マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

エヴァの告白

2014-02-26 10:26:18 | 映画ー劇場鑑賞

ーエヴァの告白ーTHE IMMIGRANT

2013年 アメリカ/フランス 118

ジェームズ・グレイ監督 マリオン・コティヤール(エヴァ・シブルスカ)ホアキン・フェニックス(ブルーノ・ワイス)ジェレミー・レナー(オーランド)

 

【解説】

マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーらが豪華共演を果たした人間ドラマ。より良い人生を求めてアメリカに移住してきた女性が、さまざまな出来事に振り回されながらもたくましく生き抜く姿を映し出す。監督は『アンダーカヴァー』でホアキンと組んだジェームズ・グレイ。社会の裏側で、決して諦めることなく前進するヒロインのりんとした強さが胸を打つ。

 

【あらすじ】

1921年、エヴァ(マリオン・コティヤール)と妹マグダ(アンジェラ・サラフィアン)は戦争の影響で情勢が不安定な祖国ポーランドを離れ、ニューヨークに到着する。だが、入国審査で医師に肺病と診断されたマグダは隔離され、二人は離れ離れに。入国を拒否されたエヴァは、ブルーノ(ホアキン・フェニックス)という見知らぬ男性のおかげで強制送還を免れる。

 

【感想】

確かに、マリオン・コティヤールが演じるエヴァが主人公なのですが、原題は「THE IMMIGRANT(移民)」です。

日本は移民に厳しい国ですが、アメリカは移民で成り立っているので寛容だと考えていました。

でも、こんな辛い移民の現実もあった、ということですね。

歴史の裏側、まるで中世の出来事のような、国と国の狭間に落ち込んでしまった人権のない人々のお話。

 

1921年、ポーランドで両親を兵隊に殺されたエヴァ(マリオン・コティヤール)と妹マグダ(アンジェラ・サラフィアン)は、政情不安なポーランドから移民船に乗って自由の国アメリカへやって来た。

姉妹はニューヨークのエリス島にある移民管理局の手続きに並んでいたが、マグダは病気だとされ、島内の収容施設に連れて行かれた。

エヴァも受け入れ人である叔母夫婦が来ていなくて、申請した住所も不確かで、来る途中の船内でも品行を欠く問題があったとして入国を認められず、強制送還されそうになった。

  ブルーノとエヴァ

そこに、ブルーノ(ホアキン・フェニックス)という旅行人を世話するとと称する男が現れ、エヴァを助けてくれた。

連れて行かれた先は、母親と子供が暮らす安アパート。

ブルーノは自分では劇場で働いていると言うが、どうみてもポン引き。

しかし、母国にも帰るところがなく、妹もエリス島に囚われているエヴァには、ブルーノの元で働くしか選択肢がなかった。

 

☆ネタバレ

見所は、この最低のポン引き野郎ブルーノのエヴァへの純愛です。

ブルーノのいとこのオーランド(ジェレミー・レナー)がエヴァに思いを寄せるのも、醜い嫉妬で攻撃します。

エヴァはただひたすら、妹への思いを貫き通す強い意志の持ち主ですが、男たちは悲劇を生み出します。

  オーランドから一緒に行かないかと誘われるエヴァだったが、妹を残しては行けなかった。

 

最後、ブルーノが自分の非を詫び、エヴァとマグダを逃がしますが、この演出はなかなかのものでした。

 

ホアキン、うまい!

と思わず唸る、演技力でした。

こんなダメダメ男なのに、最後の最後で哀愁を漂わせられるってすごいなあ。

ブルーノ自身も、自由の国アメリカで苦戦を強いられている人間だということ。

 

「大統領の執事の涙」でも描かれていた裏の顔のアメリカの厳しさ、この作品でも認識させられました。

自由の国で生き抜くことも、容易ではありません。

 

大統領の執事の涙

2014-02-24 12:29:14 | 映画ー劇場鑑賞

ー大統領の執事の涙ーLEE DANIELS' THE BUTLER

2013年 アメリカ 132

 

リー・ダニエルズ監督 フォレスト・ウィテカー(セシル・ゲインズ)オプラ・ウィンフリー(グロリア・ゲインズ)ジョン・キューザック(リチャード・ニクソン)ジェーン・フォンダ(ナンシー・レーガン)キューバ・グッディング・Jr(カーター・ウィルソン)テレンス・ハワード(ハワード)レニー・クラヴィッツ(ジェームズ・ホロウェイ)ジェームズ・マースデン(ジョン・F・ケネディ)デヴィッド・オイェロウォ(ルイス・ゲインズ)ヴァネッサ・レッドグレーヴ(アナベス・ウェストフォール)アラン・リックマン(ロナルド・レーガン)リーヴ・シュレイバー(リンドン・B・ジョンソン)ロビン・ウィリアムズ(ドワイト・アイゼンハワー)クラレンス・ウィリアムズ三世(メイナード)ヤヤ・アラフィア(キャロル・ハミー)ミンカ・ケリー(ジャッキー・ケネディ)ネルサン・エリス(マーティン・ルーサー・キング・ジュニア)マライア・キャリー(ハッティ・パール)アレックス・ペティファー(トーマス・ウェストフォール)

