マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

焼肉ドラゴン

2018-08-10 13:44:45 | ハイキング

ー焼肉ドラゴンーJURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM

2018年 日本 127分

 

原作・脚本・監督=鄭義信 キャスト=真木よう子 (長女・静花) 井上真央 (次女・梨花) 大泉洋  (哲男) 桜庭ななみ(三女・美花) 大谷亮平(長谷川さん) 大江晋平(末っ子・時生) イ・ジュンウン(母・英順) キム・サンホ(父・龍吉)

 

【解説】

『愛を乞うひと』などの脚本家としても知られる鄭義信が、数々の演劇賞に輝いた自身の舞台を映画化。1970年を舞台に、関西で小さな焼肉店を営む一家が、たくましく生きる姿を描く。3姉妹に『さよなら渓谷』などの真木よう子、『八日目の蝉』などの井上真央、『最後の忠臣蔵』などの桜庭ななみ、長女の幼なじみに『探偵はBARにいる』シリーズなどの大泉洋、父親に『隻眼の虎』などのキム・サンホ、母親にイ・ジョンウンがふんする。

 

【あらすじ】

日本万国博覧会が開催された高度経済成長期の1970年、関西地方で焼肉店「焼肉ドラゴン」を営む龍吉(キム・サンホ)と妻・英順(イ・ジョンウン)は、娘3人と息子と共に暮らしていた。戦争で故郷と左腕を奪われながらも、前向きで人情味あふれる龍吉の周りには常に人が集まってくる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

1970年の万博が行われている頃の大阪を舞台に、焼肉店を営む韓国人一家の話。

もともとは舞台劇だったようですね。

 

父親の龍吉(キム・サンホ)は、太平洋戦争では日本軍に従軍して左腕を失い、戦後生まれ故郷の済州島に戻るが、四・三事件で家族を失い済州島を追われ、そこで知り合った英順(イ・ジョンウン)と知り合い、日本に戻った。

龍吉には長女・静花(真木よう子)と次女・梨花がおり(井上真央)、英順には三女となる美花(桜庭ななみ)がいて、結婚したのちに末っ子の時生(大江晋平)が誕生した。

 

物語は万博の2年前から始まる。

次女の梨花が哲男(大泉洋)と婚姻届を提出する予定だったのに、哲男は戸籍係と喧嘩をして婚姻届の用紙を破り捨ててしまったので、梨花はカンカン。

哲男は、梨花の姉の静花と幼馴染で、静花の足が不自由になった事故に責任を感じていた。

哲男は静花にプロポーズするが静花は断り、梨花と結婚することになったのだ。

梨花はこの一件も、静花に未練があるからではないかと機嫌が悪い。

 

静花は妹夫婦がうまくいくようにと、思いを寄せてくれる常連客と付き合い始める。

美花はキャバレーの支配人と不倫している。

 

ドラゴンの屋号の焼肉店は、国から不法占拠と言われ、立ち退きを要求されているが、龍吉はお金を払って買った土地だと、頑なに拒否している。

 

時生は、龍吉の強い意向で地元の進学校に通っているが、きついいじめにあい、とうとう失語症となってしまった。

 

⭐︎ネタバレ

時生は出席日数が足りず、留年となってしまうが、龍吉は退学や転校を許さない。

時生は橋から身を投げて死んでしまった。

 

梨花は哲男との結婚に悩み、不倫する。

そして、離婚。

哲男は、静花に結婚を申し込み、二人は北朝鮮の帰還事業に参加し、北へ行く。

 

ドラゴンの店も国に没収され、梨花も浮気相手と再婚し、大韓民国へと移住する。

三女の美花もキャバレーの支配人が離婚したので、晴れて籍を入れ、彼が営むスナックで働く。

 

両親はリヤカーに荷物を積んで、長らく暮らした土地を離れた。

こうして、家族はバラバラになってしまった。

 

やはり、末っ子の時生くんの自殺は衝撃的でした。

お父さんが厳しすぎると思いましたが、お父さんは「僕の腕を返せ、時生を返せ」と叫んでいたので、彼は日本という異国が自分から大切なものを奪ったという気持ちなのでしょうね。

痛ましいです。

 

映画が終わってからは、長女夫婦がそれからどうなったかが心配で、そのことから頭が離れません。

 

折しも、トランプ大統領と金正恩書記長の正規の会談が行われた今年。

拉致問題解決は当然のこととして、帰還事業で離散している家族が一刻も早く会えるように祈らずに入られません。

 

こういう重い問題をたくさん含みながらも、ユーモアにあふれ、明るく生きる家族の作品として、楽しく見ることができました。

家族の絆の強さも感じられました。

評判がいいのもわかりました。


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ジュラシック・ワールド 炎の王国

2018-08-08 10:53:49 | 映画ー劇場鑑賞

ージュラシック・ワールド 炎の王国ーJURASSIC WORLD: FALLEN KINGDOM

2018年 アメリカ 128分

 

監督=J・A・バヨナ キャスト=クリス・プラット (オーウェン・グレイディ) ブライス・ダラス・ハワード (クレア・ディアリング) ジャスティス・スミス (フランクリン・ウェブ) ダニエラ・ピネダ (ジア・ロドリゲス)  ジェフ・ゴールドブラム(イアン・マルコム) ジェームズ・クロムウェル(ベンジャミン・ロックウッド) ジェラルディン・チャップリン(アイリス) 

