マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ゼロ・ダーク・サーティ

2013-02-23 11:13:21 | 映画ー劇場鑑賞

ーゼロ・ダーク・サーティーZERO DARK THIRTY

2012年 アメリカ

 

キャスリン・ビグロー監督 ジェシカ・チャステイン(マヤ)ジェイソン・クラーク(ダニエル)ジョエル・エドガートン(パトリック)ジェニファー・イーリー(ジェシカ)マーク・ストロング(ジョージ)カイル・チャンドラー(ジョセフ・ブラッドリー)エドガー・ラミレス(ラリー)ジェームズ・ガンドルフィーニ(CIA長官)クリス・プラット(ジャスティン)ハロルド・ペリノー(ジャック)レダ・カテブ(アマール)

 

【解説】

911全米同時多発テロの首謀者にしてテロ組織アルカイダの指導者、ビンラディンの殺害計画が題材のサスペンス。CIAの女性分析官の姿を通し、全世界を驚がくさせた同作戦の全貌を描き出す。メガホンを取るのは、アカデミー賞で作品賞などを受賞した『ハート・ロッカー』のキャスリン・ビグロー。『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』などで注目のジェシカ・チャステインが、狂気にも似た執念でビンラディンを追跡する主人公を熱演。リアル志向のアクションやドキュメント風の映像も見ものだ。

 

【あらすじ】

ビンラディンの行方を追うものの、的確な情報を得られずにいる捜索チーム。そこへ、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るCIAアナリストのマヤ(ジェシカ・チャスティン)が加わることに。しかし、巨額の予算を投入した捜査は一向に進展せず、世界各国で新たな血が次々と流されていく。そんな中、同僚の一人が自爆テロの犠牲となって命を落としてしまう。それを機に、マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌。ついに、彼が身を隠している場所を特定することに成功するが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「ハート・ロッカー」で2006年度のアカデミー賞作品賞と監督賞などを、元夫ジェームズ・キャメロンの「アバター」を抑えて獲得したキャスリン・ビグローの最新作。

今年も、アカデミー賞作品賞などにノミネートされています。

 

2001年9月11日、あの忘れられない史上最悪のテロ事件、アメリカ同時多発テロ事件が起きました。

オープニングは、スクリーンが暗いままで犠牲になった人たちの電話の声が流されました。

観客は、あの惨事を昨日のことのように思い出したことでしょう。

 

オサマ・ビンラディンはこの事件の首謀者と断定され、アメリカ身柄確保を目標とするが、大規模な捜索にも関わらず拘束することがでできないまま長い年月が過ぎていった。

 そして、これも世界中で物議をかもしたCIAによるグアンタナモ収容所の捕虜の拷問が描かれていました。

 

CIAのダニエル(ジェイソン・クラーク)が、9.11の資金の運び屋と見られる男を厳しい拷問によってその上司を聞き出そうとしていたが、彼はなかなか本当のことを言おうとしなかった。

そこへ加わったのがマヤ(ジェシカ・チャステイン)だった。

 

アメリカが国家をあげて、巨額な資金をつぎ込んでいるのに、ビン・ラディンにたどり着く有力な情報は得られなかった。

それをあざ笑うかのように、各国でテロ事件は次々に起こった。

あろうことか、CIAの基地内部でも自爆テロが起こり、マヤも親友を亡くした。

 

ここからビン・ラディンの追跡にますます執念を燃やすマヤだが、世論に批判されて捕虜の拷問も禁止となり、情報収集は困難を極めた。

しかし、地道な情報収集の結果、パキスタン・イスラマバードの郊外アボッターバードに要塞のように警備された一見すると民家のような豪邸を見つけた。

マヤは、ビン・ラディンの隠れ家だと断定した。

 

☆ネタバレ

衛星画像で屋敷を見張った。

本部は慎重で、なかなか決断を下さず、マヤは苛立つが、とうとう決行の日がやってきた。

 

2011年5月2日の真夜中、ステルスヘリコプター2機に精鋭部隊が乗り込んで、この屋敷を急襲した。

激しい銃撃戦の末、ビン・ラディンや数人の親族の人や手下の者を射殺し、ビン・ラディンの死体と証拠物を押収して持ち帰った。

そのときに、ヘリ1機が不時着したので、証拠隠滅のために爆破した。

 

基地に戻り、マヤが遺体を確認して、この事件は決着を見た。

 

アボッターバードのビン・ラディンの屋敷を特定するに至る経緯は、とても興味深く見ていましたが、この屋敷を襲うために、他の国からステルスヘリでレーダーをかいくぐってパキスタン領内に入るところでは、「こんなことが許されるんだろうか?」と愕然としました。

のちに、パキスタン政府は「主権を侵された」と抗議したそうですが、それはそうですよね。

この強引さが世界の警察を自負するアメリカの所行なのでしょう。

ただただ、驚きました。

 

ラスト、マヤはたった一人で専用の軍用機に乗り込み、涙を流すのですが、私はこれはマヤの孤独だと思いました。

マヤは、これからアルカイダに命を狙われる対象としてひっそりと生きていくのでしょうし、いままでだって、孤独な作業に身を投じてきたのです。

なんとも言えない気持ちになりました。

 

そして、ビン・ラディン一人が亡くなったからといって、テロ事件はなくならない。

記憶にも新しい、日本人が多数犠牲になったアルジェリアの事件の首謀者はアルカイダの立ち上げにも関わった人物とされています。

 

復讐が復讐を生む不幸な連鎖。

どこで止めれるのかと、暗澹たる気持ちになりました。

 

でも、この作品は娯楽作品としてとても面白く、私としては「アルゴ」につぐヒットとなりました。

 

