マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

エクソダス:神と王

2015-02-25 12:53:51 | 映画ー劇場鑑賞

ーエクソダス:神と王ーEXODUS: GODS AND KINGS

2014年 アメリカ 150

 

リドリー・スコット監督 クリスチャン・ベイル (モーゼ)ジョエル・エドガートン (ラムセス)ジョン・タートゥーロ (セティ王)アーロン・ポール (ヨシュア)ベン・メンデルソーン(ヘゲップ)シガーニー・ウィーヴァー(トゥーヤ)ベン・キングズレー(ヌン)マリア・バルベルデ(ツィボラ)

 

【解説】

旧約聖書の出エジプト記に登場する、モーゼのエピソードをベースにしたアドベンチャー。紀元前のエジプトを舞台に、王家の養子として育てられた男モーゼがたどる数奇な運命と壮絶な戦いを活写する。メガホンを取るのは、『グラディエーター』『プロメテウス』などのリドリー・スコット。『ザ・ファイター』などのオスカー俳優クリスチャン・ベイル、『華麗なるギャツビー』などのジョエル・エドガートンを筆頭に、実力派やベテランが結集。砂漠を埋め尽くすエジプトの軍勢や割れていく紅海など、スケールの大きなビジュアルも見もの。

 

【感想】

紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ(クリスチャン・ベイル)は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス(ジョエル・エドガートン)とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

1956年のセシル・デミル監督の作品「十戒」は、たしか学校からの映画鑑賞会で見た記憶があります。

大画面に映し出される大スペクタクル、その迫力に圧倒されました。

とくに、海が割れるシーンや、岩に打ち付けられる十戒を刻む稲妻。

いまもはっきりと思い出せるくらいです。

 

「エクソダス:神と王」は、この「十戒」のリメイクで、ストーリーは忠実になぞっている感じがしました。

 

モーゼはエジプトのヘブライ人(ユダヤ人)の息子として生まれたが、ちょうどその年、ファラオの命令でヘブライ人の男の赤ちゃんを殺すようにと命令が下された。

モーゼの姉の機転で、モーゼはパピルスのかごに乗せられてナイル川に流された。

そのかごを水浴していたエジプトの王女が発見し、彼を引き上げて育てた。

モーゼは、当時のファラオ、セティ王の息子ラムセスと兄弟のように育てられた。

しかし不吉な予言があり、 ヘブライ人に警戒していたところ、モーゼがヘブライ人だということが露見した。

ラムセスから追放を言い渡されたモーゼは、エジプトから逃れる。

 

たどり着いた地で、ツィボラという女性と結婚して息子を授かる。

はぐれた羊を追って分け入った山の中で、子供の姿をした神と出会い、エジプトで奴隷になり苦しんでいるヘブライ人たちを救うように言われる。

 ツィボラと結婚するモーゼ

 

「出エジプト記」に記されている「10の災い」や紅海が割れる名シーンや大津波を圧倒的なスケールで見せてくれました。

 

この作品はリドリー・スコット監督の弟で昨年亡くなったトニー・スコット監督に捧げられていました。

  固い絆で結ばれていたモーゼとラムセスだったが。

 

兄弟の絆で結ばれていたモーゼとラムセスが別れる物語。

監督の、この作品への思い入れは、一番はそこにあるのかもしれないと思いました。

 

あまり宗教的ではなく、現代社会にも置き換わりそうな親しみのわく作品でした。

もう少し、ラムセスがいい男だったらよかったのになあ。

エドプトを旅したときには、あちらこちらでハンサムなラムセス像と対面しました。

 

折しも、「イスラム国」の残虐非道な行いがニュースをにぎわせ、エジプト人もたくさん処刑されました。

日本人も、湯川さん、後藤さんという尊い命が奪われ、さらに「十字軍」といわれなき批判で、テロの対象に名指しされてしまいました。

 

このように、今もこの地は紛争のまっただ中であり、平和がとても遠いよう思われます。

戦争に苦しんでいる人たちがたくさんいるのでしょう。

なんとか人類の叡智をもって早く解決できたらいいのになあと願わずにはいられません。

 


そこのみにて光り輝く

2015-02-25 12:46:11 | 映画ーDVD

ーそこのみにて光り輝くー

2013年 日本 120

 

監督=呉美穂 原作=佐藤泰志 キャスト=綾野剛 (佐藤達夫)池脇千鶴 (大城千夏)菅田将暉 (大城拓児)高橋和也

 

【解説】

『海炭市叙景』の原作者、佐藤泰志の三島由紀夫賞候補となった小説を基に、北海道函館を舞台に生きる場所のない男女の出会いを描くラブストーリー。仕事を失った男がバラックに住む女と出会い、家族のために必死な彼女をいちずに愛し続ける姿を描く。主演は、『シャニダールの花』などの綾野剛。主人公と惹(ひ)かれ合うヒロインを、池脇千鶴が演じる。メガホンを取るのは、『オカンの嫁入り』などの呉美保。美しい函館を背景につづられる、男女の愛の軌跡と人生の過程が心に突き刺さる。

