マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

冬のライオン

2013-06-22 08:21:54 | 映画ーDVD

ー冬のライオンーTHE LION IN WINTER

1968年 イギリス

アンソニー・ハーヴェイ監督 ピーター・オトゥール キャサリン・ヘプバーン アンソニー・ホプキンス ジョン・キャッスル ナイジェル・テリー ティモシー・ダルトン ジェーン・メロウ ナイジェル・ストック

 

【解説】

1183年のクリスマス・イブの夜。イギリス国王ヘンリー2世は、後継者を決めるために一族を召集した。そしてその中には、王の居城から離れて軟禁されていた王妃エリノアの姿もあった。二人はそれぞれの思惑をかかえ、別々の後継候補の後押しをする……。王位継承をめぐる争いを描いた歴史ドラマ。(allcinema ONLINE

 

【感想】

ヘンリー2世(ピーター・オトゥール)は中世イングランドの王朝、プランタジネット朝の初代王。

フランスに広大な所領を持ったままイングランド王に即位し、アンジュー帝国という大連邦を形成した。

 

妻のエレノア(キャサリン・ヘプバーン)は、ボルドーで有名なアキテーヌの領主の娘で、この領地を持ってヘンリーと結婚し、二人で統治していた。

エレノアはフランス王ルイ7世と結婚していたが、11歳年下のヘンリー2世と出会い、大恋愛の末ルイと離婚して結ばれたのだった。

 

ヘリーとエレノアの間には5男3女がいた。

長男ウィリアムは夭折した。

次男、若ヘンリーはこの話では省かれていたが、実権のない王として父と共同統治、28歳で病死している。

三男のリチャード(アンソニー・ホプキンス)は、母エレノアの信望が厚く、次期王座を狙っている。

事実、ヘンリー2世が没したあとイングランド王に即位。その勇猛さから獅子心王と称される。

4男ジェフリー(ジョン・キャッスル)は狡猾な性格で、父からも母からも相手にされないことをひがんでいた。

5男ジョン(ナイジェル・テリー)は、父から溺愛されて「イングランド王を譲る」と約束されていた。

 

ヘンリーにはアリースという若い愛人がいた。

アリース(ジェーン・メロウ)は、エレノアの元夫ルイ7世が再婚して生まれた娘だったが、リチャードの婚約者として7歳でイングランドにやってきて、エレノアが育てた娘だった。

それなのにヘンリーは、エレノアに反逆の罪を負わせて川向こうの城に幽閉してから、アリースを愛人としてしまったのだ。

そして、婚約を履行する約束の16年後のクリスマス、フランスからアリースの弟で今はフランス王となったフィリップ2世(ティモシー・ダルトン)がその約束が履行されるのを見届けるためにやってくる。

でも、ヘンリーはアリースを手放すつもりはない。

もちろん、リチャードと結婚させる気持ちも、王位を譲る気持ちもなかった。

ジョンにイングランドを継がせることを願っていたのだ。

 

エレノアも王妃として、アキテーヌの領土に権利がある者として、クリスマスに幽閉を解かれてやってきた。

 

夫婦、息子3人、愛人とその兄が、入り乱れての権力争い。

誰が本当のことを言っているかわからない。

腹の探り合い、騙し合い、あげくには命の奪い合い。

結局、みんな領地が欲しい、王になりたいのよね。

そこに、夫婦の愛憎、親子の愛憎がからまるから、さらに憎しみが増幅して行きます。

 

でも一番底に流れているのは、ヘンリーとエレノアの他人にはわからない愛と憎しみの振幅。

そして、老いや死への恐怖感や焦燥感。

最後、また軟禁状態の城に戻って行く晴れやかなエレノアの表情と、その姿を見送るヘンリーの表情はなんとも複雑な色がありました。

これぞ、くされ縁なのでしょう。

ピーター・オトゥールとキャサリン・ヘップバーンの演技対決が見所です。


まとめてDVD3本

2013-06-21 18:21:40 | 映画ーDVD

長い間、ブログをお休みしてしまいました。

何十年かぶりで熱を出して寝込んだり、甥の結婚式に出席したり、バリ島で1週間のバケーションも楽しんできました。

旅行から帰り、テニスの全仏オープン、夫が録画しておいてくれたのを見ました。

錦織君は残念でしたが、史上初全仏優勝8回目を成し遂げたナダルに負けたのですから、胸を張っていいと思います。

もうすぐ始まるウインブルドンも楽しみです。

ナダルは第5シードだそうです。

 

でも、また、風邪を引いてしまいました。

気候不順の折り、皆様もお体大切に。

 

では、貯まってしまったDVD鑑賞の作品を書いて行こうと思います。

 

「ロング・キス・グッドナイト」

1996年 アメリカ

レニー・ハーリン監督 ジーナ・デイヴィス サミュエル・L・ジャクソン クレイグ・ビアーコ パトリック・マラハイド ブライアン・コックス デヴィッド・モース

 

【解説】

小学校教師サマンサは夫と娘との生活に満足していたが、八年以上前の記憶がないことに不安を覚えていた。私立探偵を雇って、自分の過去を調べさせていた彼女。ところがある日、殺し屋が襲ってくる。それをきっかけにしてサマンサは私立探偵ヘネシーと共に、自分の過去を探る旅に出た……。レニー・ハーリン監督とジーナ・デイヴィス夫妻がコンビを組んだスーパー・アクション映画。(allcinema ONLINE

 

【感想】

小学校教師で1女の母、平凡で幸せな日々を送っていたサマンサ(ジーナ・デイヴィス)

