マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ノルウェイの森

2011-08-31 20:45:56 | 映画ーDVD

ーノルウェイの森ー

2010年 日本

監督=トラン・アン・ユン 原作=村上春樹 キャスト=松山ケンイチ(ワタナベ)菊地凛子(直子)水原希子(緑)高良健吾(キズキ)霧島れいか(レイコ)初音映莉子(ハツミ)柄本時生(突撃隊)糸井重里(大学教授)細野晴臣(レコード店店長)高橋幸宏(阿美寮門番)玉山鉄二(永沢)

 

【解説】

1987年に刊行されベストセラーとなった村上春樹の代表作「ノルウェイの森」を、『青いパパイヤの香り』『夏至』などのトラン・アン・ユン監督が映画化。亡くなった親友の恋人との関係を通し、主人公の青年の愛と性、生と死を叙情的につづる。主人公には松山ケンイチ、大切な人の死をきっかけに主人公と心を通わせていく女子大生に菊地凛子がふんし、複雑な人間性を繊細に演じる。トラン・アン・ユン監督のみずみずしい世界観と、深遠な村上春樹ワールドの融合に期待。

 

【あらすじ】

ワタナベ(松山ケンイチ)は唯一の親友であるキズキ(高良健吾)を自殺で失い、知り合いの誰もいない東京で大学生活を始める。そんなある日、キズキの恋人だった直子(菊地凛子)と再会。二人は頻繁に会うようになるが、心を病んだ直子は京都の病院に入院してしまう。そして、ワタナベは大学で出会った緑(水原希子)にも惹(ひ)かれていき……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

原作も読んでいないし、たぶん私に向いていない作品だと思って、期待せずに見ましたが、やはり。

向いていませんでした。

 

最初、高校時代のワタナベ(松山ケンイチ)とキズキ(高良健吾)と直子(菊地凛子)が登場するので、すぐに大人時代の物語になると思い込んでいたら、ワタナベも直子も二十歳前後のまま。

それは、ちょっと無理があるよねー。

 

そこで引っかかったら、もう苦しいですね。

そもそも、学生運動華やかなりし頃の青春の話。

自殺した青年の話も身近にありました。

文学的に人生に悩む人、多かった時代です。

 

キズキ(高良健吾)の自殺も、残された直子が精神を病んでいく姿も、小説だったら納得できたかも…。

菊地凛子は違うわー。

 

それより、この作品はセックスの話がテーマなの?と言いたくなりました。

そんなに簡単にナンパが成功したの?

当時の一流大学生って、女の子が欲しいと思ったらお手軽だったのね。

 

最悪が、レイコ(霧島れいか)さん。

突然訪ねて来て「お願いがあるの。私と寝て」という?

しかも、ブラスリップ姿。

色気ないしー。

しかも、断らないワタナベ。

緑(水原希子)さん、こんな男やめときなさい、と言いそうになりました。

 

私が考えているセックス観と、全然違っていました。

もう少し、女性を理解しようと頑張って欲しいね。

男目線過ぎるんと違う?

 

 

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髑髏城の七人

2011-08-26 11:46:50 | 舞台

ー髑髏城の七人ー

作=中島かずき 演出=いのうえひでのり キャスト=小栗旬(捨之介) 森山未來(天魔王) 早乙女太一(無界屋蘭兵衛) 小池栄子(極楽大夫) 兵庫(勝地涼) 仲里依紗(沙霧) 高田聖子(贋鉄斎) 粟根まこと(天部の将監) 河野まさと(三五) 千葉哲也(狸穴二郎衛門)

 

【解説】

1990年の初演以来4回目の上演。

劇団☆新幹線の「いのうえ歌舞伎」と呼ばれるシリーズで、「阿修羅場の瞳」とともに代表作の一つ。

前回は7年前には同じ年に、演劇性を重視した「アカドクロ」(主演=古田新太)と、エンターテインメントを強調した「アオドクロ」(主演=市川染五郎)の2本を上演したことで話題となった。

今回は、いままで一人二役だった捨之介と天魔王を、それぞれ小栗旬と森山未來が演じている。

エグゼクティブプロデューサーの細川展裕によれば通称「ワカドクロ」ということになる。

 

【あらすじ(ネタバレあり)&感想】

本能寺の変で織田信長が明智光秀に討たれて後8年後。

天下統一を果たした豊臣秀吉の死はいず届いていない関東では、天魔王(森山未來)と呼ばれる仮面の男が率いる髑髏党が、天下統一を企て、勢力拡大のために殺戮を繰り返していた。

 

髑髏党が略奪行為で民衆を苦しめているのを、兵庫(勝地涼)がリーダーの関東荒武者隊がみつけ、争いとなった。

あやうく、荒武者隊がやられそうになったところに、捨之介(小栗旬)と名乗る若者が現れ、髑髏党を追い払った。

 

兵庫たちは、村の生き残りと捨之介を無界の里へ案内した。

無界の里は無界屋蘭兵衛(早乙女太一)が仕切る色里で、噂に高い極楽大夫(小池栄子)が、女たちと暮らしていた。

 

そこには、諸国流浪のやせ牢人・狸穴二郎衛門(まみあなじろうえもん=千葉哲也)も逗留していた。

また、髑髏党に追われて身を隠している沙霧(仲里依紗)もいた。

 

沙霧が髑髏党に襲われ、蘭兵衛と捨之介がそれを助けるが、顔を合わせた二人は知り合いのようだった。

そこに天魔王が現れて、3人の過去が明らかになる。

 

3人は、いずれも織田信長に仕えていた。

敬愛してやまない、目標とする人が突然いなくなり、3人はそれぞれ生き延びたものの、生き方や考え方はまるで違っていた。

天魔王は、信長の意志を継いで天下取りの野望を抱き、蘭兵衛は色里という裏の世界で生きることを選び、捨之介は世捨て人の道を選んだのだった。

 

沙霧は、築城術に長けた部族の娘だった。

髑髏城の築城にかり出され、その仕事が終わると、部族のみんなは殺された。

沙霧は絵図面を持って逃げ出し、追われる身となったのだった。

 

捨之介と蘭兵衛は無界の人々を救うために、天魔王と闘うことを決めた。

 