 

【あらすじ】

仕事を辞めて何もせずに生活していた達夫(綾野剛)は、パチンコ屋で気が荒いもののフレンドリーな青年、拓児(菅田将暉)と出会う。拓児の住むバラックには、寝たきりの父親、かいがいしく世話をする母親、そして姉の千夏(池脇千鶴)がいた。達夫と千夏は互いに思い合うようになり、ついに二人は結ばれる。ところがある日、達夫は千夏の衝撃的な事実を知り……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、2013年度のモントリオール世界映画祭ー最優秀監督賞、キネマ旬報ベスト101位、日本アカデミー賞ー主演女優賞、毎日映画コンクールー監督賞、主演男優賞、主演女優賞、ブルーリボン賞ー監督賞など、すごいです。

 

というわけで、DVD鑑賞。

 

「そこのみにて光り輝く」というタイトルの「そこ」とはその場所なのか、社会の底辺という意味の「底」なのか。

どちらも指しているのでしょうね。

 

爆弾を仕掛けて山を爆破し、石を採掘する技術者だった達夫(綾野剛)は、事故で部下を失ってから、魂が抜けたような暮らしをしている。

昼夜なく酔っぱらい、自堕落な生活、パチンコ三昧。

 

そんなときにパチンコ屋で拓児(菅田将暉)と出会う。

拓児の家に招かれて行くと、バラックのような家に拓児の両親と姉の千夏(池脇千鶴)がいた。

父親は脳梗塞で寝たきりだが、異常に性欲が強くて苦しみ、母もその介護に疲れ切っていた。

 

私は実は、ここである意味思考が停止してしまいました。

脳梗塞で寝たきりで、異常な性欲???

そんなのありなの?

と思ったところで、この作品を鑑賞する資格が半減ですね。

 

拓児は、つまらないケンカから人を刺し、保護観察付きの身の上。

保証人が千夏の不倫相手の植木屋の社長。

 

達夫が酔っぱらって入った店は、表向きはバーだけど、実態は千夏が娼婦として働く店。

ここでも、疑問。

達夫はこの店のことを知ってていったのかな?

偶然にしては出来過ぎているし…。

 

そういう障害を乗り越えて二人は愛し合うようになるが、不倫相手の社長が千夏につきまとう。

しかも、弟の保護観察の書類を楯に千夏に関係の続行を迫る。

千夏は社長の言いなりなるが、達夫と愛をかわした千夏には堪え難いことだった。

それを知った拓児が社長を殺すために乗り込むー。

 

社会の底辺で、自分の人生を諦めかけていた女と、人生のどん底で出会った男のロマンです。

ラストシーンはタイトル通り、底だろうとなんだろうと、光り輝く二人を映し出して爽やかな余韻を持って終わりました。

でも、全体的には重たい作品でした。

 

私が釈然としないのは、社会の底辺にいる人は、達夫のような人が現れないかぎり、自力では浮かび上がれないということなのかなあ、ということです。

千夏には、愛人になったり、身を売ったりするほか、生きる道はなかったのだろうか?

家族の犠牲というときれいに聞こえるけど、ほんとうにそうかなあ、と思ってしまいました。

 

達夫は、社会復帰しようと思えばいつでも出来る人で、部下の死は受け入れ難いほどの出来事でトラウマだとしても、時間が経てば癒されたかもしれないことです。

 

拓児の過去の素行の悪さも、拓児自身の問題だろうし、貧困と介護の苦悩は、この家だけに起きていることではないし…。

などと、私は結構批判的に捉えてしまいました。

 

それにしても、この作品評価が高いなあ。

役者さんはいいし、ほんと、ラストシーンがきれいなんですよ。

 


リスボン物語

2015-02-21 12:08:00 | 映画ーDVD

ーリスボン物語ーLISBON STORY

1995年 ドイツ/ポルトガル 104

ヴィム・ヴェンダース監督 リュディガー・フォグラー パトリック・ボーショー
 テレーザ・サルゲイロ ペドロ・アイレス・マジャルハス

 

【解説】

 リスボン市の依頼により「時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!」のヴィム・ヴェンダースが製作した作品。ヴェンダースの「ことの次第」の主役でもあった映画監督フリッツ・モンロー(演ずるは同じくパトリック・ボーショー)の軌跡を追う音楽技師(常連リュディガー・フォグラー)の姿を描いた映画百年へのオマージュ。「階段通りの人々」の巨匠オリヴェイラがゲストとして出演。(allcimema ONLAINE)

 

【感想】

友達のお母様からご推薦いただいた映画。

私の拙いブログの読者とのこと。

感激です。

 

