マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

2008年香港旅行ー天香楼

2008-11-28 19:15:33 | 旅行
夜は天香楼、杭州料理だそうです。



日本にもある中華料理屋さんとあまり変わらない店構えでしたが、お値段も味も香港で1、2を争う料理店だそうです。
そんなこともかまわず、香港へ来ても上海蟹を食べようとする私たち。

これから茹でる蟹が、てんこもりにー。


 まず、酔っぱらい蟹。

これは、お店によって全部味が違いますね。
すごく濃厚でした。
私は、新光酒家(上海)がの方がいいと思いますけど。
それから、成隆行蟹王府(上海)も。
余談だけど、成隆行蟹王府の「フカヒレと蟹の卵のスープ」は、語りぐさになるほどの美味しさでしたねー。

このエビのお料理は素晴らしい。
名物料理みたいですね。

 これはうすあげです。

フカヒレスープ。

そして、先ほどの蟹が出てきました。


 この豆苗の炒め物、最高でした!!
私は、これが一番お気に入り!!
お昼の王子飯店でも出ましたが、数倍美味しかったです。

このデザートはサービスだそうです。


伝票が来て、みんなびっくり。
やはり、香港は高いわ。
上海蟹は上海から運んでいるというし、上海のように注文してはダメだとみんな実感しました。

でも、これだけ美味しかったから、しかたがないわね。

来年は、どこへ行く?


2008年秋香港旅行ー王子飯店

2008-11-28 18:49:55 | 旅行
次のお昼ご飯は、王子飯店へ。



ま新しいビルの11階にあって、個室に案内してもらったので、見晴らしは抜群!!
香港島が真正面に見えました。
たくさんの島も見えました。


従業員も感じよかったし、サービスもよくて、新しい香港のお店だなあと思いました。

 メニュー

 チャーシュー入りのパン

 スープ

 北京ダッグ

 ピータン

飲茶系統をいろいろ食べましたが、あとは、省略です。

食後は解散して、香港のお買い物を楽しみました。
ちょっと、歩き回らないと、お腹も減らないしねー。

2008年秋香港旅行ー福臨門

2008-11-28 15:22:56 | 旅行
グルメの日記、まとめて書きます。

これは、10月の終わりに香港へ行って、食べたお料理です。
お料理の名前がわかりません。
あいちゃん、助けてね。

いつもはこの時期、上海へ行くのが恒例になっていたのですが、今年は、ご近所の中華料理店、Mシェフのご推薦で、香港へ行くことになりました。
ご一行様は11名です。(2日目の夜だけ、1名追加)

これが福臨門玄関です。



こちらから入って、香港店を調べてください。
私たちは九龍に泊まっていたので、香港島の港仔(ワンチャイ)まで、地下鉄に乗ったのですが、それがキップを買うだけで、大騒ぎ。
駅からお店までは、歩いている人に道を聞きつつ、広いグラウンドを歩いて横切りました。
2階建てバスも走っていました。

さて、広東料理なら世界一と名高いお料理は、いかにー。

 テーブルセッティング

 薬味

まず、このスープにやられましたねー。


いきなり、子豚ちゃん。


 こんな感じでいただきました。

これは、ホタテのお料理(でしたよね?)


ヘビと野菜の細き切りいため


このお魚は、「はた」(癖のない淡白な感じ)


まだまだ、いろいろあったんですが、省略しまして、ご飯を紹介します。


こういうものも一緒に出てきて、


こんな風に一人前をいただきました。


最後はフルーツです。


やはり大勢で行くと、中華はエンタメな食事が楽しめますね。

Mシェフ監修のメニューは、リーズナブルで珍しく、目にも舌にも絶品でした。
私たちのことをよく知っていてくれているわー、と大感激しました。

この後、ビクトリアピークで夜景を見ました。
あいちゃんが買ってきてくれたシャンペンをあけて、何度も何度も乾杯しました。



あの胸にもう一度

2008-11-27 09:53:20 | 映画ーDVD
ーあの胸にもう一度ーTHE GIRL ON A MOTORCYCLE/LA MOTOCYCLETTE/NAKED UNDER LEATHER
1968年 イギリス/フランス
ジャック・カーディフ監督
マリアンヌ・フェイスフル アラン・ドロン ロジャー・マットン マリウス・ゴーリング カトリーヌ・ジュールダン

