マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

シェイプ・オブ・ウォーター

2018-03-19 11:01:12 | 映画ー劇場鑑賞

ーシェイプ・オブ・ウォーターーTHE SHAPE OF WATER

2017年 アメリカ 124分

 

監督・脚本=ギルレモ・デル・トロ キャスト=サリー・ホーキンス (イライザ) マイケル・シャノン (ストリックランド) リチャード・ジェンキンス (ジャイルズ) ダグ・ジョーンズ (不思議な生きもの) マイケル・スタークバーグ(ホルステトラー博士) ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー) フレミング(デヴィド・ヒューレット) ホイト元帥(ニック・サーシー)

 

【解説】

『パンズ・ラビリンス』などのギレルモ・デル・トロ監督が異種間の愛を描き、第74回ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたファンタジー。米ソ冷戦下のアメリカを舞台に、声を出せない女性が不思議な生き物と心を通わせる。『ハッピー・ゴー・ラッキー』などのサリー・ホーキンスが主演し、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などのオクタヴィア・スペンサー、『扉をたたく人』などのリチャード・ジェンキンス、『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』などのマイケル・シャノンらが共演。シネマトゥデイ

 

【あらすじ】

1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。シネマトゥデイ

 

【感想】

2007年の「パンズ・ラビリンス」良かったです。

大好きな作品。

そのギレルモ・デル・トロ監督の作品。

今年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞も取りました。

すごい!!

 

初めのシーンから水の中。

そして眠っているプリンセス。

と言っても、この女性は声を持たないイライザ(サリー・ホーキンス)で、映画館の上に一人で住んでいる。

隣に住んでいるジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)の世話も焼いて、夜にパスに乗って仕事に行く。

政府系の研究機関の掃除夫をしている。

仲良しのゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)が、上司とのコミュニケーションをとったり、いろいろよくしてくれる。

 

ある時、警備担当のストリックランド(マイケル・シャノン)が、アマゾンの原住民に神と崇められている秘密の生き物を研究所に持ち込んだ。

ホルステトラー博士(マイケル・スタークバーグ)が、研究にあたる。

 

☆ネタバレ

イライザが秘密の部屋を掃除している時、その生き物が姿を現し、イライザはその美しい姿にすっかり虜になってしまう。

みんなに隠れて、その生き物にゆで卵をあげたり、音楽を聴かせたりして交流を始める。

そう、イライザはすっかり「彼」に恋をしたのだ。

 

しかし、ストリックランドは苦痛を与えて従わせようとしたため、生き物は反抗し、危険なものに認定されてしまう。

そして、解剖して研究するという方針に決まった。

 ストリックランド(左)とホルステトラー博士

ホルステトラー博士は反対するが、ホイト元帥(ニック・サーシー)の決定には従うしかなかった。

ホルステトラー博士の正体は、ソ連のスパイで、謎の生物を盗んでソ連に持ち帰るよう、命令を受けていた。

 

大好きな「彼」が殺されると知ったイライザは、ゼルダとジャイルズに応援を頼んで、「彼」を逃がそうと計画を立てた。

その計画は、思いがけなくもホルステトラー博士の協力を得て成功し、「彼」を自分のアパートに連れてくることに成功、バスルームに匿った。

 

しかし、「彼」はかなり衰弱していて、雨が降るとの予報がある日に、水位の上がった川に放して逃がすことを決める。

 

一方、研究生物が逃げたことの責任を追及されたストリックランドは犯人捜しに躍起だが、イライザのような掃除人がそんな大それたことができるとは考えられなかった。

しかし、執拗な追跡の結果、ホルステトラー博士を殺害し、その魔の手はイライザと彼にも及んだ。

 

米ソの対立をうまく利用し、権力におもねる軍人気質や出世欲、人種差別や女性蔑視などをうまく絡めて悪を作り上げていました。

対するイライザは、口もきけない貧しい掃除人。

社会の底辺で生きている人です。

でも、心は無垢で、真実の愛を見抜く心を持っている。

巨悪対イライザ。

 