 

【解説】

実在したホワイトハウスの黒人執事の人生をモデルにしたドラマ。奴隷から大統領執事となり、7人の大統領に仕えた男の波乱に満ちた軌跡を追う。主演を務める『ラストキング・オブ・スコットランド』などのフォレスト・ウィテカーを筆頭に、ジョン・キューザック、ジェーン・フォンダ、テレンス・ハワードなどの実力派が結集。メガホンを取るのは、『プレシャス』などのリー・ダニエルズ。濃密なドラマとストーリー展開に加え、アメリカ近代史を見つめた壮大な視点にも引き込まれる。

 

【あらすじ】

綿花畑で働く奴隷の息子に生まれた黒人、セシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)。ホテルのボーイとなって懸命に働き、ホワイトハウスの執事へと抜てきされる。アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、フォードなど、歴代の大統領に仕えながら、キューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争といったアメリカの国家的大局を目の当たりにしてきたセシル。その一方で、白人の従者である父親を恥じる長男との衝突をはじめ、彼とその家族もさまざまな荒波にもまれる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

驚きに満ちた作品でした。

こんなに最近まで黒人差別は熾烈だったし、それでもアメリカは大統領にオバマという黒人を選んだ。

人々のエネルギーや歴史の重さというものを感じる作品でした。

 

綿畑の奴隷のような待遇の使用人の子供として生まれ、綿畑で両親とともに働いていたセシル・ゲインズ(フォレスト・ウィテカー)。

母親が主の姓の奴隷となっていることを知り、それに対して声をかけた父親が目の前で射殺される。

その傍若無人にも、抗議することも悲しむこともできない。

茫然とするセシルに女主人(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が声をかけた。

「ハウスニガーにおなり」

しかし、父親を射殺した主人は、セシルに敵対の目を向けていた。

ここにいると殺されると思ったセシルは、ある日お屋敷を出た。

母は、廃人のようになっていた。

 

お屋敷を出たセシルに、世間はさらに過酷だった。

仕事も拠り所もない黒人に仕事などなかった。

お腹をすかせて盗みに入ったホテルで、バーテンの老黒人に助けてもらい、執事見習いとしていろんなことを教えてもらった。

あるとき、ワシントンの一流ホテルから執事にと声がかかり、セシルはワシントンへ向かった。

ワシントンのホテルでは、その誠実な働きぶりを評価され、メイドをしていたグロリア(オプラ・ウィンフリー)と結婚し、二人の男の子にも恵まれ、幸せだった。

 

セシルの評判を聞いたホワイトハウスの人事を任されている人が、セシルをホワイトハウスの執事に雇い入れた。

ホワイトハウスの仕事は忙しく、秘密ばかりで、家庭を顧みる余裕がなくなった。

グロリアは酒に溺れ、長男のルイス(デヴィッド・オイェロウォ)は黒人解放運動にのめりこんでいった。

 

☆ネタバレ

7人の大統領に仕えたセシル。

でも、黒人執事は白人のスタッフの給料の半額、管理職への昇進の道もありませんでした。

それでも、社会運動をする我が子との確執は深まるばかり。

ルイスの身が心配な一心で、彼の行動に理解が及ばなかったのですね。

次男はベトナム戦争で帰らぬ人となり、セシルの考えも少しずつ変わっていきます。

やがて、ホワイトハウスを辞め、ルイスの行っているデモ行進に参加するセシル。

この親子の和解が心を揺さぶります。

 

そして、グロリアも失ったセシルですが、家族と共にオバマに応援をする姿で映画は終わっています。

 

セシルの半生、長い年月ですが、うまくまとめてありました。

大統領やその妻を演じた俳優たちも、あまり似ていないけど楽しめました。

 

しかし、アメリカがここまで来るまでの長い道のりや多くの犠牲を考えると、やはり複雑な気分になります。

 

オススメです。

 

俺はまだ本気出してないだけ

2014-02-24 12:26:23 | 映画ーDVD

ー俺はまだ本気出してないだけー

2013年 日本 105

監督=福田雄一 キャスト=堤真一(大黒シズオ)橋本愛(大黒静子)生瀬勝久(宮田修)山田孝之(市野沢秀一)濱田岳(村上政樹)水野美紀(宮田の妻)石橋蓮司(大黒志郎)指原莉乃(宇波綾)賀来賢人(本物の店長)ムロツヨシ(不動産屋)川久保拓司(田中)秋元黎(宮田正男)ドナルド・アッシュ(ボブ)蛭子能収(クニさん)尾上寛之(キャバクラのヒゲ)小柳心(キャバクラの黒服)村松利史(キャバクラの新人・ホクロ)池田成志(小室武士)佐藤二朗(占い師)

 