 

【解説】

恐竜が放たれたテーマパークが舞台のアドベンチャー『ジュラシック・ワールド』の続編。火山噴火が迫る島から恐竜を救い出そうとする者たちの冒険を活写する。監督は『インポッシブル』などのJ・A・バヨナ。前作にも出演した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズなどのクリス・プラット、『レディ・イン・ザ・ウォーター』などのブライス・ダラス・ハワードをはじめ、『インデペンデンス・デイ』などのジェフ・ゴールドブラムらが出演する。

 

【あらすじ】

ハイブリッド恐竜インドミナス・レックスとT-REXの激しいバトルで崩壊した「ジュラシック・ワールド」があるイスラ・ヌブラル島の火山に、噴火の予兆が見られた。恐竜たちを見殺しにするのか、彼らを救うべきか。テーマパークの運営責任者だったクレア(ブライス・ダラス・ハワード)と恐竜行動学の専門家であるオーウェン(クリス・プラット)は、悩みながらも恐竜救出を決意し島へ向かうが、火山が噴火してしまい……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

1933年の「ジュラシック・パーク」から数えと第5作目に当たる本作品。

なんだか、ますます面白くなったような気がしました。

また、今回の終わり方が、まさにパニック。

「これから世界はどうなるの!?」とびっくり仰天の終わり方でした。

もちろん、続編があるのでしょう。

 

面白くなった一つの要因は、オーウェン(クリス・プラット)が育て訓練したヴェロキラプトルのブルーの存在。

頭が良く、社交性があり、オーウェンの力強い味方です。

 

そしてもう一つはメイジー・ロックウッド。

母親のクローンという運命を背負う女の子の存在です。

 

彼女が、シアンガスで死にそうな恐竜を世界にときはなちました。

でも、その前からすでに、海生爬虫類のモササウルスや空を飛べるプテラノドンなどは、勝手にイスラ・ヌブラル島を脱出していましたけどね。

 

26年前の「ジュラシック・パーク事件」と22年前の「サンディエゴ事件」の当事者イアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)が連邦議会の証言台に立ち、「火山噴火の危機にさらされたイスラ・ヌブラル島の恐竜の運命は自然に委ねるべきだ」と主張します。

冷たい言い方だけども、人間が作り出した災い。

その存在と共存するということになれば、とてつもない覚悟がいります。

私には、原子力との共存問題と重なりました。

 

もちろん、遺伝子操作で戦争に使えるような脅威の新種を作るという問題もあります。

26年前に蚊の化石から創られた恐竜たち。

それを人間の飽くことのない欲望の追求と見るか、未来への希望と見るか。

 

大きなテーマをはらみつつ、次回作の展開がとても楽しみです。

 

それにしてもティラノサウルスは永遠のアイドルだわ。

その登場だけで、なんでこんなにワクワクするのでしょうねー。

 

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ワンダー 君は太陽

2018-08-07 09:58:17 | 映画ー劇場鑑賞

ーワンダー 君は太陽ーWONDER

2017年 アメリカ 113分

 

監督=スティーヴン・チョボスキー 原作=R・J・パラシオ キャスト=ジェイコブ・トレンブレイ (オギー) オーウェン・ウィルソン (ネート) ジュリア・ロバーツ (イザベル) マンディ・パティンキン (トゥシュマン先生) ヴィア(イザベラ・ヴィドヴィッチ)

 

【解説】

R・J・パラシオの児童小説を、『ウォールフラワー』などのスティーヴン・チョボスキーが映画化。外見からわかる先天性の障害がある少年が、困難に立ち向かう姿を描く。主人公に『ルーム』などのジェイコブ・トレンブレイ、彼を愛情深く支える両親を『エリン・ブロコビッチ』などのジュリア・ロバーツと『ミッドナイト・イン・パリ』などのオーウェン・ウィルソンが演じる。

 

【あらすじ】

生まれつき顔立ちが人と違う少年オギー(ジェイコブ・トレンブレイ)は、幼いころから自宅で母のイザベル(ジュリア・ロバーツ)と勉強してきた。10歳になり学校に通い始めた彼は同級生と仲良くしたいと願うが、じろじろ眺められたり避けられたりする。しかし彼の行動が、周囲の態度を少しずつ変えていき……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

原作であるR・J・パラシオの児童小説は、学校の課題図書になったと知り合いの人から聞きました。

実話ではなく、あくまで小説ということですが、涙腺が刺激されることは間違いないです。

悲しい涙というより、共感の涙、気持ちの良い涙です。

 

とはいえ、オギーの気持ちはとても辛い。

病気とはいえ、顔に大きな問題を抱えているのです。

トリーチャーコリンズ症候群という難病で、頬骨の欠如など、顔面に問題を抱えている病気だそうです。

オギーは生後すぐからたくさんの手術をしてきて、そして現在の顔となったのですが、それでも目立つ顔と言えます。

 

両親もとてもよく理解しています。

それでも、オギーは学校で学び、社会に出ていくことが大切であると、大きな決心したのです。

そして姉のヴィアもオギーのためには協力を惜しみません。

 いつも明るいオギーの家族です。

両親に余計な心配をかけまいと、ずっと良い子を演じてきた姉のヴィアですが、思春期に入り、幼馴染のミランダとの関係もギクシャクし、何かと難しいお年頃。

恋にも出会うしね。

 また、一夏で態度が変わってしまったヴィアの親友ミランダにも、家庭の事情があって複雑な心境なのです。

 

