マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

マクベス

2016-05-30 10:53:56 | 映画ー劇場鑑賞

ーマクベスーMACBETH

2015年 イギリス/アメリカ/フランス 113

 

監督=ジャスティン・カーゼル キャスト=マイケル・ファスベンダー (マクベス) マリオン・コティヤール (レディ・マクベス) パディ・コンシダイン (バンクォー) ショーン・ハリス (マクダフ) ジャック・レイナー(マルコム王子) エリザベス・デビッキ(レディ・マグタフ) ダンカン王(デヴィッド・シューリス) 

 

【解説】

シェイクスピアによる四大悲劇の一つである戯曲を、マイケル・ファスベンダーとマリオン・コティヤールらの共演で描くドラマ。中世のスコットランドで、欲望と野心に燃える戦士マクベスとその妻の生涯を映す。メガホンを取るのは、『スノータウン』のジャスティン・カーゼル。共演には、『華麗なるギャツビー』などのエリザベス・デビッキ、『NY心霊捜査官』などのショーン・ハリスなど。圧倒的なスケールと繊細な描写や、マイケルとマリオンたちの熱演が見どころ。

 

【あらすじ】

中世のスコットランド。マクベス将軍(マイケル・ファスベンダー)は、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)に仕えていたが、戦いで勝利を収めた際に「マクベスは領主になり、王になるだろう」という魔女の予言を聞く。そのときコーダーの領主が死亡し、マクベスを領主にする勅命が下る。王座への欲望が少しずつ心に広がっていくマクベスに、妻(マリオン・コティヤール)は……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

シェイクスピアの4大悲劇(ハムレット・オセロ・リア王)のひとつ。

この話は史実ではないようですが、ダンカン王もマクベスも実在の人物なんですね。

しかも、マクベスはダンカン王殺害の後17年も統治しているという実績もあります。

暴君ではなかったようですね。

 

シェイクスピアの作品を映画化されたときにいつも感じることですが、やはりセリフが不自然だなあ。

長いし難しいなあ。

 

マイケル・ファスペンダーのマクベス、マクベスにしたら強すぎる感じですね。

彼なら、過ちを犯さない感じ。

魔女も恐くないし。

反対にマリオン・コティヤールのマクベス夫人がそんなに悪女じゃなかった。

マクベス夫人と言えば悪女の代表みたいに使われるものね。

 

さらに、ダンカン王(デヴィッド・シューリス)が人格者で、だからマクベスの心理が複雑となり面白いんだろうけど。 

冒頭に子供が亡くなって嘆く親としてのマクベス夫妻を入れたりして、人間マクベスを強調したいいとはよくわかりました。

 

戦争でたくさんの敵にひるまず圧倒的な強さで闘うマクベスですが、魔女から受ける権力を手に入れるという甘い予言。

バンクウォーの子供が王位を継承するという不安な予言。

そのほか、いろんな予言に翻弄され、残虐な振る舞いにでては、良心の呵責に怯える弱さが強調されていました。

マクベス夫人も、自分がダンカン王を殺すようにそそのかしたのに、どんどん理性を失って残酷になっていく夫や、自分の罪が怖くなって悩み、亡くなってしまいます。

そして予言が破られたとき、マクベスは真実に気づき、死を受け入れたのでしょう。

等身大の人間としての悩みを見せるのがこの作品のテーマだと思いました。

 

疑心暗鬼、魔物は自分の心の中にいる欲望、ということでしょうか。

 

スコットランドの荒涼とした荒れ地や、領主といえども野営のような住まいなど、映像的にはとても面白かったです。

 

ふたつの名前を持つ少年

2016-05-30 10:44:37 | 映画ーDVD

ーふたつの名前を持つ少年ーLAUF JUNGE LAUF/RUN BOY RUN

2013年 ドイツ/フランス 108

 