【解説】

小学館「月刊IKKI」で連載されていた青野春秋の人気漫画を実写化したコメディー・ドラマ。何となく会社を辞めた42歳のバツイチ中年男が、漫画家になると宣言したことから巻き起こる騒動を追い掛ける。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの堤真一が、ゲームに明け暮れ、娘に借金し、グズった果てに家出するという、父親にも大人にも成り切れていないダメな主人公を怪演。メガホンを取るのは、『コドモ警察』シリーズなどの福田雄一。共演には、『さよならドビュッシー』の橋本愛をはじめ、生瀬勝久、山田孝之らが名を連ねる。

 

【あらすじ】

子持ちで離婚歴がある42歳、大黒シズオ(堤真一)。ある日、彼は「本当の自分を探す」と何も考えずに会社を辞めてしまう。だが、ゲームばかりの毎日を送り、同居する父親の志郎(石橋蓮司)から怒鳴られてばかり。そんな中、本屋で立ち読みをしていたシズオは漫画家になろうと決意し、志郎と娘の鈴子(橋本愛)に熱く夢を語る。しかし、出版社に原稿も持ち込むも不採用。さらに、生計を立てようとファストフード店でバイトするが、ミスを繰り返し、さらにはバイト仲間から店長というあだ名を付けられてしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

夫にバカ受け。

ちょっと受け過ぎでしょう、と思うほどでした。

 

高校生の娘と父親と暮らす42歳バツイチの大黒シズオ(堤真一)は、「本当の自分を探す」といって突然会社を辞めてしまった。

ゲーム漬けの日々を送っていたが、ようやく「漫画家」という天職と出会う。

しかし、描いても描いてもボツばかり。

ファーストフードの店でバイトも始めるが、年ばかり食っていて、年下店長にバカにされる毎日。

 

やがで、娘が風俗のバイトをしてまで家計のことを心配していると知って…。

 

私はどうなんでしょう?と思いました。

成功したから、笑い話ですむけど、やはり夫や父親としては失格ですね。

もっと早く本気出して欲しいわ。

 

エージェント:ライアン

2014-02-24 12:20:55 | 映画ー劇場鑑賞

ーエージェント:ライアンーJACK RYAN: SHADOW RECRUIT

2014年 アメリカ 106

ケネス・ブラナー監督 クリス・パイン(ジャック・ライアン)ケヴィン・コスナー(ハーパー)ケネス・ブラナー(チェレヴィン)キーラ・ナイトレイ(キャシー・ミューラー)

 

【解説】

『レッド・オクトーバーを追え!』などの原作で知られる、トム・クランシーの人気小説「ジャック・ライアン」シリーズを新たに実写化したサスペンスアクション。投資銀行員という表向きの顔を持つCIA情報分析アナリストのジャック・ライアンが、世界恐慌勃発を狙う巨大な陰謀に立ち向かう。主演は『スター・トレック』シリーズのクリス・パイン。共演には、監督も務めるケネス・ブラナーに『プライドと偏見』などのキーラ・ナイトレイ、ベテランのケヴィン・コスナーと、実力派が結集する。

 

【あらすじ】

ウォール街にある投資銀行のコンプライアンスと経済テロ阻止を目的としたCIA情報分析班のアナリストという、二つの顔を持つジャック・ライアン(クリス・パイン)。ある日、モスクワの投資会社チェレヴィン・グループの不審な動きをキャッチし、上官ハーパー(ケヴィン・コスナー)にエージェントの現地派遣を要請する。しかし、彼から返ってきたのはライアン自身による調査命令だった。チェレヴィン・グループへの監査を装ってモスクワへと飛んだライアンだが、そんな彼に同グループの警護員が襲い掛かってくる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

これはなかなか面白いです。

エージェントが経済博士というのが効いています。

クリス・パインの笑顔もいいです。

 

悪役には、監督も務めているケネス・ブラナー。

ソチのオリンビックが終わったばかり。

こんなにロシアを悪役にしていいのかと、心配になるくらいでした。

アクションも少なめ。

こじんまりしています。

 


ローマでアモーレ

2014-02-24 12:09:04 | 映画ーDVD

ーローマでアモーレーTO ROME WITH LOVE

2012年 アメリカ/イタリア/スペイン 111

ウディ・アレン監督 ウディ・アレン(ジェリー)アレック・ボールドウィン(ジョン)ロベルト・ベニーニ(レオポルド)ペネロペ・クルス(アンナ)ジュディ・デイヴィス(フィリス)ジェシー・アイゼンバーグ(ジャック)グレタ・ガーウィグ(サリー)エレン・ペイジ(モニカ)

 

【解説】

巨匠ウディ・アレン監督が、古都ローマを舞台にさまざまな男女が繰り広げる人間模様を軽妙なタッチで描くロマンチック・コメディー。『タロットカード殺人事件』以来となるウディが自身の監督作に登場するほか、ベテランのアレック・ボールドウィン、『それでも恋するバルセロナ』のペネロペ・クルス、若手実力派ジェシー・アイゼンバーグ、エレン・ペイジら豪華キャストが勢ぞろい。コロッセオやスペイン階段などの名所をはじめ、普通の観光では訪れることがあまりない路地裏の光景など、次々と映し出される街の魅力に酔いしれる。

