マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

清須会議

2013-12-24 12:55:53 | 映画ー劇場鑑賞

ー清須会議ー

2013年 日本 

監督=三谷幸喜 キャスト=役所広司(柴田勝家)大泉洋(羽柴秀吉)小日向文世(丹羽長秀)佐藤浩市(池田恒興)妻夫木聡(織田信雄)浅野忠信(前田利家)寺島進(黒田官兵衛)でんでん(前田玄以)松山ケンイチ(堀秀政)伊勢谷友介(織田三十郎信包)鈴木京香(お市様)中谷美紀(寧)剛力彩芽(松姫)坂東巳之助[2代目](織田信孝)阿南健治(滝川一益)市川しんぺー()染谷将太(森蘭丸)篠井英介(織田信長)戸田恵子()梶原善()瀬戸カトリーヌ()近藤芳正()浅野和之(明智光秀)中村勘九郎[6代目](織田信忠)天海祐希(枝毛)西田敏行(更級六兵衛)

 

【解説】

数々のヒット作を作り出してきた三谷幸喜が、およそ17年ぶりに書き下ろした小説を自ら映画化した群像喜劇。本能寺の変で織田信長が亡くなった後、織田家後継者と領地配分を決めるために、柴田勝家や羽柴秀吉らが一堂に会した清須会議の全容を描く。役所広司演じる勝家と大泉洋ふんする秀吉の主導権争いを軸に、それぞれに思惑を秘めた登場人物たちが駆け引きを繰り広げていく。そのほか佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、西田敏行ら豪華キャストが勢ぞろいする。

 

【あらすじ】

本能寺の変によって織田信長が亡くなり、筆頭家老の柴田勝家(役所広司)と羽柴秀吉(大泉洋)が後見に名乗りを上げた。勝家は三男の信孝(坂東巳之助)、秀吉は次男の信雄(妻夫木聡)を信長亡き後の後継者として指名し、勝家は信長の妹・お市(鈴木京香)、秀吉は信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方にする。そして跡継ぎを決めるための清須会議が開催されることになり、両派の複雑な思惑が交錯していく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

さすが三谷幸喜、面白かったです。

こういう密室心理劇は独壇場ですね。

 

人物相関図がややこしいといっても、織田家人々は特徴的な髪型をしているし、豊臣家の人は特徴的な耳の形でした。

わかりやすくて面白いと思いました。

 

清須会議は知らなかったけど、織田信長の跡目争いは熾烈だっただろうと思います。

ただ単に、明智をやっつけたから秀吉にというわけではなかっただろうということは想像できます。

この会議は、確かに無血の戦争だったのでしょう。

 

しかもポイントは、跡継ぎ問題ではなく、天下を取る争いだったということです。

当時の信長に続くナンバー2だった筆頭家老の柴田勝家(役所広司)対、謀反人の明智光秀と戦って勝った実力者、羽柴秀吉(大泉洋)。

歴史の流れ、アヤ、面白いですね。

  秀吉(左)と勝家

実際はどうだったかはわからないけど、この作品で描かれているように、あるときは柔らかく懐柔し、あるときは厳しく恫喝もあったでしょう。

汚い裏取引もあったのでしょう。

いろいろ想像力がかき立てられるテーマでした。

 

この後、小競り合いはあったものの、日本は戦国時代から脱し、繁栄の安土桃山時代を謳歌して、天下分け目の関ヶ原の戦いを経て、安定した江戸時代になっていくわけです。

戦国時代に逆戻りしたくないという日本人気質がこの会議で円満解決を導いたのかもしれません。

 

そうはいっても、それぞれの人物たちにはそれぞれの運命が訪れます。

 

清須会議で破れた柴田勝家は、会議の後お市の方(鈴木京香)と結婚するものの、1年後には賤ヶ岳の戦いで秀吉群に破れお市の方と共に自害。

結婚のとき、勝家は60歳(諸説あるらしいけど)、お市は35歳くらいです。

対立した勝家と秀吉の間には必ず争う日が来るというのは、みんながわかっていたことでしょう。

この結婚の仲介をしたのが秀吉との説が有力らしいですが、ますます謎ですね。

この結婚にどんな思惑があったのでしょう。

 