自国の国民のために、恥も外聞もなく闘う姿勢のアメリカは、間違っているのかもしれないと戸惑いつつも、頼もしいものを感じてしまいました。

でも、やはり復讐は何も生まないですよね。

別の解決方法を模索しないとダメですよね。

難しいけど…。

 

ゼロ・ダーク・サーティとは、軍事用語で真夜中の12時半のことで、この作戦の決行時間。

「ジェロニモ」という暗号名で呼ばれたビン・ラディンの最後はあっけないものでした。

 

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東京物語

2013-02-22 12:55:30 | 映画ーDVD

ー東京物語ー

1953年 日本

監督=小津安二郎 キャスト=笠智衆(平山周吉)東山千栄子(妻・とみ)原節子(二男の嫁・紀子)杉村春子(長女・金子志げ)山村聡(長男・平山幸一)三宅邦子(妻・文子)香川京子(二女・京子)東野英治郎(沼田三平)中村伸郎(志げの夫・金子庫造)大坂志郎(三男・平山敬三)十朱久雄(服部修)長岡輝子(妻・よね)桜むつ子(おでん屋の女)高橋豊子(隣家の細君)安部徹(鉄道職員)三谷幸子(アパートの女)村瀬禪(平山実)毛利充宏(平山勇)阿南純子(美容院の助手)水木涼子(美容院の客)戸川美子(美容院の客)糸川和広(下宿の青年)遠山文雄(患者の男)諸角啓二郎(巡査)新島勉(会社の課長)鈴木彰三(事務員)田代芳子(旅館の女中)秩父晴子(旅館の女中)三木隆(艶歌師)長尾敏之助(尾道の医師)

 

【解説】

日本映画を代表する傑作の1本。巨匠・小津安二郎監督が、戦後変わりつつある家族の関係をテーマに人間の生と死までをも見つめた深淵なドラマ。故郷の尾道から20年ぶりに東京へ出てきた老夫婦。成人した子どもたちの家を訪ねるが、みなそれぞれの生活に精一杯だった。唯一、戦死した次男の未亡人だけが皮肉にも優しい心遣いを示すのだった……。家でひとり侘しくたたずむ笠智衆を捉えたショットは映画史上に残る名ラスト・シーンのひとつ。(allcinema ONLINE

 

【感想】

山田洋次監督の「東京家族」を見て、何か納得がいかなかったので、オリジナルを見ることにしました。

 

昭和28年の作品!

私が生まれた年です。

ということは、ここに出てくる子供たちは、私の両親の世代ということになります。

 

平山周吉(笠智衆)、とみ(東山千栄子)夫婦は、尾道で隠居生活を送っている。

子供は男の子が3人、女の子が二人いるが、今は教師をしている独身の京子(香川京子)と3人で暮らしている。

長男・幸一(山村聡)は医者になり、東京で開業医をしている。

二男は戦死した。

三男・敬三(大坂志郎)は大阪で勤めている。

長女・志げ(杉山春子)も東京で美容院を経営していた。

ある夏の日、夫婦は思い立って東京にいる子供たちに会いに出かける決心をした。

 

ほぼ1日半汽車に揺られての長旅。

今では考えられない遠い故郷ですね。

 

夫婦は迎えにきた幸一の車に乗って、志げも一緒に幸一の家に落ち着きました。

生意気盛りの中学生と小学生の男の子の孫がいます。

遅れて、二男の嫁の紀子(原節子)もやってきました。

 

そして、「東京家族」にも語られている子供たちとのエピソードが語られていくのですが、微妙に感じ方が違いました。

さらに、この作品はカメラワークが緻密だなあと思いました。

まるで、定規で測ったような人物配置。

でも、キャラクターたちはのびのび動いていて、堅苦しさはありません。

とても美しいと思いました。

こんなところに、この映画の魅力がかくされているのかもしれないなあと思いました。

 

ラストは同じ、母親のとみが亡くなって、そのあとの兄弟たちの冷たさと、二男の嫁の優しさが見所なのですが、ここに、作り手の強烈なメッセージを感じました。

戦争未亡人となり、貧しく、寂しく社会の片隅でひっそりと生きる紀子を、心の底から感謝し、心配する両親。

この二男がここにいないという喪失感を実感するとき、戦争がもたらした傷の深さをはっきりと感じることができました。

 

そして、その喪失感を共有できたことが、夫婦の心を満たしたのだと思いました。

そして、その共有した喪失感を心に持って、紀子も周吉も新たな人生を生きていくんだなあ、とジーンとしました。

子供たちではなく、他人の紀子と心が通ったことが、奇跡だと思いました。

 

この映画は反戦映画だと思いました。

戦争が人々に与えたものは、終戦から8年も立ったこの時代にも、決して消えない傷となって心に刻まれているようでした。

 

この強い感覚が、「東京家族」にはなかったものだと思いました。

あったのかもしれないけど、私には感じられなかったのです。

 

私は、どちらの作品にも出てくる子供たちを薄情とか冷たいとか思わないのです。

家族の喪失とか崩壊とかいわれて久しい中で、十分よくやっている家族だと思いました。

 

この作品は、いまさらですが、本当に名作だと感じ入りました。

 

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脳男

2013-02-22 12:47:45 | 映画ー劇場鑑賞

ー脳男ー

2013年 日本

監督=瀧本智行 キャスト=生田斗真(鈴木一郎(入陶大威))松雪泰子(鷲谷真梨子)江口洋介(茶屋刑事)二階堂ふみ(緑川紀尚)太田莉菜(水沢ゆりあ)大和田健介(広野)染谷将太(志村)甲本雅裕(空身)光石研(黒田雄高)小澤征悦(伊能)石橋蓮司(藍沢)夏八木勲(入陶倫行)

 