監督=べべ・ダンカート キャスト=アンジェイ・トカチ (スルリック/ユレク) カミル・トカチ (スルリック/ユレク) エリザベス・デューダ (ヤンチック夫人) イタイ・ティラン (モシェ・フレンケル)

 

【解説】

実話を基にしたウーリー・オルレブによる児童文学「走れ、走って逃げろ」を実写化したドラマ。ユダヤ人強制居住区から逃げ出した少年が、ポーランド人を装い、名前も変え、ナチスの迫害から逃れる。監督は『セマナ -血の7日間-』などのペペ・ダンカート。双子であるアンジェイ&カミル・トカチが主人公の少年を演じ、『誰よりも狙われた男』などのライナー・ボックらが共演。過酷な運命をたどりながらも希望を捨てない少年の姿に胸を打たれる。

 

【あらすじ】

8歳の少年スルリック(アンジェイ・トカチ、カミル・トカチ)は、ポーランドのユダヤ人強制居住区から脱走。森へと逃げ込むものの寒さと飢えに襲われてしまう彼だが、ヤンチック夫人に助けられる。聡明で愛嬌(あいきょう)のあるスルリックに魅了された夫人は、彼にポーランド人孤児のユレクだと名乗るように諭し、架空の身の上話を頭にたたき込む。夫人のもとを離れ、農村を回りながら寝床と食べ物を求めるスルリック。やがて心優しい一家と出会って安息を得るが、ユダヤ人であることがばれてしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

先日アップした「あの日のように抱きしめて」と同じ、第二次世界対戦下に起こった悲劇です。

この戦争に巻き込まれたたくさんの人々、ひとりひとりに物語があるのでしょうね。

「黄金のアデーレ」もそういう作品でした。

こういう、一つ一つの悲劇を世の中にだしていくという作業が、とても大切なことだと思います。

 

DVDで見たので、メイキングの特典映像があり、その中でべべ・ダンカート監督がこの作品のテーマはアイデンティティだと言っていました。

ポーランドに住むユダヤ人の8歳の少年スルリックが、ナチス侵攻により、慣れ親しんだ村からゲットーに送られ、そこから逃げ出し、父親から「名前を変えてちがう人間となって生きろ。しかし、ユダヤ人ということは忘れるな。何があっても生き延びろ」と言われ、過酷な戦時下を生き延びる話です。

 

生き延びる希望があるので、最後まで見てしまいますが、少年のスルリックには過酷過ぎる試練の連続です。

最初は孤児の仲間と一緒になって、盗みや生きる術を学んでいきますが、途中ドイツ兵に追われひとりぼっちになります。

森の冬はすごい寒さで、身を隠すところもなく、雪も雨も容赦がありません。

ヤンチック夫人の家の前で行き倒れ、夫人に助けられます。

夫も息子もバルチザンという夫人は、ボーランド人として生きていく架空の身の上話をスルリックに教えこみます。

この家を出る時、スルリックはユレクという少年になりました。

 

扉を叩き、お祈りの言葉を言うと、何人かに一人はご飯を食べさせてくれました。

働かせてくれて、匿ってくれる人もいました。

しかし、長くは続きません。

いろんな出会いと別れがあります。

 

ポーランド人に売られて、ナチスに捕まったこともあります。

でも、スルリックは勇気と機転で切り抜け、ある時は味方にもなってもらいました。

 

でも、親に捨てられ、国にも見放された少年に容易い生き方はありません。

これでもかというくらい、過酷な運命が次々と立ちはだかり、見ている私も何度も涙します。

 

事故で片腕も失いました。

 

戦争が終わり、ポーランド人として、キリスト教徒として生きる術が見つかったとき、ユダヤ人だと見破られ、ユダヤ人孤児施設から迎えが来ました。

 

抵抗しますが、生まれ故郷の村に戻り、父の言葉を思い出した時、スルリックは号泣し、ユダヤ人として生きることを決心するのでした。

 

