マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

クレイジー・ハート

2010-06-19 09:36:43 | 映画ー劇場鑑賞
ークレイジー・ハートーCRAZY HEART
2009年 アメリカ
スコット・クーパー監督 ジェフ・ブリッジス(バッド・ブレイク)マギー・ギレンホール(ジーン・クラドック)ロバート・デュヴァル(ウェイン)ライアン・ビンガム(トニー)コリン・ファレル(トミー・スウィート)ポール・ハーマン(ジャック)

【解説】
ジェフ・ブリッジスが破滅的な人生を送るシンガーを演じ、アカデミー賞主演男優賞を受賞した感動のヒューマンドラマ。かつて一世を風靡(ふうび)した伝説のシンガーソングライターの愛と再生を描く。監督は、本作がデビュー作となるスコット・クーパー。主人公と惹(ひ)かれ合うシングルマザーを『ダークナイト』のマギー・ギレンホールが演じる。俳優人生の集大成ともいえるジェフの熱演と、物語を彩るアメリカンミュージックに注目だ。

【あらすじ】
シンガーソングライターとして一世を風靡(ふうび)したものの、57歳になってすっかり落ちぶれたバッド・ブレイク(ジェフ・ブリッジス)。自分の弟子だったトミー(コリン・ファレル)がアメリカのトップ歌手として人気を博す一方、孤独な酒浸り生活を送るバッドは、シングルマザーの記者ジーン(マギー・ギレンホール)と出会う。(シネマトゥデイ)

【感想】
この作品で、ジェフ・ブリッジスは始めてのオスカー(主演男優賞)を手にしています。
遅すぎる感じがしますが。

この作品、ストーリーはありがちで、平凡です。

☆ネタバレ
この作品の主人公バッド(ジェフ・ブリッジス)は、57歳。
かつては、ヒット曲もあり、カントリー・ミュージック界では一目置かれる存在だが、今は、一人でバンを運転して、いわゆるどさ回りをしている。


バッド・ブレイク

ライブハウスならいい方で、酒場やボウリング場ということもある。
酒を飲んで歌い、朝目が覚めたら見知らぬ女性が隣で眠っているということも少なくない。
酔いどれでおせじにもかっこいいとはいえない親父です。

そんなある日、ローカル紙の記者をしているジーン(マギー・ギレンホール)と出会う。
ジーンは、シングルマザー。
4歳の息子と暮らしていた。

親子ほども年の差のある二人だが、お互いに惹かれ合う。

荒んだバッドの心にも光が射し始め、弟子でいまは人気者の歌手トミー(コリン・ファレル)の配慮もあって、大きなステージに経立ち、成果もあげられた。

なにもかも順調に行くように思えた矢先、アルコールのせいで、大失敗をして、ジーンから愛想づかしをされてしまった。

親友のウェイン(ロバート・デュヴァル)の力を借りて、アルコール中毒から脱しても、もう、ジーンの心は戻って来なかった。

でも、失恋にも負けず、バッドは自分の人生を再び取り戻した。
それがさわやかなラストシーンにつながって、とてもいい映画だと思いました。

この平凡な物語に陰影を付けて、人の思いの深さを表現できたのは、役者さんたちの力量だと思いました。

アルコール中毒から脱して、ジーンのもとを訪れるバットの目は、それまでと違って、とても知性にあふれた光が宿っていました。
これが、演技ってすごいなあ。

ジェフも、マギーも、コリンもよかった。
コリン・ファレルって、乱暴であまり頭の良くないやんちゃな人というイメージだったけど、この作品では、師匠を陰ながら尊敬し、慕ういい弟子の姿でした。

ジェフもコリンも自分で歌っているようですね。
役者さんて、すごいなあ。

オススメです。


アイアンマン2

2010-06-16 11:05:50 | 映画ー劇場鑑賞
ーアイアンマン2ーIRON MAN 2
2010年 アメリカ
ジョン・ファヴロー監督 ロバート・ダウニー・Jr(トニー・スターク)グウィネス・パルトロー(ペッパー・ポッツ)ドン・チードル(ローディ)スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドー)サム・ロックウェル(ジャスティン・ハマー)ミッキー・ローク(ウィップラッシュ)サミュエル・L・ジャクソン(ニック・フューリー)

