ーイタリア・ローマ「天使と悪魔」ツアーー
ダン・ブラウンの「天使と悪魔」を読んで以来、熱望していたローマへの旅が実現しました。
趣旨に賛同してくれた友人たちが付き合ってくれ、これ以上ない、満足度の高い旅になりました。
旅行前に「天使と悪魔」はDVDでチェック。
飛行機の中でも原作を読みながら、期待に胸は高鳴ります。
イタリアは、ヴェニス、フィレンツェと回り、ローマに着いたのは5日目。
ラングドン教授が事件解決したようにとは行きませんが、私たちなりの「天使と悪魔」ツアーが完成しました。
まず、ラングドン教授とビットリアが殺人のキーワードとして見つけたのがガリレオが生きていた時代に4大元素と考えられていた「土、空気、火、水」。
そして、ガリレオが考えたイルミナティへの道を示す彫刻を作成した、ベルニーニの作品をたどる道ともなっています。
第一の殺人現場としてラングドンが考えたのがパンテオン。
イルミナティのシンボルであるピラミッドに見立てたオベリスク、そして、サンティの眠る土の墓。
サンティというのはラファエロの名字、確かにラファエロの墓がパンテオンにありました!!
これです。
このときは、まだベルニーニの彫刻がキーワードだとはわかっていなかったのですね。
でも、ここは殺人現場ではなかったんです。
ラファエロの墓がここに移されたのは、ガリレオ時代よりずっとあとだったからです。
では、どこだ!!
と謎が解けて向かったところが、サンタ・マリア・デル・ポポロ教会の中のキージ礼拝堂。
右側の教会がサンタ・マリア・デル・ポポロ。
この地下で、第一の殺人が起こったのでした。
あいにく工事中で、よく見えなかったのですが、丸天井や、赤い大理石で作られたピラミッド、ベルニーニ作の「ハバククの天使」の彫刻もなんとか確認できました。
写真がボケていて残念です。
とても暗かったものですから。
最後の写真「ハバククの天使」の指が指している方向にあるのがサンピエトロ広場。
ここには次の殺人現場のキーワードとなる「空気」=西風のレリーフがあるはずです。
でも、この前日に法王様の礼拝がこの広場で行われ、椅子がびっしりと並べられ、オベリスクの周りには近寄ることもできませんでした。
ここでは第二の殺人が起こり、肺に穴をあけて殺すという残忍な方法がとられました。
大聖堂に入るために長蛇の列に並んだお陰で、サンピエトロ広場をゆっくり見学することができました。
中心にオベリスクがあり、楕円形の広場の周りは、大きな4列の柱で取り囲まれ、その屋根の上には聖人や天使の彫像ずらっと並んでいて、広場にいるちっぽけな人々を見下ろしていました。
コンクラーベに使われる煙突が見えます。
小説では、西風のレリーフが吹き示していたのが東。
ラングドンは「サンタ・マリア・デッラ・ビットリア教会」だと考えます。
ここが実際と小説と違うところでした。
ガリレオ時代にはオベリスクがあり、今は「トリトーネの噴水」となっているハルベリーニ広場とサンタ・マリア・デラ・ビットリア教会とは少し距離がありました。
この教会では、キーワードは火。
三番目の殺人が火あぶりという残虐な方法で行われてしまいました。
そして、次の殺人現場を示す彫刻「聖女テレサの法悦」。
とてもすばらしかったです。
そして、最後の殺人が行われたのが「ナヴォーナ広場」。
すごく広い!!
「四大河の噴水」が広場の真ん中にあって、南に「ムーア人の噴水」北に「ネプチューンの噴水」があります。
この中央の噴水に最後の枢機卿が犯人によって投げ入れられ、映画ではラングドンが助け出し、その方が法王に選ばれると言う筋書きでした。
イルミナティの本部として書かれてあったサンタンジェロ城。
城の上から大天使が剣を地上に向かって構えていました。
お城の地下からサンピエトロ寺院に向かって秘密の地下道があるそうです。
最後にこの小説の舞台となったサンピエトロ大聖堂。
カメルレンゴが自分に火をかけて自殺する舞台となったところ。
横から地下に下りる階段があって、歴代法王様が眠る墓所も見学してきました。
下の写真が、ラングドンが殺されそうになる記録保管庫の入り口だそうです。
バチカン美術館から撮影しました。
わかる範囲で、もう少し詳しい説明を。
パンテオンが建設されたのが紀元前25年。
その後火事で喪失したが、ローマ皇帝ハドリアヌス帝によって再建されたのが128年。
鉄筋を入れないコンクリート建造物の中で、今でも世界一だそうです。
サンピエトロ大聖堂では、ボーイスカウト、ガールスカウトの子供たちのためのミサが開かれていました。
ミサが終わって、司教様が退席して行かれましたが、フランシスコ法王だったかどうかわかりませんでしたが、もし、ご本人だったとしたら、すごい遭遇ですよね!!
どうしたら確かめられるのかしら?
フランシスコ法王はとても人気があり、前日の日曜日のミサにもたくさんの信者さんが集まったそうです。
私たちも一目見に行こうと試みましたが、バスも満員、地下鉄は事故が起こりそうなくらい人で溢れていたので諦めました。
この日も、広場にはその熱狂が残っているようでした。
ローマはとても古い町です。
ふと細い路地を曲がると、そこに古い遺跡がにゅーっと現れたりします。
バスでヴァチカンに行く途中に「ここがシーザーが暗殺された場所です」と案内があった遺跡がありました。
歴史の有名な一場面ですね。「ブルータス、おまえもか」って。
サンタンジェロ城の屋上から町を眺めると、町の中を川が悠々と流れ、教会のドームや塔が立ち並び、装飾された宮殿も見えます。
建物の一つ一つがとても大きい。
下の写真は、サンタンジェロ城からサンピエトロ大聖堂を見たものです。
本当にすばらしい眺めです。
太古の昔から栄え、今も人々の憧れとなっている町、ローマ。
果てしなく広がる歴史のロマン。
でも、旅人の時間は限られていますからね。
1冊の本を持ってローマの町歩きを楽しめたことに感謝して、私の「天使と悪魔」ツアーは終わりました。
スイス人衛兵の勇姿。かっこいい!!