なお湯」で、初めて浪速温泉に行きました。
今年は、石田長生さんのライブに参加です。

私はすぐ近くの天下茶屋育ちなので、花園町はとても懐かしい感じがします。
いまも、当時とあまり変わらない下町らしい町並みです。


これがステージ


オープニングアクトはナオシンです。
ぐっと実力をあげてきましたね。
楽しかった。

そして、石田長生登場です。





ライブスケジュールを見たら、すごい過密で驚きました。
でも、いしやんはめちゃパワフルでした。
ライブについて回っている人もたくさんいるらしい。
とても楽しいステージでした。

最後に桑名晴子さんが飛び入り参加。
「たまたま立ち寄っただけ」と言っていましたが、すごく盛り上がりました。