  織田信孝(左)と織田信雄

勝家とともに跡目争いに敗れた織田信孝(坂東巳之助[2代目])は、賤ヶ岳の戦いでも勝家に加勢し、秀吉に破れる。

囚われた後に自害させられる。

享年27歳。

その時、秀吉に人質として差し出していた生母や妹や娘たちは全員秀吉に殺されたそうです。

 

秀吉が跡目として擁立した当時3歳の三法師、後の織田秀信は、信長の嫡男信忠の嫡男。

岐阜城主となるが、関ヶ原の戦いで負け、城を明け渡して剃髪して高野山へ行くが、祖父信長が迫害したこともあって受け入れられず、その後は紀州のお寺で生涯を閉じる。享年26歳。

 

織田信雄(妻夫木聡)は、賤ヶ岳の戦いでは秀吉側に付き、信孝を岐阜城に攻めて降伏させた。

信雄は三法師の後見として安土城に入城するが、秀吉と険悪になり、退去させられ、家康と接近する。

しかし、秀吉の攻勢に家康と分かれ、単独講和を結び、それからは秀吉のために働いた。

しかし、1614年の大坂の陣の直前に徳川方へ転身し、晩年は京都で悠々自適の老後を送ったようだ。

 

おっと、寄り道し過ぎました。

映画は豪華キャストですが、それぞれのキャラクターが際立っていて、楽しく見れます。

歴史好き、三谷幸喜好きにはオススメです。

 

ステキな金縛り」のキャラクター更科六兵衛(西田敏行)が登場するのが面白かったです。

 


悪の法則

2013-12-24 10:55:53 | 映画ー劇場鑑賞

ー悪の法則ーTHE COUNSELOR

2013年 アメリカ 118

リドリー・スコット監督 マイケル・ファスベンダー(カウンセラー)ペネロペ・クルス(ローラ)キャメロン・ディアス(マルキナ)ハビエル・バルデム(ライナー)ブラッド・ピット(ウェストリー)

 

【解説】

マイケル・ファスベンダーにブラッド・ピット、ペネロペ・クルスにキャメロン・ディアスにハビエル・バルデムという豪華スターが共演した心理サスペンス。欲望に駆られて裏社会のビジネスに手を出した弁護士とその仲間たちが、危険なわなにハマり否応なく堕(お)ちて行く姿を描き出す。メガホンを取るのは『ブラックホーク・ダウン』などの巨匠リドリー・スコット。セレブリティーたちを破滅へと追い込む謎の黒幕の存在はもとより、予想だにしないラストに驚がくする。

 

【あらすじ】

メキシコ国境付近の町で弁護士をしている通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、恋人ローラ(ペネロペ・クルス)との結婚も決まり人生の絶頂期にあった。彼は実業家のライナー(ハビエル・バルデム)と手を組み、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)も交えて新ビジネスに着手する。その仕事は巨額の利益を生むはずが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編でのイメージとは少し違っていました。

麻薬の闇カルテルに手を出した弁護士、通称カウンセラー(マイケル・ファスベンダー)は、美しい恋人ローラ(ペネロペ・クルス)に、大粒のダイヤモンドを贈り、プロポーズ。

ローラも快く応じて、人生はバラ色に輝いていた。

実業家のライナー(ハビエル・バルデム)や、裏社会のブローカー、ウェストリー(ブラッド・ピット)と関わった、麻薬の密輸で大儲けのはずが…。

  ライナーと愛人のマルキナ

ちょとしたカウンセラーのミスから、麻薬を他の組織に奪われ、カウンセラー、ライナー、ウェストリーは組織から追われる身となった。

 