勝敗は目に見えているけど、最後は水の中のハッピーエンド。

観客はこのハッピーエンドにどれだけ救われことでしょう。

本当に良かったです。

 

始まりの水の中のシーンも、美しく蘇り、とてもうまく繋がっています。

 

この半魚人の目も、今回「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でアカデミー賞ヘアメイキング&メークアップ賞に輝いた辻一弘さんのお仕事だそうです。

本当に綺麗な目なので、ぜひ注目していただきたいです。

 

「パンズ・ラビリンス」と比べれば、ずいぶんアダルトものです。

キワモノ感も感じます。

ただ、マイノリティたちを主人公にして、悪に立ち向かわせた構成はかなり面白かったです。

 

猫好きは、ちょっと注意が必要です。

ショツクを受けられませんように。



ナチュラル・ウーマン

2018-03-16 21:54:17 | 映画ー劇場鑑賞

ーナチュラルウーマンーUNA MUJER FANTASTICA/A FANTASTIC WOMAN

2017年 チリ,ドイツ,スペイン,アメリカ 104分

 

監督=セバスチャン・レリオ キャスト=ダニエラ・ベガ (マリーナ) フランシスコ・レジェス (オルランド) ルイス・ニェッコ (ガボ)

 

【解説】

『グロリアの青春』などのセバスティアン・レリオが監督と脚本を担当した人間ドラマ。最愛の恋人をなくし、いわれのない偏見や差別にさらされながらも誇り高く生きるトランスジェンダーの主人公を映す。主演を務めるのは、自身もトランスジェンダーのシンガーであるダニエラ・ベガ。フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコらが共演している。

 

【あらすじ】

ナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのシンガー、マリーナ(ダニエラ・ベガ)は、チリの首都サンティアゴで年齢差のある恋人オルランドと同居していた。マリーナの誕生日を祝った晩、家に戻ると急にオルランドの意識が遠のき、そのまま他界する。彼が亡くなったことでマリーナは予想外のトラブルに見舞われ……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

先日、エル・ファニング主演の「アバウトレイ」を見たばかり。

これは、未成年の女の子が、男性の心を持っていて、男性らしくなるためのホルモン治療をするためには保護者の同意がいるという問題で、レイの周辺の大人たちの反応を描いた作品でした。

 

この作品は、すでに女性の体となったマリーナ(ダニエラ・ベガ)が主人公です。

 

マリーナを演じたダニエラ・ベガ自身もトランスジェンダーの歌手で、この作品の舞台はチリのサンティアゴです。

今年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。

 

ナイトクラブの歌手マリーナは今日が誕生日。

恋人のオルランド(フランシスコ・レジェス )は、マリーナのためにレストランでサプライズを企画し、イグアスの滝への旅行に招待したが、そのチケットを紛失していた。

その夜、自分たちの部屋で愛し合った後、オルランドの具合が悪くなった。

マリーナはオルランドを病院に運ぼうとするが、慌てていて鍵を部屋に置き忘れてしまった。

マリーナが取りに戻っている間に、オルランドはフラフラと階段から転落してしまう。

 

自家用車で病院に運び込むが、マリーナは病室から出され、オルランドは亡くなってしまう。

医者は傷だらけで頭部ににも出血のあることでマリーナに疑いの目を向ける。

事情を知るオルランドの弟のガボ(ルイス・ニェッコ )が病院に到着し、マリーナはともかく解放される。

 

次の日、職場に行くと警察の性犯罪担当の捜査官が来る。

マリーナに話を聞きたいから、仕事が終わったら電話しろという。

オルランドの元妻から電話がかかる。

オルランドの車を引き取りたいというので、車をもって行く。

元妻は、マリーナのせいで離婚になったと思っている。

娘もいるので葬式には出るなと念を押す。

 

家に帰ると、オルランドの息子がいる。

いつアパートを明け渡すかと迫られ、愛犬も返せという。

 