なかなか通好みの作品です。

映画への愛が溢れていました。

ヴィム・ヴェンダース監督作品。

 

最初はリスボンのドキュメンタリーを依頼されたそうですね。

それが、ドイツに住む映画音声技術者のヴィンター(リュディガー・フォグラー)が、行方不明の友人の映画監督フリードリヒ・モンロー(パトリック・ボーショー)が撮影したリスボンのドキュメンタリーフィルムに音を入れていくという作業をしながら、彼の行方を探すという内容になっていました。

 

フランクフルトに住むヴィンターの元に、リスボン在住の友人、映画監督のフリードリヒから不可解なSOS の手紙が届いた。

心配になったヴィンターは、ユーロ圏がひとつになって国境もなくった大陸を、一路、乗用車を飛ばしてリスボンに向かう。

 

このヴィンターと言う人物、かなりな粗忽者とお見受けしました。

タイヤがパンクして交換しようと新しいタイヤを橋の欄干に置いて、それを誤って海に落としてしまったり。

はじめから、コメディタッチです。

 

フリードリヒの住まいをようやく訪ねて、鍵の開いていた家に入っても彼は不在。

疲れたヴィンターはフリードリヒのベッドで眠ってしまった。

朝起きると、少年がいてカメラを片手に自分を撮っている。

フリードリヒがかわいがっているらしい。

この少年だけではなく、いろんな子供がたくさんいてまつわりついてくる。

 

部屋の中の蚊に悩まされながらも、とにかく町の音をたくさん録音してフィルムにシンクロさせて行くヴィンター。

 

ある日、謎めいた少年を追いかけて行って、とうとうフリードリヒを発見。

彼は廃車の中で浮浪者のように暮していた。

時代に取り残されそうになっていることへの不安と危機感からの失踪だったようだ。

 

映画音楽に使われるということで、フリードリヒの家の中にマドレデウスというバンドが合宿していて、美しい音楽を何曲か聴かせてくれます。

これが本当に素晴らしいです。

これがファドなのかなあ。

 

美しいヴォーカリストとヴィンターの恋心。

こういうスパイスも利いていました。

 

ヴィンターに励まされるように、再び手回しカメラを手にリスボンの町を撮影し出したフリードリヒ。

 

これが映画作りの原点。

人とのふれあい、町の景色、人々の息づかい、子供たちの笑い声。

ヴェンダース監督の映画への愛が感じられる作品でした。

 

チャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密

2015-02-19 18:27:02 | 映画ー劇場鑑賞

ーチャーリー・モルデカイ 華麗なる名画の秘密ーMORTDECAI

2015年 アメリカ 107

デヴィッド・コープ監督ジョニー・デップ (チャーリー・モルデカイ)グウィネス・パルトロー (ジョアンナ)ユアン・マクレガー (マートランド)オリヴィア・マン
(ジョージナ)ジェフ・ゴールドブラム(クランプ)ポール・ベタニー(ジョック)

 

【解説】

キリル・ボンフィリオリの小説「チャーリー・モルデカイ」シリーズを、ジョニー・デップ主演で映画化。ジョニー演じる口ヒゲをたくわえた美術商チャーリー・モルデカイが、イギリスの諜報(ちょうほう)機関MI5の依頼を受け捜索していた絵画に、世界中を驚がくさせる財宝の謎が隠されていたことから、マフィアや国際テロリストも絡む争奪戦に巻き込まれていく。『シークレット ウインドウ』でジョニーとタッグを組んだデヴィッド・コープが監督を務め、グウィネス・パルトロー、ユアン・マクレガーらが共演を果たす。

 

【あらすじ】

うさんくさいちょびヒゲをたくわえたうんちく好きな美術商チャーリー・モルデカイ(ジョニー・デップ)は、イギリスの諜報(ちょうほう)機関MI5に依頼されたゴヤの名画の捜索に乗り出す。屈強な用心棒ジョック(ポール・ベタニー)と共に盗まれた名画の行方を追うが、その絵にはとんでもない財宝の秘密が隠されていることがわかり、マフィアや国際テロリストも絡む大争奪戦となる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

モルデカイの口髭、コピーでは「ちょびヒゲ」となっているけど、違うと思うな。

「ちょびヒゲ」はヒットラーやチャップリンや加藤茶のハゲおやじのようなひげでしょう?

いうならば「カイゼル髭」じゃないかなあ。

ちょっと引っかかっています。

 

世間一般の映画評はなかなかの辛口のようですが、ジョニーのファンの友達の間では気に入った人が多かったようです。

私も面白いと思いました。

 

なんといっても、ジョック(ポール・ベタニー)の献身ぶりが半端なくてよかったです。

笑いました。

 

チャーリー・モルデカイ(ジョニー・デップ)と妻のジョアンナ(グウィネス・パルトロー)の相性も良く、B級コメディとしては成功したんじゃないかな?

