ーダークナイトーTHE DARK KNIGHT
2008年 アメリカ
クリストファー・ノーラン監督
クリスチャン・ベイル(ブルース・ウェイン/バットマン)マイケル・ケイン(アルフレッド)ヒース・レジャー(ジョーカー)ゲイリー・オールドマン(ゴードン警部補)アーロン・エッカート(ハーベイ・デント検事)マギー・ギレンホール(レイチェル・ドーズ)モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス)
【解説】
映画『バットマン ビギンズ』の続編で、バットマンの最凶最悪の宿敵であるジョーカーの登場で混乱に陥ったゴッサムシティを守るべく、再びバットマンが死闘を繰り広げるアクション大作。監督は前作から続投のクリストファー・ノーラン。またクリスチャン・ベイルも主人公、バットマンを再び演じる。そして敵役のジョーカーを演じるのは2008年1月に亡くなったヒース・レジャー。シリーズで初めてタイトルからバットマンを外し、新たな世界観を広げたダークな展開に目が離せない。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
悪のはびこるゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)の協力のもと、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪撲滅の成果を上げつつあった。だが、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者の台頭により、街は再び混乱と狂気に包まれていく。最強の敵を前に、バットマンはあらゆるハイテク技術を駆使しながら、信じるものすべてと戦わざるを得なくなっていく。(シネマトゥデイ)
【感想】
ヒース・レジャーの「ジョーカー」。
ジャツク・ニコルソンの「ジョーカー」も、十分インパクトがあったから、どんなジョーカーかと興味津々でしたが、うーん、すごい。
永遠に自分のものにしてしまいましたね。
合掌。
タイトルから「バットマン」の名前が外れているのも納得するほど、ジョーカーの存在感は強烈でした。
人間の弱みを知り尽くし、あらゆる弱点をついてくるジョーカーの狡猾さ、冷徹さ、あらゆる悪を体現していいました。
極悪非道ー私はこれほどまでに徹底した悪を、スクリーンで見たことがないと思いました。
でも、この映画はヒースの演技力だけじゃない。
バットポッドで、マントを翻しながら夜の町を疾走するバットマン(クリスチャン・ベイル)にもしびれててしまいます。
体を振動させるほどの音も、すごいです。
さらにすごいのは、この映画が投げかけている、正義とは何かという問いかけでした。
際立った正義のすぐそばにあるダークサイド。
落ち込めば、すぐにトゥーフェイスの悲劇があるようでした。
現代の複雑な世相を表現しているようです。
また、マイケル・ケインとモーガン・フリーマンが、この暗く重たい話を引き締めていました。
☆ネタバレ
ゴッサムシティに渦巻く強烈な悪のエネルギー。
光の騎士(正義=ハーベイ・デント検事=アーロン・エッカート)と闇の騎士(必要悪=バットマン)の対立を軸に、どちらにもジョーカーが絡んで、さらに深い闇へ二人とも引き込まれて行きます。
ジョーカーの武器はナイフだけではありません。
人間の愛や優しさやプライドという本来強いもののすぐそばにある、欲望や保身、嫉妬という弱みを実に巧みに利用して、一瞬の心の隙を攻撃して来るのです。
人間性とはかくも脆く、簡単に崩れ去ってしまうのか?
観客は迷い、怯え、最後には光の騎士が、スターウォーズでアナキンがダークサイドに捕えられたのと同じように、トゥーフェイスとなって闇に落ちていく様子を見るのです。
バットマンは、すべの出来事を闇に飲み込み、ダークナイトと生きていく道を選びます。
過酷な闇のヒーローとしての道をー。
娯楽性という意味にも、アクション性という意味でも、文句なしに面白い映画です。
さらに、内容も深いし、キャストも豪華。
公開されたら、劇場にも見に行くつもり。
ヒースはオスカーを獲るのかなあ?