【解説】
耽美派マンディアルグの小説『オートバイ』を撮影監督出身のカーディフが斬新なタッチを見せ演出した恋愛メロドラマ。主演はアラン・ドロンとマリアンヌ・フェイスフル。ハイデルベルグの大学教授ダニエルと恋仲になったレベッカはレイモンと結婚してからも、その関係を続けた。彼女は夫の寝ている間に起きだし、オートバイを駆ってダニエルの元へ馳せ参じるのだ。ハーレー1200で疾走する彼女の脳裏にはダニエルとの情事の光景が浮かぶ。その時、大型トラックが彼女を愛車もろとも跳ねとばした…。(allcinema ONLINE)

【感想】
「やわらかい手」で主演していたマリアンヌ・フェイスフルが、この作品の主役で、しかも「ルパン三世」のフジコちゃんのモデルだというので、見たくなりました。

確かに、マリアンヌ・フェイスフル!!
面影がありますね。
とてもかわいかったです。
そして、スリム!!

ストーリーは、人妻が恋人に会いに、国境を越えて大型バイクで疾走していく間の、自分たちの出会いや情事を思い出して高揚している様子を描いた作品でした。

そういえば公開当時、すごく話題になっていたのを思い出しました。
全裸に革のジャンプスーツを着ているんですね。

とても官能的で、映像はサイケデリック。
70年代らしいなあと思いました。(68年の作品ですが)

フランスの作品だとばかり思っていたら、セリフは英語。
それも、不思議な感じでした。
フランスからスイスへ、国境を越えていくんですけどね。

彼女が目指す恋人はアラン・ドロン。
そりゃ、最高にハンサムです。
すごい!!

俺たちプロボウラー

2008-11-27 09:50:23 | 映画ーDVD
ー俺たちプロボウラーー
2007年 アメリカ
トミー・リード監督 ロス・パターソン脚本 ロス・パターソン タラ・リード クレイン・クロフォード レイ・ワイズ

【感想】
この作品、資料がなかった。
面白いかなあ、と思って借りてみたけど、いわゆるひとつのハリウッド的なコメディでした。

売れない俳優のロス(ロス・パターソン)は、ハリウッドのピザ屋でアルバイト。
趣味はボウリングだった。
ある日、エージェントからクビを言い渡され、ピザ屋もクビになってしまった。
そこに現れたボーリング協会の人。
ロスの腕を見込んで、プロにならないかと持ちかけた。
ロスと恋人のリンジーは、ド派手な衣装で勝ち進んで行き、やがて、人気者に。
マイナースポーツのボウリングをメジャーにして、セレブになったけど、仲間と恋人を失ったことに気がついて…

ハートウォーミングで、悪くはないけど、スパイスが全然足りない作品でした。

ブラインドネス

2008-11-26 13:03:44 | 映画ー劇場鑑賞
ーブラインドネスーBLINDNESS
2008年 アメリカ
フェルナンド・メイレレス監督 ジョゼ・サラマーゴ原作 ジュリアン・ムーア(医者の妻)マーク・ラファロ(医者)アリシー・ブラガ(サングラスの娘)伊勢谷友介(最初に失明した男)木村佳乃(最初に失明した男の妻)ドン・マッケラー(泥棒)モーリー・チェイキン(会計士)ミッチェル・ナイ(少年)ダニー・グローヴァー(黒い眼帯の老人)ガエル・ガルシア・ベルナル(バーテンダー/第三病棟の王)

【解説】
『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレスが、ノーベル文学賞受賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説を映画化した心理パニック・サスペンス。視界が真っ白になる伝染病がまん延する状況下で、人間の本性や社会の恐怖をあぶり出していく。出演は『ハンニバル』のジュリアン・ムーアをはじめ、日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が参加するなど、国際色豊かなキャストが実現。サスペンスフルな展開と深遠なテーマで見せる注目の衝撃作。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
街の交差点に止まった車の中で、何の前ぶれもなく突然目が見えなくなった男(伊勢谷友介)がパニックに陥る。その後、男は検査を受けるが原因は一向にわからない。しかも彼に接触した者も次々と視界が白くなり、目が見えなくなっていった。そんな中、療養所と呼ばれる隔離病棟が設けられ、発症者は強制的に収容されるが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
「シティ・オブ・ゴッド」に驚き、「ナイロビの蜂」に感動した私。
この作品も、カンヌ映画祭のオープニング映画として話題になったのを見て、とても楽しみにしていました。

またまた、お友達が試写会のチケットを下さって、見ることができました。
感謝!!