疲れ果て、警察に電話を忘れると、警察に出頭命令が出て、身体を調べられた。

きわめつけは、息子とその仲間による暴力。

拉致され、テープで顔をぐるぐる巻きにされ、車から放り出された。

 

愛する人が突然亡くなったというのに、悲しむいとまもなく、怒涛のように押し寄せてくる災い。

チラシにも掲載されている、斜め45度に体を倒して向かい風に立ち向かうマリーナの姿。

トランスジェンダーの人が立ち向かわないといけない、世間の風当たりというものをストレートに表現していました。

 

☆ネタバレ

オルランドが残した鍵、それはオルランドが通っていたサウナのロッカーの鍵でした。

マリーナは女の姿のまま、男専用ゾーンに入って行ってロッカーを開けますが、そこには何もありませんでした。

それで何かを悟ったのでしょう。

自分らしく生きること。

犬も取り返し、スタージに立って、オペラのアリアを歌い上げるマリーナの姿がありました。

 

私は、ロッカーの中にはイグアスの滝行きのチケットがあると期待していました。

結局、チケットはなかったんだなあ。

それから、息子から犬はどうやって取り戻したんだろうとも思いました。

 

そういう疑問は残ったけど、マリーナは愛する人の死というどん底で、いろんな人から足蹴にされながらも、自分を見失わず、前を向いて歩き出せたのは本当に良かったと思いました。

やはりオルランドが幻影となって、マリーナを導いてくれたから。

愛を本当の意味で感じられたからだと思いました。

マリーナが元妻に車を届けに行くときにかかる「ナチュラルウーマン」キャロル・キングじゃなく、アレサ・フランクリンが歌っているそうです。

マリーナの心情にぴったりでした。

トランスジェンダーといえば、自分に関係ない感じだけど、障害や病気や劣等感を持ちながら生きている人は、私も含めてたくさんいると思うと、この作品は、ユーモアもあって、とても勇気をもらえる作品でした。


しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス

2018-03-10 14:56:29 | 映画ー劇場鑑賞

ーしあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイスーMAUDIE

2016年 カナダ、アイルランド 116分

 

監督=アシュリング・ウォルシュ キャスト=サリー・ホーキンス (モード・ルイス) イーサン・ホーク (エベレット・ルイス) カリ・マチェット (サンドラ) ガブリエル・ローズ (アイダ)

 

【解説】

美しい風景や動物たちを描いた素朴な作風で知られるカナダの画家モード・ルイスの伝記ドラマ。絵と自由を愛したモードの人生を、彼女を支え続けた夫との関係を軸に描き出す。モードを『ハッピー・ゴー・ラッキー』などのサリー・ホーキンス、夫を『6才のボクが、大人になるまで。』などのイーサン・ホークが演じる。ドラマ「刑事ヴァランダー2 白夜の戦慄」などのアシュリング・ウォルシュがメガホンを取った。(シネマトゥデイ) 

 

【あらすじ】

カナダ東部の田舎町で叔母と暮らし、絵を描くことが生きがいのモード(サリー・ホーキンス)は、魚の行商をしているエベレット(イーサン・ホーク)の家で住み込みの家政婦として働き始める。幼少期にリウマチを患い身内に冷たくされてきたモードと、養護施設で育ったエベレットは互いを認め合い、やがて夫婦になる。ある日、モードの絵の才能を見いだす女性が現われ……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

実在の画家、モード・ルイスの半生を描いています。

モード(サリー・ホーキンス)はその障害のほとんどを、カナダのノバスコシア州の片田舎の小さな家で暮らしていました。

幼い時にリウマチを患って、手足が不自由だったモード。

両親が亡くなった時に、兄が生家を相続するが、借金に苦しむ兄はその家を売ってしまい、モードは叔母アイダ(ガブリエル・ローズ)の家に預けられる。

世間の目と、それを気にする叔母の厳しい態度に耐えられず、モードは自立しようと考えた。

食料品店で見つけた「家政婦募集」の張り紙を持って、広告主のエヴェレット・ルイスを訪ねる。

 エヴェレット

エヴェレットは孤児院育ちで貧しく無口で気難しい。

廃材を集めて売ったり、魚の行商をしたりしていた。

モードの姿を見て、雇うのをためらうが、モードは帰るところもなく、不自由な手足でエヴェットの気にいるようにと家事に取り組む。

 