じわじわと三人を追いつめる闇組織。

実に怖いです。

最初にいろんな伏線が引かれているので、終盤には恐怖がぐぐっと増して行きます。

  マルキナとローラ

それはそうなんだけど、カウンセラーは悪の道とわかっていて関わったわけだし、ライナーやウェストリーも悪人。

ローラだけが被害者でひどい目に遭ったと思うくらいでした。

誰にも共感できず、なんだか置いてけぼりにあったような気分になりました。

 

描かれてあることは、それぞれびっくりするようなことばかりで、非日常という意味では興味深かったけど。

そこを楽しそうに演じていたのがマルキナ役のキャメロン・ディアス。

キャメロンの側から描いていたら、もう少し楽しめたんじゃないかなあ、と思いました。

 

 

ゼロ・グラビティ

2013-12-18 19:03:31 | 映画ー劇場鑑賞

ーゼロ・グラビティーGRAVITY

2013年 アメリカ 91

アルフォンソ・キュアロン監督 サンドラ・ブロック(ライアン・ストーン)ジョージ・クルーニー(マット・コワルスキー)エド・ハリス

 

【解説】

『しあわせの隠れ場所』などのサンドラ・ブロックと『ファミリー・ツリー』などのジョージ・クルーニーという、オスカー俳優が共演を果たしたSFサスペンス。事故によって宇宙空間に放り出され、スペースシャトルも大破してしまった宇宙飛行士と科学者が決死のサバイバルを繰り広げる。監督を務めるのは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』『トゥモロー・ワールド』などの鬼才アルフォンソ・キュアロン。極限状況下に置かれた者たちのドラマはもとより、リアルな宇宙空間や事故描写を創造したVFXも必見。

 

【あらすじ】

地表から600キロメートルも離れた宇宙で、ミッションを遂行していたメディカルエンジニアのライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とベテラン宇宙飛行士マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。すると、スペースシャトルが大破するという想定外の事故が発生し、二人は一本のロープでつながれたまま漆黒の無重力空間へと放り出される。地球に戻る交通手段であったスペースシャトルを失い、残された酸素も2時間分しかない絶望的な状況で、彼らは懸命に生還する方法を探っていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

評判通り、面白い映画ですよ。

これは3Dでどうぞ。

 

地表から60万メートル上空。

重力も酸素もない静寂の世界、宇宙。

人は生身では生きられない。

 

スペースシャトル「エクスプローラー」で船外作業中のライアン・ストーン博士(サンドラ・ブロック)とそれを見守るコマンダー、マット・コワルスキー(ジョージ・クルーニー)。

そこへ、ヒューストンから緊急避難のアナウンスが入った。

ロシアが衛星を爆破し、その破片がさまざま衛星に当たりながらエクスプローラーにもぶつかる危険があるというのだ。

 

逃げる暇も無く、ライアンはアームとともに宇宙空間に投げ出されてしまった。

ぐるぐる回ってパニックに陥るライアン。

そこにマットの冷静な声が聞こえて来た。

 

☆ネタバレ

このように、この作品の舞台は漆黒の宇宙の闇の中。

人間はいかに非力で弱々しい存在かということを思い知らされる。

 

次々とライアンを襲う悲劇と災難。

その試練をけなげに身を投げ出して奮闘するサンドラ・ブロックの表情が素敵です。

後半はサンドラの独壇場。

一人芝居状態です。

 

一人娘を無くし、感情に蓋をして生きてきたライアン。

でも、極限世界で、地球の声や亡き娘の面影や幻覚の中のマットに励まされながら、ライアンは必死に生きる。

ただ生きるということが美しく、素晴らしいということが、ラストの笑顔に言い尽くされていると思いました。

 

画面の向こうから次々と飛んでくる無数の衛星の破片や、ライアンの目からこぼれる涙の粒、ぴちゃっと飛び跳ねる水など、3Dだからこそ体感できる楽しさもいっぱい。

 

登場する国際宇宙ステーションやロシアの宇宙船の話、ライアンが帰還を試みる中国の宇宙船。

タイムリーな宇宙の話題でもありますが、政治的なことはわからないなあ。

 

難しいことはともかく、必見です!!