 

カイロタイム~異邦人~

2015-02-19 18:18:47 | 映画ーDVD

ーカイロタイム~異邦人~ーCAIRO TIME

2009年 カナダ/アイルランド 90

 

ルバ・ナッダ監督 パトリシア・クラークソン (ジュリエット)アレクサンダー・シディグ (タレク)エレナ・アナヤ (キャサリン)アミナ・アナビ (ヤスミン)

 

【解説】

『エイプリルの七面鳥』などのパトリシア・クラークソンと『ミラル』などのアレクサンダー・シディグが共演を果たしたロマンチックな愛の物語。エジプトの首都カイロを舞台に、夫とバカンスを過ごすためにやって来たカナダ人女性とエジプト人男性が、心惹(ひ)かれ合う夢のような時間を丁寧に描写する。監督と脚本を担当するのは、短編を中心にメガホンを取ってきたルバ・ナッダ。悠久の都カイロという街の魅力はもとより、はかなくも美しく切ない出会いが胸を震わせる。

 

【あらすじ】

ジュリエット(パトリシア・クラークソン)は、国連で勤務する夫のマーク(トム・マッカムス)と合流してバカンスを過ごす目的でカイロを訪れる。だが、空港には夫の姿はなく、かつて彼の警備担当だったエジプトの人タレク(アレクサンダー・シディグ)が彼女を迎えに来ていた。マークの到着が遅れるとわかり、ジュリエットはタレクの経営するコーヒー店をのぞきに行く。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私も2010年にエジプトを訪れました。

この映画は2009年の製作なので、カイロの町を思い出し、懐かしい気持がしました。

私が訪れたときはムバラク大統領が長期政権を担っていて、人々に不満があると聞きました。

それが、2011年に起きたアラブの春と呼ばれる一連の騒動の影響を受け、エジプトにも革命が起きました。

ムバラク大統領は次期選挙に出馬しないという形でその政治生命を終えました。

その後の混乱は、連日ニュースで報道されたので、記憶に新しいことだと思います。

まだ政治的混乱も残っているような現在、あの旅行で、ガイドをしてくれた方々の生活も気になります。

 

今となってはよきカイロの風景がふんだんに出てくる作品。

しっとりとした大人のカイロです。

 

雑誌編集者のジュリエット(パトリシア・クラークソン)は、国連で勤務する夫のマーク(トム・マッカムス)とカイロで休暇を過ごすためにやってきた。

でも、出迎えてくれたのは夫の元運転手だったエジプトの人タレク(アレクサンダー・シディグ)だった。

 

夫のマークはガザでのトラブルで、しばらく来られないとのこと。

 

ジュリエットは待つことにしたが、町を歩けば男たちがついてくるし、行くところもなく、タレクの経営するコーヒー店を訪れる。

ここでもじろじろ見られ、ここが男性専門店ということがわかる。

 

しだいにこの町のルールを知り、スカーフで髪を隠してモスクを訪れる。

 

タレクの元の恋人ヤスミンの招きで、ヤスミンの娘の結婚式にも参列。

こうしてタレクと一緒にいる機会も増え、二人の間にはほのかな感情が目覚めるが、ピラミッドを観光して帰ってくると夫がホテルのロビーで待っていた。

 

ただこれだけのこと。

こうして、二人のほのかな恋は終わってしまうのですが、とてもロマンチックな作品でした。

一人旅の女性の密かな願いでしょうか?

現実にはこんなことは起こりえない訳ですが、少しくらいアバンチュールがあってもいいとは思いませんか?

エジプト人のタレクが実に頼もしくかっこいい人でした。

 

カイロがまた観光客に優しい平和な都市になることを願っています。

 


はじまりのうた

2015-02-18 10:25:38 | 映画ー劇場鑑賞

ーはじまりのうたーBEGIN AGAIN

2013年 アメリカ 104

 

ジョン・カーニー監督 キーラ・ナイトレイ (グレタ)マーク・ラファロ (ダン)ヘイリー・スタインフェルド (バイオレット)アダム・レヴィーン (デイヴ)ジェームズ・コーデン(スティーヴ)キャサリン・キーナー(ミリアム)

 

【解説】

80回アカデミー賞歌曲賞を受賞した『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督が、同作に続いて音楽をテーマにして放つヒューマンドラマ。恋人に裏切られた失意を抱えながらバーで歌っていた女性が、音楽プロデューサーを名乗る男との出会いを通して思わぬ運命をたどる。主演は『つぐない』、『プライドと偏見』などのキーラ・ナイトレイと『キッズ・オールライト』などのマーク・ラファロ。キーラが披露する歌声や舞台となるニューヨークの街並みや、人気バンド・Maroon 5のアダム・レヴィーンの出演も見どころ。

 

【あらすじ】

ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が映画の主題歌に採用されたのを機に、彼とニューヨークで暮らすことにしたグレタ(キーラ・ナイトレイ)。瞬く間にデイヴはスターとなり、二人の関係の歯車に狂いが生じ始め、さらにデイヴの浮気が発覚。部屋を飛び出したグレタは旧友の売れないミュージシャンの家に居候し、彼の勧めでこぢんまりとしたバーで歌うことに。歌い終わると、音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)にアルバムを作ろうと持ち掛けられるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

友達が「はじまりのうたを初日に見たけど、よかったよ!」とメールしてくれました。

確かに!

