マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ダークナイト(試写会)

2008-07-31 17:50:52 | 映画ー劇場鑑賞


ーダークナイトーTHE DARK KNIGHT
2008年 アメリカ
クリストファー・ノーラン監督 
クリスチャン・ベイル(ブルース・ウェイン/バットマン)マイケル・ケイン(アルフレッド)ヒース・レジャー(ジョーカー)ゲイリー・オールドマン(ゴードン警部補)アーロン・エッカート(ハーベイ・デント検事)マギー・ギレンホール(レイチェル・ドーズ)モーガン・フリーマン(ルーシャス・フォックス)

【解説】
映画『バットマン ビギンズ』の続編で、バットマンの最凶最悪の宿敵であるジョーカーの登場で混乱に陥ったゴッサムシティを守るべく、再びバットマンが死闘を繰り広げるアクション大作。監督は前作から続投のクリストファー・ノーラン。またクリスチャン・ベイルも主人公、バットマンを再び演じる。そして敵役のジョーカーを演じるのは2008年1月に亡くなったヒース・レジャー。シリーズで初めてタイトルからバットマンを外し、新たな世界観を広げたダークな展開に目が離せない。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
悪のはびこるゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)の協力のもと、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪撲滅の成果を上げつつあった。だが、ジョーカーと名乗る謎の犯罪者の台頭により、街は再び混乱と狂気に包まれていく。最強の敵を前に、バットマンはあらゆるハイテク技術を駆使しながら、信じるものすべてと戦わざるを得なくなっていく。(シネマトゥデイ)

【感想】
ヒース・レジャーの「ジョーカー」。
ジャツク・ニコルソンの「ジョーカー」も、十分インパクトがあったから、どんなジョーカーかと興味津々でしたが、うーん、すごい。
永遠に自分のものにしてしまいましたね。
合掌。

タイトルから「バットマン」の名前が外れているのも納得するほど、ジョーカーの存在感は強烈でした。
人間の弱みを知り尽くし、あらゆる弱点をついてくるジョーカーの狡猾さ、冷徹さ、あらゆる悪を体現していいました。
極悪非道ー私はこれほどまでに徹底した悪を、スクリーンで見たことがないと思いました。

でも、この映画はヒースの演技力だけじゃない。
 バットポッドで、マントを翻しながら夜の町を疾走するバットマン(クリスチャン・ベイル)にもしびれててしまいます。
体を振動させるほどの音も、すごいです。

さらにすごいのは、この映画が投げかけている、正義とは何かという問いかけでした。
際立った正義のすぐそばにあるダークサイド。
落ち込めば、すぐにトゥーフェイスの悲劇があるようでした。
現代の複雑な世相を表現しているようです。

また、マイケル・ケインとモーガン・フリーマンが、この暗く重たい話を引き締めていました。

☆ネタバレ
ゴッサムシティに渦巻く強烈な悪のエネルギー。
光の騎士(正義=ハーベイ・デント検事=アーロン・エッカート)と闇の騎士(必要悪=バットマン)の対立を軸に、どちらにもジョーカーが絡んで、さらに深い闇へ二人とも引き込まれて行きます。

ジョーカーの武器はナイフだけではありません。
人間の愛や優しさやプライドという本来強いもののすぐそばにある、欲望や保身、嫉妬という弱みを実に巧みに利用して、一瞬の心の隙を攻撃して来るのです。

人間性とはかくも脆く、簡単に崩れ去ってしまうのか?
観客は迷い、怯え、最後には光の騎士が、スターウォーズでアナキンがダークサイドに捕えられたのと同じように、トゥーフェイスとなって闇に落ちていく様子を見るのです。

バットマンは、すべの出来事を闇に飲み込み、ダークナイトと生きていく道を選びます。
過酷な闇のヒーローとしての道をー。

娯楽性という意味にも、アクション性という意味でも、文句なしに面白い映画です。
さらに、内容も深いし、キャストも豪華。

公開されたら、劇場にも見に行くつもり。

ヒースはオスカーを獲るのかなあ?