☆ネタバレ

突然交差点で視力を失った日本人男性(伊勢谷友介)。
パニックに陥り、親切な男が自宅まで車を運転してくれた。



という始まり方ですが、思い返すと、ここから映画のテーマは始まっていたのですね。
正体不明のウィルスが巻き起こすパニックの話ではなく、困っている人につけ込む悪党の方。
この人は、親切ごかしに近づいて、日本人から車を奪って逃走しました。

この時は、この人が悪党だからだと思いましたが、物語が進むにつれて、誰が悪党とか、言えなくなります。
悪が犯罪として存在するのは、社会の規範があるからです。

日本人男性に近づいた人は、みんな失明して行きます。
前述の悪党しかり、彼を診察した医者しかり、妻(木村佳乃)ももちろんです。

政府は、この急激な蔓延を防ぐため、発症した人を片っ端から療養所に送り込みました。
政府はパニック状態で、ただただ患者を隔離することしか考えず、そこから出て来る人を軍隊が銃で威嚇したり、あげくには射殺してしまうほどの混乱状態です。

こうして、社会と隔絶された療養所は無秩序の世界になってしまいました。
医者の妻(ジュリアン・ムーア)以外は目が見えない人々、しかも突然失明した人ばかりです。
ここまでは平等。
人は無秩序のなかで、どう行動するのか。

そう考えたら、この作品は実験映画の性格ももっているなあ、と思いました。

やがて現れる指導者?
リーダー?
キング?

キングって何なのか。
ゴッドって何なのか。
リーダーって何なのか。

 バーのバーテンだったのに、療養所では自らキングだと名乗る(ガエル・ガルシア・ベルナル)。

無秩序な世界では何が起こるかわからない。
もともと盲人だった人が優位性を誇示するとか、見えない閉ざされた社会でも、自分の価値観は変えられないこととかーキング(ガエル・ガルシア・ベルナル)が、食料を独占し、その対価としてまず要求したものは金品でした。療養所では何の役にも立たないのにー
知的で教養もある医者(マーク・ラファロ)が、屈辱に耐えられず、衝動的に女性と関係してしまうとか、やがて食料の対価に女性が差し出されるとか…
そして、最悪の殺人事件がおこり、放火から火事にー。

医者の妻は、キングへの反逆を決意し、グループの人々を連れて療養所を出ます。



しかし、外の世界も盲人で溢れ、無秩序に成り果てていました。
人々は残飯を漁り、見えない目を見開いて食べ物を奪い合っていました。

この映画は、いろんな比喩や示唆に富んでいると思いました。
突然の集団失明は単なるたとえに過ぎません。
聖書で言えば、ノアの方舟とか、バベルの塔に匹敵する出来事です。
おごった人間への神の怒りの象徴です。

問題は、突然陥った無秩序な世界で、人は何ができるのかということでしょう。

無秩序な世界とは、これから来ることが予想されている新型ウィルスによる病気が蔓延した世界かもしれない。

新しい戦争かもしれないし、世界大恐慌のようなものかもしれない。

人類の歴史はいままでも、幾度となく無秩序を乗り越えてきたし、いまもメイレレス監督の「シティオブゴッド」に描かれていたような貧困と暴力の街があるでしょうし、「ナイロビの蜂」で描かれた文明の届かない場所があるのでしょう。

平和の文明の恩恵にどっぷりの私たちは、他人事の様に、気がつかないだけです。

メイレレス監督に、平和な日常のすぐ隣り合わせにある無秩序の世界を見せられた観客たち。
人間って、生まれながらに悪なのかなあ?
想像するだけでも悲しい恐ろしい世界だけど、それも人間の本質の一部だと冷静に捉えて、この作品の様に、答えを探す努力も必要なのだと思いました。

ブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢

2008-11-26 12:45:00 | 映画ー劇場鑑賞
ーブロードウェイ♪ブロードウェイ コーラスラインにかける夢ー EVERY LITTLE STEP
2008年 アメリカ
ジェームズ・D・スターン監督