生まれつきの常識では考えられないほどの高い知能と、驚異的な肉体を兼ね備えるも、人間らしい感情はない謎めいた男・脳男をめぐるバイオレンス・ミステリー。第46回江戸川乱歩賞を受賞した首藤瓜於の小説を原作に、『犯人に告ぐ』などの瀧本智行が監督を務め、『八日目の蝉』の成島出が脚本を担当。感情を持たない冷徹な男には、『僕等がいた』シリーズの生田斗真がふんし新境地を開拓。共演には松雪泰子と江口洋介、『ヒミズ』の二階堂ふみ、染谷将太ら多彩な顔ぶれがそろう。

 

【あらすじ】

残忍な手口の無差別連続爆破事件を追う刑事の茶屋(江口洋介)は犯人の居所を突き止めるが、身柄を確保できたのは身元不明の鈴木一郎(生田斗真)だけ。共犯者と見なされた一郎は犯行が常軌を逸したものだったため、精神鑑定を受けることに。担当となった精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)は感情を表さない一郎に興味を持ち、彼の過去を調べ始めるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

さやちゃんのオススメで見ました。

日本発のダークヒーロー誕生、とうことですが、脳男とは、「並外れた知能・肉体を持ちながら、人間的な感情を持たず、正義のためなら殺人も厭わない」(公式HPより)鈴木一郎と名乗る男のことです。

 

役作りのため、ダビデ像のような肉体を作り上げた生田斗真。

それは、この主人公にぴったりでした。

彼を見るための映画と言ってもいいんじゃないかな?

 

☆ネタバレ

秘密のベールで覆っておいた方が、絶対楽しめるので、多くは書けません。

見る予定の方は、これからあとは絶対に読まないでください。

 

見終わって私は、「何を感じたらいいんだろう」と思ってしまいました。

歪んで入るけど、正義の味方の脳男と、快楽のために人間を残酷に殺して喜ぶサイコな犯人緑川紀尚(二階堂ふみ)との対立という構図です。

 

その間に割って入って、人間とは、人間性とは何かを問うのが主人公の精神科医・鷲谷真梨子(松雪泰子)と、刑事の茶屋(江口洋介)。

 

真梨子には、サイコな犯人に弟を殺され、それ以来母は重度のうつ病になってしまったという背景があります。

真梨子のスタンスは、加害者と被害者が正面から向き合い、加害者は構成し、被害者はそのことによって癒されるという仮説があり、実験しています。

 

茶屋は、直情的な正義の固まりと言う感じです。

 

どのキャラクターにも共感できなかったのは、それぞれが典型的すぎるからかなあ?

 

特に、真梨子の一番大切な患者・志村(染谷将太)が再犯してしまったのは、辛かったです。

理想的過ぎるだろう、と突っ込まれても、いいエピソードにして欲しかった。

あと、新米刑事も、あんなに引っ張っておいてやはり自爆と言うのは、後味悪いなあと思いました。

犯人にピストルを突きつけられた警官も怖い思いのあと死んでしまうし、こういう非情な救いのなさは嫌いです。

とにかく、グロテスクな描写が多かったし、辛い死に方が多かったです。

 

このごろの日本映画、なぜか異常で大量の殺人の話が多くないですか?

日本は平和ボケで、そういう恐怖くらいしか想像できないのかもしれないけど。

 

この作品、続編がありそうですね。

次作ではもう少し、暗い中にもきらりと光る希望を語ってもらいたいです。

 

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エージェント・マロリー

2013-02-17 09:12:40 | 映画ーDVD

ーエージェント・マロリーーHAYWIRE

2011年 アメリカ

スティーヴン・ソダーバーグ監督 ジーナ・カラーノ(マロリー・ケイン)マイケル・ファスベンダー(ポール)ユアン・マクレガー(ケネス)ビル・パクストン(ジョン・ケイン)チャニング・テイタム(アーロン)マチュー・カソヴィッツ(スチューダー)マイケル・アンガラノ(スコット)アントニオ・バンデラス(ロドリゴ)マイケル・ダグラス(コブレンツ)

 

【解説】

『トラフィック』や『オーシャンズ』シリーズなど、数々の話題作を放ち続けてきたスティーヴン・ソダーバーグ監督によるスパイ・アクション。組織に裏切られ追われる身になった女スパイの活躍を描く。主演は、アメリカ女子総合格闘技界の人気者で、スタントを一切使わずに本作に挑んだジーナ・カラーノ。共演には『SHAME -シェイム-』マイケル・ファスベンダー、『ムーラン・ルージュ』のユアン・マクレガー、『トラフィック』のマイケル・ダグラスなど実力派キャストがそろう。

 

【あらすじ】

並外れた戦闘能力と知性を兼ね備えた女性スパイのマロリー(ジーナ・カラーノ)は、民間軍事企業の経営者で昔付き合っていたケネス(ユアン・マクレガー)からバルセロナにおける人質救出作戦の依頼を受ける。バルセロナでの作戦を手を組んだパートナー(チャニング・テイタム)と共に見事に遂行し、その評判を耳にしたMI6の依頼で、今度は新パートナーのポール(マイケル・ファスベンダー)と組み謎の男を追跡するという仕事が舞い込んでくる。しかし、ダブリンへ旅立ったマロリーを非情なわなが待ち受けていた……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

すごいスターたちの名前が並んでいるでしょう?

マイケル・ファスベンダー・ユアン・マクレガー・ビル・パクストン・チャニング・テイタム・アントニオ・バンデラス・マイケル・ダグラス…

そして、監督が「オーシャンズ11」のソダバーグ。

面白そう!!と、思うじゃない?