 

【あらすじ】

娘がイタリア人と婚約した音楽プロデューサーのジェリー(ウディ・アレン)は、ローマを訪れる。婚約者の家に招待されたジェリーは、浴室で歌う婚約者の父がオペラ歌手のような美声であることに驚く。一方、恋人と同居中の建築学生ジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)の家に、恋人の親友モニカ(エレン・ペイジ)が身を寄せてくる。かわいらしい外見とは裏腹に恋愛に対しては積極的な彼女を、ジャックは少しずつ気になり始めていて……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ローマを舞台に繰り広げられる人間模様。

どれもウディ・アレン風に味付けされています。

軽妙洒脱、くすりと笑って、不幸になる人もなく、楽しめるとおいます。

 

お話は4つ。

 

ひとつは、ローマに観光に来ているアメリカ娘が、イタリア人イケメンと恋をし、スピード婚約とあいなります。

アメリカから彼の両親に会うために呼ばれた彼女の両親は、音楽プロデューサーのジェリー(ウディ・アレン)とその妻。

仕事にも行き詰まっているジェリーは、彼の父親の美声に目をつけ、父親をデビューさせようとするのですが…。

文化の違いと親の勘違いを巧みに取り入れて、楽しいお話になっています。

 

次は、建築家のジョン(アレック・ボールドウィン)が、学生時代に住んでいた街に彷徨い込んで、若い建築家の建築学生ジャック(ジェシー・アイゼンバーグ)と出会います。

ジャックは恋人と同棲中。

そこに彼女の友達の女優の卵モニカ(エレン・ペイジ)が滞在することになり、ジャックの心はモニカに傾いていきます。

どうも、これはジョンも心当たりがあるようです。

必死にアドバイスをするジョン。

ほろ苦い青春の思い出が甦る街なのでしょう。

 

そして、ある朝起きたら平凡な人間が一躍有名人になっていたレオポルド(ロベルト・ベニーニ)の話。

理由は結局わからなかったのですが、いつものように出勤しようとしたら、テレビ局やカメラマンが集まって来て、モーニングショーに出演となりました。

それからは、「朝は何を食べた」とか「朝一番にすることは?」とか質問攻め。

街を歩けば、人が集まって来てサインを求められ、まるでスターです。

映画のプレミア上映会に妻と招かれ、有名女優やモデルともベッドを共にする毎日。

うっとうしいながらもいい気になっていると、人々の興味は別の人に移り、急に静かな日々に戻り、なんだか寂しいような…。

イタリアでも、マスコミや大衆というのはこんなものかな?

 

最後は、田舎から出て来た新婚さん。

ふたりは伯父の会社で働き、ローマで暮すのが夢。

妻は、髪を整えようと妻は美容院の場所を訪ね歩くうちに迷子になってしまう。

テレビドラマのロケ隊に遭遇し、大好きなスターにランチに誘われ夢見心地。

夫は間違って部屋に入って来たコールガール・アンナ(ペネロペ・クルス)と一緒にいるところに伯父たちが入って来て、とっさに「妻だ」と紹介した。

みんなでランチをしにいったところに、本物の妻が大スターとランチをしているのを目撃するが、どうしようもない。

会社の社長の家のパーティへと引っ張られていく。

妻は大スターの泊まっているホテルの部屋まで行き、寝るべきか寝ざるべきかと葛藤していると、ふいにホテル荒らしの強盗に銃を突きつけられる。

さらにそこに、大スターの妻が浮気を暴こうと乱入。

部屋を間違えたということで取り繕い、大騒ぎが去ってみると取り残されたのは、ベッドの上で新婚の妻と強盗。

「強盗と寝たことがないわ」と妻。あらら…。

一方、夫の方も社長のパーティでアンナとねんごろに。

妻と夫は最初のホテルで再び戻り、田舎に戻って静かに暮らすことを決心するのでした。

 

どのお話も、スパイスが利いて面白いです。

ウディ・アレンも熟成されて来た感じです。

 


ウルフ・オブ・ウォールストリート

2014-02-14 13:39:35 | 映画ー劇場鑑賞

ーウルフ・オブ・ウォールストリートーTHE WOLF OF WALL STREET

2013年 アメリカ 179

マーティン・スコセッシ監督 レオナルド・ディカプリオ(ジョーダン・ベルフォート)ジョナ・ヒル(ドニー・アゾフ)マーゴット・ロビー(ナオミ)マシュー・マコノヒー(マーク・ハンナ)ジョン・ファヴロー(マニー・リスキン)カイル・チャンドラー(パトリック・デナム)ロブ・ライナー(マックス・ベルフォート)ジャン・デュジャルダン(ジャン=ジャック)ジョン・バーンサル(ブラッド)ジョアンナ・ラムレイ(エマ)クリスティン・ミリオティ(テレサ)クリスティーン・エバーソール(リー・ベルフォート)•PJ・バーン(ニッキー)ケネス・チョイ(チェスター)ブライアン・サッカ(ロビー)ヘンリー・ジェブロフスキー(オールデン)イーサン・サプリー(トビー)ジェイク・ホフマン(スティーブ・マッデン)ステファニー・カーツバ(キミー)