いい映画でしたよ。

 

音楽についての考え方。

音楽に携わっている人たちは、「売るために作っているんじゃないよ。聞いてくれる人の心に届けるために作っているんだ」と言うでしょう。

でも、現実は…。

そんなことを考えさせてくれる作品でした。

 

ニーュヨークの片隅のライブハウスで、人生最悪の時を過ごしていたグレタ(キーラ・ナイトレイ)とダン(マーク・ラファロ)が出会います。

 

まず、この二人がなぜここにいることになったのか、その事情をさらっと見せてくれます。

 

グレタは、恋人のデイヴ(アダム・レヴィーン)と一緒に曲を作って活動していました。

ある時、デイヴが歌った二人の歌がCMソングとして採用され、それからデイヴはスターへの階段を上り始めました。

レコード会社が用意してくれた高級マンションに住み、チームのスタッフとともに新しいアルバムを作り始めました。

いままではいつも一緒だったグレタ、どんどんお留守番が増えて行きます。

暇なので、友達のストリートミュージシャンのスティーブ(ジェームズ・コーデン)と昔話をしたりして過ごしていました。

 

デイブが旅から帰ってきて、デモテープを聞かせてくれたとたん、グレタにはわかりました。

デイブが浮気をしたことが。

 

思わず飛び出してスティーブのところへ。

スティーブは、自分が出演するライブハウスにグレタを連れて行き、彼女に1曲歌わせた。

 

ダンは、音楽プロデューサー。

グラミー賞を2度受賞した敏腕プロデューサーで、レーベルも立ち上げていますが、最近はヒット曲や新人確保に恵まれず、酒浸りで、妻と娘のいる家も出て一人暮らしのていたらく。

とうとう、会社からも解雇を言い渡されてしまいました。

 

八つ当たりしながらこのライブハウスできついお酒を飲んでいるときでした。

グレタの声が聞こえてきました。

そうすると美しいアレンジが浮かび、音楽プロデューサーとしての感覚が甦りました。

 

二人はダンのレーベルに乗り込み、アルバムを作る話をしますが、新社長は「デモテープを聞いてから」と譲りません。

スタジオを借りるのももったいない二人は、街角やオープンスペースで演奏し、アルバムを作ることにしました。

スティーヴをはじめ、才能はあるけど不遇な立場のミュージシャンたちを集め、あるときは町の路地で子供たちを合唱に加えたり、雨の広場の軒下で雨の音と一緒に録音したりと、グレタの世界とダンの世界が融合する音楽を作って行きました。

 

この曲作りのシーンがとても楽しいです。

 

いまや大ブレイクしたデイヴがグレタに会いにきました。

新曲を聴かせてくれますが、グレタはこのアレンジは自分の曲ではないと失望します。

 

グレタたちのアルバムはレーベルからは売り出さず…。

 

ダンは過去の傷から立ち直り、妻や娘と復調の兆し。

 

デイヴもグレタの言う意味はよくわかった様子で…。

 

とてもいい感じの終わり方でした。

 

デイヴ役のアダム・レヴィーンは人気バンドマルーン5のヴォーカル。

彼のパフォーマンスはさすがに圧巻です。

本職のアダムと歌の対決となったキーラもすごいですね。

とても素朴な歌い方、アダムとは対照的で好感が持てました。

 

酔いどれのマーク・ラファロは、あまり似合ってなくてびっくりしましたが、事情はとても繊細な話だったので納得しました。

やはり彼は善人役がハマります。

 

ダンの娘を演じたヘイリー・スタインフェルド。

可愛かったです。

彼女にも奇跡が起こるのをお見逃しなく。

 

私は音楽って、自分がいいと思ったものを聞けばいいと思っていて、はやりの歌には興味がない方なので、この作品の言いたいことがよくわかりました。

 

音楽作りの原点を思い出させてくれるいい作品です。

オススメ。

 


アニー

2015-02-17 16:53:26 | 映画ー劇場鑑賞

ーアニーーANNIE

2014年 アメリカ 118

 

ウィル・グラック監督 ジェイミー・フォックス (ウィル・スタックス)クヮヴェンジャネ・ウォレス (アニー)ローズ・バーン (グレース)ボビー・カナヴェイル (ガイ)

 