【解説】
ブロードウェイの伝説的ミュージカル「コーラスライン」再演を前に行なわれた、8か月間に渡る出演者オーディションに密着したドキュメンタリー。親友と一つの役を争う日本人ダンサーや、審査員に涙を流させるほど魅了する者など、栄光と挫折のリアルなドラマが繰り広げられる。またこの物語のスタートとなった、貴重なカセットテープや当時の出演者たちの証言も公開。初演時の衝撃や熱狂を知ることができるとともに、現在のダンサーたちの熱い思いから、この舞台に上がる夢の大きさが存分に伝わってくる。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
1975年初演の「コーラスライン」が再演されることとなり、19人のキャストを求め3千人ものダンサーたちがオーディションに集まった。ダンサーたちの半生を基に描かれたこのミュージカルに、誰もが「これはわたしの物語」とキャリアをかけて挑戦。4か月後の2次選考では演技や歌の審査もさらに激しさを増し、ついに運命となるキャスト発表の日が訪れる。(シネマトゥデイ)

【感想】
演出家マイケル・ベネットがいかに「コーラスライン」という作品を作っていったのかーベネットの声が入ったテープが流れます。
「ダンサーをたくさん集めてインタビューを行った。これをもとにミュージカルを作りたいんだ」
彼が情熱を傾けて創り上げたミュージカルは、1975年から90年にかけて、ブロードウェイで記録的ロングランとなりました。

この映画は、「コーラスライン」を2006年にブロードウェイで再演するために行われたオーディションの実録です。

「コーラスライン」は、日本でも劇団四季が上演して、大評判でしたが、私は残念ながら見ていません。
「コーラスライン」もオーディションを受けるダンサーの様子をミュージカルにしたものですが、この映画のオーディションはまさにそのもの。
オーディションを受ける人たちと、セリフが重なり合って、共鳴していきます。

書類選考をくぐって、最初に面接を受けてから、最終選考まで8ヶ月。

その間にも、ダンサーたちにはひとりひとりの生活があって、日常があって、人生があります。

それでも、ひとつの役を得るために、レッスンを重ね、精進し、努力をする様子が映し出されます。

選考する側にも、この作品に対する、ひとりひとりの思い入れがあり、レッスンや振り付けを指導しながら、結果を見守ります。

一番感動したのは、ポールというゲイの役を演じた人の演技。
あまり真に迫っているものですから、選考する側の人たちも泣いていました。
演技ってなんだろう。
この短時間の間に、人の心の中にいとも簡単に入り込んで、揺すぶって泣かせてしまう。
ほんとうに不思議です。

重要な役にノミネートされた人たちは、いずれもキャリアも名前もある人たちのようでした。
素人目には甲乙付け難くても、合否が非情に告げられます。

合格を受け取った人の涙、真珠のように清らかで美しいです。

でも、不合格になった人も決して落ち込むことはありません。
この役に自分は合わなかったけれども、いつか自分が主役になれる役があるに違いない。
その日を信じて、さらに技術を磨いて行くのです。

そのストイックな生き方、それがブロードウェイなのでしょう。
そういう、人々の真摯な努力の積み重ねがあって、世界のブロードウェィとして君臨し続けているのだと思いました。

沖縄出身の女性が合格したのもうれしいことでした。
すごいがんばりやさんですね。
彼女の英語の発音に、不安を持つ選考委員もいたのに、それをはねとばすエネルギッシュな演技でした。

テラビシアにかける橋

2008-11-26 12:28:19 | 映画ーDVD
ーテラビシアにかける橋ーBRIDGE TO TERABITHIA
2007年 アメリカ 
ガボア・クスポ監督 キャサリン・パターソン原作 
ジョシュ・ハッチャーソン(ジェス・アーロンズ)アンナソフィア・ロブ(レスリー・バーク)ズーイー・デシャネル(エドマンズ先生)ロバート・パトリック(ジャック・アーロンズ)ベイリー・マディソン(メイベル・アーロンズ)ケイト・バトラー(メリー・アーロンズ)デヴォン・ウッド(ブレンダ・アーロンズ)エマ・フェントン(エリー・アーロンズ)グレイス・ブラニガン(ジョイス・アーロンズ)レイサム・ゲインズ(ビル・バーク)ジュディ・マッキントッシュ(ジュディ・バーク)