それがねえ。

 

主演の女性、ジーナ・カラーノはアメリカ女子総合格闘技界の人気者だそうです。

誰かが、「ジーナのプロモーション映画か?」と書いていましたが、そう思ってみたら納得です。

強い彼女を堪能したい方向き。

 

コーヒーショップに入ったマロリー(ジーナ・カラーノ)。

そこへアーロン(チャニング・テイタム)がやってきて、数言会話をかわしたあとに、アーロンがマロリーに熱いコーヒーをぶっかけて格闘が始まる。

そんなに強い女性と知らなかったから、チャニング・テイタムが女性を情け容赦もなく殴るような汚れ役をするのかとびっくりでした。

ラストは、彼女の腕の中で息を引き取るので、チャニングファンはご安心を。

 

そんな風に、出てくる男たちは悪者で、ユアン・マクレガーもマイケル・ファスペンダーも彼女と大格闘をします。

今、これを書いてみて、プロの格闘家の女性と格闘をするというのは、それはおもしろかったでしょうね、と思いました。

なるほど、そういう映画だったんだ。

納得しました。

 

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きいろいゾウ

2013-02-15 12:06:58 | 映画ー劇場鑑賞

ーきいろいゾウー

2012年 日本

監督=廣木隆一 原作=西加奈子 キャスト=宮崎あおい(妻利愛子(ツマ))向井理(武辜歩(ムコ))濱田龍臣(大地)浅見姫香(洋子)本田望結(幼少時代のツマ)緒川たまき(緑)リリー・フランキー(夏目)松原智恵子(セイカ)柄本明(アレチ)大杉漣(ソテツ)柄本佑(コソク)安藤サクラ(カンユ)高良健吾(クモほか)

 

【解説】

作家・西加奈子の人気小説を、『軽蔑』などの廣木隆一監督が映画化したラブストーリー。出会って間もなく結婚した夫婦が、1通の手紙をきっかけに擦れ違いながらも過去と向き合い、絆を深めていく姿を描く。共に原作のファンだという向井理と宮崎あおいが初共演を果たす。彼らを取り巻く人々には柄本明、松原智恵子、リリー・フランキーら多彩な顔ぶれがそろうほか、人気子役の濱田龍臣、本田望結らが出演。

 

【あらすじ】

周囲の生き物たちの声が聞こえる能力を持つ天真爛漫(らんまん)な妻のツマこと妻利愛子(宮崎あおい)と、背中に入れ墨のある売れない小説家・ムコこと無辜歩(向井理)は、出会ってからたちまち結婚。二人とも互いに言えない秘密を抱えていたが、至って平穏な日常を送っていた。そんなある日、ムコに差出人不明の手紙が届いたことから、二人の関係にさざ波が立ち始め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、「優歌団のヴォーカル木村充輝が出ているよ」と聞いて見に行きました。

チラシのどこにも名前が出ていないけど。

 

ストーリーは、出会ってすぐに結婚した“ツマこと妻利愛子(宮崎あおい)と、ムコこと無辜歩(向井理)の夫婦のお話でした。

 

あまり早い結婚の決意だからなのか、ツマは両親から結婚に反対されており、三重県の田舎の村のムコの亡き祖父の家で暮していた。

ムコは小説家で、近所の介護施設でも働いていた。

 

ツマは、小学校のときに病気をしてその孤独感から、生き物と話ができるようになるくらい繊細な神経の持ち主。

 

ある日、東京からムコ宛に、差出人のない手紙が届いたときから、ツマの神経が高ぶっていく。

 

木村充輝さんは、二人が駆け落ちのように電車に乗って心細い思いをしているときに、「グッドナイトベイビー」を歌っている酔っぱらいのおじさんという役所でした。

 

全体に絵本みたいで、ほんわかしたかわいい夫婦のお話でした。

 

松原智恵子さんが、痴ほうの役で出ていて、びっくりでした。

そんな年になられたのね。

 

ツマとムコのダイニングテーブル、タイルが埋め込まれているのかなあ?

とてもステキでした。

二人で作るお料理もすごくよかった。

 

 

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天地明察

2013-02-15 11:47:54 | 映画ーDVD

ー天地明察ー

2012年 日本

監督=滝田洋二郎 原作=冲方丁 岡田准一(安井算哲(渋川春海))宮崎あおい(村瀬えん)佐藤隆太(村瀬義益)市川猿之助[4代目](関孝和)横山裕(本因坊道策)笹野高史(建部伝内)岸部一徳(伊藤重孝)渡辺大(安藤有益)白井晃(山崎闇斎)市川染五郎[7代目](宮栖川友麿)中井貴一(水戸光圀)松本幸四郎[9代目](保科正之)

 

【解説】

『おくりびと』で第81回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した滝田洋二郎監督が、冲方丁原作の時代小説を映画化した娯楽大作。江戸時代前期、800年もの間国内で使用されてきた中国の暦のズレを正し、日本独自の暦作りに専念した実在の人物安井算哲の半生を描く。算術と星に熱中する主人公を『SP』シリーズの岡田准一が演じ、その妻役を宮崎あおいが務める。大志を胸に抱き、何度も失敗を重ねながらもあきらめない男の心意気に感服する。

 

【あらすじ】

太平の世が続く江戸時代、算哲(岡田准一)は碁打ちとして徳川家に仕えていたが、算術にもたけていた。もともと星を眺めるのが何よりも好きだった彼は、ある日会津藩主の保科正之(松本幸四郎)の命を受け、北極出地の旅に出ることになる。算哲らの一行は全国各地をくまなく回り、北極星の高度を測り、その土地の緯度を計測するという作業を続け……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

命がけで日本の暦を作った人がいたのですね。

大天才、安井算哲!