 

【解説】

実在の株式ブローカー、ジョーダン・ベルフォートの回想録を映画化した実録ドラマ。1980年代から1990年代のウォール街で、若くして大金を稼ぎ、その後証券詐欺の容疑で逮捕された彼の栄枯盛衰を見つめていく。監督と主演は『ディパーテッド』『シャッターアイランド』などでコンビを組んできた、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオ。事実とは思えないほどのジョーダンのエピソードもさることながら、ジョナ・ヒルやマシュー・マコノヒーら、実力派の共演にも注目。

 

【あらすじ】

学歴や人脈もないまま、22歳でウォール街の投資銀行で働きだしたジョーダン・ベルフォート(レオナルド・ディカプリオ)。巧みな話術で人々の心を瞬く間につかみ、斬新なアイデアを次々と繰り出しては業績を上げ、猛烈なスピードで成り上がっていく。そして26歳で証券会社を設立し、約49億円もの年収を得るまでに。富と名声を一気に手に入れ、ウォール街のウルフという異名で呼ばれるようになった彼は、浪費の限りを尽くして世間の話題を集めていく。しかし、その先には思いがけない転落が待ち受けていた。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

これは実話で、ジョーダン・ベルフォートは実在の人物だそうですが、彼の狂乱人生にはびっくりでした。

でも、今回アカデミー賞主演男優賞候補のレオナルド・ディカプリオの演技は、等身大でのびのびと、とても良かった気がします。

さて、レオ君は何度もノミネートされながら逃して来たこの賞を、果たして今回は獲れるのでしょうか?

 

大金と麻薬にまみれた私生活、ジョニー・デップ主演の2001年の映画「ブロウ」を思い出しました。

こちらはコカインの密輸入で大儲けをしたジョージ・ユングの半生をモデルにした作品でしたが、人は大儲けしたらやることは似ているのかしら?

悪銭は身に付かないものですね。

 

ジョーダンは、つまらないほころびから詐欺罪で逮捕され、司法取引をして仲間を裏切り、現在は刑期を終え、作家として活動中らしいです。

こういう経歴を見るとホリエモンを思い出しますね。

 

野心を持って金融業界に入り、ある意味、夢を叶えたとも言える彼の人生とその後の転落。

平凡な私には、言うべき感想もありませんが、享楽の限りを尽くす太く短い人生もまた楽し、なのかもしれませんね。

 

それにしても、麻薬に関して寛大なアメリカ社会に驚きです。

麻薬で罰せられたのではないみたい。

法律的にはどうなっているのかしら?

マイケル・ジャクソンの死も衝撃的でしたが、最近では名脇役のフィリップ・シーモア・ホフマンが亡くなりました。

彼の場合も薬の過剰摂取ではないかといわれています。

大国アメリカが、こんな状態でいいのかしらと不安になりました。

 


舟を編む

2014-02-14 13:37:13 | 映画ーDVD

ー舟を編むー

2013年 日本 133

監督=石井裕也 キャスト=松田龍平(馬締光也)宮崎あおい(林香具矢)オダギリジョー(西岡正志)黒木華(岸辺みどり)渡辺美佐子(タケ)池脇千鶴(三好麗美)鶴見辰吾(村越局長)宇野祥平(宮本慎一郎)又吉直樹(戸川)波岡一喜(編集者)森岡龍(江川)斎藤嘉樹(小林)麻生久美子(ポスターの女優)伊佐山ひろ子(佐々木薫)八千草薫(松本千恵)小林薫(荒木公平)加藤剛(松本朋佑)

 

【解説】

2012年本屋大賞に輝いた三浦しをんの小説を、『川の底からこんにちは』などの石井裕也監督が実写映画化。ある出版社の寄せ集め編集部が、気の遠くなるような歳月をかけて二十数万語が収録された新辞書作りに挑む姿をユーモラスに描く。辞書の編さんに没頭する主人公・馬締光也には、三浦原作の『まほろ駅前多田便利軒』にも出演した松田龍平。彼が一目ぼれするヒロインには、『ツレがうつになりまして。』の宮崎あおいがふんするほか、オダギリジョーら多彩な顔ぶれがそろう。

 

【あらすじ】

玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は職場の営業部では変人扱いされていたが、言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘するある日、馬締は下宿の大家の孫娘・林香具矢(宮崎あおい)に一目ぼれし……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

うーんと唸るほど、いい作品でした。

この作品のテーマ、辞書作りのように地味だけど、地道な作品です。

 