捨之介は、天魔王のつけている鎧をも斬れる刀を求めて、贋鉄斎(高田聖子)を訪ねた。

そして、斬鎧剣の制作を頼み、胸騒ぎを感じて無界に戻った。

 

捨之介に、単独行動はしないようにと固く言われていたにもかかわらず、蘭兵衛は単身髑髏城に乗り込み、天魔王と面談した。

天魔王に薬を飲まされ、操られてしまう。

そして、二人は無界へ乗り込み、無界の人たちを惨殺する。

 

このとき、狸穴二郎衛門は徳川家康の仮の姿であることが判明。

服部半蔵が助けにきて、城に帰るように促される。

 

生き残った兵庫、極楽大夫と捨之介、沙霧、贋鉄斎、そして、何度も裏切りを繰り返して生き延びた三五(河野まさと)たちは、天魔王を倒すべく、髑髏城に向かうのだった。

 

ここからは、劇団☆新幹線の真骨頂、アクションの連続になります。

蘭兵衛の最期、天魔王の最期など、見せ場の連続です。

すごい迫力でした。

 

久々の舞台鑑賞です。

今回は友達から誘ってもらったのですが、この公演チケットがとても取りにくかったそうです。

これだけの人気者の若手を揃えたのだから、当然ですね。

席は、一番後ろでした。

でも、劇の迫力は損なわれませんでした。

面白かったです。

誘ってくれたA子ちゃん、ありがとう。

 

私は無界屋蘭兵衛の末路が哀れでなりませんでした。

薬を飲まされたとはいえ、困った人たちの駆け込めるアナーキーな無界を作った人が、天魔王を守るために命を落とす最期は、なかなか承服できない気がしました。

せめて最期は正気に戻って、極楽大夫の腕の仲で息を引き取って欲しかったなあ。

 

天魔王のぶれない悪人ぶりは、とても魅力的でした。

そして、その最期はひょうきんで面白かったです。

頑丈な城の中でせこい策略ばかり練っている人間は、小心者の弱虫に決まっています。

そこのところも、うまく表現されていました。

 

そして、主役の捨之介。

超人的ヒーローじゃないところがよかったです。

まだまだ青臭くて、伸びしろが感じられるのもご愛嬌ですね。

 

私の一番好きなキャラクターは兵庫だなあ。

一本気で、きれもよくて、楽しい人物でした。

農民出身だけど、一番武士らしいと思いました。

 

再演を繰り返しているだけあって、完成度も高く、人気が出るのも納得でした。

楽しかったです。

 

なお、大阪公演は8月24日で終了しています。

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人生万歳!

2011-08-24 10:22:29 | 映画ーDVD

ー人生万歳!WHATEVER WORKS

2009年 アメリカ

ウディ・アレン監督 ラリー・デヴィッド(ボリス)エヴァン・レイチェル・ウッド(メロディ)パトリシア・クラークソン(マリエッタ)ヘンリー・カヴィル(ランディ)エド・ベグリー・Jr(ジョン)マイケル・マッキーン(ジョー)コンリース・ヒル(レオ)ジョン・ギャラガー・Jr(ペリー)ジェシカ・ヘクト(ヘレナ)キャロリン・マコーミック(ジェシカ)クリストファー・エヴァン・ウェルチ(ハワード)オレク・クルパ(アル)

 

【解説】

『それでも恋するバルセロナ』などの名匠、ウディ・アレン監督の通算40作目となるラブコメディー。久々に舞台をヨーロッパから古巣ニューヨークに移し、くたびれた中年男性と若い娘の奇妙な恋愛模様を映し出す。主役を務めるのは、アメリカを代表するコメディアンのラリー・デヴィッド。その恋人を『レスラー』のエヴァン・レイチェル・ウッドが熱演する。いかにも都会的ウイットに富んだ会話と、複雑な人間ドラマに笑いがこみ上げる。

 

【あらすじ】

かつて物理学でノーベル賞候補にもなったボリス(ラリー・デヴィッド)は、自殺を図るが失敗。命は助かったものの結局妻とも離婚し、大学教授の地位も失ってしまう。今では古いアパート住まいの彼はある晩、南部の田舎町から家出してきたメロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)という若い女性に同情し、家に上げるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ウディ・アレンの40本目の記念作品だそうです。

軽いタッチの作品ですが、ウディ・アレンの手慣れた感じが小気味よかった。

ドラマの途中で、観客に語りかける演出なんてあり得ないけど、実に自然にやってしまうところが、ウディ監督らしいなあ。

 

主人公のボリスはウディそのものだけど、ラリー・ディビッドが演じて成功でしたね。

嫌みな老人を演じつつも、知性とセクシーさがちょうどよかったです。

 

原題の「WHATEVER WORKS」は「なんでもあり」と言う意味だそうです。

だから邦題の「人生万歳!」もかなり皮肉がこもっていると思ってくださいね。

 

ボリス(ラリー・デヴィッド)は天才で、かつてノーベル賞の物理学賞候補にもなった人物ですが、いまは、自殺願望の厭世的な老人です。

才気あふれる有能な妻がいたけど、自殺未遂をして離婚。

その後遺症で足を引きずっています。

 

現在は、子供にチェスを教え、学者仲間と交流しながらおんぼろアパート(でも、メゾネットだけど)で一人で暮らしています。

 

偏屈で毒舌で皮肉屋、ネガティブなことばかりをしゃべりまくっています。

彼の持論は「どうせみんな死んでしまうんだから、人生なんでもありなんだよ」ということかな?