日本人で嬉しいと思った作品でした。

 

江戸時代前期の碁方の家に生まれた算哲(岡田准一)は、星を愛し、算術の設問に夢中になる青年だった。

会津藩主の保科正之(松本幸四郎)から、北極出地のチームに加わるように命じられて、建部伝内(笹野高史)、伊藤重孝(岸部一徳)の一行に加わり、全国各地で北極星の位置を観測して回った。

 

そのことから、日本がずっと以前から使っている中国伝来の暦がずれていて、それがどんどんずれて行くことに危機感を持つ。

臨終間近の保科正之から「暦を作れ」と言われ、暦作りに没頭する。

一番よい暦はやはり中国の授時暦ではないかという結論を得るが、当時の暦は公家が支配していて、抵抗が強かった。

 

そこで、算哲は蝕を当てる暦合戦を挑むのだがー。

 

算哲自身が、多くの苦労や悲しい犠牲を払ってようやく編み出した大和暦を、とうとう朝廷に認めさせた。

これが国産の初の暦、貞享暦となった。

この功により、江戸幕府初の天文方に任ぜられ、以降、天文方は世襲となった。

名前も渋川春海を名乗った。

 

北極出地のエピソードがとても楽しかったです。

後半は少し退屈でした。

新しいことを始める人の情熱と苦労は大変なものがあったのでしょうね。

算哲のことをもっと知りたくなりました。

 

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キリマンジャロの雪

2013-02-14 15:45:02 | 映画ーDVD

ーキリマンジャロの雪ーLES NEIGES DU KILIMANDJARO/THE SNOWS OF KILIMANJARO

2011年 フランス

ロベール・ゲディギャン監督 アリアンヌ・アスカリッド(マリ=クレール)ジャン=ピエール・ダルッサン(ミシェル)ジェラール・メイラン(ラウル)マリリン・カント(ドゥニーズ)グレゴワール・ルプランス=ランゲ(クリストフ)アナイス・ドゥムースティエ(フロ)アドリアン・ジョリヴェ(ジル)ロバンソン・ステヴナン(刑事)カロル・ロシェ(クリストフの母)ジュリー=マリー・パルマンティエ(アグネス(クリストフの隣人))ピエール・ニネ(バーテンダー)ヤン・ルバティエール(ジュール)ジャン=バティスト・フォンク(マルタン)エミリー・ピポニエ(マリーズ(ジルの妻))ラファエル・イドロ(ジャノ(フロの夫))アントニー・デカディ(ガブリエル(クリストフの仲間))フレデリック・ボナル(マルティーヌ(ヘルパー先の娘))

 

【解説】

フランス・マルセイユの港町を舞台に、人に対する思いやりや助け合いの精神の重要さを描いたドラマ。フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの長編詩をモチーフに、思わぬ犯罪に巻き込まれた熟年夫婦が失意や怒りを感じながらも、ある決断を下すまでを描く。監督は、『マルセイユの恋』のロベール・ゲディギャン。キャストにはアリアンヌ・アスカリッド、ジャン=ピエール・ダルッサン、ジェラール・メイランらゲディギャン監督作『幼なじみ』のキャストが再集結。世界的な不況が叫ばれる昨今、人間の持つ優しさや慈しみの大切さが胸にしみる。

 

【あらすじ】

結婚30周年を迎えた熟年夫婦ミシェル(ジャン=ピエール・ダルッサン)とマリ=クレール(アリアンヌ・アスカリッド)は、キリマンジャロへの記念旅行を前に強盗に押し入られてしまう。その犯人はミシェルと一緒に職場をリストラされた青年で、労働組合委員長として仲間と連帯してきたと信じてきたミシェルはショックを受ける。しかし、犯人が幼い弟2人を養い、借金と生活が困窮していた状況下でのやむを得ない犯行だったことが判明し……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私のような熟年世代には、いろいろ感じるところの多い映画でした。

中年の夫婦とその周りの人々との交流の物語かと思っていたら、なかなか内容は深かったです。

 

長年会社の労働組合の委員長を務めてきたミシェル(ジャン=ピエール・ダルッサン)。

長引く不況への対策として、会社と労働組合の協議の結果、20人のリストラ策を労使交渉で決めた。

リストラ対象者はクジ引きで決めた。

自分もクジの中に入れたため、リストラに当たってしまった。

幼なじみで、妻の妹ドゥニーズ(マリリン・カント)の夫でもある同僚のラウル(ジェラール・メイラン)は、そのバカ正直さを嘆く。

「会社が潰れて、全員が解雇になるよりいいんだよ」とミシェルはつぶやいた。

 

妻のマリ=クレール(アリアンヌ・アスカリッド)は表向きは穏やかに受け入れた。

子供たちは、不況の深刻さから再就職は難しいだろうとため息をつく。

ミシェルは3人の孫の面倒をみながら、長男のジルの家にあずまやを建て始めたが、虚しさは募る。

マリ=クレールからも苦情が出るようになった。

 

そんなときに、会社の元同僚たちがミシェル夫婦の30周年記念のパーティを開いてくれた。

子供たちや同僚たちのカンパで、お祝いのアフリカ旅行がプレゼントされた。

幸せなひとときー。

 

ミシェルの家で、ラウル夫婦が来てトランプゲームをやっている。

親しい間柄なのでついつい愚痴ばかり。

 

☆ネタバレ

こういう、熟年夫婦の倦怠やリストラの哀愁を描いたまったりした作品かと、油断していました。

次の瞬間、突然、空気が変わります。

 

何が起こったのか、映画の人物たちと同じく、観客も不意をつかれました。

強盗が部屋になだれ込んだのです。

まず、マリ=クレールが突き飛ばされました。

犯人たちは銃を持っている。

ラウルとドゥニーズが椅子に縛り付けられた。

ミシェルも椅子に縛られ転がされた。

苦痛に顔を歪めるマリ=クレールも椅子に!!

