マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

セッション

2015-05-01 16:58:25 | 映画ー劇場鑑賞

ーセッションーWHIPLASH

2014年 アメリカ 107

 

デイミアン・チャゼル監督 マイルズ・テラー (アンドリュー・ニーマン)JK・シモンズ (テレンス・フレッチャー)ポール・ライザー (ジム・ニーマン)メリッサ・ブノワ (ニコル)

 

【解説】

サンダンス映画祭でのグランプリと観客賞受賞を筆頭に、さまざまな映画賞で旋風を巻き起こした音楽ドラマ。ジャズドラムを学ぼうと名門音楽学校に入った青年と、彼にすさまじいスパルタ的指導を行う教師の姿を追い掛けていく。メガホンを取るのは、『グランドピアノ 狙われた黒鍵』などの脚本を手掛けてきた俊英デイミアン・チャゼル。主演は『ダイバージェント』などのマイルズ・テラーと『JUNO/ジュノ』などのJK・シモンズ。熱いドラマはもちろん、マイルズが繰り出すパワフルなドラミングにも圧倒される。

 

【あらすじ】

名門音楽学校へと入学し、世界に通用するジャズドラマーになろうと決意するニーマン(マイルズ・テラー)。そんな彼を待ち受けていたのは、鬼教師として名をはせるフレッチャー(JK・シモンズ)だった。ひたすら罵声を浴びせ、完璧な演奏を引き出すためには暴力をも辞さない彼におののきながらも、その指導に必死に食らい付いていくニーマン。だが、フレッチャーのレッスンは次第に狂気じみたものへと変化していく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

今年のアカデミー賞の助演男優賞をJK・シモンズが獲得しました。

怖い先生でしたよ。

 

原題の「WHIPLASH」はジャズの名曲です。

そして、この作品の主人公、ニーマン(マイルズ・テラー)が、一流音楽大学の教師フレッチャー(JK・シモンズ)の指導で演奏する曲です。

鞭で打つという意味もあるそう。

ラストでもこの曲がからんでくるのでタイトルになったのですね。

 

なので、この邦題の「セッション」はどうかな?

セッションというから、もっと平和な、最後はみんなで演奏する作品なのかな、と思ってしまいましたが、とんでもない!!

最初から最後まで、鬼のコーチにしごかれているどちらかというと体育会系の根性ものでした。

 

プロのドラマーとして大成したいという夢を持って名門音楽大学に入学したニーマン。

伝説の鬼教師フレッチャーの目に留まり、彼のオーケストラの練習に参加することに。

これで将来は約束されたと喜んだのもつかの間、鬼教師はいろんな罠を仕掛けて、ニーマンを試し、追いつめて行く。

 

果たして、彼はこの地獄のしごきに耐えられるのか?

 

これは、中身をいうわけにはいかないなあ。

見ていただかないと。

人間と人間のぶつかり合い。

自我と自我、エゴとエゴがどこまでも激しくぶつかりあいます。

 

後半「やはりいい先生だったのね」とほっとしていると、「うわあ、最悪!!フレッチャーは悪魔や!!」と唖然としました。

 

そして、ラストの9分19秒。

ドラムソロが響き渡ります。

これはもう奇跡じゃないか?

これを見るためにこの作品を見にきたんだ!!

凄いよ。

 

これは、劇場で見るしかないんじゃないですか?

皆様、ぜひぜひ!


ケープタウン

2015-05-01 16:42:25 | 映画ーDVD

ーケープタウンーZULU

2013年 フランス/南アフリカ 107

 

ジェローム・サル監督 オーランド・ブルーム (ブライアン・エプキン)フォレスト・ウィテカー (アリ・ソケーラ)コンラッド・ケンプ (ダン・フレッチャー)ジョエル・カイエンベ (ジーナ)

 

【解説】

『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズなどのオーランド・ブルームと、『大統領の執事の涙』などのフォレスト・ウィテカーが共演を果たしたサスペンスアクション。南アフリカの大都会ケープタウンを舞台に、そこに巣食う深い闇の世界をあぶり出す。キャリル・フェリーの推理小説「ZULU」を基に、『ラルゴ・ウィンチ裏切りと陰謀』などのジェローム・サルがメガホンを取る。人気と実力を併せ持つ主演俳優たちの熱演や、緊迫した展開に目がくぎ付け。

 