辞書作りって、大変そうなイメージがあるけど、実際にどう作られているのか知りませんでした。

たくさんの行程や作業の末に、たくさんな人の目や手を借りて繰り返し行われる校正作業、なんと10年以上もかかって仕上げるものなのですね。

それは、大変だ。

 

出版社に勤めている馬締光也(松田龍平)は、寡黙な青年で他の社員からは変人扱いされていた。

そこに目をつけた荒木(小林薫)が自分の後継者として「大渡海」という新しい辞書編集部に引き抜いてくる。

 

同僚の西岡正志(オダギリジョー)との友情や、下宿のおかみさん(渡辺美佐子)や孫娘・林香具矢(宮崎あおい)との恋愛などを交えて描かれます。

 

辞書作りの長い道のりは、舟の航行にも似ています。

ロマンを感じる、いいタイトルですね。


マイティ・ソー/ダーク・ワールド

2014-02-14 13:28:05 | 映画ー劇場鑑賞

ーマイティ・ソー/ダーク・ワールドーTHOR: THE DARK WORLD

2013年 アメリカ 112

アラン・テイラー監督 クリス・ヘムズワース(ソー)ナタリー・ポートマン(ジェーン・フォスター)トム・ヒドルストン(ロキ)アンソニー・ホプキンス(オーディン)ステラン・スカルスガルド(エリック・セルヴィグ)イドリス・エルバ(ヘイムダル)クリストファー・エクルストン(マレキス)アドウェール・アキノエ=アグバエ(アルグリム/カース)カット・デニングス(ダーシー・ルイス)レイ・スティーヴンソン(ヴォルスタッグ)ザカリー・リーヴァイ(ファンドラル)浅野忠信(ホーガン)ジェイミー・アレクサンダー(シフ)レネ・ルッソ(フリッガ)ジョナサン・ハワード(イアン)クリス・オダウド(リチャード)トニー・カラン(ボー)ベニチオ・デル・トロ(コレクター)クリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ)

 

【解説】北欧神話をベースにしたマーベルコミックスの人気作を実写化したアクション大作の続編。ロンドンで発生した重力の異常を契機に訪れた地球滅亡の危機に、ソーが立ち向かっていく。ソーを演じる『レッド・ドーン』などのクリス・ヘムズワースを筆頭に、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストンといった前作のメンバーが再結集。メガホンを取るのは、テレビドラマ「MAD MEN マッドメン」シリーズなどのアラン・テイラー。驚異的なVFX映像もさることながら、ソーの宿敵でもある弟ロキとの絆をめぐるドラマも見どころ。

 

【あらすじ】

アベンジャーズの一員として、ソー(クリス・ヘムズワース)がニューヨークで激闘を繰り広げてから1年。ロンドンで謎の重力異常が起き、その調査を天文物理学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)が行うことに。しかし、その過程で地球の存亡を左右するダークエルフのパワーを宿してしまう。愛する彼女を救うすべを探ろうと、ソーは彼女を連れて神々の世界アスガルドへと向かうが、それが家族や故郷にも危機をもたらしてしまう。窮地に陥った彼は、血のつながらない弟ロキ(トム・ヒドルストン)に助けを求める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

これは面白かったですよ。

ぜひ、劇場で見てね。

2Dで十分と思います。

 

夫は、1を見ずに鑑賞したのですが、やはりわからなかったらしく、爆睡していました。

良い子は1を見てから、鑑賞してくださいね。

 

ソー役のクリス・ヘムズワース、いいです。

気は優しくて力持ち。

ナタリー・ポートマンとの相性もばっちりです。

 

でもでも、今回の主役はロキ(トム・ヒドルストン)でしょう。

尊大な態度のくせに、はしゃいだり、拗ねたり、表情も豊かで、美味しいところを全部持っていったんじゃないかなあ?

 

次回も楽しめそうです!!

手前はソーの父親のオーディーン。

前作の「マイティー・ソー」のブログにも書きましたが、ミニ知識です。

ソーは英語の木曜日、thursdayの由来になっているそうです。

他にも、wednesdayはウォーダン(古英語形のオーディン)。

tusday のテュール、fridayのフリッグも北欧神話の神の名前だそうです。

ちなみに、mondayはムーン、sundayは太陽、saturdayはローマ神話のサターン(土星)から来ているそうです。

 

アメリカン・ハッスル

2014-02-14 13:23:04 | 映画ー劇場鑑賞

ーアメリカン・ハッスルーAMERICAN HUSTLE

2013年 アメリカ 138

 

デヴィッド・O・ラッセル監督 クリスチャン・ベイル(アーヴィン・ローゼンフェルド)ブラッドリー・クーパー(リッチー・ディマーソ)ジェレミー・レナー(カーマイン・ポリート)エイミー・アダムス(シドニー・プロッサー/レディ・イーディス)ジェニファー・ローレンス(ロザリン・ローゼンフェルド)ルイス・CK(ストッダード)マイケル・ペーニャ(パコ・ヘルナンデス/シーク)アレッサンドロ・ニヴォラ(アンソニー・アマド)ジャック・ヒューストン(ピート)シェー・ウィガム(カール・エルウェイ)エリザベス・ローム(ドリー・ポリート)ポール・ハーマン(シモーン)コリーン・キャンプ(ブレンダ)ロバート・デ・ニーロ(ヴィクター・テレジオ)