ヒート

2008-07-31 17:44:40 | 映画ーDVD
ーヒートーHEAT
1995年 アメリカ マイケル・マン監督 アル・パチーノ(ヴィンセント・ハナ)ロバート・デ・ニーロ(ニール・マッコーリー)ヴァル・キルマー(クリス)ジョン・ヴォイト(ネイト)トム・サイズモア(チェリト)ダイアン・ヴェノーラ(ジャスティン)エイミー・ブレネマン(イーディ)アシュレイ・ジャッド(シャーリーン)ウェス・ステューディ(カザルス)ミケルティ・ウィリアムソン(ドラッカー)テッド・レヴィン(ボスコ)ナタリー・ポートマン(ローレン)デニス・ヘイスバート(ドナルド)ウィリアム・フィクトナー(ヴァン・ザント)ケヴィン・ゲイジ(ウェイングロー)ダニー・トレホ(タウナー)

【解説】
犯罪のプロフェッショナル、ニール・マッコーリーは、クリス、チェリト等と現金輸送車を襲い有価証券を奪う。捜査にあたるロス市警のヴィンセント・ハナは、少ない手掛かりから次第にマッコーリー達へ近づいていく。マッコーリーは本屋の店員イーディと出逢い、次の銀行強盗を最後に堅気の暮らしに入ろうと決意していた。やがて決行の時、タレ込みを受け現場に駆けつけたハナ達と、マッコーリー一味は、壮絶な銃撃戦を繰り広げるのだった……。(allcinema ONLINE)

【感想】
評価の高い映画、近所のバーのマスターから借りて、やっと見ることができました。

アル・パチーノとロバート・デ・ニーロ+マイケル・マン監督。
共演がヴァル・キルマー、ジョン・ヴォイト、アシュレイ・ジャッド、ナタリー・ポートマン…すごいー。

でも、豪華キャストだけではありませんでした。
噂に違わない、はらはらどきどきがいっぱい、しかもしっかりした人間ドラマでした。

追う人間ーシカゴ警察のヴィンセント・ハナ(アル・パチーノ)は仕事熱心のあまり、2度の離婚。
3度目のジャスティン(ダイアン・ヴェノーラ)とも、さざなみがたっている。
ジャスティンには年頃の娘ローレン(ナタリー・ポートマン)がいる。

追われる人間ーニール・マッコーリー(ロバート・デ・ニーロ)は、仲間のクリス(ヴァル・キルマー)やチェリト(トム・サイズモア)と現金輸送車を襲ったが、盗んだのは高額の有価証券だった。
しかも、誰も殺さないつもりが、ウェイングローのヘマから、皆殺しをするはめになり、次第に窮地に陥っていく。

ニールは、本屋に勤めるイーディ(エイミー・ブレネマン)と出会い、やっと人間的な暮らしを取り戻そうと決心し、銀行強盗を最後にヤマにして、逃亡を企てるが…。

この映画は、銃撃戦も見どころですが、それぞれの人物が、人間性を回復させていくお話しになっていました。

クリスとシャーリーン(アシュレイ・ジャド)のエピソードも、二人の思いが交錯する様子がきめ細かく描かれていてよかった。
クリスは、警察の手を逃れるのに成功しました。
犯罪に手を染めそうになる恋人をさとす女性もよかった。
結局彼は恋人の言うことを聞かず、銀行強盗の運転手となって、カーチェイスの果て撃たれてしまうのですが。

タウナー(ダニー・トレホ)のエピソードも、仲間を裏切るのは愛する女性のためだったし、ニールが、イーディとの人生を選んだ後に、復讐に向かっていって、結局何もかも失ってしまうという、ある意味人間性に溢れた結末にも、メッセージ性を感じました。
イーディに会う前の彼は、本当に冷静沈着だったもの。

ハナとニールがお茶を飲みながら話し合うシーンは、緊張感が一杯で、面白かった。
二人とも一歩も引かない、演技対決でした。

たくさんの要素が盛り込まれているのに、冗長さはなく、ほんとうに名作だと思いました。

灯台守の恋

2008-07-31 17:37:45 | 映画ーDVD
ー灯台守の恋ーL' EQUIPIER/THE LIGHT
2004年 フランス フィリップ・リオレ監督 サンドリーヌ・ボネール(マベ)フィリップ・トレトン(イヴォン)グレゴリ・デランジェール(アントワーヌ)エミリー・ドゥケンヌ(ブリジット)