【解説】
自ら発明したパワード・スーツで平和のために死闘を繰り広げる天才科学者兼経営者トニー・スタークを描き、大ヒットを記録したアクション大作『アイアンマン』の続編。アイアンマンであることを公表したトニーに、新たな敵が襲い掛かる。ロバート・ダウニー・Jrが引き続きアイアンマンを演じ、監督もジョン・ファヴローが続投。対する敵役には『レスラー』のミッキー・ロークや『ブラック・ダリア』のスカーレット・ヨハンソンなど実力派俳優たちがふんし、スリリングで迫力あるアクションが期待できる。

【あらすじ】
パワード・スーツ受け渡しの国家命令を拒否した科学者兼経営者のトニー・スターク(ロバート・ダウニー・Jr)。ある日、トニーの前にウィップラッシュ(ミッキー・ローク)なるアイアンマンと互角のパワーを持つ敵が現れたことから、トニーは再びパワード・スーツに身を包みアイアンマンとして立ち上がる。(シネマトゥデイ)

【感想】
前作「アイアンマン」のヒットで、ずいぶん予算がついたんじゃないでしょうか。
かなりド派手なアクションでした。

私はロバート・ダウニー・JRのあのとぼけた感じが大好きなので、トニー・スタークのキャラクターがとても気に入っています。
それから、今回登場のパーワードスーツが、トランク型になって、すごくスマート。
装着する時のかっこよさ。
そして、顔は相変わらずヒーローとは言えないお茶目な顔。
好きだなあ、アイアンマン!!

今回の敵は、父親がトニーの父親のハワードに追放されたと逆恨みして死んだロシアの科学者の息子、イワン・ヴァンコ(ミッキー・ローク)。



貧しい研究室でウィップラッシュを作り上げる姿は、前作のトニーを思いださせます。
悪役としては、申し分ないでしょう。

それを利用しようとする、スターク・インダストリーのライバル会社の社長、ハマー(サム・ロックウェル)。
サム・ロックウェルって、ちょっとゲーリー・オールドマンに似てるなあ。
でも、今回は、ミッキー・ロークの陰に隠れちゃった感じです。

味方には、前回のテレンス・ハワードに変わってジェームズ・ローズを演じたドンチードル。
彼は、もうひとつのパワードスーツ・ウォーマシンを装着して、悪人と闘います。

私にはもうひとつよくわからなかった、S.H.I.L.D.の長官フューリーにサミュエル・L・ジャクソン。
その部下のナターシャ(スカーレット・ヨハンソン)。



スカヨハのアクションシーン、始めてじゃないかな?
華麗でセクシーなアクションシーンが楽しめます。

父親のビデオで見る「スタークエキスポ」。
科学少年だった頃の気持ちが甦る人もいるのではないでしょうか?
そんな楽しさに溢れていました。

ストーリー的には、ちょっと尻すぼみでした。
それから、ペッパー・ボッツ(グウィネス・パルトロー)がライバル登場にどんな態度を取るかと、楽しみにしていたのですが、もはや古女房の貫禄でした。



そんなところがちょっと残念でしたが、十分楽しめました。

夫は、始まってからすぐにいねむり。
モナコのシーンで起こしてあげましたが、私ほどには楽しめなかったようです。

お約束の、エンドタイトルの後の、次に続くよーというおまけフイルム。
お見逃しなく。


ある愛の風景

2010-06-16 11:03:06 | 映画ー劇場鑑賞
ーある愛の風景ーBRODRE/BROTHERS
2004年 デンマーク
スザンネ・ビア監督 コニー・ニールセン(サラ)ウルリク・トムセン(ミカエル)ニコライ・リー・コス(ヤニック)