そんな風に、オギーを取り巻く人々に、オギーがもたらす効果について描かれています。

その効果が絶大。

オギーにしかできないこと。

 

きれいごとなのかもしれないけど、一つの個性が人々をつなげて変えていくってあるよ。

それを信じさせてくれる作品でした。

 

私もいい人の一員になったように感じられる、心が温かくなる作品でしたよ。

 

おばさんにも感動ものですが、若い人、思春期真っ只中の人に見てもらいたい作品でした。

 

オギーを演じるのは「ルーム」で名演技を見せたジェイコブ・トレンブレイ。

名演技です。

 

 

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ブリグズビー・ベア

2018-07-18 10:31:15 | 映画ー劇場鑑賞

ーブリグズビー・ベアーBRIGSBY BEAR

2017年 アメリカ 97分

 

監督・脚本-デイヴ・マッカリー キャスト=カイル・ムーニー (ジェームス) クレア・デインズ (エミリー) マーク・ハミル (テッド) グレッグ・キニア (ヴォーゲル)

 

【解説】

アメリカのコメディー番組「Saturday Night Live」などで人気のコメディアン、カイル・ムーニーが脚本と主演を担当した個性派ヒューマンドラマ。25歳までシェルターで育った青年がいきなり外の世界に放り出され、思いもしなかった現実と向き合う姿を映し出す。『スター・ウォーズ』シリーズなどのマーク・ハミルが主人公の育ての親を好演している。共演は、グレッグ・キニア、マット・ウォルシュ、クレア・デインズら。

 

【あらすじ】

25歳のジェームスは、物心ついたときから外の世界を知らず、小さなシェルターで両親と一緒に生活してきた。毎週ポストに投函される教育ビデオ“ブリグズビー・ベア”を見て成長してきた彼は、映し出される世界の研究に没頭する。ある日、突然ジェームスは警察に保護され、衝撃的な事実を知ることになる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、よく知らなかったけど、マーク・ハミル、グレッグ・キニア、クレア・デインズという名前に惹かれて見に行きました。

そうしたら、お宝でした。

こういう出会いがあるから、映画はやめられませんね。

 

25歳のジェームズ(カイル・ムーニー)、物心つく前から両親と地下のシェルターで暮らしている。

お楽しみは毎週ポストに届く「ブリグズビー・ベア」のビデオ。

今ではブリグズビー・ベア研究に没頭している。

 

父親(マーク・ハミル)と地上に上がり、隔離された庭から外を眺め、たまに父親に内緒でシェルターの屋根に上る。

もちろん、地球は毒ガスに侵されているので、防毒マスクをつけて、用心深く。

 

ある日、突然、警察が大量にやってきて、シェルター内になだれ込み、両親を逮捕。

ジェームズはパトカーに乗せられた。

警官たちは防毒マスクもつけず、ジェームズもやがて空気は汚染されていないとわかる。

 

もうお分かりですね?

ジェームズは、両親を名乗る夫婦に赤ちゃんの時に拉致をされたのだ。

「ルーム」って衝撃の作品がありましたね。

 

でも、ジェームズは自分が拉致監禁されているとは知らなかったのです。

両親の愛情を一身に受けて成長したと思っていた…。

 

刑事のヴォーゲル(グレッグ・キニア)が長い間調査し、ようやくジェームズを見つけて、犯人の元から助け出しました。

本当の両親の元に連れて行き、犯人は裁かれ、事件は解決です。

でも、ジェームズは?

ジェームズの頭の中は「ブリグズビー・ベア」でいっぱい。

このビデオは偽父親が工夫を凝らして作っていたもので、VHSテープで25巻・全736話にも及ぶのだ。

もう新作が出ないと知ったジェームズは落胆する。

 

精神科医(クレア・デインズ)は、過去を切り離し、新しい生活に慣れるように指導するが、ジェームズはブリグズビー・ベアに固執している。

妹の友達たちを巻き込んで、新作ビデオを作ろうと思い立つ。

 

赤ちゃんを盗んで拉致監禁して育てるなんて、大罪です。

でも、ジェームズは本当に無菌培養で育てられた究極に性格のいい人なんです。

そこは功績と言っていいのかどうか、良心が痛みますが。

 

「ルーム」でも描かれていたけど、監禁されている狭い世界から抜け出してハッピーエンドではなく、それからの現実世界に入っていくのも、それはそれで大変な試練なのです。

 

この作品はコメディですが、セラピーの本質を表していると思いました。

優しいだけではダメだし、情だけでもダメ。

本当に理解するって何かが描かれてありました。

 

人の心って難しい。

でも、この家族なら乗り越えていけるかもしれないという希望がありました。

 

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女と男の観覧車

2018-07-10 10:33:42 | 映画ー劇場鑑賞

ー女と男の観覧車ーWONDER WHEEL

2017年 アメリカ 101分

 

監督・脚本-ウディ・アレン キャスト=ジム・ベルーシ (ハンプティ) ジュノー・テンプル (キャロライナ) ジャスティン・ティンバーレイク (ミッキー) ケイト・ウィンスレット (ジニー) 