【解説】
人間観察には定評のある『パリ空港の人々』のフィリップ・リオレ監督による、大人向けのほろ苦いラブロマンス。『仕立て屋の恋』のサンドリーヌ・ボネールと、『ボン・ヴォヤージュ』の美形俳優、グレゴリ・デランジェールが許されざる恋に悩む男女を好演する。1960年代のブルターニュの島の、荒けずりだが美しい自然も一見の価値あり。派手さには欠けるものの、人生で大切な何かをそっと思い出させてくれる秀作。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
カミーユ(アン・コンサイニー)は両親の家を売るため、故郷のブルターニュ地方に戻ってくる。そして偶然、灯台守だった父(フィリップ・トレトン)と母(サンドリーヌ・ボネール)の秘密を知るのだった。(シネマトゥデイ)

【感想】
この映画を見終わったとき、「マディソン郡の橋」みたいだなあと思いました。
主婦の不倫がテーマですが、この作品には、夫との男同士の友情も描かれ、より切ない感じでした。

物語は、両親が残した海辺の家の売買契約に来た娘カミーユ(アン・コンサイニー)が、両親のことを書いた小説を手にして読み始めるところから始まります。

社会から置き忘れられたような海辺の村で生まれ育ったマベ(サンドリーヌ・ボネール)。
マベに惚れてこの村に住みつき、マベの父の跡を継ぎ、辛い灯台守の仕事を淡々とこなす夫イヴォン(フィリップ・トレトン)。
二人は、子供を待ち望んでいるが、まだできない。

そこへ、新入りのよそ者アントワーヌ(グレゴリ・デランジェール)が灯台守として赴任してきた。
好青年だが、手を怪我していて、その理由が謎に包まれている。
しかも、未経験者。
灯台守仲間は、自分の身内を後がまに据えようと、あからさまな嫌がらせや仲間はずれにし、中央に対して、彼の退去の嘆願書活動までし始めた。

イヴォンはアントワーヌと仕事をするうちに、彼の人柄に好感を持つようになる。
しかし、彼の妻マベはそれ以上にアントワーヌに興味を持ち、アントワーヌも彼女に心を引かれ、お祭りの夜に、二人は激情に駆られ一線を越えてしまいます。

イヴォンヌはその事実を知りますが、嵐の夜に海に落ちそうになったアントワーヌを、葛藤の末助けます。

アントワーヌは、戦争で傷ついた手の怪我のわけを語り、その後村から去っていきました。

そして生まれたカミーユ。
イヴォンが彼女を溺愛したことを叔母から聞かされ、思い出の詰まった家を売ることを断念する、という物語でした。

この話が語られているとき、両親が故人というのがミソですね。
きれいに語ることができますから。

私は、イヴォンが哀れに思いました。
彼は、小さな村のなかで、灯台守として、マベの夫として生きることしかできなかったのですもの。
そう思うと、彼が作り続けた椅子の意味もわかるような気がしました。

ビー・ムービー

2008-07-31 17:31:10 | 映画ーDVD
ービー・ムービーーBEE MOVIE
2007年アメリカ 
スティーヴ・ヒックナー 、サイモン・J・スミス監督 ジェリー・サインフェルド 、スパイク・フェレステン 、バリー・マーダー 、アンディ・ロビン脚本 ジェリー・サインフェルド(バリー・B・ベンソン)レネー・ゼルウィガー(ヴァネッサ・ブルーム)マシュー・ブロデリック(アダム・フレイマン)ジョン・グッドマン(レイトン・T・モンゴメリー)クリス・ロック(シカッチ)パトリック・ウォーバートン(ケン)キャシー・ベイツ バリー・レヴィンソン ラリー・キング レイ・リオッタ スティング オプラ・ウィンフリー

【解説】
シュレック』シリーズのドリームワークスが放つ新作アニメ。働きバチのバリーが人間の世界を舞台に繰り広げる冒険模様を描く。監督は『プリンス・オブ・エジプト』のステーヴ・ヒックナーら。脚本と主人公バリーの声を大ヒット・ドラマ『となりのサインフェルド』のジェリー・サインフェルドが務めている。そのほか、レネー・ゼルウィガー、マシュー・ブロデリックらも声優参加。小さなハチの大いなる奮闘を家族そろって楽しみたい。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
新米の働きバチ、バリー(ジェリー・サインフェルド)は毎日の仕事にうんざりし、巣の外へ冒険に出ることを思い付く。心優しい花屋のヴァネッサ(レネー・ゼルウィガー)と友だちになった彼は、ある時、スーパーで大量のハチミツを発見する。「どうして人間が僕たちのハチミツを持っているの?」と疑問を抱いたバリーは、ハチミツ工場に忍び込むが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
ドリームワークスらしい、皮肉の利いたアニメです。