【解説】
デンマーク・アカデミー賞で最優秀主演女優賞を獲得し、ハリウッドでのリメイク企画も進行しているデンマーク映画。生存が絶望的になった夫の戦死を告げられた家族と、別人のようになって奇跡の生還を果たした夫のドラマが展開する。監督は最新作『アフター・ウェディング』も同時期に日本公開される女性監督スザンネ・ビア。主演は『グラディエーター』のコニー・ニールセン。深遠な家族の物語を味わいつつ、根底に流れる反戦のテーマを感じ取りたい。

【あらすじ】
美しい妻サラ(コニー・ニールセン)と2人の娘を持つ国連軍のエリート兵士ミカエル(ウルリッヒ・トムセン)は、良き夫、良き父として幸せな日々を送っていた。しかし、戦渦のアフガニスタンへ赴いた彼は、敵の捕虜となってしまう。一方、サラの元にはミカエルの訃報(ふほう)が届き……。(シネマトゥデイ)


【感想】
先日劇場鑑賞した「マイ・ブラザー」のオリジナルです。
基本的には変わっていなかったし、よく似たシーンもたくさんありました。
それだけオリジナルを大切にしているんだと思いました。

ミカエル(ウルリッヒ・トムセン)の家族は、リメイク版よりもっとエリート一家のようでした。
家もおしゃれで素敵でした。
妻のサラ(コニー・ニールセン)も、中流階級の美しい奥さんという描き方でした。

両親も、ふつうのやさしい人たちで、あまり屈折した感じに描いてありませんでした。

それだけに、弟のヤニック(ニコライ・リー・コス)のやんちゃぶりが強調されていました。

☆ネタバレ
日本で感じるのと同じような、遠い戦争に行くという感じで、リメイク版のような最初からの悲壮感(遺書を残したり)はありませんでした。
前半は家族の日常という感じで、淡々と進んでいきます。

そして、ミカエルの戦死の報告。
家族の受けたショックの大きさ。
でも、そんなものは序の口でした。
その悲劇なら、家族で力を合わせて乗り切れると思えました。
特に、ヤニックの変貌ぶりは素晴らしかった。
父の嫌みにも耐えられるようになったし、母の悲しみも癒せるようになり、なにより過去の自分に向き合う勇気も持てるようになりました。

サラや子供たちからも信頼される、いいおじさんに変わることができたのです。

しかし、敵に撃墜されて死んだとされたミカエルが、捕虜となって生き伸びていたー。
しかも、とんでもない展開で、生きて帰るために味方の兵士を、敵の言いなりに残酷にも殴り殺してしまいます。
そして、奇跡の救出劇。
大きな秘密を抱えて帰還したミカエルは、もはや元のやさしい夫、父親ではありませんでした。
大きな秘密に押しつぶされそうになって、苦悩し、心の中から壊れていきます。
殴り殺した男の家族に会いにいき、さらに自分を追いつめるミカエル。

何が彼をそうさせたのか、全くわからない家族。
娘たちを怖がらせ、サラとヤニックの仲を邪推し、精神が不安定で、冗談も通じない。
暴力をふるい、暴言を吐き、すっかり人格が変わってしまった夫を、家族がどう受け止めるのか。
果たして、癒せることができるのかー。
私は、ミカエルの告白に、かすかな希望を感じたのですが。
深く考えさせられる終わり方でした。

リメイク版は、より傷が深くて、救いがない気がしました。
サムの告白は、グレースをも地獄に引きずり込む告白に聞こえました。

このへんが、戦争当事者のアメリカと、支援国であるデンマークの、戦争への関わり方の違いのような感じがしました。
そして、ミカエルが殺したのは、捕虜になってから会った人間だったのに対して、サムの方は、彼の部下で、グレースとも親しい家族だったところも大きいと思いました。

この映画は、日本の状況にも当てはまります。
日本も、自衛隊を出しているし、戦闘しないと言っても、いつどんな形で巻き込まれるかわかりません。
この映画のように、捕虜になったり、人質になる可能性はないとは言えないのです。