 

【解説】

1970年代後半のアメリカを揺るがした政治家などの収賄スキャンダル、アブスキャム事件を題材にしたサスペンスドラマ。自由と引き換えに、FBIが仕掛ける悪徳政治家検挙を狙ったおとり捜査に協力させられる詐欺師たちの姿を、スリリングに映し出していく。メガホンを取るのは、『世界にひとつのプレイブック』などのデヴィッド・O・ラッセル。『ザ・ファイター』などのクリスチャン・ベイルを筆頭に、ブラッドリー・クーパー、エイミー・アダムス、ジェニファー・ローレンスら、実力派スターが結集してクセのある登場人物たちを熱演する。

 

【あらすじ】

詐欺師アーヴィン(クリスチャン・ベイル)と、その相棒で愛人のシドニー(エイミー・アダムス)。彼らはFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)に逮捕されるが、無罪放免を条件におとり捜査への協力を持ち掛けられる。それは、架空のアラブ人富豪をダシに、カジノ利権に群がる政治家やマフィアを一網打尽にするというもの。アーヴィンとシドニーは、標的のカーマイン市長(ジェレミー・レナー)に近づくが、二人の仲を嫉妬(しっと)するアーヴィンの妻ロザリン(ジェニファー・ローレンス)がおとり捜査の邪魔をする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

監督のデヴィッド・O・ラッセル、「ザ・ファィター」、「世界にひとつのプレイブック」ときて、この作品。

なんとなく、流れはわかる気がする。

登場人物に英雄などおらず、話の展開も見えづらい。

強烈な個性の登場人物が織りなす人間模様。

でも、だんだん洗練されてこなれてきているのはわかるなあ。

 

今年のアカデミー賞にも、作品賞、監督賞(デヴィッド・O・ラッセル)、主演男優賞(クリスチャン・ベール)、主演女優賞(エイミー・アダムス)、助演男優賞(ブラッドリー・クーパー)、助演女優賞(ジェニファー・ローレンス)、他にも脚本賞、美術賞、衣装デザイン賞、編集賞にノミネート。

 

この作品の良さは、そのクセのある人物を演じる名優たちの化学変化の面白さです。

 

ハゲをスタイリングで隠している小太りのアーヴィン(クリスチャン・ベイル)は、もともとはクリーニング店の経営者だが、詐欺でぼろ儲けをしていた。

あるパーティーでシドニー(エイミー・アダムス)と出会い、恋に落ちる。

これは二人が強力な詐欺師のタッグを組むパートナーシップの始まりだった。

 

この二人に目をつけたのがFBI捜査官リッチー(ブラッドリー・クーパー)。

一度は逮捕するが、この二人を囮にして政治家たちやそれに癒着しているマフィァを一網打尽の罠にはめることを計画、そして実行に移したがー。

 

☆ネタバレ

時系列が後先に紹介されるけど、それほどややこしくはありません。

結局はリッチーがコケにされて、政治家たちも逮捕、アーヴィンとシドニーはハッピーエンドというわけです。

この二人、どこまでが本当で、どこまでがウソか、よくわからんわーと思って見ていたけど、「ホンマに愛し合っていたんやー」と妙に納得してしまいました。

 

アカデミー賞候補になっているだけあって、みんな芸達者で面白いんだけど、一押しはアーヴィンの妻役のジェニファー・ローレンス。

すごくとんちんかんな人物で笑わせてくれます。

美人じゃないんだけど、チャーミング。

「ハンガー・ゲーム」のカットニス役がはまり役と思っていたら、こんな役も!!

なんでもできる女優さんですねー。

 


小さいおうち

2014-02-01 13:38:51 | 映画ー劇場鑑賞

ー小さいおうちー

2013年 日本 136

監督=山田洋次 原作=中嶋京子 キャスト=松たか子(平井時子)黒木華(布宮タキ)片岡孝太郎(平井雅樹)吉岡秀隆(板倉正治)妻夫木聡(荒井健史)倍賞千恵子(布宮タキ(平成))橋爪功(小中先生)吉行和子(小中夫人)室井滋(貞子)中嶋朋子(松岡睦子)林家正蔵[9代目](治療師)ラサール石井(柳社長)あき竹城(カネ)松金よね子(花輪の叔母)螢雪次朗(酒屋のおやじ)市川福太郎[3代目](平井恭一(少年期))秋山聡(平井恭一(幼年期))笹野高史(花輪和夫)小林稔侍(荒井軍治)夏川結衣(荒井康子)木村文乃(ユキ)米倉斉加年(平井恭一(平成)

 