 

「カネと航空券を出せ」

犯人は、カネと航空券を奪い、キャッシュカードを奪い、暗証番号を聞き出して、ひとりが金を下ろしにいった。

もうひとりは、見張りに残り、ラウルが長年借りていて、パーティでミシェルに返した漫画雑誌を読んでいた。

そして、共犯者から電話がかかってくると、雑誌を持ったまま家を出て行った。

 

雑誌を持って行った方の犯人は、ミシェルがクジで引き当てたリストラされた労働者のひとりの若者だった。

彼の名はクリストフ(グレゴワール・ルプランス=ランゲ)。

まだ幼い父の違う弟二人の面倒を見ていた。

母は、たまに帰るが一緒には住めないという。

兄弟の父親は蒸発していた。

 

ミシェルたちの生活も一変してしまう。

ドゥーニーズは恐怖の一夜から、パニックが止まらない。

ミシェルは、肩を強打して怪我をしていたが、事件の後始末に奔走していた。

バスの中で、古い雑誌を読んでいる兄弟の男の子を見つけた。

確認させてもらうと、自分の雑誌だった。

あとを付けると、犯人のひとりがクリストフだということがわかり、警察に通報。

クリストフは逮捕された。

 

刑事がミシェルとクリストフを会わせた。

クリストフは悪びれず、ミシェルは解雇されても、裏取引で得た報酬をもらってぬくぬくしていると侮辱した。

ミシェルは思わずクリストフを殴ってしまった。

 

ここから、この夫婦のすごいところです。

お互いに内緒でクリストフの残された弟たちのことを親身に考えます。

夫婦の阿吽の呼吸、奇跡みたいに、夫婦の思いが違うアプローチで一致していくところが、この作品の見所。

 

このお話は、ヴィクトル・ユーゴーの長詩からインスパイアして作られたということですが、「罪を憎んで人を憎まず」がテーマでしょうか?

夫婦は、この兄弟を引き取ることを決心しました。

 

ともすれば、きれいごとに流れてしまいがちなテーマですが、この夫婦の生きてきた道を考えれば、そういう批判はできない気がします。

たくさんの人の血と汗と闘いの後に今ある労働者の権利。

それを、まるで当たり前のように享受している若者たち。

でも、物わかりがよくなった労働組合の妥協した今回のリストラ案が、この犯罪を引き起こしたのだとしたら…。

さらに、社会から置き去りにされた幼い兄弟には罪がない。

 

もちろん、ミッシェル夫婦は被害者で、犯罪の責任を取る必要は全くないわけです。

 

でも、彼らの決断を、子供たちは大反対したのに、同じ被害者であるラウルとドゥニーズ夫婦は共感を示したのです。

そこが、いいお話だなあと、私は感動しました。

 

ミシェル夫婦のような真似は、私にはとてもできないけど、現代にもジャン・バルジャンの心情は生きている、良心はあるのだと考えさせられました。

 

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マリーゴールド・ホテルで会いましょう

2013-02-09 17:01:10 | 映画ー劇場鑑賞

ーマリーゴールド・ホテルで会いましょうーTHE BEST EXOTIC MARIGOLD HOTEL

2011年 イギリス/アメリカ/アラブ首長国連邦

ジョン・マッデン監督 ジュディ・デンチ(イヴリン)ビル・ナイ(ダグラス)ペネロープ・ウィルトン(ジーン)デヴ・パテル(ソニー・カプー)セリア・イムリー(マッジ)ロナルド・ピックアップ(ノーマン)トム・ウィルキンソン(グレアム)マギー・スミス(ミュリエル)

 

【解説】

『恋におちたシェイクスピア』のジョン・マッデン監督が、ジュディ・デンチら実力派ベテラン俳優陣を迎えた群像コメディー。人生の終盤を迎えそれぞれに事情を抱える男女7人が、快適な老後を送るため移住したインドで織り成す人間模様を描く。出演は、ジュディのほかにビル・ナイ、マギー・スミス、トム・ウィルキンソンら。豪華リゾートホテルのはずがぼろホテルだったなど、想定外の事態に戸惑いながらも、前向きにセカンドライフを謳歌(おうか)しようとする7人の姿が涙と笑いを誘う。

 

【あらすじ】

「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を-」という宣伝に魅力を感じ、イギリスからインドに移住してきたシニア世代の男女7人。夫を亡くしたイヴリン(ジュディ・デンチ)をはじめ、それぞれに事情を抱える彼らを待ち受けていたのは、おんぼろホテルと異文化の洗礼だった。そんな周りの様子を尻目にイヴリンは、街に繰り出しほどなく仕事を見つけ……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

海外で老後を送ろうと考えている人も多いと思います。

まして、イギリス人は英語圏ならコミュニケーションに不自由がないわけですから、インドでの余生に飛びつく心理もわかります。

イギリス本国では、自分の持っているお金では老後の資金が不安、という人も、物価の安いインドでなら、優雅な老後が送れそう。

「マリーゴールド・ホテルで、穏やかで心地良い日々を-」という宣伝文句に乗せられて、イギリスから男女7名のお客がジャイプールにやってきました。

 

イブリン(ジュディ・デンチ)。

夫に依存して何不自由に暮していた彼女は、夫の死後、多額の借金があることに驚かされる。

夫の死後にわき起こった夫への不信感で、目の前が真っ暗になる。

息子は一緒に住もうと言ってくれたが、家を売って、インドで老後を過ごすことを決心する。

  イブリン

ダグラス(ビル・ナイ)とジーン(ペネロープ・ウィルトン)夫妻。

娘がIT分野で起業したため、退職金を出資したので老後の資金がなくなってしまった。

いまなら、安物の老人向け住宅しか買えない。

不服ばかりいう妻のジーン。

少しでも豊かな老後をと、インドにやって来た。

 

マッジ(セリア・イムリー)

何度も離婚結婚を繰り返す人生だが、未だに生涯のパートナーに出会えない思いがある。

息子の家で孫たちの子守りをしていたが、急に思い立って、インドでお金持ちのパートナーをみつけ新しい人生を始めようと思う。

 