最後にイスラエルで暮すご本人が登場しました。

生きていらして本当に良かったと思いました。

 


Dearダニー 君へのうた

2016-05-30 10:39:56 | 映画ーDVD

Dearダニー 君へのうたーDANNY COLLINS

2015年 アメリカ 107

 

監督=ダン・フォーゲルマン キャスト=アル・パチーノ (ダニー・コリンズ) アネット・ベニング (メアリー・シンクレア) ジェニファー・ガーナー (サマンサ・リー・ドネリー) ボビー・カナヴェイル (トム・ドネリー) クリストファー・プラマー(フランク・クラブマン)

 

【解説】

ジョン・レノンが新人アーティストに宛てた励ましの手紙が、数十年を経て本人に届いたという実話から着想を得たドラマ。曲を作るのをやめた往年の人気アーティストが、ジョン・レノンが自分宛てに送っていた手紙を読んだのを機に人生を見つめ直す。監督は、『塔の上のラプンツェル』などの脚本を手掛けたダン・フォーゲルマン。主演を務めた名優アル・パチーノを筆頭に、アネット・ベニング、ジェニファー・ガーナーら実力派が結集。全編で流れるジョンの楽曲も作品に彩りを添えている。

 

【あらすじ】

作曲活動から離れて何年もたち、人気アーティストとしての盛りも過ぎてしまったダニー・コリンズ(アル・パチーノ)。そんなある日、マネージャーから古い手紙を見つけたと渡される。それは駆け出しだった43年前の自分にジョン・レノンが送ってくれたもので、富や名声に自分を見失わず、音楽と真摯(しんし)に向き合うようにとつづられていた。それを読んだ彼は人生をやり直そうと決意してツアーをキャンセルし、一度も会ったことのない息子を訪ねる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

フォークソング歌手スティーヴ・ティルストンのエピソードがこの話の元らしいです。

過去のヒット曲を引っさげて、往年のファンのためにツアーをしているダニー・コリンズ(アル・パチーノ)。

経済的には何の心配もなく、若い恋人と結婚も目前。

 

そんな彼の元に、43年前ジョン・レノンからの手紙が届く。

転売目的に中間業者が手元においていたものをマネージャーのフランク(クリストファー・プラマー)が買い戻してくれたのだ。

内容は、当時新人歌手だったダニーに、君には才能があるから真摯に頑張りなさいというもの。

自分の作った歌を諦め、他人の曲でヒットしたダニーは、突然!!生き方を変える。

 

恋人に豪邸を譲り、地方のホテルにグランドピアノを持ち込み、作曲に専念しだした。

 

生き方の変化には、あったこともない息子との関係修復も含まれていた。

発達障害を持つ孫のためにもと、息子に邪険にされても、新曲の作曲と再出発に書けるダニーだったがー。

 

ジョン・レノンの手紙。

若い時にもらっていたらダニーの人生どうなっていたことやら。

成功はなかったかもしれないけど、自分の人生を生きれたかもしれない。

息子とも違う関係があったかも。

微妙なハッピーエンドですが、心温まる作品でした。

 

アル・パチーノの歌声、なかなか素敵です。

 


追憶の森

2016-05-16 11:39:23 | 映画ー劇場鑑賞

ー追憶の森ーTHE SEA OF TREES

2015年 111分 アメリカ

 

監督=ガス・ヴァン・サント キャスト=マシュー・マコノヒー (アーサー・ブレナン) 渡辺謙 (ナカムラ・タクミ) ナオミ・ワッツ (ジョーン・ブレナン)

 

【解説】

『ミルク』などのガス・ヴァン・サント監督が、「The Black List 2013」(製作前の優秀脚本)に選出された脚本を映画化。死に場所を求めて青木ヶ原樹海にやって来たアメリカ人男性が、自殺を思いとどまり樹海からの脱出を試みる日本人男性と出会ったことで、人生を見つめ直すさまを描く。『ダラス・バイヤーズクラブ』などのオスカー俳優マシュー・マコノヒーと、『インセプション』などで国際的に活躍する渡辺謙が初めて共演を果たし、『インポッシブル』などのナオミ・ワッツも出演。

