ー教授のおかしな妄想殺人ーIRRATIONAL MAN
2015年 アメリカ 95分
脚本・監督=ウディ・アレン キャスト=ジェイミー・ブラックリー (ロイ) ホアキン・フェニックス (エイブ) パーカー・ポージー (リタ) エマ・ストーン (ジル)
【解説】
『ミッドナイト・イン・パリ』など数々の傑作を生み出してきた巨匠ウディ・アレン監督が、人生における不条理さを独自の考えのもとに描いたブラックコメディー。人生とは何かがわからなくなった哲学教授が奇妙な生きがいを見つけたことで、生きる喜びを取り戻していくさまをつづる。犯罪計画に新たな生きる目的を見いだす主人公には、アレン監督とは初タッグとなるホアキン・フェニックス。彼に恋心を抱く女子大生を、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのエマ・ストーンが演じる。
【あらすじ】
アメリカ東部の大学。孤独で気力のない哲学科の教授エイブ(ホアキン・フェニックス)は、ある日不快な判事についての話を聞く。自分がその判事を殺害するという完全犯罪を妄想した途端、よどんでいた彼の人生は鮮やかに色づき始める。一方、エイブのことが好きな教え子ジル(エマ・ストーン)は、教授が奇妙な殺人妄想に夢中になっているとは知らず、恋心を募らせていくが……。(シネマトゥデイ)
【感想】
ここ10年くらいのウディ監督はハズレがないと思っている私。
この作品も面白かったですよ。
ウディ・アレン+怪優ホアキン・フェニックス+ウディ監督の新しいミューズ、エマ・ストーン、のお答えは?
花丸!!
小さな町の小さな大学に新しく赴任して来た哲学教授のエイブ(ホアキン・フェニックス)は、赴任前から伝説やうわさ話には事欠かない。
現実のエイブはというと、鬱状態で死に取り憑かれ、生気をなくしている。
でも講義はすばらしく、女子大生のジル(エマ・ストーン)は魅力を感じて積極的に近づいていく。
エイブもかわいい教え子がお気に入りだが、それ以上深入りする気はない。
ある日二人は食事していたレストランで、不利な判決の出そうなシングルマザーの話を盗み聞きしてしまった。
その判決を出しそうな判事は、すこぶる評判が悪い。
☆ネタバレ
エイブは、世のため人のためと、その判事の殺人を思いつき、周到に計画を練り始めます。
生気のなかった目には情熱が蘇り、活力も溢れ、精力ももりもり!
綿密な計画を立て、とうとう完全犯罪を成し遂げてしまったのです。
でも完全犯罪は難しい。
ジルに見抜かれ、無実の人間が逮捕されることとなり、ジルから自首を強要されてしまいます。
さて、エイブのとった結末とは?
やはり今乗りに乗っているホアキンの存在感がすごいです。
初めはお腹の出たやる気のない中年教授。
学生たちの冗談に乗っかって、ロシアンルーレットをやる悪ふざけのシーンでは、引いてしまいそうになるくらい狂気だった。
それが殺人計画を思いついたとたん、生き生きと楽しげに。
ジルに真相を暴かれてからは、陰湿な殺人鬼へと変わっていきます。
音楽とかでなんとかウディ色に緩和したかったのでしょうが、ホアキンの映画になってしまった感じでしたね。
私は面白かったですよ。