 


拝啓、愛しています

2013-12-18 10:35:24 | 映画ーDVD

ー拝啓、愛していますーLATE BLOSSOM

2011年 韓国 118

チュ・チャンミン監督 イ・スンジェ(キム・マンソク)ユン・ソジョン(ソン・イップン)キム・スミ(グンボンの妻)ソン・ジェホ(チャン・グンボン)ソン・ジヒョ(キム・ヨナ)オ・ダルス(ダルス)

 

【解説】

『王になった男』のチュ・チャンミンが監督を務め、カン・プル原作の韓国の人気漫画を映画化した感動作。ソウルの住宅地を舞台に、老境を迎えながらも懸命に生きようとする4人の男女の悪戦苦闘の日々を映し出す。『グッドモーニング・プレジデント』のイ・スンジェや『エンジェル・スノー』のユン・ソジョンらベテラン勢が共演。掛け替えのない相手を思い合う主人公たちの姿勢に心打たれる。

 

【あらすじ】

寒い冬の早朝、定年後に牛乳配達のアルバイトを始めたマンソク(イ・スンジェ)は、いつものようにオンボロバイクを走らせていた。彼はリヤカーを引きながら古紙回収をしている年配の女性(ユン・ソジョン)と坂道で擦れ違い、ふとした偶然で転んだ彼女を助ける。その日以来、マンソクは毎朝そわそわしながら彼女の姿を捜し始め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

老いらくの恋などみたくもない、という感じですが、この作品は違いました。

恋というにはあまりに深い心情。

取り返せない過去を噛み締めて、二人が選んだ道が切なかったです。

 

早朝の町の坂道で、毎朝すれ違うマンソクじいさん(イ・スンジェ)とソンばあさん(ユン・ソジョン)。

マンソクのおんぼろバイクがはじいた小石が、ソンに当たり、ソンは転んでしまった。

マンソクは、自分のしたことがわからない。

助けに駆け寄るが、優しい言葉をかけたのではない。

 

でも、これで二人に関係性が生まれた。

雪の日には、マンソクはソンのリヤカーを引いて降りてやり、二人はその時間に出会うことを心待ちにするようになった。

 

ある時、ソンのリヤカーがおいてある駐車場の管理人グンボン(ソン・ジェホ)が寝坊して、あわてて鍵をかけ忘れて家を飛び出してしまった。

残された認知症の妻は、ふらふらと寝間着のまま家を出てしまった。

公園でブランコに乗っている薄着のグンボンの妻(キム・スミ)を見つけたのはマンソク。

上着を貸してやり、靴もはかせるが、家が分からない。

 

そのころ、必死に妻を捜して町中を探しまわっていたグンボンとソン。

ようやく4人は出会って、グンボンはマンソクに感謝した。

 

そこから、マンソクとソンは急速に近づいて行くが、ソンは字が読めず、マンソクとの待ち合わせに大幅に遅れてしまった。

そのことから、ソンの辛い過去が語られる。

 

マンソクは、役所に勤める孫娘キム・ヨナ(ソン・ジヒョ)にソンの生活保護を頼むが、ソンには名前も無く、社会保障番号も無かった。

世の中から忘れ去られたような存在のソン。

マンソクは、ソンをイップンという名で呼び、愛するようになっていく。

 

☆ネタバレ

そんなときに悲劇が起きた。

グンソクの妻が不治の病とわかり、グンソクは妻と心中をしてしまう。

そして、その後始末をマンソクに頼んだのだ。

 

ソンは、この出来事にショックを受け、マンソクと離れて故郷に帰ると言う。

それを聞いて怒るマンソクだが、やがてソンの心情を察知し、グンソクの残したおんぼろタクシーでソンを送って行くのだった。

マンソクにも、亡き妻への悔恨の情とか、家族への思いとか、ソンだけに捧げられない過去があったから。

 

マンソクの死ぬ間際、本当にきれいなシーンが展開されます。

ETへのオマージュもあるかも。

ファンタジーの中で結ばれたふたり。

 