 

【あらすじ】

人生に深く絶望したアメリカ人男性アーサー(マシュー・マコノヒー)は、死に場所を求めて富士山麓の青木ヶ原樹海を訪れるが、森の奥深くでけがを負った日本人男性タクミ(渡辺謙)と出会う。アーサーと同じく死のうとして樹海に来たものの考え直し、妻子のところへ戻るため助けを求めてきたタクミと互いのことを語るうちに、二人はこれまでの人生を見つめ直し、生きるため樹海からの脱出を模索するようになり……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

青木ヶ原樹海、世界的な自殺の名所なのね。

まず、それにびっくりしました。

 

大学講師のアーサー(マシュー・マコノヒー)は、自殺しようとしてアメリカから片道切符で日本にやって来て、青木ヶ原樹海に入って行く。

そこで出会った、死にきれないと思われる男タクミ(渡辺謙)と出会い、二人で樹海を彷徨うという作品です。

 

ストーリーはこれだけで、あとはアーサーが妻を亡くすまでの回想シーンがあるだけです。

 

最後まで見ると、ああなるほどと、生や愛に対する深い思いが伝わってきます。

 

それというのも、マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツという極上の俳優たちの演技競演による力が大きいと思いました。

ほんと、珠玉の演技ですよ。

これをご覧いただきたいと思いました。

 

妻の愛がすごいのか、アーサーの感性がすごいのか、それを引き出す樹海の力がすごいのか…。

 

私はいい夫婦愛のお話と思いました。

 

あの日のように抱きしめて

2016-05-16 11:21:57 | 映画ーDVD

ーあの日のように抱きしめてーPHOENIX

2014年 98分 ドイツ

 

監督=クリスティアン・ベッツォルト キャスト=ニーナ・ホス (ネリー) ロナルト・ツェアフェルト (ジョニー) ニーナ・クンツェンドルフ (レネ)

 

【解説】

『東ベルリンから来た女』のクリスティアン・ペッツォルト監督が、主演のニーナ・ホス、ロナルト・ツェアフェルトと再タッグを組んだサスペンスドラマ。第2次世界大戦直後のドイツを舞台に、ナチスの強制収容所から奇跡的に生還するも顔に大けがを負ったユダヤ人の妻と、容貌の変わった妻に気付かない夫の愛の行方を描く。夫と念願の再会を果たしたヒロインを待ち受ける衝撃の展開が、戦争で引き裂かれた夫婦の心の傷をあぶり出す。

 

【あらすじ】

1945年ドイツ、強制収容所から帰還したネリー(ニーナ・ホス)は銃によって顔にひどいけがを負っており、顔の修復手術を受ける。生き別れになっていた夫ジョニー(ロナルト・ツェアフェルト)と念願の再会を果たすネリーだったが、妻は収容所で死んだと思い込んでいる彼は、顔の変わった彼女が自分の妻であることに気付かない。さらに、その遺産を手に入れるため妻のふりをしてほしいと持ち掛け……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この邦題、どうでしょうね。

こんなロマンティックな感じのシーンは1つもありませんでした。

原題は「PHOENIX」。

主人公が探している人物が働いているお店の名前ですが、肉体的に生還を果たした主人公が、精神的にも蘇るというのを暗示していて、希望のラストとなりました。

やはり、タイトルはよく考えられていますよね。

 

いろいろ疑問点もあるのですが、最後まで緊張感を持って見れました。

突っ込みながらも主人公の気持もわかる気もして、面白かったです。

 