それだけに、こちらの家族の物語は、ダイレクトに私の心に響いてきました。

デンマークの女性監督、スザンネ・ビアの作品をもっと見たいと思いました。

ココ・アヴァン・シャネル

2010-06-15 10:23:57 | 映画ーDVD
ーココ・アヴァン・シャネルーCOCO AVANT CHANEL
2009年 フランス
アンヌ・フォンテーヌ監督 オドレイ・トトゥ(ガブリエル・“ココ”・シャネル)ブノワ・ポールヴールド(エティエンヌ・バルサン)アレッサンドロ・ニヴォラ(ボーイ・カペル)マリー・ジラン(エイドリアン・シャネル)エマニュエル・ドゥヴォス(エミリエンヌ)

【解説】
伝説のファッション・デザイナー、ココ・シャネルの若き日を描いた伝記ストーリー。監督は『ドライ・クリーニング』のアンヌ・フォンテーヌ。孤児として育ちながら、後にファッションを通して女性たちの解放をうたう存在へと成長するココ・シャネルを『アメリ』のオドレイ・トトゥ、彼女の生涯の思い人を『GOAL! ゴール!』のアレッサンドロ・ニヴォラが演じる。想像を絶する体験を重ね、やがて伝説となるヒロインの生き様に注目だ。

【あらすじ】
孤児院で育った少女時代を経て、酔った兵士を相手に歌うナイトクラブの歌手となったガブリエル(オドレイ・トトゥ)。その一方、つつましいお針子として、田舎の仕立屋の奥でスカートのすそを縫う日々に甘んじていた彼女は、将校のエティエンヌ・バルサン(ブノワ・ポールヴールド)の愛人となり、退屈な暮らしを送ることに……。(シネマトゥデイ)

【感想】
「シャルネル」
華麗な響き。
女性の憧れですよね。

私のシャネルのイメージ。
まず、値段がべらぼうに高い。
世界のセレブが身につけるもの。

一番に思い浮かぶのが、シャネルスーツにイミテーションのじゃらじゃらのアクセサリーというスタイルだなあ。
次に、シャネルナンバー5。
マリリン・モンローの逸話で有名です。

この世界的ブランドを一代で作り上げたココ・シャネルという女性、どんな人だったのか、ブランドに無縁の私でも、興味津々です。

この作品は、ココの生い立ちから成功するまでの物語。
「ココ・アヴァン・シャネル」とは、ココになる前のシャネルという意味だそうです。

ココ・シャネルことガブリエル・ボヌール・シャネルは1883年フランス南西部の救済病院で産まれています。
父親は極貧の大道芸人でした。
12歳で母親が死に、父に捨てられ、姉とともに孤児院で育ちます。
当時の女性の生きる道として、職業を持って自立するという選択肢はありませんでした。
お針子として一生働き続けるか、娼婦になるか、鉄道員の妻になるくらいしかなかったそうです。

ココは、お針子をしながらキャバレーで歌を歌っていました。
芸能人なら自立できると思ったのでしょう。

☆ネタバレ
お金持ちの愛人になるのも、生きる道の一つだったのでしょう。
彼女は将校のエチエンヌ・バルサンを選び(私には、ココが選んだように見えました)、愛人となります。
でも、彼女は、屋敷に出入りする娼婦とは一線を画すため、男物のシャツや上着を自分に合うように改造して着ていました。
スリムな体を生かしたシルエットです。
コルセットもなし、帽子も小さく飾りはありません。

バルサンも、この風変わりな愛人を受け入れ、二人の間には、友情にも似た感情があったように思いました。

これが、シャネルの原点、彼女のセンスの良さでしょう。

彼女のセンスの良さを認め、バルサンの屋敷に出入りする女優や女性たちが帽子のデザインや製作を頼んでくるようになりました。


ココとボーイ

彼女の生涯一度の恋と言われる、ボーイ・カペルとの恋も描かれていました。
ふたりは理解し合い、愛し合っていましたが、ボーイは私生児で、貴族の称号を得るため、貴族の娘と結婚し、ココは愛人となりました。