 

【解説】

オスカーの常連ウディ・アレンが監督を務めた人間ドラマ。1950年代のアメリカを舞台に、男女の恋と欲望、人生の切なさが描かれる。安定を願う一方で、刹那的な恋に身を投じる主人公を『愛を読むひと』などのケイト・ウィンスレットが演じるほか、ミュージシャンのジャスティン・ティンバーレイク、『午後3時の女たち』などのジュノー・テンプル、『ゴーストライター』などのジム・ベルーシらが出演。3度のオスカーに輝き、『カフェ・ソサエティ』でもアレン監督と組んだヴィットリオ・ストラーロが撮影を担当した。

 

【あらすじ】

1950年代のコニーアイランド。遊園地のレストランでウエイトレスとして働く元女優のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、再婚同士の夫と自分の連れ子と一緒に、観覧車の見える部屋に住んでいた。平凡な日々に幻滅し、海岸で監視員のアルバイトをしている脚本家志望のミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)とひそかに交際するジニーだったが、ある日久しく連絡がなかった夫の娘が現われたことで歯車が狂い始め……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ここのところコメディー色の強い作品が多いウディ・アレン監督。

私は、シリアスな感じよりコメディタッチの作品が好きなんですが、2014年のアカデミー賞にノミネートされたケイト・ブランシェット主演の「ブルー・ジャスミン」のような雰囲気の作品。

 

コニー・アイランドのある遊園地のカフェでウェイトレスをしているジニー(ケイト・ウィンスレット)は、夫のハンプティ(ジム・ベルーシ )と自分の連れ子である小学生の息子と、観覧車の裏側にある元見世物小屋で暮らしている。

 

ギャングと結婚したハンプティの娘のキャロライナ(ジュノー・テンプル)が帰ってきたところから、この一家の歯車が狂い始める。

 

キャロライナは夫と不仲になり、警察にギヤングの秘密をしゃべったことから、ギャング一味から命を狙われていた。

ハンプティは怒り狂いながらも、娘が可愛い。

結局は匿うことに。

 

ジニーには深刻な悩みがあった。

息子のリッキーに放火癖のあること。

問題行動を起こしては警察沙汰になり、校長から呼び出されることを繰り返していた。

 

かつては有望な舞台女優だったのに、今は40歳で、遊園地のウェイトレスなんかやっている私。

ジニーはこれまでの人生を悔い、自分の起こした数々の失敗を嘆く。

夫には禁酒を強いながら、隠れて酒をあおる日々です。

 

この映画の案内人でもある、大学生で海水浴で監視人をしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)。

脚本家志望なんて自己紹介するから、インテリかと思いきや、何のことはない、迷えるジニーの浮気相手。

しかもキャロラインに恋するゲス野郎です。

 

ジニーの憂鬱はキャロラインの登場によって、ますます募るばかり。

リッキーの悪い癖もどんどんエスカレートしていくし、ハンプティにはもううんざり。

 

そのジニーがドツボにはまり、とうとう取り返しのつかないことをしてしまって、精神的におかしくなっていくところが見所です。

 

まるで、「サンセット大通り」のグロリア・スワンソンみたい。

「欲望という名の電車」のブランチみたい。

ケイト・ウィンスレットの鬼気迫る演技にぞーっとしますよ。

 

私は「ブルー・ベルベット」よりこちらの方が好きだな。

現実を受け入れられない、痛い女。

この弱さ哀れさが好きだなあ。

 

多分、監督もそう思っていると思うな。

夫の名前がハンプティ(マザーグースからとってきたような名前)とか、舞台がコニー・アイランドの大衆化されたリゾート地とか、音楽にオールドジャズを使っているところとか、ウディ・アレンのオシャレ心が溢れていて、ジニーの哀れさを優しく包んでいました。

 

タイトルの「観覧車」もいいよね。

乗り込んでもたどり着くのは同じ場所。

結局どこにも行けません。

吹き寄せられるように集まった登場人物にぴったりです。


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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

2018-07-07 16:04:06 | 映画ー劇場鑑賞

ーハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーーSOLO: A STAR WARS STORY

2018年 アメリカ 135分

 

監督-ロン・ハワード 音楽=ジョン・パウエル キャスト=オールデン・エアエンライク (ハン・ソロ) ウディ・ハレルソン (トバイアス・ベケット) エミリア・クラーク (キーラ) ドナルド・グローヴァー (ランド・カルリジアン) ダンディー・ニュートン(ヴァル) フィービー・ウォラー=ブリッジ(L3-37) ヨーナス・スオタモ(チューバッカ) ポール・ベタニー(ドライデン・ヴォス) ジョン・ファブロー(リオ)

 

【解説】

『スター・ウォーズ』シリーズの人気キャラクター、ハン・ソロを主人公に据えたスピンオフ。宇宙を駆ける密輸業者からヒーローになった彼の若き日の戦いと冒険を描く。監督は『ビューティフル・マインド』『フロスト×ニクソン』などのロン・ハワード。『ヘイル、シーザー!』などのオールデン・エアエンライクがソロにふんし、『メッセンジャー』などのウディ・ハレルソン、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのエミリア・クラーク、ドラマシリーズ「アトランタ」などのドナルド・グローヴァーらが共演する。

 

【あらすじ】

帝国軍が支配する時代。惑星コレリアで生まれ育ち、自分の力だけで生き抜いてきたハン・ソロ(オールデン・エアエンライク)は、銀河で一番のパイロットになるという夢を抱いていた。やがて宇宙に飛び出した彼は、チューバッカ(ヨーナス・スオタモ)という相棒を得る。彼らは、幼なじみの美女キーラ(エミリア・クラーク)らと一緒に、危険な世界に通じたトバイアス・ベケット(ウディ・ハレルソン)が率いるチームに加わり、壮大な冒険に身を投じる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

スター・ウォーズのスピンオフ、待望の「ハン・ソロ」見てきました。

2回も!!