 

彼の家に、南部から家出してきた21歳のメロディ(エヴァン・レイチェル・ウッド)が転がり込んで起こる大騒動です。

 

☆ネタバレ

最初はメロディをバカだと軽蔑して、興味も示さなかったボリスだが、メロディの無知や非常識を通り越した純真無垢なところに、彼女の点数が上がって行くところがおかしかったです。

よく見れば、金髪ブロンドの美人だということで、さらに評価が上がっていく。

 

母の希望で美少女コンテストに出場して、学校にも行けない生活に嫌気がさして家出して、憧れにニューヨークにやってきたものの、頼る人もなく路頭に迷っていたメロディ。

家にいれてくれて、難しいことばかり言うボリスに驚くけど、結局追い出さなかったことに感謝する。

そして、いままで会ったことのない天才ボリス心から尊敬し、同居生活が気に入り、最終的には二人は結婚する。

「知的レベル格差婚」とボリスは言うが、年齢格差婚でもある。

 

そこへ、どこから聞きつけたのかメロディの母親マリエッタ(パトリシア・クラークソン)がやって来る。

パパが自分の親友と駆け落ちして、事業に失敗して家を手放し、残った貯金も株で大損して行くところがないと言う。

メロディがボリスを夫と紹介すると気絶してしまう。

 

マリエッタは、ボリスの友人の哲学者レオにその写真の才能を見いだされ、写真家のアルとレオと3人の生活を始め、無神論者の前衛アーティストとして目覚める。

 

しかし、メロディの夫としてのボリスを認めず、メロディに心を寄せる役者の卵ランディを近づける。

母の望み通り、ランディと恋に落ちたメロディは、ボリスに離婚を申し出るのだがー。

 

その他に、メロディの父親も現れて、本来のゲイとしての生き方に目覚めちゃうし、ボリスも、メロディと別れた後また自殺を図り、そこで知り合った占い師と再婚するというハッピーエンドを迎えます。

 

そして「人生なんでもあり」と締めくくるわけです。

 

これでもかというほど、後ろ向きの人生なんだけど、実はハッピーエンドなんて、やっぱりウディ・アレンは人が好き、人生が好き、映画が好きなんでしょうね。

 

すごく、面白かったですよ。

 

 

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再会の食卓

2011-08-23 10:10:35 | 映画ーDVD

 

ー再会の食卓ーAPART TOGETHER

2010年 中国

ワン・チュアンアン監督 リサ・ルー(ユィアー(玉娥))リン・フォン(リゥ・イェンション(劉燕生))シュー・ツァイゲン(ルー・シャンミン(陸善民))モニカ・モー(ナナ(娜娜))

 

【解説】

中国と台湾の歴史に翻弄(ほんろう)された元夫婦の悲喜こもごもを描き、家族とはどうあるべきかを問い掛ける人間ドラマ。40数年前に妻と離ればなれになった台湾の老兵が、上海に新しい家族を持つ妻の元を訪ねたことから、家族それぞれの思いが浮き彫りになっていく様子を映し出す。監督は、『トゥヤーの結婚』で国際的な名声を得たワン・チュアンアン。第60回ベルリン国際映画祭の最優秀脚本賞にあたる銀熊賞を受賞した、深みのあるストーリーに感じ入る。

 

【あらすじ】

40数年ぶりに台湾から上海に戻ってきたイェンション(リン・フェン)だったが、生き別れた妻ユィアー(リサ・ルー)には別の家庭があった。「台湾で一緒に暮らしたい」というイェンションの申し出に、心を揺り動かされるユィアー。家族たちがさまざまな反応を見せる中、ユィアーはある決断をする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

とてもいい作品でした。

 

年輩の3人の登場人物が、何度か食卓を囲むのですが、そのシーンで泣けました。

3人3様のその食卓への思いが、重層的に伝わってきました。

同じ時代を生き抜いてきた人たちだけがわかる、深い感情がよく現れていると思いました。

登場人物たちが泣いてないのに、見ている私が泣いた作品は初めてです。

 

上海に住むユィアー(リサ・ルー)の元に、手紙が届いた。

 

1949年、中国の内戦で、共産党に敗れた国民党の兵士たちが台湾へ落ち延びた。

国民党の兵士だったイェンション(リン・フェン)の妻・ユィアーは妊娠していたのに、上海に取り残され、夫と生き別れてしまう。

 

子供を抱え、国民党の家族として差別され、困りきっていたところを、共産党兵士だったルー・シャンミン(シュー・ツァイゲン)に救われた。

二人はその後40数年に渡り夫婦として暮らし、二人の娘ももうけ、今では二人の孫にも恵まれて、成長著しい上海で平穏に暮らしていた。

 

そこに突然イェンションからの手紙。

中国と台湾の交流が許される時代となり、生き別れた家族が会える事業が始まっていた。

イェンションは、台湾で新しい妻をめとり、一人息子ができ、その息子は商才に長け事業が成功したのだが、若くして死んでしまった。

妻も死に、ひとりぼっちになったイェンションは、故郷を懐かしみ、ユィアーに会いたいというのだった。

 

ユィアーの現在の夫ルーは、大歓迎だと言ってくれたが、イェンションとの間にできた長男は、父に捨てられた傷を抱え、結婚もしないでいた。

長女も、反対。

家庭を持っている次女とその娘ナナ(モニカ・モー)は協力的だった。

 

それでも、家族はイェンションにご馳走を作って歓待し、その夜は自宅に泊めた。

 

ナナとユィアーを伴って、上海見物出かけたイェンション。

近々、ユィアー一家が越して来ると言うマンションの建設現場にも立ち寄った。

そこで、イェンションは「一緒に台湾へ行って欲しい」とユィアーに今回の旅の目的を打ち明けた。

ユィアーも若い頃の情熱が蘇り、一緒に暮らしたいと言う気持ちが抑えられない。

 

でも、どうやってルーに言い出す?

 

☆ネタバレ

二人はかなり躊躇するが、ルーに言うと、「そういうだろうと思っていた。気持ちよくユィアーを送り出すよ」と言う。

そして、家族会議が始まったのだが、長男は無関心、長女は大反対。

それでも、ルーはユィアーをイェンションに返そうとする。

 

ルーはユィアーと離婚しようとするのですが、そもそも二人は戦争のごたごたで結婚していなかったので、離婚できないと言われ、まず結婚することにします。

 

中国式の結婚の申請は、二人で写真を撮って役所に提出するのですね。

二人で写真を撮っていると、連れ添った年月が蘇り、心にさざ波が立ちます。

首尾よく結婚して、離婚届を出そうとしたら、今度は財産証明書がいるといわれ、その日の離婚はできなくなりました。

 

時間がたてば、ユィアーの情熱も薄れて来るし、ルーの方も未練が募ったようで、普段飲まないお酒を飲んで、普段は食べないご馳走を食べて、とうとうルーは脳梗塞で倒れてしまいました。

 

それでもルーは、ユィアーを連れて帰るようにイェンションに言うのですが、ユィアーには病気のルーを置いて台湾へ行く気持ちになれません。

 

ユィアーはイェンションを港まで見送り、辛い別れとなります。

 