このシーンで、二人が理解し合った思いが観客にも届いたような気がしました。

なぜ、ソンはマンソクの元を離れたか。

それは、やはり二人には時間がないからです。

老い先が短いから。

もう、間違いたくないし、やり直せないもの。

 

私も老境に一歩踏み出して、その気持ちが痛いくらいわかります。

この文章を書いていても、二人の心情に涙がこぼれました。

 

いい作品です。

60歳以上は、ぜひご覧下さい。

 

君と歩く世界

2013-12-13 09:32:13 | 映画ーDVD

ー君と歩く世界ーDE ROUILLE ET D'OS/RUST AND BONE

2012年 フランス/ベルギー 122

ジャック・オーディアール監督 マリオン・コティヤール(ステファニー)マティアス・スーナールツ(アリ)アルマン・ヴェルデュール(サム)セリーヌ・サレット(ルイーズ)コリンヌ・マシエロ(アナ)ブーリ・ランネール(マルシャル)ジャン=ミシェル・コレイア(リシャール)

 

【解説】

監督作『預言者』がカンヌ国際映画祭やセザール賞を席巻したジャック・オーディアール監督が、オスカー女優マリオン・コティヤールを主演に迎えた人間ドラマ。事故で両脚をなくし絶望し切ったヒロインが、粗野なシングルファーザーとの触れ合いを経て生きる希望を取り戻していく。マリオンの相手役には、『闇を生きる男』のマティアス・スーナールツ。膝から下を失う大事故に見舞われながらも、再び力強く歩み始めるヒロインの姿が胸を打つ。

 

【感想】

南仏の観光施設でシャチの調教師をしているステファニー(マリオン・コティヤール)は、ショーの最中に事故に遭い、両脚の膝から下を失ってしまう。失意の彼女を支えたのは、不器用なシングルファーザーのアリ(マティアス・スーナールツ)だった。粗野だが哀れみの目を向けずフランクに接してくる彼と交流を重ねるうちに、ステファニーは次第に生きる希望を取り戻していく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編とは印象が違います。

予告編では、両足を失った女性を、献身的に支える男の話みたいですが…。

主人公は男の方です。

 

仕事も家も無く、5歳の息子を連れて姉を頼って南仏に来たアリ(マティアス・スーナールツ)。

道中はヒッチハイクをし、長距離列車で移動中は、落ちている食べ物を拾って食べ、姉婿が迎えにくる間に盗みもする、そんな男。

 

姉夫婦もかつかつの生活をしているが、弟親子を迎え入れる。

アリは、ナイトクラブの警備の仕事を得て、働き始める。

そこで起こった暴力沙汰で、ステファニー(マリオン・コティヤール)と知り合う。

アリは初対面で、ステファニーのことを「そんな娼婦みたいな格好で…」という。

 

ステファニーはシャチの調教師。

ある日不幸な事故が起きて、ステファニーは両足を膝から下を失うこととなった。

心を閉ざし、一人で引きこもるステファニー。

何がきっかけか判らないが、アリが残していった電話番号を思い出し、アリに電話をかける。

 

それから二人の交流が始まった。

 

アリはよくも悪くも物事に頓着しない性格。

考えるより先に手が出るタイプ。

それで、息子に手をかけたり、姉に迷惑をかけたり、不協和音の連続。

でも、そういう無頓着さが傷心のステファニーの心をとらえて、二人は接近して行く。

 

アリは闇の格闘技の世界に入り込み、ステファニーも付き合ううちに、ステファニーの心の中に自信というか、光明を取り戻し、シャチとの和解や絆が戻って来て、生き返った。

 

このあたり、とても感動的で美しいシーンが続きます。

シャチとステファニーの交流のシーンは泣いてしまいました。

 

でも、主人公はあくまでアリです。

アリのもうひとつの闇の仕事、大型量販店の従業員を監視カメラで極秘に撮っていた男(闇の格闘技のアリのマネージャーでもある男)の助手をしていたことがばれ、それが元で、アリの姉も仕事をやめさせられてしまった。

