マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

はじまりへの旅

2017-04-18 16:42:53 | 映画ー劇場鑑賞

ーはじまりへの旅ーCAPTAIN FANTASTIC

2016年 アメリカ 119分

監督・脚本=マット・ロス キャスト=ヴィゴ・モーテンセン (ベン) フランク・ランジェラ (ジャック) キャスリン・ハーン (ハーパー) スティーヴ・ザーン (デイヴ) 

 

【解説】

第69回カンヌ国際映画祭ある視点部門での監督賞受賞を筆頭に、各国映画祭で賞を獲得したロードムービー。森の奥深くで社会と交わらずに生きる一家が、死んだ母親の葬儀のためにアメリカの北西部から南西部へと旅をしながら騒動を巻き起こす。監督は、俳優としても活躍する『あるふたりの情事、28の部屋』などのマット・ロス。『イースタン・プロミス』などのヴィゴ・モーテンセン、『パレードへようこそ』などのジョージ・マッケイ、『フロスト×ニクソン』などのフランク・ランジェラらが顔をそろえる。

 

【あらすじ】

アメリカ北西部の森の奥深くで、6人の子供と暮らしているベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)。子供たちは社会と接点を持っていないが、厳格なベンが課す特訓と熱心な教育によって全員がスポーツ選手並みの体力を誇り、6か国語を自在に話し、長男に至ってはあらゆる名門大学に合格していた。そんな中、入院していた子供たちの母レスリーが他界し、一家は葬儀が行われるニューメキシコへ向けて旅に出ることに。およそ2,400キロメートルもの長い道のりを行く彼らだが、世間知らずゆえに先々で騒動を起こしてしまう。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

独特の世界観、教育観を持つ父親であるベン・キャッシュ(ヴィゴ・モーテンセン)は、アメリカ北西部の森の奥深くで、18歳から8歳までの子供たちと自給自足の暮らしをしている。

子供たちは学校にはいっていないが、ベンの指導のもと体と精神を鍛え、読書に励んでいる。

6ヶ国語を操り、長男のボウは、父親に内緒にしているが一流大学6校から入学許可が届いている。

 

ベンはノーム・チョムスキーに傾倒していて、子供たちとその生誕を祝い、プレゼントはサバイバルナイフ。

 

チョムスキーは、アメリカ合衆国の哲学者、言語哲学者、言語学者、認知科学者、論理学者。 彼は50年以上在籍するマサチューセッツ工科大学の言語学および言語哲学の研究所教授 (Institute Professor) 兼名誉教授である。(ウィキペディア)

 

病気療養中だった子供たちの母親レスリーが自殺したという知らせが、ベンの妹ハーパー(キャスリン・ハーン )から入る。

 

ベンと仲が悪い舅のジャック(フランク・ランジェラ )から、葬儀に来るなと言われる。

子供たちは母の葬儀に行くことを望み、おんぼろバスに乗って葬儀会場のニューメキシコを目指す。

途中、ハーパーの家にも寄り、子供たちは森と違う価値観の生活を知る。

ハーパーはベンの生き方を批判する。

子供の中にも、ベンのやり方に疑問を持つ者も現れる。

 

葬儀が行われている教会に乗り込みひと悶着を起こす。

リスリーは火葬を望んでいたが、ジャックは土葬にし、譲らない。

 

ベンは子供たちをジャックに預け、自分は身を隠そうとするが、子供たちは父を追い、お墓からレスリーの死体を掘り出して、母が生前望んでいた自分たちのやり方で弔う。

 

リスリーは双極性統合失調症で、その病気を治すためにも一家は森での生活を始めた。

レスリーにとっても理想の暮らしだったのだ。

しかし、病は重く、最悪の結果となった。

 

家族は再び理解し合い、ボウの旅立ちもあり、社会の中で生きていくことを選択する。

ボウ以外の子供たちは学校へ通い始めたのだ。

 

理想の育て方をしようとする父親を演じたヴィゴ・モーテンセンが素敵です。

妻を愛し、子供を愛し、頼れるお茶目なお父さん。

今年のアカデミー賞で主演男優賞にノミネートされていました。

とてもチャーミングでした。

 

子供たちもすごく可愛い。

 

お母さんの死体を掘り返した時は、今からホラーになるのかと怯えましたが、とても綺麗なお母さんが現れてホッとしました。

タイトルが「キャプテン ファンタジック」

ベンはまさにそんな感じでしたね。

 

この家族は、この先どんな困難があっても乗り越えていくでしょうね。

愛が溢れるラストでした。


ダークプレイス

2017-04-18 11:17:05 | 映画ーDVD

ーダークプレイスーDARK PLACES

2015年 イギリス,フランス,アメリカ 113分

監督=ジル・パケ=ブランネール キャスト=シャーリーズ・セロン (リビー・デイ) ニコラス・ホルト (ライル) クロエ・グレース・モレッツ (若き日のディオンドラ) タイ・シェリダン (若き日のベン) 

