ー清須会議ー
2013年 日本
監督=三谷幸喜 キャスト=役所広司(柴田勝家)大泉洋(羽柴秀吉)小日向文世(丹羽長秀)佐藤浩市(池田恒興)妻夫木聡(織田信雄)浅野忠信(前田利家)寺島進(黒田官兵衛)でんでん(前田玄以)松山ケンイチ(堀秀政)伊勢谷友介(織田三十郎信包)鈴木京香(お市様)中谷美紀(寧)剛力彩芽(松姫)坂東巳之助[2代目](織田信孝)阿南健治(滝川一益)市川しんぺー(−)染谷将太(森蘭丸)篠井英介(織田信長)戸田恵子(−)梶原善(−)瀬戸カトリーヌ(−)近藤芳正(−)浅野和之(明智光秀)中村勘九郎[6代目](織田信忠)天海祐希(枝毛)西田敏行(更級六兵衛)
【解説】
数々のヒット作を作り出してきた三谷幸喜が、およそ17年ぶりに書き下ろした小説を自ら映画化した群像喜劇。本能寺の変で織田信長が亡くなった後、織田家後継者と領地配分を決めるために、柴田勝家や羽柴秀吉らが一堂に会した清須会議の全容を描く。役所広司演じる勝家と大泉洋ふんする秀吉の主導権争いを軸に、それぞれに思惑を秘めた登場人物たちが駆け引きを繰り広げていく。そのほか佐藤浩市、妻夫木聡、浅野忠信、西田敏行ら豪華キャストが勢ぞろいする。
【あらすじ】
本能寺の変によって織田信長が亡くなり、筆頭家老の柴田勝家(役所広司)と羽柴秀吉(大泉洋)が後見に名乗りを上げた。勝家は三男の信孝(坂東巳之助)、秀吉は次男の信雄(妻夫木聡)を信長亡き後の後継者として指名し、勝家は信長の妹・お市(鈴木京香)、秀吉は信長の弟・三十郎信包(伊勢谷友介)を味方にする。そして跡継ぎを決めるための清須会議が開催されることになり、両派の複雑な思惑が交錯していく。(シネマトゥデイ)
【感想】
さすが三谷幸喜、面白かったです。
こういう密室心理劇は独壇場ですね。
人物相関図がややこしいといっても、織田家人々は特徴的な髪型をしているし、豊臣家の人は特徴的な耳の形でした。
わかりやすくて面白いと思いました。
清須会議は知らなかったけど、織田信長の跡目争いは熾烈だっただろうと思います。
ただ単に、明智をやっつけたから秀吉にというわけではなかっただろうということは想像できます。
この会議は、確かに無血の戦争だったのでしょう。
しかもポイントは、跡継ぎ問題ではなく、天下を取る争いだったということです。
当時の信長に続くナンバー2だった筆頭家老の柴田勝家(役所広司)対、謀反人の明智光秀と戦って勝った実力者、羽柴秀吉(大泉洋)。
歴史の流れ、アヤ、面白いですね。
秀吉(左)と勝家
実際はどうだったかはわからないけど、この作品で描かれているように、あるときは柔らかく懐柔し、あるときは厳しく恫喝もあったでしょう。
汚い裏取引もあったのでしょう。
いろいろ想像力がかき立てられるテーマでした。
この後、小競り合いはあったものの、日本は戦国時代から脱し、繁栄の安土桃山時代を謳歌して、天下分け目の関ヶ原の戦いを経て、安定した江戸時代になっていくわけです。
戦国時代に逆戻りしたくないという日本人気質がこの会議で円満解決を導いたのかもしれません。
そうはいっても、それぞれの人物たちにはそれぞれの運命が訪れます。
清須会議で破れた柴田勝家は、会議の後お市の方(鈴木京香)と結婚するものの、1年後には賤ヶ岳の戦いで秀吉群に破れお市の方と共に自害。
結婚のとき、勝家は60歳(諸説あるらしいけど)、お市は35歳くらいです。
対立した勝家と秀吉の間には必ず争う日が来るというのは、みんながわかっていたことでしょう。
この結婚の仲介をしたのが秀吉との説が有力らしいですが、ますます謎ですね。
この結婚にどんな思惑があったのでしょう。
織田信孝(左)と織田信雄
勝家とともに跡目争いに敗れた織田信孝(坂東巳之助[2代目])は、賤ヶ岳の戦いでも勝家に加勢し、秀吉に破れる。
囚われた後に自害させられる。
享年27歳。
その時、秀吉に人質として差し出していた生母や妹や娘たちは全員秀吉に殺されたそうです。
秀吉が跡目として擁立した当時3歳の三法師、後の織田秀信は、信長の嫡男信忠の嫡男。
岐阜城主となるが、関ヶ原の戦いで負け、城を明け渡して剃髪して高野山へ行くが、祖父信長が迫害したこともあって受け入れられず、その後は紀州のお寺で生涯を閉じる。享年26歳。
織田信雄(妻夫木聡)は、賤ヶ岳の戦いでは秀吉側に付き、信孝を岐阜城に攻めて降伏させた。
信雄は三法師の後見として安土城に入城するが、秀吉と険悪になり、退去させられ、家康と接近する。
しかし、秀吉の攻勢に家康と分かれ、単独講和を結び、それからは秀吉のために働いた。
しかし、1614年の大坂の陣の直前に徳川方へ転身し、晩年は京都で悠々自適の老後を送ったようだ。
おっと、寄り道し過ぎました。
映画は豪華キャストですが、それぞれのキャラクターが際立っていて、楽しく見れます。
歴史好き、三谷幸喜好きにはオススメです。
ステキな金縛り」のキャラクター更科六兵衛(西田敏行)が登場するのが面白かったです。