第二次大戦後すぐのドイツ。

ユダヤ人組織のレネ(ニーナ・クンツェンドルフ)の尽力で、強制収容所から助け出された声楽家のネリー(ニーナ・ホス)。

顔にナチスによるひどい銃創を受けていて、再建手術を受けることになった。

医者から「どんな顔にするか」と聞かれたネリーは、元の顔に戻して欲しいと懇願する。

しかし、再建された顔は元とは違う顔だった。

 

ネリーは、夫ジョニー(ロナルト・ツェアフェルト)との再会を望んでいた。

その望みが彼女の収容所生活を支えたと言っても過言ではない。

でも、レネはジョニーは裏切り者だと批判的だった。

しきりに新しく建国されるイスラエルに移り住むことを勧める。

 

ネリーは、レネの意見も聞かず、夜の町にジョニーを探しに出かけた。

「フェニックス」という音楽バーならいるかもしれないと聞き、訪れると、ジョニーは下働きをしていた。

ネリーを見ても妻とは気が付かない。

仕事を探していると勘違いしたジョニーは、ネリーに思いもかけない仕事話を持ちかける。

 

☆ネタバレ

ジョニーが持ちかけた仕事というのは、妻に成り済まして妻の財産を山分けしようというもの。

ネリーは、これが夫に気づいてもらえるきっかけになればと引き受ける。

 

レネは、ジョニーがネリーを裏切ったから収容所に入れられたんだと反対するが、ネリーは信じない。

 

ジョニーの言うなりに、筆跡を真似(自分の筆跡だけど)、派手な服を来て、フランス製の靴を履いて歩いてみせる。

故郷に帰って、親しい友達にネリーが生きていることを証明するためだと言う。

 

戦争中、ナチの捜索が厳しくなったとき、ジョニーは別荘のボート小屋にネリーを隠した。

ネリーはそれをジョニーからの愛だと受け取っていたが、実は、ネリーのことをナチスに密告したのもジョニーだったということもわかった。

それでも、ネリーは「自分も脅されて仕方がなかったのよね」とジョニーに肩を持つ。

 

ネリーの気持ちがジョニーに傾いているのを悲観してレネは自殺。

ジョニーがネリーが収容所送られて間もなく、ジョニーが届けた離婚証明書が遺書に添えられてあった。

 

ネリーはジョニーの手はず通り、故郷の駅で古い友人たちと会った。

ジョニーともそこで再会したような演技をした。

 

そして、ジョニーにピアノの伴奏を頼み、「スピーク ロウ」を歌う。

その腕には収容所で付けられた認識番号の入れ墨が。

ようやくジョニーも、本当のネリーと気が付いて、沈黙。

ネリーはジョニーにくるりと背を向けて立ち去った。

 

嘘みたいな話だけど、引き込まれます。

ネリーが恋いこがれるピアニストの夫ジョニー、これが確かに自分を裏切るなんて思えない、甘いマスクの優しそうな男なんです。

 

でも、友人たちは、全員何の迷いもなく「ネリー」と認めているのに、なぜジョニーは最後の歌を聞くまでわからないのだろう。

筆跡の下りも、ボート小屋での隠し部屋のところも、ネリーのひとり言のような話も、どれをとってもネリー本人でしょ、と思うけど。

 

よく解釈すれば、ジョニーは妻をゲシュタポに売り渡した罪の意識から、ネリーのことを正視できなかったからでしょう。

ただの裏切りではなく、地獄へ送ったも同然だからね。

ジョニーはネリーが亡くなったと考える方が楽だったのでしょうね。

逆に、ネリーにはジョニーとの再会が希望となって生還できたんだし。

 

ネリーとジョニー、その過去が二人にどんな心理的影響を与えたのか、計り知れない感じがして、なかなか面白い作品になっていました。

 

ネリーが、自分の思いばかりを先行させて、レネの気持には応えられなかったところとか、辛い気持も残る映画でしたね。

 

三人三様に、戦争に運命を翻弄された話でしたが、ほんと、辛いですよね。

戦争がダメなんだといいたいです。

 


シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ

2016-05-13 17:21:30 | 映画ー劇場鑑賞

ーシビル・ウォー/キャプテン・アメリカーCAPTAIN AMERICA: CIVIL WAR

2016年 アメリカ 148

 

監督=アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ キャスト=クリス・エヴァンス (キャプテン・アメリカ/スティーブ・ロジャース) ロバート・ダウニー・Jr (アイアンマン/トニー・スターク) スカーレット・ヨハンソン (ブラック・ウィドウ/ナターシャ・ロマノフ) セバスチャン・スタン (ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ) アンソニー・マッキー(ファルコン/サム・ウィルソン) ドン・チードル(ウォーマシン/ジェームズ“ローディ”・ローズ) ジェレミー・レナー(ホークアイ/クリント・バートン) チャドウィック・ボーズマン(ブラックパンサー/ティ・チャラ) ポール・ベタニー(ヴィジョン) エリザベス・オルセン(スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフ) ポール・ラッド(アントマン/スコット・ラング) トム・ホランド(スパイダーマン/ピーター・パーカー) フランク・グリロ(クロスボーンズ/ブロック・ラムロウ) ウィリアム・ハート(ロス長官) ダニエル・ブリュール(ヘルムート・ジモ大佐) マーティン・フリーマン(ロス副長官) マリサ・トメイ(メイ・パーカー)

 

【解説】

マーベルコミックスの人気キャラクターを実写映画化した『キャプテン・アメリカ』のシリーズ第3弾。アベンジャーズのメンバー同士でもあるキャプテン・アメリカとアイアンマンの対立を、あるテロ事件と絡めて活写していく。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』に引き続き、監督はアンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ。キャストにはロバート・ダウニー・Jr、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソンら、一連のシリーズでおなじみの面々が結集する。ハイパワーを繰り出して激突する2大ヒーローの姿に圧倒される。

 

【あらすじ】

アベンジャーズのリーダーとなった、キャプテン・アメリカ(クリス・エヴァンス)。しかし、彼らが世界各地で繰り広げた戦いが甚大な被害を及ぼしたことが問題になる。さらに、それを回避するためにアベンジャーズは国際的政府組織の管理下に置かれ、活動を制限されることに。アイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)はこの処置に賛成するが、自発的に平和を守るべきだと考えるキャプテン・アメリカはそんな彼に反発。二人のにらみ合いが激化していく中、世界を震撼(しんかん)させるテロ事件が起きてしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

マーベルコミックのシリーズはいろんなタイプがあって複雑ですよね。

これは「キャプテンアメリカ」のシリーズ第3作目。

「キャプテンアメリカ/ウインターソルジャー」の続編です。

 

ウインターソルジャーを作り出したヒドラ党の残党ブラック・ラムロウのテロ計画を阻止するため、キャプテンアメリカ=スティーブ(クリス・エヴァンス)が率いるアベンジャーズはナイジェリアのラゴスに出撃する。

追いつめられたラムロウがキャプテンを道連れに自爆しようとするのを助けたワンダ(エリザベス・オルセン)の超能力により、一般市民に犠牲が出てしまう。

 

同じ頃、アベンジャーズのソコヴィアの闘いで犠牲になった若者の母親からも叱責を受けたアイアンマンことトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。

アメリカ国務長官のロス(ウィリアム・ハート)は、アベンジャーズを国連の管理下に置く「ソコヴィア協定」に、アベンジャーズのメンバーが署名することを求める。

トニーはこれに賛同し、ローズ(ドン・チードル)、ヴィジョン(ポール・ベタニー)、ナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)も同意する。