 

【解説】

『ゴーン・ガール』の原作者ギリアン・フリンによるミステリー小説「冥闇」を映画化。幼いころに一家惨殺事件から生き延びた女性が、家族を襲った事件の真相を追ううちに驚がくの真実にたどり着く姿を、『サラの鍵』などのジル・パケ=ブランネール監督が描く。血塗られた過去と向き合うヒロインには、『モンスター』などのオスカー女優シャーリーズ・セロン。『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのニコラス・ホルト、『モールス』などのクロエ・グレース・モレッツらが共演。

 

【あらすじ】

8歳のときに起きた一家惨殺事件で生き残ったリビー(シャーリーズ・セロン)のもとに、有名事件の真相について話し合う「殺人クラブ」から招待状が届く。彼女が兄の犯行を目撃したと証言したことで、当時15歳だった長男ベンが終身刑を宣告された事件について話してくれれば謝礼を支払うという。生活費に困っていた彼女は申し出を受け、家族を襲った悲しい事件を振り返るが……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

リビー(シャーリーズ・セロン)が8歳の時に起きた一家惨殺事件。

姉二人と母が惨殺され、リビーだけが家の外に逃げて生き延びた。

彼女の証言で実の兄のベンが犯人とされ、無期懲役の判決が下り、刑務所で服役中。

 

一家惨殺事件の生き残りとして有名になったリビーは、全国からの寄付金で優雅に暮らしてきた。

しかし28年も経ち、その基金は底をついてきた。

基金を管理している管財人から、そろそろ働くように言われる。

 

しかし、8歳から時計が動かないような生活をしているリビーには生活の手段がない。

 

迷宮入り事件や残酷な殺人事件などをテーマに活動している「殺人クラブ」のメンバー、ライル(ニコラス・ホルト )がリビーに興味を持ち、クラブで講演してくれたら講演料を出すという。

さらに真犯人を探す手伝いをすると、さらにお金をくれると申し出てきた。

 

犯人は兄のベン(コリー・ストール)だと信じているリビーだったが、当時のことを思い出すうちに、ベンの恋人ディオンドラ(クロエ・グレース・モレッツ)を思い出した。

 

当時、リビーの家は貧しいシングルマザーで、農業も行き詰まり、農地や家を追い出される寸前だった。

たまに現れる父親は、金の無心しかしない。

 

兄のベンにはディオンドラという恋人がいたが、他の女性のやっかみであらぬ噂をたてられ、ディオンドラと駆け落ちしようとしていた。

ディオンドラのお腹にベンの子供がいるというのだ。

 

母は、ベンの噂を打ち消そうと努力するが、生活苦もあり、絶望していた。

そして、母がとった行動が、事件の真相だったのだ。

 

ベンは生まれたであろう我が子のために口をつぐみ、刑務所生活に耐えていた。

事件の真相が明らかになった時、リビーもベンも過去の重荷から解き放たれる。

 

主演のシャーリーズ・セロン自身が、母親がDVの父を撃ち殺すという過去を持っていることを彷彿とさせるような、リビーの暗い表情がとても良かったと思いました。

28年はとても長いけれど、リビーもベンも自分の人生が取り戻せればいいなあ。

 

それにしても、8歳の子供の証言を鵜呑みにする警察って、どうよ?と思いました。


ベン・ハー

2017-04-18 11:05:15 | 映画ーDVD

ーベン・ハーーBEN-HUR

2016年 アメリカ

監督=ティムール・ベクマンベトフ キャスト=ジャック・ヒューストン (ジュダ・ベン・ハー) トビー・ケベル (メッサラ) ロドリゴ・サントロ (イエス) ナザニン・ボニアディ (エスター) モーガン・フリーマン(イルデリム)

 

【解説】

アカデミー賞で作品賞、監督賞ほか史上最多11部門を受賞したウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演の歴史的大作を、「ウォンテッド」「リンカーン 秘密の書」のティムール・ベクマンベトフ監督、「アメリカン・ハッスル」のジャック・ヒューストン主演でリメイク。エルサレムの名家に生まれたベン・ハーは、義兄弟であるメッサラの裏切りにより奴隷船送りとなった上、乗っていた船が転覆するが、謎の族長イルデリムに命を救われる。やがて数年ぶりに戻った故郷で戦車競争出場の機会をつかんだベン・ハーは、復讐心を内に秘め、競技場でメッサラとの宿命の対決に挑む。主人公ベン・ハーをヒューストンが演じ、トビー・ケベルが宿敵メッサラに扮した。そのほかモーガン・フリーマン、ロドリゴ・サントロらが脇を固める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私はウィリアム・ワイラー監督、チャールトン・ヘストン主演の「ベン・ハー」に思い入れがないので、この作品はとても楽しく見られました。

 

ユダヤ人の名家出身のジュダ・ベン・ハー(ジャック・ヒューストン)と、ベン・ハー家の養子でローマ人のメツサラ(トビー・ケベル )。

二人は両親愛情を受けて分け隔てなく育ち、とても仲が良かった。

メッサラとジュダの妹は淡く思い合っていた。

 

