マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

虚栄のかがり火

2006-11-27 12:46:53 | 映画ーDVD
1990年 アメリカ ブライアン・デ・パルマ監督 トム・ハンクス 、ブルース・ウィリス 、メラニー・グリフィス 、キム・キャトラル 、ソウル・ルビネック 、モーガン・フリーマン 、F・マーレイ・エイブラハム 、ジョン・ハンコック 、アラン・キング 、クリフトン・ジェームズ 、ドナルド・モファット 、キルステン・ダンスト 、ケヴィン・ダン 、ノーマン・パーカー

【解説】
アメリカでベストセラーとなったトム・ウルフの原作を基に、ブライアン・デ・パルマが映画化した作品。ウォール街のエリート、マッコイはある日、不倫相手とブロンクスをドライブ中に車で黒人を跳ねてしまう。ひょんなことからこの轢き逃げのネタを仕入れた新聞記者ファローは、偶然マッコイと知り合いになり、記事を書きはじめる。そしてやがて彼の記事はマッコイを追い詰めてゆくのだが……。

【感想】
この映画、あまり評価が高くないようですね。
中身はコメディに近いのに、タイトルが真面目すぎるからでしょうか?

「1990年、トム・ウルフのベストセラー小説の映画化『虚栄のかがり火』が大コケし、再起不能寸前のところまで追い込まれる。日本ではあまり知られていないが、キャスティングや脚本の度重なるリライト、再編集など映画制作を巡るゴタゴタが大々的に報道され、歴史的大失敗作と称された。」(ウィキペディア)

でも、見終わった私は大満足の映画でした。
家でだらだら見たからかしら?

偽証する証人、それをかつぐ検察、それを踏み台に政治家へのし上がろうとする検事総監、弱みを装って賠償金をせしめようとする被害者家族やその尻馬に乗る聖職者。
モーガン・フリーマン扮する判事は、それをみごとに切りまくります。
けれども、ああ、本当に、この世から正義が消えて幾久しい。
こんな判事がいたら天然記念物ものだわ。

裁判の最後に判事が言うセリフ。
「正義は節度、節度はおばあさんに教えてもらうもの、節度は心の問題だ」
そのまま今の日本に来て言ってもらいたいセリフでした。
聞かせたい人がたくさんいます。

本を書いた飲んだくれ新聞記者のピーター(ブルース・ウィリス)だって、虚栄の上にあぐらをかいて生活していたシャーマン(トム・ハンクス)だって、誉められた人生じゃないけど、踏みにじられていいものではありません。
でも、ピーターの惨めな生活も、シャーマンの宇宙の支配者だと思えた一瞬も、あっというまに逆転し、入れ替わってしまうようなものだったのです。
シャーマンには永遠に続くと思っていたすべてのものが、はかない幻のようなものに支えられていただけなのだということが露呈されます。
仕事も、家も、家庭生活も。
逆にピーターにはチャンスの女神の気まぐれとしか思えない、栄光が訪れるのです。

でも、最後にピーターが言う「何もかもを手に入れてそれで魂を失うとしたら…そのとき考えよう」
これが現代人の本音です。
魂よりも、目の前の富が大切。
あさましいけど、それが実態です。
それが、ここまで弱者を踏みつけにしても平気な世の中に成り果ててしまったすべての根源だと思います。

おばあちゃんの忠告を聞かずに、虚栄に走って生きてきたからなあ。
だけども、やっぱり魂はなくしたくないと、切実に思うのです。

あの子役、見たことあると思ったら、やっぱりキルステン・ダンストでした。
メラニー・グリフィス、私はぴったりだと思いました。
あんな人、いそうだわ。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
キルステティン・ダンスト・・・ (NAKAちゃん)
2006-11-27 21:09:47
私もこの映画好きです。
でも キルスティン~全く気付きませんでした
ごく最近見たので トムハンクスやブルースウィリスの若さは笑えたのですが 何かすごく見逃してしまった気分で残念!
でも 男優がすごく若いのにメラニーグリフィスが今と変わらないのはすごい

最初はうさん臭く感じたモーガンフリーマンの裁判官が 一番のいいとこ取りだったような・・・
面白かった!

そうそう キルスティン~の 「マリーアントワネット」とっても予想外のキャスティング?!
ソフィア・コッポラ監督というのも楽しみですね!
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NAKAちゃんへ (よう)
2006-11-28 10:06:58
NAKAちゃんのご推薦で見た映画です。
ほんと、みてよかった。
ありがとう。

なんで、興行的に当たらなかったのかしらね。

「マリ・アントワネット」私もとても楽しみだわ。
パリの友達と今年の5月、「ダヴィンチ・コード」世界同時公開でリアルタイムで電話でしゃべった時、この映画の方が評判いいよ、と言っていました。
と言うことは、公開が1年近くの遅れ?
なんか、寂しいわね。
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