地元のお祭りでTVカメラに映された。

それを見ていたいかにも悪そうな男たちが「あいつは生きていた」と、あちこちで騒ぎ出した。

 

実は、サマンサは8年前までの過去の記憶がなかった。

その日以来、次々と襲いかかる殺し屋たちを相手に、ジーナの過去が蘇る。

ジーナは、大統領直属の諜報部員だったのだー。

 

女性スパイアクションのハシリの作品でしょうね。

ジーナ・デイビスがかっこよかったです。

 

当時の最高落札額の脚本だそうです。

 

監督のレニー・ハーリンは「ダイハード2」の監督。

このころジーナと結婚していて、ジーナの魅力がいっぱいなのも、愛がいっぱいだからでしょうね。

 

「ロリータ」

1961年 イギリス

スタンリー・キューブリック監督 ジェームズ・メイソン(ハンバート・ハンバート)スー・リオン(ロリータ・ヘイズ)シェリー・ウィンタース(ロリータの母)ピーター・セラーズ(クレア・キルティ)

 

【解説】

ナボコフの同名小説をキューブリックが映画化した問題作。夏を過ごそうと田舎町で下宿するハンバートに、未亡人シャーロットは積極的だが、当のハンバートは彼女の娘・ロリータに心奪われていた。やがてハンバートとシャーロットは結婚するが、夫が娘を愛してる事を知ったシャーロットは逆上のあまり事故死してしまう。心置きなく二人だけの暮らしと相成るはずだったが、近所の視線も気になり、ハンバートはロリータを連れて車で旅に出るのだが……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

ロリコン=ロリータ・コンプレックスの語源となった作品。

でも、性描写はなく、十代の少女に魅了された中年男性の心理を描いています。

 

今のアイドル全盛時代を考えると、日本人男性ってロリコンだなあと思う。

でも、アイドルを応援することとロリコンとは意味が違うみたいですね。

男性がより若い女性に魅力を感じることは、古今東西を問わず普遍的な心理だそうです。

 

大学教授のハンバート・ハンバート(ジェームズ・メイソン)は、研究のために夏の間田舎で下宿する家を探していた。

ヘイズ夫人(シェリー・ウィンタース)は夫を亡くしてから娘と一緒に暮らして、下宿人も募集していた。

ハンバートは、ヘイズ夫人の一人娘ロリータ(スー・リオン)に一目で心を奪われ、下宿することに決めた。

 

ヘイズ夫人はハンバートに思いを寄せ、ハンバートはロリータと別れたくない一心で、ヘイズ夫人と結婚する。

その秘密を知ったヘイズ夫人は道路に飛び出し、事故死する。

 

ハンバートはその事実を隠したまま、ロリータを寄宿舎から連れ出して旅に出る。

しかし、ロリータはある日こつ然と姿を消してしまう。

その裏には、キルティ(ピーター・セラーズ)の存在があった。

 

もう少しエロティックな作品かと思ったら、すごくさばさばして色っぽさのかけらもなく、ブラックコメディみたいな雰囲気でした。

キューブリックだからかなあ?

 

「トレーニングデイ」

2001年 アメリカ

アントワーン・フークワ監督 デンゼル・ワシントン(アロンゾ・ハリス)イーサン・ホーク(ジェイク・ホイト)スコット・グレン(ロジャー)エヴァ・メンデス(サラ)シャーロット・アヤナ(リサ・ホイト)トム・ベレンジャー(スタン)スヌープ・ドッグ(ブルー)ハリス・ユーリン(ダグ)レイモンド・J・バリー(ルー)クリフ・カーティス(スマイリー)レイモンド・クルツ(スニッパー)

 

【解説】

ロサンゼルス市警の麻薬取締課に配属となった新人刑事ジェイク。一緒にコンビを組み彼に麻薬捜査のいろはを教え込むのはベテラン刑事のアロンソ。数々の大事件を解決し、麻薬に絡むあらゆることを熟知している伝説的カリスマ刑事だ。まさにジェイクの手本であり憧れの存在。そんなアロンソはジェイクにまずはじめに「かよわい子羊でいるのか。獰猛な狼になるのか。それを選べ」と忠告する。そして、ジェイクが目にしたのは、犯罪摘発のためにはいともたやすく自ら法を犯すアロンソの姿だった。とまどうジェイクをよそにアロンソの行動はエスカレートしていく……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

有名な映画だけど、あまり後味はよくないなあ。

 

これは長い1日の物語。

朝、目覚まし時計が鳴って、目覚める新人刑事ジェイク(イーサン・ホーク)

産まれた間もない赤ちゃんにおっぱいをあげている妻。

今日は自分で志願した麻薬捜査課の初日だが、どうも気が進まない。

妻に励まされて、上司アランソ(デンゼル・ワシントン)の待つカフェに向かう。

アランソは「今日はトレーニングデイだ」という。

 

とにかく、デンゼルの悪徳刑事ぶりに圧倒されてしまう。

ジェイクも持ち前の正義感で必死に対応するが、押しまくられてしまう。

そして、どんどん最悪の状況に追い込まれるが、やはり身を助けたのは自分の正義感でした。

 

長い1日が終わって、ジェイクの胸に残ったものは何だったのでしょう。

本当に辛かったのは、デンゼルの悪ではなく、デンゼルをツールとして使っていたお偉方たちの悪です。

 

私の個人的な意見としては、汚職警官の話はもううんざりだなあ。

警察の人は、正義と自己犠牲の固まりと、幻想でもいいから思っていたいです。