大学卒業したばかりの働きばちバリー(ジェリー・サインフェルド)は、明日から働く職場の見学に、親友のアダム(マシュー・ブロデリック)たちと出かけます。
とてもシステム化された社会。
でも、仕事内容は一度しか選べず、死ぬまでその仕事をすることを知り、バリーは不安を覚えます。

父やアダムはその人生に満足している様子。
バリーは広く社会を見たくて、花粉レンジャーとともに外の世界へ飛び出していきました。

危ういところをヴァネッサ(レネー・ゼルウィガー)に救われ、言葉がしゃべれることも告白して友達になります。

ある日、ヴァネッサと出かけたスーパーマーケットでレイ・リオッタ製のハチミツが並んでいることに驚きました。
そして、ハチには何も知らされずにハチミツが奪われている養蜂場の実体を知り、裁判を起こすことに…。

最初は、人間社会を皮肉っているのかと思って見ていたら、次には環境問題に行くのかなあ、と思っていたら、急に裁判になって「ハチの権利」を争い、最終的には、ハチの団結の大切さで集結しました。

すごくきれいな映像で、セリフは皮肉だし、声優陣も豪華、レイ・リオッタやスティングが実名で登場したりして、大人向けの内容ですが、テーマがぶれる感じなのが、残念でした。

そういえば、昔「ミツバチマーヤの冒険」が大好きでした。
一応アニメなんだから、ハチの世界を正確に子供に教えるためにも、ミツバチの主人公は女の子がいいと思うなあ。

そもそもコメディアンで人気者らしいジェリー・サインフェルドを知らない私。
私のような人には、このアニメの本当の面白さは伝わらないように思いました。

「ハリー・ポッターと死の秘宝」(ハリー・ポッターシリーズ第七巻)

2008-07-25 18:48:59 | 読書
ー「ハリー・ポッターと死の秘宝」 (ハリー・ポッターシリーズ第七巻)ー
J. K. ローリング (著), 松岡 佑子 (翻訳)
出版社: 静山社 (2008/7/23)
発売日: 2008/7/23

【感想】
わぁお!!
読んでしまいました。

本の発売が世界的なニュースになる本。
すごいなあ。
しかも、日本では翻訳の都合で長い間待たされましたからね。
ほんと、心躍らせて待ち続けましたよ。

主人公たちの誰かが死ぬとか、いろいろな噂や憶測がありましたが、結局雑音は耳に入ってこず、物語に集中して読むことができました。

この7巻では、いままでの謎も全部解き明かされていくし、ものすごいことが次から次へと起きるんだけど、文章は冷静で、むしろ淡々と描かれていました。

子供向きのお話だからと、きれいごとに逃げるのではなく、人生にとって、本当に大切なことは何かーというテーマが、物語の隅々まで貫かれていました。

また、1巻から読み直せば、最初に読んだ世界とは違う世界が広がっているんじゃないかなあ。

想像力をかきたてる長編物語。
大満足の第7巻でした。

しばらく、余韻を楽しみたいと思います。

崖の上のポニョ

2008-07-22 12:37:39 | 映画ー劇場鑑賞
ー崖の上のポニョー
2008年 日本 監督=宮崎駿
山口智子(リサ)長嶋一茂(耕一)天海祐希(グランマンマーレ)所ジョージ(フジモト)土井洋輝(宗介)奈良柚莉愛(ポニョ)柊瑠美(婦人)矢野顕子(ポニョのいもうと達)吉行和子(トキ)奈良岡朋子(ヨシエ)