しかし、スディーブは「自分たちで判断して行動する権利が失われる」として難色を示し、サム(アンソニー・マッキー)は同調し、罪の意識に苦しんでいるワンダは迷う。

  対立するトニーとスティーブ

ソコヴィア協定の調印が行われようとしているそのとき、演説していたワカンダ王国のティ・チャカ王が暗殺される。

防犯カメラの映像からウィンター・ソルジャーのバッキー(セバスチャン・スタン)が容疑者として浮上した。

バッキーはスティーブの幼なじみで親友だった。

 

ティ・チャカ王の息子ティ・チャラはバッキーに対し復讐を誓い、ブラックパーサーとなってバッキーを追った。

 

しかし、バッキーを罠にはめたのはヘルムート・ジモ(ダニエル・ブリュール)という謎の男だった。

ジモはウィンターソルジャーについて執拗に調べ、精神科医に化けてバッキーと接見し、バッキーの洗脳に使われた秘密の合い言葉を使い、ウインターソルジャーに戻してしまった。

 

スティーブはバッキーを追い、二人は行方不明となる。

 

洗脳から目覚めたバッキーは、シベリアの基地に自分と同じウインターソルジャーがいることを打ち明け、ジモの狙いもその基地だと理解した。

  アイアンマンチーム

独自の行動としてシベリアを目指すスティーブとバッキー、それに加勢するサムとワンダと戻って来たバートン、さらに新たにアントマンを加えたグループに、トニー、ローズ、ナターシャ、ヴィジョン、ティ・チャラにスパイダーマンを加えたグループが激突する。

 キャプテンアメリカチーム

 

☆ネタバレ

最後はナターシャがスティーブに加勢してスティーブとバッキーを逃がすが、その闘いの中でローズが空中戦から転落し、半身マヒの重傷を負う。

 

トニーは、ジモの存在を知り、シベリアへ向かう。

しかし、そこで、トニーには受け入れ難い事実が知らされ、トニー、バッキーと果てしない戦闘を繰り広げる結果となる。

 

ジモは復讐が遂げられたと自殺を図るが、復讐の連鎖を止めなければならないと悟ったティ・チャラに連行される。

スティーブとバッキーもティ・チャラの計らいでワカンダに匿われ、バッキーは洗脳を解く方法がわかるまで冷凍睡眠に入った。

 

スティーブは刑務所から仲間たちを買い欲しし、また身を隠した。

トニーの元にはスティーブから友情の証の手紙と携帯電話が届いた。

 

私はアイアンマンファンなので、この作品はキャプテンアメリカ目線だということを忘れて、ついついトニー・スタークに肩入れしてみていました。

 

息子が亡くなったとなじられるシーンや、ナターシャから「傲慢だ」と批判されるところ、最後も両親を殺したバッキーが、いくら洗脳されていたと言われても怒りを抑えきれないところなどにシンパシーを覚えました。

スティーブからは「バッキーは友達だから」と言われ、「自分も友達だと思っていた」と応じるなど、セリフもよかったです。

 

今回は「ソコヴィア協定」のことも含めてトニーの方が正しかったんじゃないかなあ、と少し不満でした。

 

でもでもほんと面白い作品です。

ハズレのないマーベル作品、追いかけて見ましょう。

 

マッドマックス 怒りのデスロード

2016-05-13 17:16:51 | 映画ーDVD

ーマッドマックス 怒りのデスロードーMAD MAX: FURY ROAD

2015年 オーストラリア 120

監督=ジョージ・ミラー キャスト=トム・ハーディ (マックス) シャーリーズ・セロン (フュリオサ) ニコラス・ホルト (ニュークス) ヒュー・キース=バーン (イモータン・ジョー)

 

【解説】

荒廃した近未来を舞台に妻子を暴走族に殺された男の壮絶な復讐(ふくしゅう)劇を描き、主演のメル・ギブソンの出世作となった『マッドマックス』シリーズ第4弾。同シリーズの生みの親であるジョージ・ミラーが再びメガホンを取り、主役を『ダークナイト ライジング』などのトム・ハーディが受け継ぐ。共演にはオスカー女優シャーリーズ・セロン、『ウォーム・ボディーズ』などのニコラス・ホルト、1作目で暴走族のボスを演じたヒュー・キース・バーンら多彩な顔ぶれが集結。

