ーカラヴァッジョ 天才画家の光と影ーCARAVAGGIO
2007年 イタリア/フランス/スペイン/ドイツ
アンジェロ・ロンゴーニ監督 アレッシオ・ボーニ(カラヴァッジョ)エレナ・ソフィア・リッチ(コンスタンツァ・コロンナ侯爵夫人)ジョルディ・モリャ(デル・モンテ枢機卿)パオロ・ブリグリア(マリオ・ミンニーティ)
【解説】
バロック絵画の先駆者として名高い画家、カラヴァッジョの生涯を描く歴史ドラマ。才能がありながら悲運な道をたどった画家の愛と栄光、挫折を演じるのは、『輝ける青春』のアレッシオ・ボーニ。『ラスト・タンゴ・イン・パリ』や『地獄の黙示録』の撮影監督、ヴィットリオ・ストラーロがカラヴァッジョが目にしたであろう色彩や光と影をスクリーンにも映し出し、素晴らしい映像とともに激動の人生を歩んだ希代の天才画家の魅力を堪能できる。
【あらすじ】
ミラノからローマへ出たカラヴァッジョ(アレッシオ・ボーニ)。画家のマリオ・ミンニーティ(パオロ・ブリグリア)の協力で工房に入り、次第に成功を収めていく。しかし、教皇に献上する絵のモデルに町の娘のレナ(サラ・フェルバーバウム)を使ったことから非難を浴び、レナに対しても危害が及んでしまう。逆上したカラヴァッジョはレナに傷を負わせた相手を刺してしまい……。(シネマトゥデイ)
【感想】
「レンブラントの夜警」「クリムト」で、画家を題材にした作品に少し失望していたのですが、この作品はなかなかよかったです。
カラヴァッジョのことは、あまりよく知りません。
レンブラントのように光と闇を描いた画家?
でも、レンブラントより前の時代、バロックの先駆者と言われている画家なのですね。
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(Michelangelo Merisi da Caravaggio、1571年9月28日 - 1610年7月18日)は、イタリア・ミラノ生まれの画家。カラヴァッジョ(Caravaggio)という通称で広く知られており、今日ではバロック絵画の先駆者として高く評価されている。(ウィキペデアより)
ミラノで絵画の修行をしたミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(アレッシオ・ボーニ)はローマに出てきた。
思うように仕事を得られないメリージは、橋の下で画家のマリオ・ミンニーティ(パオロ・ブリグリア)と橋の下で出会い、マリオの協力でようやく工房に入ることができた。
メリージの才能はすぐに評判となり、デル・モンテ枢機卿(ジョルディ・モリャ)に認められた。
メリージは型破りで、独創的な素晴らしい作品を描くのだが、その他の時間は、酒場と娼婦をこよなく愛していた。
剣を持ち歩き、けんかっ早く、牢屋に入れられることもしばしば。
その度にデル・モンテ枢機卿がかばっていた。
彼は下書きをせずにモデルを使って描くというやり方で、モデルは町の人々だった。
聖母のモデルに選んだレナという町娘は、そのために傷つけられ、それに激高したメリージは相手と決闘して、死なせてしまった。
殺人は死刑。
メリージはローマを逃げ出した。
マルタ島に逃れたメリージは、ここでも絵が気に入られて騎士にもしてもらうが、またも刃傷沙汰を起こしてシチリアへ逃れる。
ローマのデル・モンテ枢機卿をはじめ友人たちは、メリージの恩赦を嘆願するようにローマ教皇に働きかけを続け、ようやく恩赦を取り付けた。
喜んでローマに向かうメリージだったが、旅の途中で病に倒れてなくなった。
39歳だった。
画家のイメージとはほど遠い、無頼漢のような壮絶な一生を送ったメリージだが、その短い生涯の中で数多くの絵画を各地に残している。
その絵画の写実性と光の描き方は、驚くしかありません。
教会からの依頼で描かれることが多かったようで、多くは宗教画ですが、残酷な絵画が多いのも驚きです。
日本で言えば地獄絵のような感じでしょうか?
カラヴァッジョの精神を推測するためか、公開処刑シーンがいくつか出てきます。
この時代は、死体が川に浮いていたり、残酷な処刑が行われたり、民衆にとって過酷な時代だったんだなあと思いました。
絵画では光を求めたカラヴァッジョが、私生活では闇を求めたのは皮肉だなあと思いました。
カメラワークが素晴らしいです。
まるで、カラヴァジョの作品の世界にいるかのように、柔らかい光の中で描かれていました。
主演のアレッシオ・ボーニもとても素敵でした。