【解説】
大ヒットを記録した前作『ハウルの動く城』以来4年ぶりに宮崎駿監督が手掛けた心温まるファンタジー。アンデルセン原作の童話「人魚姫」を基に、人間になりたいと願うさかなの子と5歳の男の子の友情と冒険を生き生きと描く。『風の谷のナウシカ』以来長年宮崎作品の音楽を担当してきた久石譲が今回も音楽を担当し、美しい音色で作品を盛り上げる。CG映像全盛の今だからこそ、あくまで手描きアニメーションにこだわった驚異の映像は必見。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
5歳の少年宗介は、海辺の小さな町のがけの上の一軒家で暮らしていた。市街地から外れた彼の家の周囲には何もさえぎるものはなく、ただただ青く美しい海と空が広がっている。仕事で留守になりがちな父親の不在を寂しく思っていた宗介だったが、ある日、浜でさかなの子ポニョと出会うことでその寂しさも忘れ、やがて2人は強いきずなで結ばれていく。(シネマトゥデイ)

【感想】
やはり、日本のアニメは宮崎駿さんが先頭を走っているのでしょうか。
この作品も、レベルは高いと思いました。

一番が、子供の動き、仕草。
丁寧に表現されていて、涙が出そうになるほどかわいい。
ポニョがラーメンを食べながらねむッちゃうシーン、何かに夢中になっていると思ったら、目がとろんとして来る様子、すごーくかわいい。
走る姿も、「トトロ」のメイちゃんみたいだけど、もっと勢いがありました。

リサが、荷物を抱えて、置いて、ドアを開ける前にそれをずらしてーすごく繊細な動きで驚きました。
これは、アメリカのアニメにはないニュアンスです。
いいなあ。

それでいて、スピード感は損なわれていません。
すごい技術ですね。

今回は宮崎さん自身も手書きアニメーションにこだわったそうですが、ほんとうに素敵でした。

 もう一人の主人公・宗介

ただ、ストーリーは「ハウルの動く城」と同じで、ラストは「魔法」という言葉に逃げてしまったという印象でした。
「魔法」は大切だけど、「愛」のためには失っても惜しくないもの。
じゃあ、宮崎監督にとって「魔法」って何なの?という感じ。
私が考えている「魔法」とは違う気がするなあ。

ポニョのお父さんが、人間を止めた理由も描かれていなかったし、バックグラウンドには大きなテーマが隠されているようにみせて、(難しすぎて、観客にはついてこれないから?)踏み込むのは止めた感じでした。

一度聞いたら、耳から離れない主題歌。
予告編のバージョンと、エンディングに流れていたのとは、違っていました。

この曲は、ヒットするでしょうね。

 ポニョもかわいいけど、妹たちもかわいーい

ヒーロー/靴をなくした天使

2008-07-22 12:19:03 | 映画ーDVD
ーヒーロー/靴をなくした天使ーHERO/ACCIDENTAL HERO
1992年 アメリカ 
スティーヴン・フリアーズ監督 ダスティン・ホフマン、ジーナ・デイヴィス、アンディ・ガルシア、ジョーン・キューザック、ケヴィン・J・オコナー、スティーヴン・トボロウスキー、スージー・キューザック

【解説】
D・ホフマン主演による、ほろ苦いユーモアと恋の物語。ある日、飛行機事故にあい、倒れた座席に挟まれ身動きがとれなくなった敏腕TVリポーター、ゲイル。その燃える機内から彼女と乗客達を助け出したある男がいた。しかしその男は、泥だらけの顔のまま名も告げずに立ち去ってしまう……。(allcinema ONLINE)

【感想】
ダスティ・ホフマンとアンディ・ガルシアの共演。

人命を救った真のヒーローは、留置場に入っていたという皮肉なお話。

有事のヒーローと言われるように、バーニー(ダステイン・ホフマン)はそういう人かもしれない。
平時には、なんの役にも立たない人間だけど、何かあったら俄然その能力を発揮する人。

バーニーは、偶然出くわした飛行機事故で、救助隊もできない活躍で人命を救った。

でも、人に誉められたいという欲も、発想もない人間。
一張羅の靴をなくしたことをののしりながら、その場を立ち去った。

ジョン・バーハー(アンディ・ガルシア)は、本来英雄であるべき人間だが、人生の不運が重なり、社会のどん底にいる男。

運命のイタズラか、バーニーから汚れた片方だけの靴を渡されたことで、ジョンは嘘をつき、このことで運命が大きく変わっていく。
このときのジョンは、ヒーローになることが目的ではなく、あまりの貧しさから、報奨金が欲しかっただけなのですが。