それから1年後、ユィアーは車椅子生活のルーと上海の高層マンションに住んでいます。

家族のためにご馳走を作っていますが、長男も娘たちも急用で来れないと連絡が入り、ナナと3人の食卓となりました。

 

「昔は狭い家でもみんなが集まり食卓を囲んだものだったのに、広くなった今は、みんな来られないなんて…」とユィアーがつぶやきました。

 

見所は、3人が食卓を囲み、恋の歌を歌うシーンです。

戦争によって、失われた青春や幸せ。

3人のそれぞれの心情が伝わってきます。

3人は笑っているのに、私は泣けて泣けて…。

不思議な感情でした。

 

「再会の食卓」というのは邦題ですが、この作品にはおいしそうなお料理がたくさん出てきます。

湯気も立っていて、香りまで漂ってきそうでした。

ルーは普段は倹約家なのにイェンションには高級食材を振る舞って「もっと食べろ」と薦めます。

このあたりに、出世を諦めてでも、子供を抱えて困っていたユィアーと共に生きてきた彼の人間性を感じました。

人を想うって、本当に美しい感情ですね。

 

ユィアー役のリサ・ルーさん、「ラストエンペラー」で西太后を演じた人で、アメリカで活躍されている女優さんです。

 

見ているうちに、亡くなった姑に似ているなあと思い、夫にも聞いたら「本当に似ているね」と言っていました。

80歳くらいのようですが、美しかったです。

 

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ツリー・オブ・ライフ

2011-08-21 10:31:15 | 映画ー劇場鑑賞

 

ーツリー・オブ・ライフーTHE TREE OF LIFE

2011年 アメリカ

テレンス・マリック監督 ブラッド・ピット(オブライエン)ショーン・ペン(ジャック)ジェシカ・チャステイン(オブライエン夫人)フィオナ・ショウ(祖母)ハンター・マクラケン(若きジャック(長男))ララミー・エップラー(R.L.(次男))タイ・シェリダン(スティーヴ(三男))

 

【解説】

『シン・レッド・ライン』テレンス・マリック監督が、ブラッド・ピットとショーン・ペンというハリウッドの2大スターを迎えた壮大な家族物語。1950年代のテキサスを舞台に、ある一家の40年にわたる日々を描きながら、人生の根源的な意味を問い掛ける。本作で製作も務めるブラッド・ピットが厳格な父親を熱演し、その成人した息子をショーン・ペンが好演する。何げない日常の風景を鮮烈に映し出すマリック監督の映像美に酔う。

 

【あらすじ】

1950年代、オブライエン夫妻は3人の息子にも恵まれ、テキサスの小さな町で満ち足りた生活を送っていた。一家の大黒柱の父親(ブラッド・ピット)は西部男らしく子どもたちに厳しく接し、逆に母親(ジェシカ・チャステイン)がすべての愛情を彼らに注ぎ込んでいた。一見幸福そうに見える家族の中で、長男ジャックは孤独を感じ……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この映画は、商業ベースにのって上映されるための映画ではありません。

カンヌ映画祭パルム・ドール賞受賞という事実がエンタメを求める観客には難しいということをあらわしていると思います。

 

つまり、エンタメ作品ではないということです。

そこのところを、頭に入れて見に行ってくださいね。

当然、悪い作品ではありません。

評判が悪いのは、宣伝の仕方が間違っているからです。

宣伝が言っているような、家族愛の感動ものはありません。

 

私の印象では、別に難解な作品というわけではないのですが、ちっとも楽しくないと思いました。

さらに、後半になってで気分が悪くなってきたのですが、これは、出ぶれカメラ撮影によるものだと気がつきました。

スクーリーンが大き過ぎて、人の表情のアップが多過ぎて、私が見るには席が前過ぎました。

これから見る方には、映画館の後方のお席をお薦めします。

 

マイナス面ばかりを言い募ってきましたが、さすが、パルム・ドール賞というところもたくさんありました。

 

☆ネタバレ

地球誕生や、生命誕生など、いろんなイメージ映像が出てきますが、その迫力には圧倒されます。

恐竜が、寝ている別の恐竜を踏みつけて、でも、傷つけることなく立ち去る美しいシーンがありましたが、あれは感情の芽生えを表現していたのでしょうか?

素敵でした。

 

これは、主人公ジャック(少年期=ハンター・マクラケン、大人=ショーン・ペン)の「神とは何か」「どこにいるのか」という問いに対して、神とはこういう大きな仕事をした存在なのだということかなあ、と思いました。

 

大人になったジャック(ショーン・ペン)

 

それは冒頭に示される「ヨブ記」で、初めて神の声を聞く一文にも現れていると思いました。

「私が大地を据えたとき,お前はどこにいたのか?」

人は、天地創造には関与していないということでしょうか?

難しいですね。

 

たぶん、ジャック=監督は、いわゆる全知全能の神はいないということを証明しようとしているんじゃないかなあ?

それは、水死する少年や、自分の弟の死など、「悪いことをして罰せられたのではない」ということを知るときに思うのでしょうね。

 

あるときは、家庭で絶対的な力を持つ父(ブラッド・ピット)=神=悪だと考え、そうだとしたら、努力して善人になる必要はないと考える。

 

母(ジェシカ・チャステイン)は慈悲深く、寛容だけれども、父から尊重されず無力だ。

母=神=弱さだと考えます。

 

 

「神はどこにいる」と答えを求めても、神を見つけられない。

 

大人になった主人公は、エレベーターに乗り、天を目指し、幻想の中で天国の門をくぐり、死者の群れに会います。

そこに神はいたのでしょうか?