【解説】
国際アンデルセン賞を受賞したキャサリン・パターソンの同名ベストセラー児童小説を映画化。いじめられっ子の少年と風変わりな少女が空想の王国テラビシアを作り上げ、友情を育んでいく姿を描く。監督はアニメ界出身のガボア・クスポ。主人公の少年少女を『ザスーラ』のジョシュ・ハッチャーソンと『チャーリーとチョコレート工場』のアナソフィア・ロブが演じる。CG技術を駆使して描いた子どもたちの空想世界と、涙を誘う感動のストーリーが見どころ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
女兄弟ばかりの貧しい家庭で育った小学5年生のジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)と、引っ越してきたばかりの個性的な少女レスリー(アナソフィア・ロブ)。学校を牛耳るいじめっ子のターゲットにされてばかりの2人はやがて親友同士となり、近所の森に美しい空想上の王国“テラビシア”を作る。(シネマトゥデイ)

【感想】
もっと、異世界を描いたファンタジー映画だと思っていました。

でも、この作品は、子供のの想像力の持つ意味と大切さを描いている作品でした。

貧しい家庭、父は働き詰めの上に、兄弟でたった一人の男であるジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)に仕事をどんどん言いつける。
母からは女物のお古を使うように命じられる。
姉二人にも抑えつけられ、妹の面倒を押し付けられ、母も赤ちゃんの世話と家事で精一杯で、ジェスにかまう暇はない。

学校ではいじめられっ子で、ジェスの唯一の楽しみは、絵を描くことだった。

絵を描いて想像の世界に閉じこもっているジェス。

そこに転校生のレスリーが現れた。
レスリーは、芸術家の両親の元で自由な独特の感性を持った女の子。
彼女に誘われて、二人は川の向こうの森に入っていった。
レスリーが「心の目を開けてみてごらん」という。
ジェスの目の前に魔法の国が現れ、二人は想像の王国「テラビシア」を創り上げた。

大人になったら忘れてしまう、トム・ソーヤーやハックル・ベリーフィンが作り出す冒険の世界。
でも、それは、現実を受け入れて大人になって行くために必要な生きる力や強さを教えてくれる世界でもあったのですね。

未知の世界に飛び込むための勇気や、闘う強さや、仲間を思いやる気持ちなど。
大人になっても必要な生きる力。

ジェスが悲しみを乗り越えて、テラビシアの王になって行く姿に、感動を覚えました。
愛と寛容を学んだんだね。

大人にも、忘れていたものを思い出させてくれるいい作品でした。

ネコナデ

2008-11-21 14:24:31 | 映画ーDVD
ーネコナデー
2008年 日本
監督=大森美香 キャスト=大杉漣(鬼塚太郎)青山倫子(君島凛子)黒川芽以(田中亜里沙)入山法子(久我珠代)立花彩野(長島道子)桜井聖(鈴木一郎)海東健(西条康文)小林且弥(山下カズキ)EMI[モデル](益田トモヨ)六角精児(大野恵輔)和田聰宏(飯島丈)滝沢涼子(ファミレス店員)矢木初季(鬼塚真由)福沢重文(千住晃司)もたいまさこ(鴻池真)螢雪次朗(間島新次)原日出子(鬼塚静子)鶴見辰吾(辰美孝四郎)

【解説】
企業戦士として働いてきた男が、1匹の子猫との出会いによって新しい人生の第一歩を踏み出すまでを描く心温まる物語。いたいけな子猫の魅力で、周りの人々が少しずつ変化していく過程をじっくりとカメラがとらえる。監督は『デトロイト・メタル・シティ』などの脚本も手掛ける大森美香。子猫に翻弄(ほんろう)される主人公を『築地魚河岸三代目』の大杉漣が熱演する。その存在が罪なほど愛くるしい子猫のしぐさと表情を見ているだけで、十分心癒される。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
一流企業の人事部長としてリストラを担当する鬼塚(大杉漣)は、ある晩公園で段ボールに入った子猫を見つける。一度は無視して通り過ぎたものの、結局は子猫をこっそり自宅に連れ帰ってしまう。これまでの厳格な態度のせいで妻(原日出子)や娘(矢木初季)にそのことを言い出せない鬼塚は、会社が研修用に借りている施設の一室で子猫を飼い始める。(シネマトゥデイ)