マスコミの報道は、検証を怠り、真実をねじ曲げ、どんどん加熱していく。

その先頭を走るのがゲイル(ジーナ・デイヴィス)。
ジャーナリズムにのめり込む女。

私たちの目に見えている報道の限界を見るような映画でした。
美談の裏、時代のヒーローの正体。

そして、蓋をされて闇の中に置かれた真実。

この映画の場合、当事者たちはわかっているんだからいいし、こういう大人の解決もあっていいと思いました。

真実を明らかにするばかりが、人生じゃない。

なかなか皮肉のこもった結末でした。

俺たちフィギュアスケーター

2008-07-22 11:11:18 | 映画ーDVD
ー俺たちフィギュアスケーターーBLADES OF GLORY
2007年 アメリカ ウィル・スペック 、ジョシュ・ゴードン監督 ウィル・フェレル(チャズ・マイケル・マイケルズ)ジョン・ヘダー(ジミー・マッケルロイ)ウィル・アーネット(ストランツ・ヴァン・ウォルデンバーグ)エイミー・ポーラー(フェアチャイルド・ヴァン・ウォルデンバーグ)クレイグ・T・ネルソン(コーチ)ジェナ・フィッシャー(ケイティ・ヴァン・ウォルデンバーグ)ウィリアム・フィクトナー(ダレン・マッケルロイ)ロマニー・マルコ(ジェシー)ニック・スウォードソン(ヘクター)ロブ・コードリー(ブライス)

【解説】
ライバル同士だった男子フィギュアスケート選手が、男同士でペアを組むことになる爆笑コメディ。『主人公は僕だった』のウィル・フェレルと『バス男』のジョン・ヘダーが、厳しい特訓の末に体得した優雅でかわいらしいフィギュアの技を披露。ばかばかしさ満載の中、前回の冬期五輪・トリノ大会女子フィギュアで銀メダルを獲得したサーシャ・コーエンなど、豪華スケーターたちの競演も見どころ。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
マッチョで派手な演出を売りにしているフィギュアスケーターのマイケルズ(ウィル・フェレル)と、繊細(せんさい)なナルシストのマッケルロイ(ジョン・へダー)は世界選手権で同点1位となり、表彰台で大乱闘を繰り広げてしまう。2人は男子シングル部門から永久追放の裁を受けるが、男子ペア部門での復活に望みをかけペアを組みスケートリンクに上がることに……。(シネマトゥデイ)

【感想】
アメリカのドタバタコメディーは、本国でヒットしても日本で公開されることは少ないと聞きますが、これは劇場も期間も少なくても、公開されていました。
でも、私もこの手の映画、得意とは言えないので、敬遠気味に見に行かないでいたのです。

でも、これは面白かったー。
劇場で見たかったー。

まず、あの!!「バス男」のジョン・ヘダーがモテモテのフィギュアスケーターって無理があるでしょう?
それが、いい男に見えてくるから不思議。
どこでだまされたんだろう。
出っ歯は隠せないのに。

そして、ウィル・フェレルがいつものように下ネタバリバリで演じているのに、嫌みがない。
フィギュアスケーターの体型ではないのに、そう見えてくるから、これも不思議。

この二人がフィギュアスケーターに見えたら、もうOK!!
げらげら笑ってみてしまいます。
何から何まで面白い。
笑いたい人にお薦めですよ。

ルーク・ウィルソンがちらっと出てるし、ナンシー・ケリガン、サーシャ・コーエンといった、本物の選手たちが出ているところも見どころです。

タカダワタル的ゼロ

2008-07-18 12:22:12 | 映画ー劇場鑑賞
ータカダワタル的ゼロー
2008年 日本
白石晃士=監督 高田渡、泉谷しげる、佐久間順平、キヨシ小林、冨岡雅佳、柄本明、ベンガル、綾田俊樹

【解説】
2005年に56歳で急逝した伝説のフォークシンガー、高田渡のドキュメンタリー。前作『タカダワタル的』の原点ともなった2001年の年越しライブを中心に、その素朴だが絶妙なトークがさく裂する場面や、演奏シーンを余すところなく見せる。これが惜しくも最後となったフォークソング界の重鎮、高田渡と泉谷しげる共演のパワフルなライブパフォーマンスは必見。まるで仙人のような風ぼうからは想像もできない毒のあるプロテストソングを歌う姿も感動的!(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
2001年の大みそか、東京の下北沢で柄本明らの所属する劇団東京乾電池主催の高田渡コンサートが行われる。いつものようにひょうひょうとした姿でステージに現れた高田は、おなじみの代表曲「仕事さがし」からスタートし、そのトボけたトークで会場を大いにわかせる。やがてステージには泉谷しげるが登場し、過激なライブで高田と好対照なパフォーマンスを見せる。(シネマトゥデイ)