スピンオフでは「ローグ・ワン」が期待以上に良かったので、今回も期待大です。

アメリカの興行成績が悪いという噂なんて、気にしません。

 

ハン・ソロは、スター・ウォーズエピソード4~6で大活躍。

アウトローとして生きてきたのに、ルークやレイアと出会い、正義の人となります。

でも、エピソード7では自分の息子に殺されてしまいましたね。

 

では、彼はルークやレイアに出会う前にどんな人生を送っていたのか?

チューバッカとはどこでどんな風に出会ったのかとか、ミレニアム・ファルコンはどこで手に入れたのかとか、ファンとしては知りたいところ。

そこをうまく見せてくれて、私は大満足でした。

 

ランドとの息の合った掛け合いは面白かったですね。

L3も良かった。

手慣れた感じ。

安心して楽しめますね。

 

でも、幼馴染のキーラ(エミリア・クラーク)はどうなるのか、ジャバ・ザ・ハットとの関係はどうなのとか、まだまだ知りたいことだらけになってしまいました。

 

そうそう、ソロとルークの出会いってどんなだったかしらと、家に帰ってエピソード4を見直しました。

意外に静かなものでしたねー。

 

スター・ウォーズの世界が広がる楽しい作品ですよ。

 

 

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万引き家族

2018-06-27 11:58:00 | 映画ー劇場鑑賞

ー万引き家族ーSHOPLIFTERS

2018年 日本 120分

 

監督-是枝裕和 音楽=細野晴臣 キャスト=リリー・フランキー (治) 安藤サクラ (信代) 松岡茉優 (亜紀) 城桧吏(祥太) 佐々木みゆ(じゅり/りん) 樹木希林(初枝) 池松壮亮 緒方直人 森口瑤子 柄本明 高良健吾 池脇千鶴

 

【解説】

『誰も知らない』『そして父になる』などの是枝裕和監督による人間ドラマ。親の年金を不正に受給していた家族が逮捕された事件に着想を得たという物語が展開する。キャストには是枝監督と何度も組んできたリリー・フランキー、樹木希林をはじめ、『百円の恋』などの安藤サクラ、『勝手にふるえてろ』などの松岡茉優、オーディションで選出された子役の城桧吏、佐々木みゆらが名を連ねる。(シネマトゥデイ)

 

【あらすじ】

治(リリー・フランキー)と息子の祥太(城桧吏)は万引きを終えた帰り道で、寒さに震えるじゅり(佐々木みゆ)を見掛け家に連れて帰る。見ず知らずの子供と帰ってきた夫に困惑する信代(安藤サクラ)は、傷だらけの彼女を見て世話をすることにする。信代の妹の亜紀(松岡茉優)を含めた一家は、初枝(樹木希林)の年金を頼りに生活していたが……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

カンヌ映画祭第72回(2018年)パルムドール賞受賞作品。

是枝裕和家督は以前にも「誰も知らない」で柳楽優弥が主演男優賞を、「そして父になる」で審査員賞を受賞していて、カンヌのお気に入りという感じです。

でも、「誰も知らない」は後味がすごく悪かったし、「そして父になる」もモヤモヤしたものが残りました。

最近、DVDで「三度目の殺人」を見て、私にはお手上げという感じがしていました。

 

この作品、そういうわけで「見たい」と思ってみたわけではなかったのですが、さすがにトップの賞を取った作品。

いろいろすごくて、うーんと唸ってしまいました。

 

日本だけではなく、世界のいろんな国が抱えている社会問題。

それを欲張り過ぎるほど抱え込んで、エンタメ作品として仕上げたもの。

これはすごいです。

 

是枝さんの追求する家族とは何かの問いかけ。

ますます鋭くなっていますね。

 

家族のふりをしているけど、自分のことしか考えない。

心配したり、愛したりしているふりをしているけど、嘘ばかり。

 

では、この家族はどうでしょう。

おばあちゃん(樹木希林)と、姉夫婦(安藤サクラ、リリー・フランキー)と、妹(松岡茉優)。

姉夫婦には、小学生(行っていないけど)の祥太(城桧吏)ともう一人妹(佐々木みゆ)ができました。

薄着で傷だらけで寒いのに家の外にいたりん。

どうやら親から虐待を受けている様子。

父と祥太についてきてしまった。

そして、帰りたがる気配がない。

お母さんが「身代金も要求していないから誘拐ではない」と言って家に置くことになりました。

 

物語は祥太の目を通じて語られます。

思春期を迎えつつある祥太は実に繊細。

りんに優しくする父に嫉妬してみたり、万引きや窃盗についても心が揺らぎます。

 

一家では唯一の年金という安定収入のあるおばあちゃんが亡くなりました。

あろうことか、一家はおばあちゃんの遺体を床下に埋めてしまいます。

そして年金横取り。

 

ある日、りんの万引きが見つかりそうになり、祥太が身代わりに捕まって、怪我までしてしまった。

一家のことを怪しんだ警察に捕まり、この一家の正体が暴かれることに。

 

この一家は血縁で繋がっていたのではなかった。

では、この家族は何で繋がっていたのか?