「自分が主人で、お前は犬と鶏の下だ」と言われるし、ベッドは一つしかなくエヴェレットと雑魚寝。

叔母からは「エヴェレットの慰み者」と言われる始末。

 

ノバスコシア州は夏は暑く、冬は厳しい。

家事の合間を縫って、モードは棚や壁にペンキで独特な絵を描き始める。

それは、小さな窓から見える自然豊かな四季折々の風景。

その中で息づく鳥、花、動物、小さな家、農夫の姿など。

自己流だけど、色彩豊かに、人の心を揺るがす絵だった。

エヴェットと一緒に魚の配達に行った時に、客に渡す控えのカードに絵を描いたら、そのカードを買いたいという人が現れた。

 

エヴェットから魚を買っていたニューヨークから来たサンドラ(カリ・マチェット)は、モードの絵を気に入り、絵を売ってくれと言い出した。

やがて、家で作品を売るようになり、取材が来て、ニクソン副大統領も買い上げて、モードの名前はどんどん有名になっていく。

 

モードは絵ばかり描いて、エヴェットは家事もするようにと、立場も違ってくる。

 

☆ネタバレ

モードが貧しい中から有名な画家になっていくというサクセスストーリーの裏に、もう一つのエピソードがありました。

モードが若い時に赤ちゃんを産んでいて、その赤ちゃんは障害があったために、モードが眠っている間に亡くなってしまい、兄と叔母で埋めたと聞かされていた。

モードが画家で成功してから、年老いた叔母が「あの子は兄が裕福な夫婦に売った」と告白する。

その娘をエヴェレットが探して、モードを遠目から会わせるシーンがありました。

幸せそうな娘に満足するモード。

 

二人の絆を感じるシーンでした。

 

映画の中では、終始無愛想で気難しいエヴェレットですが、エンドロールに登場するご本人のエヴェットさんは、とても優しそうな好好爺で、微笑ましかったです。

モードさんも、ニコニコされていて素敵なご夫婦だなあと思いました。

 

たまたま同居したから夫婦になったなんて生やさしいお二人ではないということが、映画全体を通して考えさせられました。

この人たちこそ、魂の絆、お互いがお互いを必要とされていて、唯一無二のご関係なんだと思いました。

 

モードの余計な一言でエヴェットが怒り、モードを力一杯打つシーンから、私は泣きっぱなしでした。

打たれてひるむモードでもない。

あんなに小さくてひ弱なモードさんの体の中が、あの絵に描かれる愛ある世界で満たされていると思うと、感動で涙が溢れてきます。

 

エンドロールにはモードさんの絵がどんどん出てきますが、どれもこれも思わずにっこりしてしまうようなかわいく暖かいものばかりでした。

 

みなさんにオススメです。

モードさんの愛の力を感じて欲しいです。



空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎

2018-03-01 17:12:08 | 映画ー劇場鑑賞

ー空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎ー妖猫傳/LEGEND OF THE DEMON CAT

2018年 日本、中国 131分

 

監督=チェン・カイコー キャスト=染谷将太 (空海) ホアン・シュアン (白楽天) チャン・ロンロン (楊貴妃) 火野正平 (大師(空海師父)) 松阪慶子(白玲) キティ・チャン(春琴) チン・ハオ(陳雲樵) リウ・ハオラン(白龍) チャン・ティンエンアイ(玉蓮) オウ•ハオ(丹龍) チャン・ルーイー(玄宗皇帝) シン・バイチン(李白) 阿部寛(阿部仲麻呂)

 