【あらすじ】

ある日、南アフリカのケープタウンで、引退した人気ラグビー選手の娘が殺害されるという事件が発生。2人の刑事ブライアン(オーランド・ブルーム)とアリ(フォレスト・ウィテカー)が捜査を続けていくと、少女とある薬物の売人の関係が明らかになる。その危険な薬物は、ここのところ頻発している子供失踪事件の現場に残されていた物と同じで……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、B級サスペンスかなあと思って見ていたら、なかなか骨太の作品でしたよ。

アパルトヘイトの後の南アフリカ。

長い歪んだ歴史が心を蝕み、貧困が容赦なく人々を苦しめているようです。

犯罪率も高いケープタウンが舞台。

 

植物園で若い女性が惨殺されていた。

未知の薬物が検出され、乱暴もされていた。

アリ(フォレスト・ウィテカー)が刑事部長を務める特捜部が捜査を始めた。

アリのチームはダン・フレッチャー(コンラッド・ケンプ)とブライアン(オーランド・ブルーム)の3人。

このあたりでは、子供が突然行方不明になるという事件も頻発していた。

 

残酷なシーンもどんどんはさみながら、満身創痍になって事件の真相へと深く突き進んで行く。

 

事件の背景には、アパルトヘイト後のこの国が抱える問題が深く影を落としているようでした。

マンデラ大統領は、アパルトヘイトで人権侵害をした人たちをお咎めなしで恩赦したというのです。

人々の人種に対する偏見は根強く、貧しい人たちは貧しいまま、犯罪に落ち込んで行くようです。

 

そこにつけ込む、欧米の製薬会社の巨大資本。

これがこの作品の本質でした。

 

なかなか良質な作品。

残酷シーンに目をつぶりながら、見て下さい。


思い出のマーニー

2015-05-01 16:36:20 | 映画ーDVD

ー思い出のマーニーー

2014年 日本 103

監督=米林宏昌 原作=ジョーン・G・ロビンソン キャスト=高月彩良 (杏奈)有村架純 (マーニー)松嶋菜々子 (頼子)寺島進 (大岩清正)大岩セツ(根岸季衣)老婦人(森山良子)ばあや(吉行和子)久子(黒木瞳)彩花(杉咲花)

 

【解説】

『借りぐらしのアリエッティ』などの米林宏昌が監督を務め、ジョーン・G・ロビンソンの児童文学を映画化したファンタジーアニメ。北海道を舞台に、苦悩を抱えて生きる12歳の少女杏奈と彼女同様深い悲しみを心に宿すミステリアスな少女マーニーとの出会いを描写する。『ジョーカーゲーム』などの高月彩良と『リトル・マエストラ』などの有村架純が声優を担当。主人公たちの目線で捉えた物語に心打たれる。

 

【あらすじ】

心を閉ざした少女杏奈は、ぜんそくの療養を目的に親戚が生活している海沿いの村にやって来た。そんなある日、彼女の前に誰もいない屋敷の青い窓に閉じ込められた、きれいなブロンドの少女マーニーが姿を見せる。その出会い以来、杏奈の身の回りでは立て続けに奇妙な出来事が起きるようになるが、それは二人だけの秘密だった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

あまり期待していなくて、劇場に足を運ばなかったのだけど、最後は泣いてしまいました。

きれいなお話でしたね。

 

前半はやはり好きな展開ではなかったです。

主人公の杏奈に共感できないからでしょうね。

だって、養母の頼子さん、いい人なんですもの。

 

転地療養に行った大岩さん夫婦は、おおらかでもっといい感じでしたね。

でも、実際には毎晩夜遅く、道ばたで気を失っているような杏奈の処遇には困ったと思うなあ。

 

本題は杏奈の空想の少女マーニーとの出会い。

 

これがただの空想の人物ではなく、深い因縁話へと続いて行くのですが。

 

満ち潮となれば孤立する湿原に建つ洋館。

とても素敵な景色でした。

 

とにかく絵がきれいなことに引き込まれて行きますね。

少女たちも美しく、かわいらしい。

 

確かに泣いてしまうんだけど、久子さんが種を全部明かしてしまうところが、ちょっと残念だな。

杏奈が心の旅の中で見つけたのなら、良かったのにな。

 

でも、心に残る作品ですね。

愛は時空を超えて、愛する者を見守っていることが実感できる作品でした。