【解説】

143回直木賞を受賞した中島京子の小説を、名匠・山田洋次が実写化したラブストーリー。とある屋敷でお手伝いさんだった親類が残した大学ノートを手にした青年が、そこにつづられていた恋愛模様とその裏に秘められた意外な真実を知る姿をハートウオーミングかつノスタルジックに描き出す。松たか子、黒木華、吉岡秀隆、妻夫木聡、倍賞千恵子ら、実力派やベテランが結集。昭和モダンの建築様式を徹底再現した、舞台となる「小さいおうち」のセットにも目を見張る。

 

【あらすじ】

健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編を見ると、なんか深刻な不倫話みたいな印象でしたが、そのこと自体は、もっとたわいないお話でした。

それより、山田洋次監督が言いたかったことは、戦争の残酷さだと思いました。

よくできた作品でしたよ。

オススメです。

 

お話は、タキ(倍賞千恵子)が一人暮らしで亡くなったというお葬式のシーンから始まりました。

タキが残した大学ノートと、封を開けていなくて宛名もない封筒。

  タキ(倍賞千恵子)

大学ノートは甥の健史(妻夫木聡)がタキに勧めて書かせた自伝。

タキは18歳のときに山形から女中奉公のために東京に出て来た娘だった。

昭和10年のことだった。

 

最初は小説家の小中先生(橋爪功)の所で働いていたが、その先生の奥様(吉行和子)の親戚筋に当たる平井雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)の家で働くこととなった。

平井家は、印象的な赤い屋根のある小さな家だった。

 

 平井夫婦

平井夫婦には恭一という幼い息子がいた。

恭一がポリオにかかり、足がマヒしてしまった。

その足を治すために、タキは一生懸命看病して、1年後、恭一の足は歩けるように回復した。

 

平井家の主、雅樹は玩具メーカーの重役だった。

日清事変が始まったものの、日本国内はまだまだ戦争への気運は高まっていなかった。

 

あるお正月、会社の人たちが平井家に集まって新年会をやっているところに、新入社員のデザイナー板倉(吉岡秀隆)が呼ばれてやって来た。

 

☆ネタバレ

板倉も東北の出身で、タキも板倉が気に入ったが、時子もいい印象を持ったようだった。

板倉に見合い話があり、それをまとめるように雅樹は時子に言いつけた。

板倉は固辞していたが、時子はタキを伴って板倉の下宿に出かけ、その後も一人で板倉の下宿に行くようになり、説得を続けていた。

 

それを出入りの酒屋に見られたこともあり、タキはひやひやしていた。

そんなとき、板倉の元に召集令状が届いた。

 

一言お別れにと、板倉の元へ行こうとする時子を、必死の思いでタキは引き止めた。

「手紙を書いたら、私が届けるから、来てもらいましょう」

タキは手紙を持って出かけたが、板倉は来なかった。

 

その後、戦争は激しくなり、お手伝いを置くのは贅沢と言われ、タキは故郷に帰った。

東京大空襲で、平井夫婦は防空壕の中で亡くなった。

二人は抱き合っていたという。

 

そこで、タキの手記はここで終わっていた。

タキは「長く生き過ぎた」と号泣した。

 

☆ネタバレのネタバレ

東京で社会人として働き出した健史。

あるとき、「イタクラショージ」という童話作家の存在を知る。

記念館へ行くと、赤い屋根の家の絵が飾ってあった。

家の前には時子とタキの姿が描かれてあった。

 

そして、イタクラショージは生前、その家の息子と親交があったという。

健史は、恭一(米倉斉加年)が存命していることを知り、さっそく訪ねる。

 

そして、タキの残した封の切っていない封筒を恭一に許しを得て開けた。

 

そこには「きっと来てください」という時子の切羽詰まった思いが書かれていた。

タキは、この手紙を板倉に届けなかったのだ。

それが、タキの涙の理由。

「この年で母の不倫を知るとは…」と恭一はつぶやいた。

 

罪を背負って、一生結婚しなかったタキの人生。

板倉も結婚しなかったそうです。

人と人の絆を断ち切ってしまったものが、戦争です。

 

「少年H」を見たときも思いましたが、戦前の人々のおおらかさやつながりの豊かさを知るほどに、戦争の残酷さが伝わってきます。

 

タキも板倉のことが好きだったんじゃないかなあ。

そしても奥様のことも大好き。

その狭間で揺れて、小さな心を痛めたことが、とてもよくわかりました。

一生苦しんだんだものね。

いい人だなあ。

 

せめて、タキの命のあるうちに恭一と会えていたら、タキの罪の意識も少しは和らいだのではないかと思いました。

 

たわいのない生活をこんなに素敵に描けるなんて、やはり山田洋次監督はただ者ではないわ。

 

ラストで出てくる米倉斉加年さん、圧巻の演技でした。

泣いてしまいましたよ。

 

松たか子さんの着物や帯、すごくかわいかった。

着物っていいなあと思いました。

 

いい俳優がそろい、いい映画でしたよー。