【解説】

ミュージカル「アニー」を、『ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレス主演で映画化。舞台を現代のニューヨークに移し、いつか両親に再会できる日を信じてけなげに生きる少女の姿を追う。共演は、ジェイミー・フォックスとキャメロン・ディアスら。『ステイ・フレンズ』などのウィル・グラックがメガホンを取る。製作を務めるウィル・スミスとJAY Zがプロデュースした「トゥモロー」のほか映画オリジナルの楽曲も加わり、魅力的なキャストによるパフォーマンスに期待が持てる。

 

【あらすじ】

現代のニューヨーク。アニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は4歳のときに姿を消した両親に、いつの日か会えるときが来ることを夢見て、両親と別れたレストランに足しげく通っていた。ある日、アニーはIT長者でニューヨーク市長の有力候補とされるスタックス(ジェイミー・フォックス)に出会う。選挙スタッフに提案されてアニーを引き取ったスタックス。そんな中、アニーの両親に関わる知らせが届き……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

このミュージカルは有名ですが、内容までは知りませんでした。

映画になったのを機会に、見たいと思いました。

 

主演の少女は「ハッシュパピー~バスタブ島の少女」でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたクヮヴェンジャネ・ウォレスちゃん。

大きくなったよね。

そればかりではない!

歌もダンスも超一流でしたね。

 

設定を大恐慌時代から現代に変えているそうです。

格差社会がテーマの作品ですが、現在にもしっかり格差がありますからね。

 

4歳のときに親に捨てられたアニー(クヮヴェンジャネ・ウォレス)は、他の子供たちと一緒にハニガン(キャメロン・ディアス)の里子として引き取られている。

ハニガンは、女優だったが売れなくなり、子供たちの里親になることで補助金をもらって暮しているような女性。

アニーたちにも辛く当たる。

 

でも、アニーは明日はきっといいことがあると、みんなも自分も励まして暮していた。

ある時いじめっ子が犬を追いかけているのを見かけて、後を追った。

道路に飛び出したとたん車にはねられそうになり、それをスタックス(ジェイミー・フォックス)に助けられる。

スタックスは、IT長者の大富豪で、ニューヨーク市長選に立候補し、現職の市長と選挙戦を闘っている最中だった。

 

選挙参謀が人気取りのためにこの出来事を利用し、さらにアニーを選挙が終わるまで引き取ることを提案した。

こうしてアニーはスタックスと生活することに。

 

☆ネタバレ

いままで一人で生きていると思って生きてきたスタックスの心に、人間らしい感情が芽生え、さらにはアニーを養女にしたいということまで考えるようになりますが、選挙参謀はアニーの実の親をでっちあげ、アニーも騙して追い払う計画を立てた。

 

それに気が付いたスタックスはアニーの救出に向かう。

 

アニーは親が恋しくて、レストランが終わるまで待っていたり、とてもかわいそうです。

親は子供を捨てたらあかん。

子供は一生その傷を引きずらないとダメなんですから。

 

アニーにはスタックスとグレースという家族ができそうですが、それでもアニーが実の親を恋しく思う気持は変わらないでしょう。

それを思うと切ないですね。

 

音楽もリズムもマッチしていて楽しいミュージカルでした。

 

見終わった後、とても元気がもらえました。

いい作品でしたよ。

 


バチカンで逢いましょう

2015-02-17 16:13:28 | 映画ーDVD

ーバチカンで逢いましょうーOMAMAMIA

2012年 ドイツ 105

 

トミー・ヴィガント監督 マリアンネ・ゼーゲブレヒト (マルガレーテ)ジャンカルロ・ジャンニーニ (ロレンツォ)アネット・フリヤー (マリー)ミリアム・シュタイン (マルティナ)

 

【解説】

『飛ぶ教室』のトミー・ヴィガントが監督を務め、『バグダット・カフェ』で人気を博したマリアンネ・ゼーゲブレヒトをヒロインに迎えたチャーミングな人間ドラマ。ローマ法王への謁見(えっけん)を実現するために一人でローマを訪れた老女が、さまざまな出会いを通して人生の喜びを再発見する姿を活写する。『007』シリーズなどのイタリアの名優ジャンカルロ・ジャンニーニらが共演。困難な人生を笑い飛ばす主人公の明るさと善良さに元気をもらう。

 

【あらすじ】

カナダで生活するドイツ人のマルガレーテ(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は夫に先立たれ、長きにわたり暮らしてきた家を離れて長女マリー(アネット・フィラー)一家と暮らすことに。敬虔(けいけん)なカトリック信者の彼女は、以前から楽しみにしていたローマ旅行を心待ちにしていたが、その話はうやむやにされてしまう。結局マルガレーテは手紙を残し、一人でローマへと向かい……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品の主人公のおばあさんを見て「あ、バグダットカフェのドイツ人の奥さん!」と思いました。

一度見たら忘れられない女優さんですね。

 

カナダで生活するドイツ人のマルガレーテ(マリアンネ・ゼーゲブレヒト)は、夫に先立たれ、一人娘のマリー(アネット・フィラー)一家と暮らすことに。

みんな一緒にマルガレーテの念願であるローマ旅行に行くことになっていたのだが、マリーは理由をつけて中止にしてしまった。

でも、マルガレーテにはどうしてもローマ法王に会って赦しを受けたいという願いがあった。

 

家族には内緒でローマに旅立ったマルガレーテ。

ローマに住む孫娘のマルティナを訪ねる。

マルティナは、大学へ行く勉強をしながら敬虔なカソリックの家で住み込みの家庭教師をしていると言うことでしたが、ロックミュージシャンの彼氏の家に居候していたから大変!!