 

【あらすじ】

資源が底を突き荒廃した世界、愛する者も生きる望みも失い荒野をさまようマックス(トム・ハーディ)は、砂漠を牛耳る敵であるイモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)の一団に捕らわれ、深い傷を負ってしまう。そんな彼の前に、ジョーの配下の女戦士フュリオサ(シャーリーズ・セロン)、全身白塗りの謎の男、そしてジョーと敵対関係にあるグループが出現。マックスは彼らと手を組み、強大なジョーの勢力に戦いを挑む。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「マッドマックス」シリーズは見たことがなかったので、公開当時もスルーしていました。

でも、映画好きの友達たちが「面白いのになぜ?」というし、実際、賞もたくさん取っていて、評価も高いので、DVD鑑賞しました。

 

その前に、メル・ギブソンの出世作となった1作目も事前に鑑賞しました。

これでマックスの過去は復習できたよ。

 

さて、この作品の主演はトム・ハーディ。

この作品の公開前後にトム・ハーディ主演の映画が3本ありました。

同時に公開されていた時期もあったんじゃないかな?

これと、「チャイルド44」と「オン・ザ・ハイウェイ」。

「欲望のバージニア」もいい映画ですよね。

超売れっ子!!

 

この映画でのトム・ハーディは意外と地味です。

見終わって振り返ってみると、主役は断然フュリオサ(シャーリーズ・セロン)!

髪を短く刈り込み、額を黒い墨で汚し、片腕は義手の女戦士。

砂漠の支配者イモータン・ジョー(ヒュー・キース・バーン)からも信頼が厚いフュリオサですが、ジョーの5人の花嫁を逃がそうとしています。

 

それに気が付いたジョー。

自分か先頭に立って、大軍団を率いて追いかけてきます。

ジョーを狂信的に崇拝するウォーボーイのニュークス(ニコラス・ホルト)の輸血袋としてマックスは車の先端にくくり付けられました。

 

ほんと、想像を絶する世界が何の説明もなく始まり、カーアクションが繰り広げられます。

特典映像でトムが言っていましたが、これは監督ジョージ・ミラーの頭の中の世界。

 

このぶっとんだ世界観が徹底されたところが最大の魅力なんだと思います。

 

細かいところにまで行き届いた演出がされていて、圧倒的なアクションと対になっています。

評価が高いわけですね。

 

でも、この荒廃した地球で、生きていける場所はジョーの支配する土地しかないと気が付いて引き返して行きます。

 

つまり、ジョーは良い支配者ということだと思いました。

水もあったし、人工的な畑もあったし、花嫁たちもある意味、健康な子供を残したいためとも言えるなあと。

 

闘いはフュリオサとマッドマックスの勝利に終わるけど、マックスはまた放浪の身に戻るのでしょう。

 

フュリオサは、復讐を遂げ本望だろうけど、この地の人々を治めて行くのはなかなか難題なことだろうなあなんて、思いました。

 

とにかく、アクションシーンがものすごいです。

しかも、カメラワークがきれいでほれぼれしました。

 

シャーリーズも、いくら汚しても隠しても美女は美女。

かっこいいわあ。

どんな辛い過去があったのかは語られませんが、母も亡くなり、故郷ももはや楽園ではないと知る時の絶望感。

すごくひしひしと伝わってきました。

 

マックスもまるで野獣のようにただ暴れるだけだったのが、最後は名前を取り戻し、本来の自分に戻るところもよかったです。

 

ニュークスも人として愛する人のために犠牲になるので、ジーンと来ました。

 

アクション映画にして感動作。

ジョージ・ミラーってすごい。

30年をかけて自分の仕事をやり遂げたんだなあ。