ノーマン(ロナルド・ピックアップ)。

彼も永遠の青年でいたい。

ステキな恋人と出会いたいと考えているが、イギリスでは相手にされないので、インドへやって来た。

 

ミュリエル(マギー・スミス)

大腿骨の手術をしなければならないが、半年待ちだし、そのあとのリハビリも入れて費用がかかりすぎるので、インドで手術を受け、療養することにした。

イギリス人至上主義で、人種偏見がきつい。

  ミュリエル

グレアム(トム・ウィルキンソン)。

突然判事を辞め、かつて住んでいたこの土地にやって来た。

どうしてもあいたい人がいたが、まだ迷いはあった。

 

☆ネタバレ

7人がついたのは、豪華ホテルとはほど遠い、改修中のボロホテル。

電話はないし、ドアのない部屋もあるありさま。

支配人のソニー(デヴ・パテル)は父親から譲り受けたこのホテルを、なんとか一流のホテルにしたいという夢だけは立派に持っていた。

「話が違う」と詰め寄るお客に、「将来像を載せてみました」と明るく言い放ちます。

 

イブリンは、この現実を受け入れ、ブログを始め、ジャイプールの町に飛び込んでいった。

求人案内を片手に飛び込んだ会社では、アドバイザーとして雇ってもらった。

そこには、ソニーの恋人が勤めていた。

 

ダグラスは、ジャイプールの町のお寺や史跡などを訪ねて歩いていたが、妻のジーンは町の猥雑さになじめず、部屋に閉じこもってばかりいた。

 

グレアムは、黙々と人探しをしていた。

青春時代、愛したインド人の男。

使用人の息子で、ちょっとした事件のときに自分がゲイということがバレるのを恐れ、彼をかばうことができなかった。

それが、生涯の汚点となり、いまも彼を苦しめていた。

会いたい。でも、会うのが怖い。

彼は自分を許してくれるだろうか。

その葛藤に揺れながら、彼の行方を探し続けていた。

 

ある日、グレアムに興味を持ったジーンが跡を付けた。

グレアムの告白を聞いたジーンは、ますますここにいるのがイヤになった。

 

反対に、イブリンとダグラスはグレアムを理解し、とうとう見つかったその人を訪ねるグレアムに同行した。

その人は、結婚して家庭を持っていた。

そして、妻もその事実を知りながら、グレアムを温かく受け入れてくれた。

 

そして、グレアムはホテルに戻り、生涯の重荷を下ろしたかのように天に召された。

インド式のお葬式をして、みんなで見送った。

 

イブリンとダグラスが親密なところをジーンが見てしまった。

そこへ、ダグラスの娘から事業が成功したのでお金を返すと言う知らせが来た。

夫妻は、イギリスへ帰ることになった。

 

ミュリエルは、手術に成功して、ひとりでホテルに入ることが多かった。

食事を世話してくれているカーストの身分の低い女性が、ある日、自宅に招いてくれた。

ただでさえ人種偏見の強いミュリエル。

彼女の家族の前でも緊張して、車椅子で遊ぶ子供たちに「泥棒!」と叫んでしまった。

事実が分かり、懸命に謝るミュリエル。

後日、その女性に心から謝り、自分の体験を語り出した。

お金持ちのメイドを長年やってきたミュリエル。

自分では家族同然と思っていた。

そして、助手として入って来た娘に、自分の知識と技術を惜しみなく伝えた。

主人は、その助手が十分役に立ちことを知り、ミュリエルに暇を出したのだ。

誰かに自分の気持ちを伝えることで、気持ちが切り替わったミュリエルは、ホテルの帳簿をチェックし始めた。

 

ソニーは頑張っていたが、なかなか融資をしてもらえるところまでは行かなかった。

ソニーの母が乗り出して来て、このホテルは処分すると言い出した。

しかも、町で働く恋人のことも母は認めず、身分のあった人とお見合いさせると言う。

 

ダグラスも去り、ホテルも閉められてしまったら、どうすればいいのか途方に暮れるイブリン。

ところが事態は、思いもかけない結末へと向かっていきます。

 

個性豊かな名優たちが織りなす群像劇。

そこには化学反応がうまいぐあいに起きていきます。

配役の妙です。

ミュリエルが突然立ち上がり、歩けるのを見せるところなんて、笑えます。

 

老人たちの奮闘に、若い恋人たちがうまく絡んで、決して老いの棲み家的なお話で終わっていません。

ラストは少しばたばたしますが、終わってみればハッピーエンド。

 

ラスト、ソニーと恋人がバイクで走っていると、ダグラスとイブリンもバイクに二人乗りしてすれ違います。

すれ違いざまに手を上げるダグラスとイブリン。

本当に、ジャイプールの町にとけ込んでいて、いくつになっても人生は始められるんだと、希望に満ちたラストでした。

 

よかったですよ。

 

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ローマ法王の休日

2013-02-09 16:52:46 | 映画ーDVD

ーローマ法王の休日ーHABEMUS PAPAM

2011年 イタリア

ナンニ・モレッティ監督 ミシェル・ピッコリ(ローマ法王(メルヴィル))イエルジー・スチュエル(報道官)レナート・スカルパ(グレゴリー枢機卿)ナンニ・モレッティ(精神科医(男))マルゲリータ・ブイ(精神科医(女))

 

【解説】

『息子の部屋』でパルムドールを受賞したナンニ・モレッティ監督が、新ローマ法王に選ばれた枢機卿の苦悩を描いたハートフル・コメディー。法王逃亡という衝撃的な展開や、ローマ法王が選出される選挙(コンクラーヴェ)の様子まどをシニカルに描写し、第65回カンヌ国際映画祭で好評を博した。法王就任という重圧から街へ逃げ出すものの、街の人々との交流を通して信仰心や法王の存在意義を見つめ直していく主人公を、フランスの名優ミシェル・ピッコリが哀感を漂わせながら演じ切る。

 

【あらすじ】

ローマ法王が亡くなり、新しい法王を選出するため各国の枢機卿がヴァチカンに集められた。全員が心の中では法王に選ばれないようにと祈る中、誰もが予想外だったメルヴィル(ミシェル・ピッコリ)が新法王に選出される。サン・ピエトロ広場に集まった群衆たちを前にバルコニーで就任演説をしなくてはならないメルヴィルだったが、重圧のあまり街へ逃げ出してしまい……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ローマ法王に選ばれた枢機卿が、その重圧に恐れおののいて、町に逃げ出す、というのは予告編を見てわかっていましたが、こんな結果とは…!!

