ー消えたフェルメールを探して 絵画探偵ハロルド・スミスーSTOLEN
2005年 アメリカ
レベッカ・ドレイファス監督
【解説】
17世紀のオランダを代表する画家フェルメールの「合奏」盗難事件をめぐり、真犯人の行方と頻発する美術品盗難の驚くべき現実に迫るドキュメンタリー。盗まれた美術品を専門に扱う“絵画探偵”ハロルド・スミスが、1990年にボストンの美術館で起きた大規模な絵画盗難にかかわるうわさや証言を基に事件に隠された謎を捜索。イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館創設者の遺言や手紙を織り交ぜ、美術品売買の表と裏が良質なミステリーのようにドラマチックに描きだされる。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
1990年、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館所蔵のレンブラント、フェルメールなど美術品13点が盗まれた。絵画探偵として著名なハロルド・スミスは、FBIも注目する美術品泥棒をはじめ要注意人物に接触。開設したホットラインにも情報が寄せられる。そんなとき、ロンドンからアイルランドのIRAと盗まれたフェルメール「合奏」の関係を示唆する密告が入り……。(シネマトゥデイ)
【感想】
原題は短いのに、邦題は長い。
それも、わかる気がしました。
私のような、あまりに無知な人のためです。
私は天王寺美術館で「真珠の耳飾りの少女」を見てから、フェルメールが大好き。
でも、ほとんど知らない。
実物を見たのは、あとルーブル美術館の「レースを編む少女」だけです。
この映画の主題、「合奏」も知らないし、それが盗まれて行方不明というのも知りませんでした。
これが「合奏」
この映画は、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から1990年に盗まれた絵画、主にフェルメールの「合奏」を、ドキュメンタリー監督のレベッカ・ドレイファスが各方面からの証言を元に追いかけている作品です。
まだ、絵画は見つかっていませんから、この映画の結末もめでたしとは行きません。
もう一つの柱、絵画探偵ハロルド・スミスというユニークなキャラクターが、絵画専門犯罪という特殊な世界に観客を誘っていきます。
彼は、若い時から、皮膚癌に冒されて、オペラ座の怪人とはこんな人のことかと思わせる風貌をしています。
でも彼は、独特のユーモアと温厚な人柄と、高い職業意識で、犯罪者でも、警察関係者でもどんどん会って、情報収集をしていきます。
英国紳士といったもの腰です。
彼に、いろんな人が接触してきて、こんな人がカメラの前でしゃべってもいいのかな?と思う人が、どんどんアップで登場します。
何度も刑務所に入っている大物の美術専門泥棒とか、作品を持っている人とFBIとの間で交渉している人とかー。
でも、何が真実かわからないままです。
それでもこの作品が面白いのは、ハロルド・スミスというユニークなキャラクターと、もうひとつ、稀代の蒐集家イザベラ・スチュワート・ガードナーの話です。
19世紀のアメリカで、彼女が依頼している画商との往復書簡が紹介されていきます。
彼女が、どのくらい執念を持って一点一点を集めていったかが読み取れます。
この美術館は、彼女の死後、彼女の遺言によって一般に公開されています。
純然たる個人のコレクションの美術館として、珍しい存在だそうです。
今も彼女の遺言に縛られていて、盗まれた作品は額だけが飾られてありました。
買い足すこともできないそうです。
それは、彼女の怒りを表しているようにも思えました。
ハロルド・スミスは、この映画の撮影後亡くなっていいますが、息子さんが後を引き継いで名画の捜索は続いているようでした。
それにしても、名画が盗まれたり、誰かに隠されていたり、取引道具につかわれたりするのは許しがたい行為です。
それも、IRAや政治が絡んでいるような論調でした。
まだまだ、白日の下には出てこないのでしょうか。
本当に残念なことです。
レベッカ・ドレイファス監督も、昔見た「合奏」に心引かれたと言いますから、その一心でこの作品を作ったのでしょう。
テーマが絞れていない作品ですが、とにかく人類共通の宝物「合奏」返してということですね。
2005年 アメリカ
レベッカ・ドレイファス監督