お金?

最初はお金だった。

 

でも、りんを引き取ったのは?

 

家族ってなんだろう。

人は家族に何を求めているのだろう。

 

父の治の本名は祥太だった。

自分の名前を拾ってきた子供につけたのだ。

治は祥太(自分)の父になりたかったのか?

 

信代は尋問する警察官に「なんと呼ばれたかったのか」と聞かれ、絶句し、涙が溢れます。

このシーンが一番心に焼き付けられるし、秀逸です。

カンヌ映画祭の審査員をしていたケイト・ブランシェットも絶賛していたシーンです。

 

もっとも心配なのはりんことじゅりちゃんです。

行方不明になっても捜索願も出されず、DVの夫に耐えている母親からは、これからも愛してもらえそうにはありませんから。

今日も一人ぼっちで団地の玄関の狭いスペースで遊ぶりんちゃん。

この子はどんな風に育つていくのでしょう。

 

治や信代のように、世の中に背を向けて生きていく道しかないように思いました。

 

それでも、人はつながり生きていきたいものなのです。

信代が出所したらこの家族、また集まって都会の片隅で暮らしていそうな気がします。

それが祥太やりんの幸せのような気もします。



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ブラックパンサー

2018-04-07 12:04:02 | 映画ー劇場鑑賞

ーブラックパンサーーBLACK PANTHER

2018年 アメリカ 134分

 

監督=ライアン・クーグラー キャスト=チャドウィック・ボーズマン (ブラックパンサー/ティ・チャラ) マイケル・B・ジョーダン (エリック・“キルモンガー”・スティーヴンス) ルピタ・ニョンゴ (ナキア) ダナイ・グリラ (オコエ)

 

【解説】

マーベルのキャラクターで、国王とヒーローの顔を持つ男を主人公にしたアクション。超文明国ワカンダの国王だった父親を失ったブラックパンサーが、国の秘密を守るため世界中の敵と戦う。監督は『クリード チャンプを継ぐ男』などのライアン・クーグラー。『42 ~世界を変えた男~』などのチャドウィック・ボーズマンがブラックパンサーにふんし、『それでも夜は明ける』などのルピタ・ニョンゴらが共演。(シネマトゥデイ)

 

【あらすじ】

アフリカの秘境にあるワカンダで産出される鉱石ヴィブラニウムは、全てを破壊してしまうほどのパワーを持つ。歴代の王は、悪用されないように鉱石の存在を極秘にしていた。若くして王になったティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)は、謎の男エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)がワカンダに潜入しようとしていることを知り……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」のために見ておかなきゃ、くらいの気分で見に行きましたが、いやあ、なかなか骨もあって、見せる力もある面白い作品でした。

 

そうそう、この主人公ティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)のお父さんであるワガンダの前国王は、国際会議の場でテロリストによって暗殺されたのでした。

2016年公開の「シビルウォー/キャプテン・アメリカ」。

思い出した…。

 

ワガンダはいろんな作用を持つ鉱石ヴィブラニウムの産出国で、国民は文化的な生活送っているが、バリアで国全体を覆い、表向きにはアフリカのありふれた後進国を装っている。

 

国王の死去に伴い、後継であるティ・チャカがワガンダに呼ばれ、国王になるための儀式に臨む。

儀式により、国王と認められると、秘儀を施されブラックパンサーとしての超能力を得る。

 

ティ・チャラの妹は、ヴィブラニウム研究の第一人者で、ブラックパンサーのいろいろなアイテムの開発に余念がない。

 

その秘密とパワーに挑んできたのが、ヴィラン、エリック・キルモンガー(マイケル・B・ジョーダン)。

彼は、ティ・チャラの父の兄の息子で、本来なら王位を継ぐ人物であった。

キルモンガーは叔父に父を殺されたと思い込み、ティ・チャラから王位を奪う。

彼は、ワガンダが内密に独占していたヴィブラニウムを解き放ち、世界征服を目論んでいた。

 

この作品のテーマである、「自国だけか平和で豊かであるために資源は秘密にするのが良い」か「マイノリティで苦しむ人々や世界平和のために自国の資源を活用するのが良い」のかという究極の選択が描かれています。

 

世界の多くの国が自国の利益のためにという方向に流されている今、とても興味深いテーマでした。

 

このライアン・クーグラー監督、「フルートベール駅で」という作品を撮っています。

これは、2009年1月1日、22歳の黒人青年が警察官に銃で撃たれて死亡したという実話に基づいて作られた作品です。

ありふれた日常が、黒人であるということだけで理不尽に奪われてしまう悲劇を描いていて、評価も高い作品です。

 

もし、権力を持った人が自分の利益しか考えなくなったら、これほど恐ろしいことはありません。

自分さえよければいいと他人を切り捨てたり、虐げたりしたら、それはまた必ず自分や愛する者に跳ね返るでしょう。

情けは人の為ならず。

因果応報。

目に見えることばかりではありませんが、自分を犠牲にしたり、分け合ったり共感したりすることは、人間しかできない英知なのではないかなあ。

 