【解説】

空海を主人公にした夢枕獏の小説「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を実写化した歴史ドラマ。7世紀の中国を舞台に、遣唐使として同国を訪れた若き日の空海が不可解な権力者連続死亡事件の真相を追う。メガホンを取るのは、『さらば、わが愛/覇王別姫(はおうべっき)』などの名匠チェン・カイコー。『ヒミズ』などの染谷将太が空海を、『黄金時代』などのホアン・シュアンが彼と一緒に事件に挑む詩人・白楽天を演じる。日中の俳優陣の顔合わせに加え、湖北省襄陽市に建てられた唐の都のセットにも注目。(シネマトゥデイ)

 

【あらすじ】

7世紀、唐の時代の中国。若き日の空海(染谷将太)は、遣唐使として日本から唐へ向かう。密教の全てを会得しようという決意に燃える中、ひょんなことから詩人の白楽天(ホアン・シュアン)と出会う。交流を重ねていく一方、権力者が連続して命を落とす不可解な事件が唐の都で起きていた。その真相に迫ろうとする空海と白楽天だが、二人の前に歴史が生み出した巨大な謎が立ちはだかる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

平日の昼間なのに、劇場はほぼ満員、しかも高齢者が多くて驚きました。

しかも男性率も高かった。

みなさんこういうテーマが好きなのでしょうね。

若き空海の時空を超えた冒険。

ファンタジー作品といっていいんじゃないかな?

 

ちょっと歴史のお勉強。

空海は804年に送り出された遣唐船で最澄たちとともに唐に入る。

この頃の空海はまだ名もなき若い僧の一人に過ぎなかった。

この時、4艘の船が送り込まれたが、空海が乗った第一艘目は嵐に遭いながらも唐にたどり着く。

最澄は第二艘目に乗っていた。

第三、第4艘の船は遭難した。

 

最初に空海が師事したのは醴泉寺の東土大唐――三藏法師、その後密教の第七祖である唐長安青龍寺の恵果和尚を訪ね、入門を許される。

伝法阿闍梨位の灌頂を受け、遍照金剛の灌頂名を与えられた。

恵果和尚が入寂されたので、越州に渡り土木などを学んだ。

空海は、唐に渡ってからわずか2年で日本に戻った。

 

日本では平城京から平安京へと都は移り、空海は真言宗を開き、弘法大師という称号を朝廷から与えられた。

 

伝説も多い人物で、全国にその足跡が残っている。

「高野山の人々や真言宗の僧侶の多くにとっては、高野山奥の院の霊廟において現在も空海が禅定を続けているとされており、そのように信じられている。奥の院の維那(ゆいな)と呼ばれる仕侍僧が衣服と二時の食事を給仕している。霊廟内の模様は維那以外が窺う事はできず、維那を務めた者も他言しないため部外者には不明のままである。」(ウィキペディアより)

 空海

この作品は、空海(染谷将太)が命がけで唐に来たものの、目的である青龍寺に入門が果たされず、もう日本に帰ろうかと諦めかけているところから始まります。

友達になったのは、宮中で記録係をしていた白楽天(白居易-ホアン・シュアン)。

白楽天

白楽天の案内で唐を見物している時に、怪しい黒猫に出会います。

 

原題は「LEGEND OF THE DEMON CAT」、この黒猫が主人公です。

そして黒猫に導びかれて入り込むのが、白楽天が書いた「長恨歌」の世界。

この時代から30年前の、玄宗皇帝と楊貴妃の愛の物語は果たして本当だったのか?

 

現皇帝が謎の死を遂げ、次期皇帝が重篤な病に侵されているのは黒猫の呪いではないのか?

白楽天と空海は、この謎に巻き込まれ、とうとう幻術の世界に引き込まれていくのです。

 楊貴妃

アクション映画と期待したらがっかりするでしょう。

実はファンタジー映画です。

見終わった後はミュージカル映画みたいな印象です。

めくるめく幻想の世界。

とても美しい映像。

私はとても気に入りました。

 

吹き替えで見たんですが、字幕で見るほうがもっと面白いのかな?