ーエクソダス:神と王ーEXODUS: GODS AND KINGS
2014年 アメリカ 150分
リドリー・スコット監督 クリスチャン・ベイル (モーゼ)ジョエル・エドガートン (ラムセス)ジョン・タートゥーロ (セティ王)アーロン・ポール (ヨシュア)ベン・メンデルソーン(ヘゲップ)シガーニー・ウィーヴァー(トゥーヤ)ベン・キングズレー(ヌン)マリア・バルベルデ(ツィボラ)
【解説】
旧約聖書の出エジプト記に登場する、モーゼのエピソードをベースにしたアドベンチャー。紀元前のエジプトを舞台に、王家の養子として育てられた男モーゼがたどる数奇な運命と壮絶な戦いを活写する。メガホンを取るのは、『グラディエーター』『プロメテウス』などのリドリー・スコット。『ザ・ファイター』などのオスカー俳優クリスチャン・ベイル、『華麗なるギャツビー』などのジョエル・エドガートンを筆頭に、実力派やベテランが結集。砂漠を埋め尽くすエジプトの軍勢や割れていく紅海など、スケールの大きなビジュアルも見もの。
【感想】
紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス(ジョエル・エドガートン)とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。(シネマトゥデイ)
【感想】
1956年のセシル・デミル監督の作品「十戒」は、たしか学校からの映画鑑賞会で見た記憶があります。
大画面に映し出される大スペクタクル、その迫力に圧倒されました。
とくに、海が割れるシーンや、岩に打ち付けられる十戒を刻む稲妻。
いまもはっきりと思い出せるくらいです。
「エクソダス:神と王」は、この「十戒」のリメイクで、ストーリーは忠実になぞっている感じがしました。
モーゼはエジプトのヘブライ人(ユダヤ人)の息子として生まれたが、ちょうどその年、ファラオの命令でヘブライ人の男の赤ちゃんを殺すようにと命令が下された。
モーゼの姉の機転で、モーゼはパピルスのかごに乗せられてナイル川に流された。
そのかごを水浴していたエジプトの王女が発見し、彼を引き上げて育てた。
モーゼは、当時のファラオ、セティ王の息子ラムセスと兄弟のように育てられた。
しかし不吉な予言があり、 ヘブライ人に警戒していたところ、モーゼがヘブライ人だということが露見した。
ラムセスから追放を言い渡されたモーゼは、エジプトから逃れる。
たどり着いた地で、ツィボラという女性と結婚して息子を授かる。
はぐれた羊を追って分け入った山の中で、子供の姿をした神と出会い、エジプトで奴隷になり苦しんでいるヘブライ人たちを救うように言われる。
ツィボラと結婚するモーゼ
「出エジプト記」に記されている「10の災い」や紅海が割れる名シーンや大津波を圧倒的なスケールで見せてくれました。
この作品はリドリー・スコット監督の弟で昨年亡くなったトニー・スコット監督に捧げられていました。
固い絆で結ばれていたモーゼとラムセスだったが。
兄弟の絆で結ばれていたモーゼとラムセスが別れる物語。
監督の、この作品への思い入れは、一番はそこにあるのかもしれないと思いました。
あまり宗教的ではなく、現代社会にも置き換わりそうな親しみのわく作品でした。
もう少し、ラムセスがいい男だったらよかったのになあ。
エドプトを旅したときには、あちらこちらでハンサムなラムセス像と対面しました。
折しも、「イスラム国」の残虐非道な行いがニュースをにぎわせ、エジプト人もたくさん処刑されました。
日本人も、湯川さん、後藤さんという尊い命が奪われ、さらに「十字軍」といわれなき批判で、テロの対象に名指しされてしまいました。
このように、今もこの地は紛争のまっただ中であり、平和がとても遠いよう思われます。
戦争に苦しんでいる人たちがたくさんいるのでしょう。
なんとか人類の叡智をもって早く解決できたらいいのになあと願わずにはいられません。