ある日、二人が馬に乗って競争していた時、ジュダは落馬し、大怪我を負う。

ここにいることはできないと悟ったメッサラはベン・ハー家を去り、ローマ軍に入る。

 

ジュダは奴隷のエスターと結婚し、イエス(ロドリゴ・サントロ)とも知り合う。

 

ローマは勢力を拡大し続け、とうとうジュダの国にも入ってきた。

入城するローマ軍に歯向かっていけないとメッサラはジュダに助言するが、ジュダの家に匿われていた反乱派の少年がローマ軍の司令官に向かって矢を射った。

ジュダと家族は囚われ、ジュダは船の漕ぎ手の奴隷となる。

3年の年月が流れ、ジュダが乗っている船が敵の砲弾にやられ沈没した時に、ジュダは運良く逃げ出し、海を漂流したのち、隊商を率いるイルデリム(モーガン・フリーマン)に助けられる。

優れた馬の使い手であることを認められ、メツサラと馬車競争するために、イルデリムとともに生まれた町に戻ってきた。

 

妻のエスターはイエスのもとで手伝いをしていた。

母と妹は囚人となり、重いらい病を患い、牢屋の奥に閉じ込められていた。

ジュダはメッサラへの復讐に燃える。


イエスが囚われ、十字架を背負って歩く時、ジュダはイエスに水を差し出した。

それはかなえられなかったが、イエスの行動に強く打たれたジュダはイエスの処刑に立ち会い、慈悲の雨を受ける。

 

母と妹も、その雨を受け健康を取り戻した。

 

馬車競争の日が来た。

ジュダは妨害に遭いながらも、最後はメッサラを蹴散らし優勝する。

 

メッサラとも和解し、かつての友情も取り戻した。

 

ベン・ハーの波乱に満ちた人生が描かれていました。

でも、若者らしい純粋さを貫いた彼に清々しい思いを持ちました。

メッサラも、真に悪人ではなく、彼の生きる道だった。

立場が違えば、厳しい選択にもなると思います。

 

最後は和解できてよかったです。

最初に、メッサラの無償の友情が描かれていたので、ほっと一安心でした。


ミモザの島に消えた母

2017-04-18 11:01:34 | 映画ーDVD

ーミモザの島に消えた母ーBOOMERANG

2015年 フランス 104分

監督=フランソワ・ファブラ 原作=タチアナ・ド・ロネ キャスト=ロラン・ラフィット (アントワン) メラニー・ロラン (アガット) オドレイ・ダナ (アンジェル) ウラディミール・ヨルダノフ

 

【解説】

『サラの鍵』の原作者タチアナ・ド・ロネの著書を基に、ある男性が幼いころに経験した母の死の真相と家族の秘密にたどり着くまでを丁寧につづるヒューマンサスペンス。30年前の母の死の謎を探る主人公が、家族の悲しい秘密に触れ、再生していくさまを映し出す。主演は、『ムード・インディゴ うたかたの日々』などのロラン・ラフィット。『オーケストラ!』などのメラニー・ロランが共演。登場人物の心理をつぶさに捉える緊張感たっぷりの展開に引き込まれる。

 

【あらすじ】

30年前に「ミモザの島」という島の海で溺死した母親の事件を、40歳になっても引きずっていたアントワン(ロラン・ラフィット)。アントワンは母の死の真実を調べようとするが、家族は口を閉ざしたままだった。アントワンはミモザの島を訪れ、母のもう一つの顔と家族が封印した、思いも寄らない真実にたどり着く。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

予告編はとてもミステリアスで魅力的でしたが、ちょっと物足りない感じでした。

ミモザの島で繰り広げられる母の謎の死をめぐるミステリー。

 

幼い時に母が溺死をしたアントワン(ロラン・ラフィット)。

40歳になって、妻とも離婚、仕事もうまくいかず、思春期の娘ともうまくいかない。

セラピーにもかかっているが、アントワンにはどうしても釈然としない思いがあった。

母はなぜ死んだのか?

父や祖母は何か隠している。

 

母が亡くなったノワールムティエ島=ミモザの島を妹のアガット(メラニー・ロラン)と訪れた。

その帰り、車の中で口論となり、運転を誤って横転させてしまい、妹が大怪我を負ってしまった。

前半はアントワンの悶々とした日常が描かれ、うじうじぶりが嫌な感じです。

でも、後半になると美しいミモザ島と、干潮時にだけ現れる一本の道と母の死の真相が描かれ、心が奪われていきます。

 

後半の展開はスピーディで、面白いですが、とにかくアントワンの母恋物語にがハナにつく感じです。

残念です。

 

でも、美しい島と美しい母の悲恋(女性同士の恋)は心に残りましたよ。

母の恋を目撃したのが、幼いアガットだったというのも、胸がキュッとしました。