決して邦題のイメージで見てはなりませんよ。

コメディではなく、悲劇的な幕切れです。

 

新しいローマ法王の誕生を心から待ちわびていた世界中のキリスト教信者の善男善女たちは、本当にがっかりしたことでしょう。

こんな結末で、いいのでしょうか?

キリスト教徒ではない私でも、ユーモアよりも強い不安を感じました。

 

この映画は、コンクラーベ(=ローマ法王選挙、「天使と悪魔」で知りました)で神聖に選ばれたメルヴィル(ミシェル・ピッコリ)の、実に個人的な心象を描いた作品です。

カトリック教会批判とかそういうものは感じられませんでした。

それどころか、ここに出てくる枢機卿たちは、子供のように天真爛漫で無垢な人たちでした。

こういう聖職者であれば、キリスト教も安泰なのでは?と思わせてくれたのですが…。

 

☆ネタバレ

無垢だからこそ、メルヴィルも目の前の法王という重圧に耐えきれず、逃げ出してしまうということなのでしょう。

メルヴィルは逃亡して、町のなかでいろんな人に会いますが、自分が若い頃に俳優になりたかったという気持ちを思い出します。

クライマックスは、信者の前に立ち、ひとりの人間としてのスピーチですが、法王はできないという内容です。

待ちわびた信者にとっては、悲劇的なスピーチとなりました。

 

ナンニ・モレッティ監督は自身も精神科医の役で出演していますが、キリスト教会に対して、人間がやる以上、こういうことも起こりえるという警鐘を鳴らしているのでしょうか?

教会がもっと人間をベースとした体質になるべきだという、示唆なのかなあ?

 

キリスト教信者ではない私には、測りかねる結末となりました。

 
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コロンビアーナ

2013-02-09 16:50:23 | 映画ーDVD

ーコロンビアーナーCOLOMBIANA

2011年 アメリカ/フランス

オリヴィエ・メガトン監督 リュック・ベンソン脚本 ゾーイ・サルダナ(カトレア)ジョルディ・モリャ(マルコ)レニー・ジェームズ(ロス)アマンドラ・ステンバーグ(カトレア(9歳))マイケル・ヴァルタン(ダニー・デラネイ)クリフ・カーティス(エミリオ・レストレポ)

 

【解説】

『ニキータ』『レオン』などのリュック・ベッソンが、製作と脚本を手掛けたアクション・ドラマ。両親の命を奪ったマフィアに復讐(ふくしゅう)を果たすべく、すご腕の暗殺者となった女性の運命を追い掛けていく。『アバター』のナヴィ族のネイティリ役で世界的注目を集めたゾーイ・サルダナが、凄惨(せいさん)な過去を抱えた美ぼうの暗殺者カトレヤを熱演し、体を張ったハードな見せ場も次々と披露。『トランスポーター3 アンリミテッド』などのオリヴィエ・メガトン監督による、スピーディーな語り口とスタイリッシュなビジュアルにも注目したい。

 

【あらすじ】

1992年、南米コロンビア。麻薬組織のマフィアたちに目の前で両親を惨殺された9歳の少女カトレヤは、その場を逃れてシカゴでギャングとして生きるエミリオ(クリフ・カーティス)に身を寄せる。彼のもとで殺しのスキルを習得していったカトレヤ(ゾーイ・サルダナ)は、美しいプロの殺し屋として成長する。その技術を駆使して両親を殺した者たちに復讐(ふくしゅう)を果たそうと、彼らの所在を探りながら、殺しを重ねていくカトレヤ。だが、FBICIAをはじめとする捜査機関が、そんな彼女をマークし、行方を追い始める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「レオン」「ニキータ」のにおいがプンプンする作品。

最初の30分足らずで、主人公カトレアの原点をすべて語るスピーディなに展開に、すっと物語に引き込まれてしまいました。

 

南米コロンビアで平穏に暮していた少女カトレア。

しかし、父親は麻薬組織のボスで、敵対する別の組織に家を襲撃され、カトレアの目の前で両親が死んでしまう。

カトレアは、機転を利かせて家から脱出し、父から預かった秘密の情報を手にアメリカ大使館に逃げ込み、アメリカへ亡命を果たす。

アメリカでは、CIAからも逃げ出し、おじのエミリオ(クリフ・カーティス)の元へ。

エミリオも闇社会で生きる人で、カトレア(ゾーイ・サルダナ)は殺し屋となる。

 

カトレアには秘めたる思いがあった。

両親を殺した組織への復讐。

 

殺しのたびに、自分の印カトレアを死体に描いて、復讐の相手をおびき出そうとするが、その相手は非情にもエミリオや育ててくれたママまで殺してしまった。

 

怒りに燃えるカトレアは、敵の本拠地に単身で乗り込んでいく。

 

胸のスカッとする復讐劇でした。

主人公が女性なので、暴力もそれほどひどく感じないし、殺しも華麗でエンタメ的。

 

DVDで家庭で見るには面白いんじゃないかな?

 
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