【解説】
17世紀のオランダを代表する画家フェルメールの「合奏」盗難事件をめぐり、真犯人の行方と頻発する美術品盗難の驚くべき現実に迫るドキュメンタリー。盗まれた美術品を専門に扱う“絵画探偵”ハロルド・スミスが、1990年にボストンの美術館で起きた大規模な絵画盗難にかかわるうわさや証言を基に事件に隠された謎を捜索。イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館創設者の遺言や手紙を織り交ぜ、美術品売買の表と裏が良質なミステリーのようにドラマチックに描きだされる。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
1990年、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館所蔵のレンブラント、フェルメールなど美術品13点が盗まれた。絵画探偵として著名なハロルド・スミスは、FBIも注目する美術品泥棒をはじめ要注意人物に接触。開設したホットラインにも情報が寄せられる。そんなとき、ロンドンからアイルランドのIRAと盗まれたフェルメール「合奏」の関係を示唆する密告が入り……。(シネマトゥデイ)
【感想】
原題は短いのに、邦題は長い。
それも、わかる気がしました。
私のような、あまりに無知な人のためです。
私は天王寺美術館で「真珠の耳飾りの少女」を見てから、フェルメールが大好き。
でも、ほとんど知らない。
実物を見たのは、あとルーブル美術館の「レースを編む少女」だけです。
この映画の主題、「合奏」も知らないし、それが盗まれて行方不明というのも知りませんでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/1d/6edd01c326fd247160c6ad722ae1d644.jpg)
この映画は、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館から1990年に盗まれた絵画、主にフェルメールの「合奏」を、ドキュメンタリー監督のレベッカ・ドレイファスが各方面からの証言を元に追いかけている作品です。
まだ、絵画は見つかっていませんから、この映画の結末もめでたしとは行きません。
もう一つの柱、絵画探偵ハロルド・スミスというユニークなキャラクターが、絵画専門犯罪という特殊な世界に観客を誘っていきます。
彼は、若い時から、皮膚癌に冒されて、オペラ座の怪人とはこんな人のことかと思わせる風貌をしています。
でも彼は、独特のユーモアと温厚な人柄と、高い職業意識で、犯罪者でも、警察関係者でもどんどん会って、情報収集をしていきます。
英国紳士といったもの腰です。
彼に、いろんな人が接触してきて、こんな人がカメラの前でしゃべってもいいのかな?と思う人が、どんどんアップで登場します。
何度も刑務所に入っている大物の美術専門泥棒とか、作品を持っている人とFBIとの間で交渉している人とかー。
でも、何が真実かわからないままです。
それでもこの作品が面白いのは、ハロルド・スミスというユニークなキャラクターと、もうひとつ、稀代の蒐集家イザベラ・スチュワート・ガードナーの話です。
19世紀のアメリカで、彼女が依頼している画商との往復書簡が紹介されていきます。
彼女が、どのくらい執念を持って一点一点を集めていったかが読み取れます。
この美術館は、彼女の死後、彼女の遺言によって一般に公開されています。
純然たる個人のコレクションの美術館として、珍しい存在だそうです。
今も彼女の遺言に縛られていて、盗まれた作品は額だけが飾られてありました。
買い足すこともできないそうです。
それは、彼女の怒りを表しているようにも思えました。
ハロルド・スミスは、この映画の撮影後亡くなっていいますが、息子さんが後を引き継いで名画の捜索は続いているようでした。
それにしても、名画が盗まれたり、誰かに隠されていたり、取引道具につかわれたりするのは許しがたい行為です。
それも、IRAや政治が絡んでいるような論調でした。
まだまだ、白日の下には出てこないのでしょうか。
本当に残念なことです。
レベッカ・ドレイファス監督も、昔見た「合奏」に心引かれたと言いますから、その一心でこの作品を作ったのでしょう。
テーマが絞れていない作品ですが、とにかく人類共通の宝物「合奏」返してということですね。