 

この作品は、そういう宗教的な葛藤よりも、抑圧的な父に反抗し、優しい母を軽蔑して、優しい弟をいじめる少年の姿。

一方で、女性に興味を持ち、下着を盗んでその罪悪感にうちひしがれる。

ありがちな思春期の少年の、心の成長記録でした。

 

抑圧的な父、無力な母親は、私にも重なりました。

虚勢を張っている父を憐れみ、母は欺瞞敵だと批判して青春期を過ごしたなあ。

 

そのときの悶々としたものが、大人になって振り返ったときに、宗教的な疑問が具体的なイメージとなって押し寄せてきたという感じでした。

 

結論は観客に委ねられていますが、キリスト教的宗教観などわからない日本人の私から見ると、「悠久の時空の中で、脈々と受け継がれてきた生命エネルギー一つとして、今ここで生かされている私」を再確認する作品じゃないかあと思いました。

 

次男はブラット・ピットにそっくりでした。

 

 

 

 

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ブローン・アパート

2011-08-17 10:12:33 | 映画ーDVD

ーブローン・アパートーINCENDIARY/BLOWN APART

2008年 イギリス

シャロン・マグアイア監督 ミシェル・ウィリアムズ(若い母親)ユアン・マクレガー(ジャスパー・ブラック)マシュー・マクファディン(テレンス・ブッチャー)ニコラス・グリーヴス(レニー)

 

【解説】

恋人と情事を楽しんでいる最中、幼い息子と夫を爆破テロ事件で失った若い母親が、やがて衝撃の真実にたどり着くまでを描くサスペンス・ドラマ。監督は『ブリジット・ジョーンズの日記』のシャロン・マグアイア。『彼が二度愛したS』のミシェル・ウィリアムズが若い母親、『ムーラン・ルージュ』のユアン・マクレガーが恋人を演じる。等身大の女性の心のドラマと、テロにまつわるサスペンスを融合させた展開が見もの。

 

【あらすじ】

警察の爆弾処理班に所属する夫と4歳の息子と共に、ロンドンで平凡に暮らす若い母親(ミシェル・ウィリアムズ)。ある日、新聞記者のジャスパー(ユアン・マクレガー)に声を掛けられた彼女は、欲望のままに関係を持ってしまう。その後、二人は再び密会するが、その最中に夫と息子が爆破テロ事件に巻き込まれてしまい……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

DVDを見始めて、眠ってしまいました。

後半はとても単調なので、見直す意欲がなくなりそうでした。

 

でも、思い直して、じっくり見たら…、なかなか良かったと思いました。

 

この作品、徹底的に女性目線のテロ映画です。

公共施設を狙った自爆テロ、ヨーロッパでも恐れられている事件です。

イギリスも例外でなく、貧しくも平凡に暮らしていた女性(ミシェル・ウィリアムズ)が、夫と最愛の4歳の息子を、サッカー場での大規模な爆破事件に巻き込まれて亡くしました。

 

仲がいいとは言えない夫婦でした。

彼女の夫(ニコラス・グリーヴス)は爆発物処理班に勤務していて、ストレスのきつい仕事の中で、言葉も少なくしだいに夫婦仲は冷えていっていた。

一人息子との生活がすべて。

自分たちの貧しいアパートの前に建つ高級マンションの生活を想像しながらも、これが人生だと自分に言い聞かせていた。

 

ある夜、夫が急な仕事で呼び出された深夜、子供をお隣に頼んで、酒場に出かけた。

そこで声をかけてきたジャスパー(ユアン・マクレガー)。

新聞のゴシップ記者。

二人は行きずりに関係を持つ。

 

☆ネタバレ

夫と息子はアーセナルの試合に出かけた。

買い物しての帰り、ジャスパーと再会する。

ジャスパーもサッカー場へ行くと言っていたが、車で家まで送ってきて、テレビでサッカーをつけながら、情事にふける。

そこへ、テレビから爆発音。

他のチャンネルのニュースでは、サッカー場で大きな爆発が起きたと報じていた。

 

ジャスパーの車で現場に駆けつける彼女。

彼女もまた、爆発に巻き込まれて負傷する。

 

夫も子供もテロの犠牲となった。

ジャスパーは息子の形見のウサギのぬいぐるみを持って彼女を見舞うが、彼女はジャスパーを拒否する。

自分の火遊びの最中に息子が苦しんで死んだという罪悪感。

 

ジャスパーも、本来なら自分も巻き込まれていたという罪悪感を持っていた。

独自にこのテロ事件の情報を集め、警察が隠していた事実を掴み、彼女に知らせる。

それは、自爆テロの犯人と思われる男の家族。

彼女は、その息子に近づき、知り合いになると、親しみを感じるようになる。

そして、その少年の窮地を救い、警察の陰謀も知るが、錯乱し、幻想の中で息子とのひとときを楽しむ。

 

その少年に会って現実に引き戻され、幻覚の息子を追ってビルの屋上に立つが、新しい生命に気づき、自殺を思いとどまる。

 

この作品、監督は「ブリジット・ジョーンズの日記」のシャロン・マグアイアです。

貧しい生活に疲れているのか、ストレスの強い仕事で精神的に病んでしまった夫に、もうこの主人公の気持ちはないようでした。

だから、行きずりの男との恋に燃えたのでしょう。

でも、大切な息子を亡くした後は、夫の死さえ興味がなく、愛人の存在も眼中にないようでした。

夫の上司が言いよってきても、ただ息子の死の真実が知りたいだけ。

知ってしまったら、用なしって感じでした。

 

そして、自分の命より大切なものはお腹の中に宿った命。

その父親についても興味がないみたい。

 

でも、病院に駆けつけたジャスパーの笑顔に、この母子との幸せを託したくなりました。

 

ここまで徹底して男を無視する作風は、小気味よささえ感じました。

この監督さん、よっぽど男はいらん!と思っているんでしょうネ。

 

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モールス

2011-08-14 11:00:08 | 映画ー劇場鑑賞

ーモールスーLET ME IN

2010年 アメリカ

マット・リーヴス監督 コディ・スミット=マクフィー(オーウェン)クロエ・グレース・モレッツ(アビー)イライアス・コティーズ(警官)リチャード・ジェンキンス(父親)

 

【解説】

『クローバーフィールド/HAKAISHA』の俊英マット・リーヴス監督が作り上げた、スウェーデン映画『ぼくのエリ 200歳の少女』のハリウッド版。孤独な少年と少女の切なくも美しいイノセントな恋の物語が、町を震撼(しんかん)させる連続猟奇殺人事件のミステリーと絡み合う。主演は『キック・アス』のクロエ・モレッツ。ホラーの帝王スティーヴン・キングが、「2010年のお気に入り映画ナンバーワン」に選んだことも話題に。

 