この作品、なかなか奥が深かったです。

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シェイプ・オブ・ウォーター

2018-03-19 11:01:12 | 映画ー劇場鑑賞

ーシェイプ・オブ・ウォーターーTHE SHAPE OF WATER

2017年 アメリカ 124分

 

監督・脚本=ギルレモ・デル・トロ キャスト=サリー・ホーキンス (イライザ) マイケル・シャノン (ストリックランド) リチャード・ジェンキンス (ジャイルズ) ダグ・ジョーンズ (不思議な生きもの) マイケル・スタークバーグ(ホルステトラー博士) ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー) フレミング(デヴィド・ヒューレット) ホイト元帥(ニック・サーシー)

 

【解説】

『パンズ・ラビリンス』などのギレルモ・デル・トロ監督が異種間の愛を描き、第74回ベネチア国際映画祭で金獅子賞に輝いたファンタジー。米ソ冷戦下のアメリカを舞台に、声を出せない女性が不思議な生き物と心を通わせる。『ハッピー・ゴー・ラッキー』などのサリー・ホーキンスが主演し、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』などのオクタヴィア・スペンサー、『扉をたたく人』などのリチャード・ジェンキンス、『ドリーム ホーム 99%を操る男たち』などのマイケル・シャノンらが共演。シネマトゥデイ

 

【あらすじ】

1962年、米ソ冷戦時代のアメリカで、政府の極秘研究所の清掃員として働く孤独なイライザ(サリー・ホーキンス)は、同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と共に秘密の実験を目撃する。アマゾンで崇められていたという、人間ではない“彼”の特異な姿に心惹(ひ)かれた彼女は、こっそり“彼”に会いにいくようになる。ところが“彼”は、もうすぐ実験の犠牲になることが決まっており……。シネマトゥデイ

 

【感想】

2007年の「パンズ・ラビリンス」良かったです。

大好きな作品。

そのギレルモ・デル・トロ監督の作品。

今年のアカデミー賞の作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞も取りました。

すごい!!

 

初めのシーンから水の中。

そして眠っているプリンセス。

と言っても、この女性は声を持たないイライザ(サリー・ホーキンス)で、映画館の上に一人で住んでいる。

隣に住んでいるジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)の世話も焼いて、夜にパスに乗って仕事に行く。

政府系の研究機関の掃除夫をしている。

仲良しのゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)が、上司とのコミュニケーションをとったり、いろいろよくしてくれる。

 

ある時、警備担当のストリックランド(マイケル・シャノン)が、アマゾンの原住民に神と崇められている秘密の生き物を研究所に持ち込んだ。

ホルステトラー博士(マイケル・スタークバーグ)が、研究にあたる。

 

☆ネタバレ

イライザが秘密の部屋を掃除している時、その生き物が姿を現し、イライザはその美しい姿にすっかり虜になってしまう。

みんなに隠れて、その生き物にゆで卵をあげたり、音楽を聴かせたりして交流を始める。

そう、イライザはすっかり「彼」に恋をしたのだ。

 

しかし、ストリックランドは苦痛を与えて従わせようとしたため、生き物は反抗し、危険なものに認定されてしまう。

そして、解剖して研究するという方針に決まった。

 ストリックランド(左)とホルステトラー博士

ホルステトラー博士は反対するが、ホイト元帥(ニック・サーシー)の決定には従うしかなかった。

ホルステトラー博士の正体は、ソ連のスパイで、謎の生物を盗んでソ連に持ち帰るよう、命令を受けていた。

 

大好きな「彼」が殺されると知ったイライザは、ゼルダとジャイルズに応援を頼んで、「彼」を逃がそうと計画を立てた。

その計画は、思いがけなくもホルステトラー博士の協力を得て成功し、「彼」を自分のアパートに連れてくることに成功、バスルームに匿った。

 

しかし、「彼」はかなり衰弱していて、雨が降るとの予報がある日に、水位の上がった川に放して逃がすことを決める。

 

一方、研究生物が逃げたことの責任を追及されたストリックランドは犯人捜しに躍起だが、イライザのような掃除人がそんな大それたことができるとは考えられなかった。

しかし、執拗な追跡の結果、ホルステトラー博士を殺害し、その魔の手はイライザと彼にも及んだ。

 

米ソの対立をうまく利用し、権力におもねる軍人気質や出世欲、人種差別や女性蔑視などをうまく絡めて悪を作り上げていました。

対するイライザは、口もきけない貧しい掃除人。

社会の底辺で生きている人です。

でも、心は無垢で、真実の愛を見抜く心を持っている。

巨悪対イライザ。

 

勝敗は目に見えているけど、最後は水の中のハッピーエンド。

観客はこのハッピーエンドにどれだけ救われことでしょう。

本当に良かったです。

 

始まりの水の中のシーンも、美しく蘇り、とてもうまく繋がっています。

 

この半魚人の目も、今回「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」でアカデミー賞ヘアメイキング&メークアップ賞に輝いた辻一弘さんのお仕事だそうです。

本当に綺麗な目なので、ぜひ注目していただきたいです。

 