マルティナは焦るけど、マルガレーテは長旅で疲れていて、ただ眠りたいだけだった。

 

よく眠って元気になったマルガレーテはバチカンへ。

法王への謁見のため長蛇の列に並んで、次に自分の番というとき、盲目の男性(ジャンカルロ・ジャンニーニ)がやってきたので順番を譲ってしまった。

腹ごしらえに入ったドイツレストランだが、超まずい。

 

レストランを出たマルガリーテは、あの盲目の男性がバイクに乗って町を走り回っているのを目撃した。

怒るマルガリーテ。

そのウソツキ男は、まずいドイツレストランを経営する男の叔父だった。

 

マルガレーテが行くところいろんな事件が起きる。

逮捕されるニュース映像をみた娘のマリーも駆けつけて、女3代の大騒動。

果たして、マルガレーテが法王様直々に許しを請いたい秘密って、何でしょう。

けっこう、のけぞるような秘密ですが、お楽しみにしてください。

 

国際色が豊かで、ローマの町もバチカン内部の様子もとても素敵です。

個性的な女性3代の生き様がよく表されていて、とても面白い作品でした。

 

セイフヘイヴン

2015-02-17 15:30:32 | 映画ーDVD

ーセイフヘイヴンーSAFE HAVEN

2013年 アメリカ 116

ラッセ・ハルストレム監督 ジョシュ・デュアメル (アレックス・ウィートリー)ジュリアン・ハフ (ケイティ・フェルドマン)コビー・スマルダーズ (ジョー)デヴィッド・ライオンズ (ケヴィン・ティアニー)

 

【解説】

『きみに読む物語』などのニコラス・スパークスの小説を、『サイダーハウス・ルール』などのラッセ・ハルストレム監督が映画化した恋愛ドラマ。小さな港町にやって来た女性が最愛の妻を亡くした男と恋に落ちるも、逃亡中の身であるヒロインの真実が次第に明かされていく。ヒロインとの出会いで悲しみから癒やされていく男を『トランスフォーマー』シリーズのジョシュ・デュアメルが、暗い過去を抱えるヒロインを『ロック・オブ・エイジズ』のジュリアン・ハフが演じる。ミステリアスでロマンチックな物語と、温かく驚きに満ちたラストに胸を揺さぶられる。

 

【あらすじ】

小さな港町。長距離バスに乗り、逃げるようにやって来たケイティ(ジュリアン・ハフ)は、そこで新しい生活をスタートさせる。ケイティは男手ひとつで2人の子どもを養っているアレックス(ジョシュ・デュアメル)と出会い、近所に住むジョー(コビー・スマルダーズ)のアドバイスもあって親しくなっていく。そんなある日、アレックスは警察署でケイティの指名手配書を目にする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

サスペンスタッチで始まります。

犯罪を犯して逃げ出し、隣家に逃げ込んだ女性。

髪を切り、ブロンドに染めてバスターミナルへ。

その行方を血眼になって追いかける捜査官。

女性は間一髪、長距離バスに乗り込んで逃げることに成功しました。

 

バスが海辺の町で一時停止。

女性はここでバスの発車を見送りました。

カフェで働くことを決め、人里離れたログハウスを借りました。

 

彼女は男手一つで二人の子供を育てているアレックス(ジョシュ・デュアメル)と出会い、ケイティ(ジュリアン・ハフ)と名乗ります。

アレックスは親切にしてくれるし、下の女の子にも慕われますが、ケイティは打ち解けません。

友達になったジョー(コビー・スマルダーズ)だけに心を開くケイティ。

ジョーのアドバイスもあり、次第にアレックスとの距離を縮めて行くのですが。

ただ一人の友達ジョー(左) 

☆ネタバレ

執拗に追いかける捜査官は、上司の指示にも従わず、殺人の指名手配で逃げた女性の顔写真を全国の警察署に送ったり、事件のあった家の隣家の住人にしつこく話を聞いたり、バスターミナルの防犯ビデオを熱心に見たりして女の行方を追っていた。

 

実はこの捜査官がケイティの夫。

アル中でDVの夫。

ケイティは乱暴されて、抵抗し、彼を刺して逃げ出したのだった。

 