【あらすじ】

学校でのいじめに悩む孤独な12歳の少年オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)。ある日、隣に引っ越してきた少女アビー(クロエ・モレッツ)と知り合ったオーウェンは、自分と同じように孤独を抱えるアビーのミステリアスな魅力に惹(ひ)かれ始める。やがて町では残酷な連続猟奇殺人が起こり……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「ぼくのエリ 200歳の少女」2008年のスウェーデン映画のハリウッドリメイクです。

「キック・アス」のヒットガール、クロエ・グレース・モレッツが、ヴァンパイアを演じています。

 

場所はアメリカの豪雪地帯、主人公たちの名前も変わっていますが、ストーリーはほとんど同じでした。

さらにホラー色が強くなっていましたが、オリジナル作品に比べると詩的な感じは無くなっていました。

だから、良くないと言う訳ではなく、同じストーリーなのに、作る人が変わると、こんなに違うのかーと不思議な気分で見終わりました。

 

最初のシーンがいいですね。

雪景色の景色の遠景、俯瞰。

一本の道が延びている。

静寂を破るけたたましいサイレンの音。

スクリーンの奥の方から手前に、パトカーに先導された救急車が走って来る。

中では、わざとフォーカスを合わせない患者が苦しんでいる。

 

この人はアビー(クロエ・グレース・モレッツ)の「父親」(リチャード・ジェンキンス)。

病院で処置を受け、刑事が電話で呼び出されている間に、病室の窓から落ちて死んだ。

 

話は2週間前に遡る。

オーウェン(コディ・スミット=マクフィー)は12歳の少年。

母と二人暮らし。

母と父は離婚に向かって話し合い中。

学校では、いじめっこにいじめられている。

 

晩ご飯の後は、隣の家をのぞき見たり、いじめられた憂さを木や鏡に向かって晴らしている小心で孤独な少年。

 

ある日、隣に父親と思われる男と少女が引っ越してきた。

少女は雪道を裸足で歩いていた。

 

オーウェンが団地の公園で木に向かって憂さばらしをしていると、うしろのジャングルジムの上に、うずくまったアビーがいた。

「友達にはなれないよ」というアビーの顔は蒼白だった。

 

次の朝、学校へ行くと殺人事件の話で持ち切りだった。

その殺人はアビーの「父親」の仕業だった。

人の血が欲しかったのに、失敗していた。

 

その夜もアビーと会った。

ルービックキューブに興味を示したアビーに、オーウェンはそれを貸してあげた。

 

 

オーウェンと別れた後、アビーは近所の人を襲って殺した。

死体は「父親」が凍った川に流した。

 

☆ネタバレ

アビーはヴァンパイアです。

人間の血を飲まないと生きてはいけません。

その保護者である「父親」はすでに疲れ果てていて、アビーのために血を供給することが難しくなってきているようでした。

そしてとうとう、失敗して事故を起こしてしまいます。

自ら硫酸をかぶり身元をわからなくして運び込まれたところが、冒頭のシーンでした。

 

病院に来たアビーに自らの血を与え、転落死します。

 

そのあと、アビーはオーウェンを訪ね、オーウェンは付き合ってくれるように頼みますが、アビーは自分は女の子ではないと繰り返します。

アビーが何でもかまわない、とオーウェンが言ました。

 

事件を調べている刑事がアビーの家にやってきて、風呂場で眠っているアビーを発見しました。

オーウェンは、陽の光を浴びると死んでしまうアビーを助け、アビーの正体を知っても、アビーとキスをかわします。

オーウェンのファーストキッスは血の味でした。

 

オリジナルでは、アビーが保護者を求め、隣の少年を選んだ形に見えましたが、この作品では、あくまでボーイ・ミーツ・ガールのロマンスの形になっていました。

 

アビーが「私を入れてくれる?」と聞くシーンが何度か繰り返されます。

最初は言葉通り、部屋に入ってもいい?と言うことですが、最後は、「私を受け入れて欲しい」という意味に変わり、オーウェンは受け入れるのです。

それが原題の「LET ME IN」。

わかりやすいですよね。

 

このへんのクロエちゃんの演技がすごいです。

血だらけのクロエちゃん。

よく頑張ったと思います。

 

「ザ・ロード」のコディ・スミット=マクフィーも負けていません。

弱々しく、孤独の中で必死に耐えている少年を好演しています。

 

もうこれだけで胸キュンになるはずですが、オリジナルを見てあの雰囲気に魅かれている私には、なんか物足りない感じなんです。

 

オーウェンを取り巻く、寒さ、荒涼さ、愛への飢餓感が足りないと思ってしまったのです。

オリジナル作品が恋しいと思いました。

 

オリジナルを見ていない人は、この作品で十分満足できると思います。

アビーを思いながらも別れたオーウェン。

でも、窮地に追い込まれたとき、アビーはオーウェンを救い、二人は運命共同体となったのです。

 

この作品を見たに人は、オリジナルを見て欲しいと思います。

この二人の絆は、とても未熟で力もなく、将来が見えません。

でも、二人はとても満足していて幸せなのです。

とても脆くて危うい感じで、それがオリジナルのラストシーンの魅力となっています。

 

ハリウッドリメイクには余韻が足りない感じでした。

コメント (2)
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シャンハイ(試写会)

2011-08-12 08:45:58 | 映画ー劇場鑑賞

ーシャンハイーSHANGHAI

2010年 アメリカ/中国

ミカエル・ハフストローム監督  ジョン・キューザック(ポール)コン・リー(アンナ)チョウ・ユンファ(アンソニー)菊地凛子(スミコ)渡辺謙(タナカ大佐)

 

【解説】

『ザ・ライト -エクソシストの真実-』のミカエル・ハフストロームが監督し、1941年の上海を舞台に描くアメリカ・中国合作のサスペンス大作。太平洋戦争勃発(ぼっぱつ)前の日本軍占領下の上海で、あるアメリカ諜報(ちょうほう)部員の死の裏に隠された男女の悲しい運命の物語を紡ぐ。『ハイ・フィデリティ』『2012』のジョン・キューザック、『SAYURI』コン・リー、香港の名優チョウ・ユンファ、渡辺謙や菊地凛子らが豪華共演。激動の時代を生きた人々の愛と宿命のドラマが感動を呼ぶ。

 