【感想】
鬼塚さんに拾われた子猫、鬼塚トラ。
この子猫ちゃん、ものすごーくかわいい。
去年愛犬を亡くした私にとっては、「猫でもいいかなあ」と思わせるかわいさでしたよ。

本編はなかなかシビアです。
ある会社の人事部長の鬼塚太郎さん。
一方の手でリストラ、一方の手で新人研修。
なかなかのやり手、非情な男に見えます。

その彼が、めろめろになって携帯で動画なんかをながめているのが、くだんの猫トラであります。
そんな一面は、会社の人にはもちろん、家族にも絶対に見せられない。

☆ネタバレ
彼が、あのタイミングで会社を辞めると言ったのは、トラのせいで人間性を取り戻したというのではないと思います。
なぜなら、あの明るい奥さんも、かわいい一人娘も、嫌みな社員を演じていた部下の君島さんも、そういう鬼塚さんが好きだということがほんと、よく表現されていたからです。

鬼塚さんは、演じている大杉蓮さん同様、人柄がにじみ出る人なんですね。

というわけで、この作品、ネコナデというより、大杉蓮さんをなでなでするような映画でした。

社長に「あなたが好きになれなかったから」と言って辞表を出す鬼塚さん、かっこいいです。

でも、あの笑顔のすてきな奥様とかわいいお嬢ちゃんのことを考えたら、ちょっと複雑な気分で見終わった私です。

あの素敵な家のローンはもう払い終わっているのかなあ?とか…
余計なお世話ですけどね。

エレファント

2008-11-18 12:14:02 | 映画ーDVD
ーエレファントーELEPHANT
2003年 アメリカ
ガス・ヴァン・サント監督
ジョン・ロビンソン(ジョン)アレックス・フロスト(アレックス)エリック・デューレン(エリック)イライアス・マッコネル(イーライ)ジョーダン・テイラー(ジョーダン)ティモシー・ボトムズ(ジョンの父)

【解説】
全米を震撼させたコロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件に衝撃を受けた、『誘う女』のガス・ヴァン・サント監督入魂の問題作。彼は世界に向けて「なぜ?」と問い続ける。素人の高校生の実体験から真実の言葉を引き出した本作は、2003年のカンヌ国際映画祭で史上初のパルム・ドールと監督賞のW受賞という快挙を果たした。“あの事件”の脆くて傷つきやすい少年達の日常がリアルで切ない。静かだが強い衝撃を残す最高傑作だ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
オレゴン州ポートランド郊外の高校。ジョン(ジョン・ロビンソン)はアル中の父親のせいで遅刻し、イーライ(イライアス・マッコネル)はカメラ片手に公園を散歩。いつもと同じ一日のはずだったが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
ガス・ヴァン・サント監督の「パラノイド・パーク」があまりにもわからなかったものだから、評価の高いこの作品を見ることにしました。

タイトルは、盲目の男たちが象を触り、部分的な感触からある者は木、ある者は蛇を連想したが、誰も象の全体像を把握できなかったという仏教の寓話に由来するそうです。

種あかしをすれば、この作品は、全米を震撼させたコロラド州コロンバイン高校の銃撃事件から衝撃を受けて作られたものです。

でも、何も知らずに見ていると、やけに美しい秋の空と、のんびりした高校生活の描写が全編の9割を占めています。

繰り返し繰り返しながれる高校生たちの日常のなかに、ひとりひとりに名前があり、個性があり、悩みがあることが観客にも伝わってきます。

美しいピアノの旋律。
それを奏でている少年の胸の内は誰にもわかりません。
彼は、シューティングゲームを淡々とこなし、宅配ピザでも頼むように銃を何丁も買い、武装して高校へ乗り込みます。
性的な経験のないことも、学校でいじめに遭っていることも描かれていますが、これは重要な情報なのでしょうか?

撃たれる側にも、仲間はずれになっている女子高生がいました。
みんな、高校生なんです。

この作品は「ボーリング・フォー・コロンバイン」のように「なぜ?」とは問いかけません。
もちろん、答えもありません。
観客に問題は丸投げされています。
そこに、この監督の観客への信頼が感じられ、知性の高い作品だと思いました。

こういう事件が起きないように、ひとりひとりが何をすればいいのか、考えるきっかけになる映画の一つだと思いました。