「パンズ・ラビリンス」と比べれば、ずいぶんアダルトものです。

キワモノ感も感じます。

ただ、マイノリティたちを主人公にして、悪に立ち向かわせた構成はかなり面白かったです。

 

猫好きは、ちょっと注意が必要です。

ショツクを受けられませんように。


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ナチュラル・ウーマン

2018-03-16 21:54:17 | 映画ー劇場鑑賞

ーナチュラルウーマンーUNA MUJER FANTASTICA/A FANTASTIC WOMAN

2017年 チリ,ドイツ,スペイン,アメリカ 104分

 

監督=セバスチャン・レリオ キャスト=ダニエラ・ベガ (マリーナ) フランシスコ・レジェス (オルランド) ルイス・ニェッコ (ガボ)

 

【解説】

『グロリアの青春』などのセバスティアン・レリオが監督と脚本を担当した人間ドラマ。最愛の恋人をなくし、いわれのない偏見や差別にさらされながらも誇り高く生きるトランスジェンダーの主人公を映す。主演を務めるのは、自身もトランスジェンダーのシンガーであるダニエラ・ベガ。フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコらが共演している。

 

【あらすじ】

ナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのシンガー、マリーナ(ダニエラ・ベガ)は、チリの首都サンティアゴで年齢差のある恋人オルランドと同居していた。マリーナの誕生日を祝った晩、家に戻ると急にオルランドの意識が遠のき、そのまま他界する。彼が亡くなったことでマリーナは予想外のトラブルに見舞われ……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

先日、エル・ファニング主演の「アバウトレイ」を見たばかり。

これは、未成年の女の子が、男性の心を持っていて、男性らしくなるためのホルモン治療をするためには保護者の同意がいるという問題で、レイの周辺の大人たちの反応を描いた作品でした。

 

この作品は、すでに女性の体となったマリーナ(ダニエラ・ベガ)が主人公です。

 

マリーナを演じたダニエラ・ベガ自身もトランスジェンダーの歌手で、この作品の舞台はチリのサンティアゴです。

今年度のアカデミー賞外国語映画賞を受賞しています。

 

ナイトクラブの歌手マリーナは今日が誕生日。

恋人のオルランド(フランシスコ・レジェス )は、マリーナのためにレストランでサプライズを企画し、イグアスの滝への旅行に招待したが、そのチケットを紛失していた。

その夜、自分たちの部屋で愛し合った後、オルランドの具合が悪くなった。

マリーナはオルランドを病院に運ぼうとするが、慌てていて鍵を部屋に置き忘れてしまった。

マリーナが取りに戻っている間に、オルランドはフラフラと階段から転落してしまう。

 

自家用車で病院に運び込むが、マリーナは病室から出され、オルランドは亡くなってしまう。

医者は傷だらけで頭部ににも出血のあることでマリーナに疑いの目を向ける。

事情を知るオルランドの弟のガボ(ルイス・ニェッコ )が病院に到着し、マリーナはともかく解放される。

 

次の日、職場に行くと警察の性犯罪担当の捜査官が来る。

マリーナに話を聞きたいから、仕事が終わったら電話しろという。

オルランドの元妻から電話がかかる。

オルランドの車を引き取りたいというので、車をもって行く。

元妻は、マリーナのせいで離婚になったと思っている。

娘もいるので葬式には出るなと念を押す。

 

家に帰ると、オルランドの息子がいる。

いつアパートを明け渡すかと迫られ、愛犬も返せという。

 

疲れ果て、警察に電話を忘れると、警察に出頭命令が出て、身体を調べられた。

きわめつけは、息子とその仲間による暴力。

拉致され、テープで顔をぐるぐる巻きにされ、車から放り出された。

 

愛する人が突然亡くなったというのに、悲しむいとまもなく、怒涛のように押し寄せてくる災い。

チラシにも掲載されている、斜め45度に体を倒して向かい風に立ち向かうマリーナの姿。

トランスジェンダーの人が立ち向かわないといけない、世間の風当たりというものをストレートに表現していました。

 

☆ネタバレ

オルランドが残した鍵、それはオルランドが通っていたサウナのロッカーの鍵でした。

マリーナは女の姿のまま、男専用ゾーンに入って行ってロッカーを開けますが、そこには何もありませんでした。

それで何かを悟ったのでしょう。

自分らしく生きること。

犬も取り返し、スタージに立って、オペラのアリアを歌い上げるマリーナの姿がありました。

 

私は、ロッカーの中にはイグアスの滝行きのチケットがあると期待していました。

結局、チケットはなかったんだなあ。

それから、息子から犬はどうやって取り戻したんだろうとも思いました。

 

そういう疑問は残ったけど、マリーナは愛する人の死というどん底で、いろんな人から足蹴にされながらも、自分を見失わず、前を向いて歩き出せたのは本当に良かったと思いました。

やはりオルランドが幻影となって、マリーナを導いてくれたから。

愛を本当の意味で感じられたからだと思いました。

マリーナが元妻に車を届けに行くときにかかる「ナチュラルウーマン」キャロル・キングじゃなく、アレサ・フランクリンが歌っているそうです。

マリーナの心情にぴったりでした。

トランスジェンダーといえば、自分に関係ない感じだけど、障害や病気や劣等感を持ちながら生きている人は、私も含めてたくさんいると思うと、この作品は、ユーモアもあって、とても勇気をもらえる作品でした。

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