【あらすじ】

1941年、アメリカ諜報(ちょうほう)部員のポール(ジョン・キューザック)は、太平洋戦争勃発(ぼっぱつ)前の不穏な空気が漂う上海の地を踏む。彼は親友の死の真相究明のためやって来たが、やがて中国とアメリカ、そして日本を取り巻く巨大な陰謀の真相に迫っていく。ポールの周りには、常に彼を執拗(しつよう)に追い回す日本人将校タナカ(渡辺謙)らの存在があり……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

試写会に誘ってもらいました。

話題作なので楽しみでした。

 

最初から、激しい拷問のシーンから始まりました。

 

上海は、アヘン戦争の終結により1842年に結ばれた南京条約により開港した。

それ以来、イギリスやフランスの外国人居留地(租界)が形成された。

その後、アメリカや日本も租界を開いた。

1920年代から30年代にかけて中国最大の都市として発展し、「魔都」あるいは「東洋のパリ」とも呼ばれた。

 

この映画の舞台は1941年の上海。

1937年の日中戦争以来、上海市内で日本軍が台頭していた。

日本、ドイツ、アメリカ、中国がにらみ合い、情報戦争を展開していた。

 

アメリカ諜報部員のポール(ジョン・キューザック)は、親友のコナーを手伝うために上海にやってきた。

表向きは、アメリカの新聞社からドイツ新聞社に入社した新聞記者という肩書きだった。

ドイツ新聞の編集長の妻レニ(フランカ・ポテンテ)と友人だった。

 

コナーとあう手はずのカジノで、美しい中国女性の謎の行動に引かれて跡を付け、殺されそうになる。

しかも、コナーは現れなかった。

何者かに殺害されたのだ。

 

アメリカ情報局のリチャード(デヴッド・モース)から、コナーの情報屋キタを紹介され、コナー殺害の謎を調べ始めた。

 

そして、カジノで出会った謎の女性がアンナ(コン・リー)という名で、上海の闇社会ボスアンソニー・ランティン(チョウ・ユンファ)の妻だということを知る。

そして、アンソニーはタナカ大佐(渡辺謙)という日本情報部のボスと通じていた。

しかも、アンナは父を日本軍に殺されて、夫にも隠れてレジスタンス活動を手助けしていることを突き止めた。

 

☆ネタバレ

公開前なのであまり詳しく述べてもしらけちゃうと思うので、この辺にしておきますが、雰囲気はハードボイルドです。

 

ちょっととぼけた感じのジョン・キューザックがスパイらしくなくて、とってもいいです。

結局は、アンナに引かれて危険な運命に引きずり込まれていきます。

 

アンナ役のコン・リーは、ほんと美しい。

彼女のために、夫は嫉妬心もあったでしょうが、それを胸に押し込んでポールに妻をたくします。

二人の男性を魅了する女性にぴったりでした。

 

一方のスミコ役の菊池凛子。

彼女も、コナーとタナカを魅了する役なんだけど、最初からアヘン中毒の娼婦という感じで、どんな魅力があったのかが語られていないので、実感がわきませんでした。

見せ場が死ぬシーンというのも気の毒な感じがしました。

 

中国人レジスタンスの組織が、なんで日本人のスミコに執着したのかも、わかりにくかったです。

 

ポールとアンナは命がけの逃避行でクライマックスとなるのですが、結局はアンナはポールと別れ、上海に戻りレジスタンス運動を続けたとナレーションで語られました。

 

ポールも他国で生き延びたとナレーションがありましたから、ラストは現在の上海で再会した二人の映像が見たかったなあと思いました。

 

大好きな街、上海の租界のいわれがよくわかって、私には嬉しい映画となりました。

名優ぞろいで見せ場もたくさんありましたが、ハードボイルドのわりにはロマンスの比重が大きくて、ちょっと納得がいかなかったです。

 

男は愛に生きて、女は革命に生きるという結末で、そんなに男って純情なのか?と皮肉な気持ちになりました。

 

コメント (4)
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ザ・タウン

2011-08-12 08:40:51 | 映画ーDVD

ーザ・タウンーTHE TOWN

2010年 アメリカ

ベン・アフレック監督 ベン・アフレック(ダグ)ジョン・ハム(フローリー)レベッカ・ホール(クレア)ブレイク・ライヴリー(クリスタ)ジェレミー・レナー(ジェム)タイタス・ウェリヴァー(ディノ)ピート・ポスルスウェイト(ファーギー)ピート・ポスルスウェイト(ビッグ・マック)スレイン(グロンジー)オーウェン・バーク(デズモンド)

 

【解説】

俳優として活躍する一方、前監督作『ゴーン・ベイビー・ゴーン』が高い評価を受けたベン・アフレックの監督第2作。強盗団のリーダーと人質女性の愛を軸に、犯罪都市に生きる者たちの生きざまが描かれる。監督のベン・アフレックが主演を務めるほか、『それでも恋するバルセロナ』のレベッカ・ホール、「MAD MEN マッドメン」のジョン・ハム、「ゴシップ・ガール」のブレイク・ライヴリーら、豪華実力派キャストが出演。スリリングで骨太な運命のドラマが味わえる。

 

 

【あらすじ】

綿密な計画を立て、ある銀行を襲撃したプロの銀行強盗一味のリーダー、ダグ(ベン・アフレック)は、思わぬ事態から支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質に。その後クレアは無事解放されるが、強盗たちの影におびえる日々を過ごす。そんな中、彼女は魅力的な男性に出会うが、その男性こそが自分を人質にしたダグだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

T先生オススメの作品。

劇場では見逃しました。

DVD鑑賞でしたが、すごく面白かったです。

 

父親も犯罪者、親友も犯罪者。

ダグ(ベン・アフレック)は強盗団のリーダー。

有望なアイスホッケーの選手だったが、暴力事件で将来を棒に振り、強盗団に加わった。

犯罪が家業みたいに育ったダグだったが、この街を出て、自分を変えたいという願望があった。

 

薬もやめ、酒を断っても、強盗団から抜けるのは至難の業だった。

ダグは有能なリーダーだったのだ。

 

ダグのグループは綿密な計画を立て、銀行を襲撃した。

逃げるときに無声の非常ボタンが押されるという思わぬアクシデントに見舞われ、支店長のクレア(レベッカ・ホール)を人質に取って逃走した。

クレアは解放されたが、ダグのグループのジェム(ジェレミー・レナー)は、いずれクレアが証言して自分たちが捕まるのではないかと恐れ、クレアを脅かそうという。

ダグは、自分がなんとかすると言って、クレアに近づく。

二人は声をかわすようになり、お互いに惹かれる。

クレアは、強盗事件でトラウマに襲われ、辛い気持ちをダグに話すようになる。

 