【感想】
「タカダワタル的」が高田渡の紹介映画みたいだったのに比べて、この作品は2001年の年越しライブ映像がたっぷり楽しめて、高田渡ファンにはとてもうれしい映画です。

そして、泉谷しげるさんの、渡さんを見る、なんとも温かな目が印象的でした。

心にしみいる、いいドキュメンタリーでした。

先日訪れたばかりの「いせや」のリニューアル前の姿も見られて、私にとってはさらに心に残る作品となりました。

長江哀歌(エレジー)

2008-07-18 12:20:33 | 映画ーDVD
ー長江哀歌(エレジー)ー三峽好人/STILL LIFE
2006年 中国
監督= ジャ・ジャンクー チャオ・タオ(シェン・ホン)ハン・サンミン(ハン・サンミン)ワン・ホンウェイ(ワン・トンミン)リー・チュウビン(グォ・ビン)マー・リーチェン(ヤオメイ)チョウ・リン(マーク)ホァン・ヨン(歌う少年)

【解説】
長江の三峡ダム建設のため、水没する運命の古都・奉節を舞台にした人間讃歌。『世界』などのジャ・ジャンクー監督がタバコ、草、酒、茶、飴という市民の生活に根ざした嗜好品を題材に、美しくせつない物語を紡ぎ出す。『プラットホーム』のハン・サンミンが等身大の中年男を好演し、現地で起用された素人俳優たちと素晴らしいアンサンブルをみせる。本作は力強く生きる人々の現実と景勝地の最後のきらめきをとらえ、2006年ベネチア国際映画祭でグランプリを獲得した。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
サンミン(ハン・サンミン)は、16年前に別れた妻(マー・リーチェン)と娘を捜しに山西省から長江流域の都市、奉節にやって来る。昔の住所を頼りに妻の実家を訪ねたものの、そこはすでにダム建設のため水の底に沈んでいた。役所に問い合わせてもらちがあかず、結局、彼は安宿に腰を落ち着けて2人の行方を捜すことにする。 (シネマトゥデイ)

【感想】
監督のジャ・ジャンクーが特典のインタビューで語っているのですが、この作品、最初は人から頼まれてドキュメンタリー映画として考えて現地入りしたそうです。
でも、この歴史ある風景目の当たりにし、ぜひ作品の中で残したいと思い、急遽脚本を書き、俳優を集めて撮ったそうです。
それがベネチア映画祭のグランプリ作品に選ばれるのですから、彼の情熱がみんなに伝わったということでしょう。
それほどまでに、ソウルを感じる作品でした。

彼の熱い想いとは正反対に、物語は淡々と、むしろ静かに進んでいきます。

16年前に故郷に帰ってしまった妻を捜しにきたサンミン(ハン・サンミン)と、2年前から音信不通になった夫を捜しにきたチャオ(シェン・ホン)。

二人は、山西省から長江流域の都市、奉節へやって来て、もうすぐダムの下に沈んでしまうこの町をさまよい歩きます。
人々が、飲み、食べ、働くこの町。
愛が終わり、友情が始まるこの町。
それは、どこにでもある町の風景です。

「烟(タバコ)」「酒」「茶」「糖(アメ)」という小タイトルでつながれ、現代の中国人が得たものと失ったもの、失おうとしているものを浮き彫りにしていきます。

裸の男たちが数多く出てきますが、これも意図的でしょう。
裸一貫で生きていく、人々の逞しさを表していると思いました。
男たちが再会を誓って、何度も何度も乾杯するシーンは、唯一希望が感じられるシーンでした。
この姿に、監督も中国の未来を託したのではないでしょうか?

女が別れるつもりの夫と川のほとりでダンスをするシーンもいい。
何かを決心をした人の強さが感じられました。

10元札に描かれたこのあたりの雄大な景色、李白や杜甫も旅した歴史的景観への切なる思いがあふれている作品だと思いました。

この三峡ダムの建設も北京オリンピックも根は同じような気がします。

ああ中国よ、どこへ行く。