ケイティの顔写真が載った手配書がアレックスの目に留まった。

「殺人罪」衝撃を受けるアレックス。

疑われることに耐えられないケイティ。

ケイティはここにはとどまれないと町を出る決意をするが、アレックスは追いかけてきて、真実の愛を告白した。

ケイティも自分の事情を打ち明け二人は仲睦まじくなるが、DV夫の影はすぐそこまで迫っていた。

 

ジョーの知らせで、町に夫が現れたことを知る。

でも、アレックスは町の祭りで花火を上げに行っていた。

家にはケイティと幼い女の子だけ。

そこへ現れた夫。

ケイティは家から夫を追い払うが、逆上した夫が家に火をつけて…。

 

もう一つファンタジックなサプライズが最後に用意されているのですが、それは見る方のお楽しみにしたいと思います。

 

ストーリーそのものはそんなに珍しいものではないのすが、ラッセ・ハルストレム監督の優しいまなざしが感じられる作品になっています。

ラッセ監督ファンの方なら、楽しめるのではないかな?

 
不幸だったケイティにも素敵な家族ができました。

ジャッジ 裁かれる判事

2015-02-07 11:06:02 | 映画ー劇場鑑賞

ージャッジ 裁かれる判事ーTHE JUDGE

2014年 アメリカ 142

 

デヴィッド・ドブキン監督 ロバート・ダウニー・Jr (ハンク・パーマー)ロバート・デュヴァル (ジョセフ・パーマー)ヴェラ・ファーミガ (サマンサ・パウエル)ヴィンセント・ドノフリオ (グレン・パーマー)ビリー・ボブ・ソーントン(ドワイト・ディッカム)

 

【解説】

ロバート・ダウニー・Jrとオスカー俳優ロバート・デュヴァルが初めて共演した法廷サスペンス。人々からの信望の厚い判事でありながら殺人容疑を掛けられた父と、その弁護を引き受けることになった絶縁状態の息子が、互いに反目しながらも裁判に挑むさまを描く。監督は『シャンハイ・ナイト』などのデヴィッド・ドブキン。法廷で主人公と対峙(たいじ)する検事をビリー・ボブ・ソーントンが熱演するほか、ヴェラ・ファーミガ、ヴィンセント・ドノフリオら実力派が脇を固める。

 

【あらすじ】

金で動く辣腕(らつわん)弁護士として知られるハンク・パーマー(ロバート・ダウニー・Jr)は、絶縁状態の父ジョセフ(ロバート・デュヴァル)が殺人事件の容疑者として逮捕されたことを知る。判事として42年間も法廷で正義を貫き、世間からの信頼も厚い父が殺人を犯すはずがないと弁護を引き受けるハンクだったが、調査が進むにつれて疑わしい証拠が次々に浮上し……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品のロバート・デュバルは、今年のアカデミー賞助演男優賞にノミネート中です。

ロバート・ダウニー・Jrと二人のロバートが親子の役で華やかな初共演。

 

もともと、ロバート・デュバルが出演すると、その作品は締まる感じですが、この頑固親父はなかなかいいですよ。

介護や老人問題も絡めて、いい作品でした。

 

金で動く辣腕弁護士として悪名高きハンク・パーマー(ロバート・ダウニー・Jr)、母が亡くなったという知らせを受けて、久しぶりに故郷に帰る。

故郷では、知恵おくれの弟と、町工場を経営する兄と、地元で判事をしている父がいた。

父とは、絶縁状態。

妻とは離婚の危機にあった。

 パーマー家の人たち。左からハンク、兄、弟、父

すぐ帰るはずが、父が殺人罪で裁かれることとなり、その弁護を引き受けることとなった。

 

父は母が亡くなったショックで、長年守っていた禁酒を解き、酔っぱらい運転で人をはねて死なせてしまった。

しかも、その亡くなった人が、かつて自分が罪を言い渡し、仮出所したばかりの人間だったので、殺人容疑がかかったのだ。

しかも、父は事故のことを全く覚えてなかった。

父には誰にも知られたくない、まして息子には見せたくない秘密があったのだ。

 

法廷に上がると敏腕検事ディッカム(ビリー・ボブ・ソーントン)の、辛辣な尋問が待ち構えていて、ハンク親子は窮地に立たされる。

 

法廷ものというより、家族の絆が大きなテーマになっています。

父の生き様と息子の若気の至りなど、誰にも思い当たる親子の葛藤がありました。

ハンクが頑固親父の心のうちを知ったとき、二人は打ち解け真の親子となります。

 

思いあっているだけではダメですよね。

行動や言葉に出しましょう。

照れくさくても、勇気を出して、手遅れになる前に。

 

いい作品でした。

お父さんにありがとうと言えない息子たちに、この映画をお勧めします。

 ハンクの元恋人サマンサ(ヴェラ・ファミーガ)とその娘が作品に彩りを添えていました。