ある日、二人が一緒にいるところをジェムに見られてしまう。

さらに、新しいミッションが実行に移されることが決まった。

ダグは、いよいよ仲間から抜けることを考えていたが、クレアに危害が及ぶと脅され、決行することを決心した。

一方で、FBIの捜査もダグたちに近づいていた。

 

☆ネタバレ

グループの仲間がFBIや地元警察に射殺され、ダグ一人が逃げられた。

クレアはFBIに確保され、ダグをおびき寄せるおとりとなっていた。

ダグは、強盗の元締めファーギー(ピート・ポスルスウェイト)を殺し、クレアだけにわかるところにお金を隠して、街を出た。

 

クレアは、そのお金で街の子供たちのために閉鎖されていたアイススケート場を復活させた。

 

ベン・アフレックの監督・脚本・主演作品ですが、才能ありますね。

街の中で、幼なじみが犯罪者と警官に別れてしまう悲劇とか、犯罪の連鎖の中から抜け出す難しさとか、犯罪に巻き込まれた人の心理とか。

繁栄している都市の闇の部分がうまく描けている作品だと思いました。

 

ピート・ポスルスウェイトはこれが遺作となったのではなかったでしょうか?

すごみのある役でした。

 

クリス・クーパーはダグの父親役、ブレイク・ライブラリーがジェムの妹役で出演していました。

 

脇がしっかりと固まって、安定した作品だなあと思いました。

 

コメント (2)
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大鹿村騒動記

2011-08-06 15:18:41 | 映画ー劇場鑑賞

 

ー大鹿村騒動記ー

2011年 日本

監督=阪本順治 キャスト=原田芳雄(風祭善)大楠道代(風祭貴子)岸部一徳(能村治)松たか子(織井美江)佐藤浩市(越田一平)冨浦智嗣(大地雷音)瑛太(柴山寛治)石橋蓮司(重田権三)小野武彦(山谷一夫)小倉一郎(柴山満)でんでん(浅川玄一郎)加藤虎ノ介(平岡健太)三國連太郎(津田義一)

 

【解説】長野県の山村に300年以上も伝わる「大鹿歌舞伎」をモチーフに、『亡国のイージス』『顔』の阪本順治監督と原田芳雄がタッグを組んだ群像喜劇。伝統の村歌舞伎が受け継がれてきた山村で食堂を営む男のもとに、18年前に駆け落ちした妻と友人が現れたことから始まる騒動を軽妙なタッチで描く。共演には大楠道代、岸部一徳、松たか子、佐藤浩市、三國連太郎ら実力派がそろい、悲喜こもごもの人間模様を彩る。大鹿歌舞伎の舞台を再現したクライマックスは圧巻。

 

 

【あらすじ】

南アルプスのふもとにある長野県大鹿村でシカ料理店を営む風祭善(原田芳雄)は、300年以上の歴史を持つ村歌舞伎の花形役者。公演を間近に控えたある日、18年前に駆け落ちした妻・貴子(大楠道代)と幼なじみの治(岸部一徳)が現れる。脳に疾患を抱え記憶を失いつつある貴子をいきなり返され戸惑う善だったが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この話は、実在する大鹿歌舞伎を題材に原田芳雄さんを主役に作られた作品です。

映画公開日の3日後の7月19日に、原田さんは他界されました。

お披露目試写会に車椅子で舞台挨拶をされている姿をテレビで見ました。

痩せておられて、お声も出ず、すごく痛々しかったです。

この撮影のときも、体調は悪かったようです。

でも、スクリーンの中の原田さんはお元気そのものでした。

 

 

大鹿歌舞伎は、長野県伊那郡大鹿村に300年に渡り上演されてきた芝居だそうです。

今回取り上げられている大鹿歌舞伎の外題「六千両後日之文章重忠館の段」は大鹿村歌舞伎のオリジナルだそうです。

 

すごいですね。

 

大鹿村歌舞伎の本番の日が近づき、役者たちは稽古に励んでいた。

しかし、この村をリニアモーター新幹線が通ると言う計画が持ち上がり、役者たちの間にも推進派と反対派があり、亀裂が生じていた。

 

この村で「ディアイーター」という鹿肉専門食堂を経営している風祭善(原田芳雄)は、歌舞伎の中心人物景清を演じる。

 

そこへ、18年前に駆け落ちした善の妻孝子と幼なじみの治がふいに現れる。

治は「貴子が認知症で面倒を見られないから、返す」という。

貴子は、何事もなかったかのように、家に上がり込み、布団を善の分まで敷いていた。

 

二人を家に泊めた善は、その後も貴子の面倒を見る。

料理の仕方も忘れてしまった貴子。

万引きまでしてしまう始末。

でも、二人のなれそめである、歌舞伎のセリフは覚えていた。

 

台風で貴子は昔の記憶を取り戻し、自殺しようと家を出る。

善は引き止める。

折しも、崖崩れにあい、一平(佐藤浩市)が負傷、その代役を貴子が勤めることになった。

 

そして、大歌舞伎が行われた。

 

妻が幼なじみと駆け落ちして失踪する、なんて、本当に悲劇的なことだけど、18年もたってしまったら、こういう喜劇になってしまうのだろうなあと思いました。

そして、自分の近くに戻って来たら、懐かしさに、恨みも忘れてしまうかもしれない。

人間の心理って、不思議なものです。

 

もちろん、何年経っても許せない人もいるでしょう。

でも、許しても許さなくても、人生の長さは変わらない。

としたら、罪悪感を抱えて生きながらえてきた人たちを前に、受け入れざるをえないんじゃないかな?

 

 

貴子の父である三国連太郎さんが、ジベリアで亡くなった戦友たちを木彫して悼む姿が対照的に感じられました。

生きてこそ、だものね。

 

伝統の村歌舞伎と、人生の夕暮れに訪れた喜劇にとてもよく似た悲劇、または、その逆かな?

「一度目は悲劇、二度目は喜劇」と言っていましたから。

とても面白い作品でした。

 

 

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