 

ここでようやくアリは自分の軽率さ、物事を深く考えない性格を悔やみ、子供も残し、ステファニーにも告げず、姿を消す。

 

地元に帰って、世界チャンピオンの道を目指していたのですが。

 

姉婿のはからいで、息子と遊ぶ時間を持つが、ふと目を離した隙に息子は凍った湖に落ちる。

分厚い氷をそのこぶしで破り、息子を助け、知らせを聞いたステファニーとも和解して、世界チャンピオンに!!

 

ラストはすごく急ぎ足で、感動までは行かなかったのが残念でした。

 

ステファニーを主人公にした方が感動的で良かったと思うけど、でも、この展開も嫌いじゃありません。

粗野だけど、心のピュアなアリ。

ステファニーに出会うことで、多くを学んだと思う。

自分の思いを表現することの大切さ、人を思いやるということ、それは、誰かに学ばなきゃ身に付かないことなんだなあ。

深いテーマを持った作品だと思いました。

考えさせられました。

 


ヘンゼル&グレーテル

2013-12-13 09:27:40 | 映画ーDVD

ーヘンゼル&グレーテルーHANSEL & GRETEL: WITCH HUNTERS

2013年 アメリカ 

トミー・ウィルコラ監督 ジェレミー・レナー(ヘンゼル)ジェマ・アータートン(グレーテル)ファムケ・ヤンセン(ミュリエル)ピヒラ・ヴィータラ(ミア)ピーター・ストーメア(保安官)

 

【解説】

グリム童話「ヘンゼルとグレーテル」をベースにしたダークアクション。凄腕の魔女狩りとして賞金を稼いで暮らす兄妹・ヘンゼルとグレーテルが、黒魔女・ミュリエルと熾烈な戦いを繰り広げる。(TSUTAYADISCAS)

 

【感想】

これは公開もされなかったし、資料も少ない作品ですね。

でも、意外に面白かった。

ジャンル的にはB級ホラーかな?

B級好きの夫は大喜びでした。

 

冒頭に有名なグリム童話「ヘンゼルとグレーテル」のあらすじがざっくり語られる。

本編は、親に捨てられたヘンゼル(ジェレミー・レナー)とグレーテル(ジェマ・アータートン)兄妹がその後、魔女ハンターとして名声を上げて生き延びて来たというお話。

 

有名な魔女ハンターととなり、賞金稼ぎをしているヘンゼルとグレーテル兄妹。

魔女が多く目撃され、子供たちが次々と謎の失踪をしている村にやってくる。

村では、一人の女をつかまえて、保安官(ピーター・ストーメア)が今まさに火あぶりにしようとしているその時、兄妹が現れ、この人は魔女ではないと、解放する。

保安官は怒りまくるが、市長は兄妹を雇い、魔女狩りと子供たちの行方を探させた。

 

保安官も大勢の男たちを雇い、魔女が目撃された森に子供たちの捜索のために行かせた。

男たちが森の中でであったのは、大魔女のミュリエル(ファムケ・ヤンセン)だった。

 

かなりグロイんですが、ちゃちだし、漫画ちっくに表現してあるので、耐えられると思います。

ヘンゼルが(魔女にお菓子を食べさせられ過ぎて)糖尿病の持病を持っているとか、なぜ二人は捨てられたのか最後まで謎にしたり、なかなか設定が細かい。

それをジェレミー・レナ-がちょっととぼけた感じで演じているので、なかなかチャーミングなキャラクターです。

また、ジェマ・アタートンがかっこいいグレーテルを演じています。

ジェマが素敵と思ったのは、初めてかも…。

 

最終的には良い魔女(白魔女)と悪い魔女(黒魔女)の戦いとなって行くのですが、優しいトロルのエドワードや、ヘンゼルたちが助けた白魔女ミアなどが絡んで、楽しいホラー作品になっています。

 

悪くないです。