映画の中でココは「愛は依存だ」と言い切ります。
結婚には魅力を感じていなかったようです。
それが、ココの人生観だったのでしょう。

その思いが、彼女を自立の道へと導きます。。
バルサンやカペルの資金援助を受けて、パリに帽子屋を開業します。
女性として成功した最初の実業家、フェミニズムの旗手のように言われている所以でしょう。
ボーイは交通事故で短い生涯を閉じます。
その後もココは、ジャージ素材を生かしたスーツやツイードのスーツを制作し、コレクションとして世の中に発表し、高い評価を得るようになるのです。

ラストのシャネルコレクション、圧巻でした。
素晴らしい!!

彼女が女性の服装に関して、革命を起こしたことには違いがありません。
コルセットを外し、ジャージのような素材を使って、着やすく動きやすい服を提案しました。
女性の肉体を解放したのです。

でも、ココは、自分に似合う服を作っていたので、モデルは痩せている方がいいというような、よくない風潮も生み出したようです。

ココは、1971年に現役のまま87歳で亡くなっています。
生涯独身でした。
第二次世界大戦中は、ドイツ人と愛人関係を結んでいたため、スイスへの亡命も余儀なくされたし、いまだに売国奴と嫌っているフランス人もいるようです。
一方で、ウーマン・リブで女性の社会進出が激しくなったアメリカ社会では、熱狂的に受け入れらました。

ココのオリジナルな生き方が、現代人の興味をそそるのでしょう。
ここのところシャネルの映画がたくさん作られました。
順次見ていきたいと思います。

クヒオ大佐

2010-06-15 10:22:05 | 映画ーDVD
ークヒオ大佐ー
2009年 日本
監督=吉田大八 堺雅人(クヒオ大佐)松雪泰子(永野しのぶ)満島ひかり(浅岡春)中村優子(須藤未知子)新井浩文(永野達也)児嶋一哉(高橋幸一)安藤サクラ(木下理香)内野聖陽(藤原)

【解説】
吉田和正原作の「結婚詐欺師 クヒオ大佐」を映画化した、型破りな人間ドラマ。日本人でありながら西洋人のような容ぼうを生かし、自分はアメリカ空軍のパイロットなどと偽って女性たちから約1億円を巻き上げた実在の結婚詐欺師の真の姿に迫る。どこか憎めない詐欺師役に『南極料理人』の堺雅人。彼に無償の愛をささげる女性を『余命』の松雪泰子らが熱演する。付け鼻をして、何とも不思議な主人公に成り切った堺と3人の女性たちの物語に夢中になる。

【あらすじ】
1990年代初頭、クヒオ(堺雅人)は、自分はアメリカ軍特殊部隊のパイロットで、エリザベス女王とも血縁関係にあたるなどと吹聴し、次々と女性たちをだましていた。だが、実際彼は純粋な日本人で、華麗な経歴もすべて自ら作り出したものだった。弁当店を営むしのぶ(松雪泰子)も彼の立派な軍服姿にころりとだまされ、懸命にクヒオに尽くすが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
こんなニュースも読んだような気がするけど。
でも、あり得ないでしょ?

でもでも、堺雅人のクヒオなら、ありかなあ?

ジョナサン・エリザベス・クヒオ。
名前がすでにおかしい。
父方はカメハメハ大王の末裔。
母はエリザベス女王の妹の夫の従妹。
これもおかしいでしょ!!

映画に出て来る被害者の女性はまず、両親を早く亡くした弁当屋の社長のしのぶ(松雪泰子)。
彼女は、本気でクヒオを愛して、従業員の給料を犠牲にしてまで尽くします。

もう一人は、銀座の高級クラブのナンバー2の未知子(中村優子)。
彼女は被害者とは言えない。
クヒオの正体を知り、その上で手玉に取ろうとしていたから、互角かそれ以上でした。

最後に、自然科学館で学芸員を勤める春(満島ひかり)。
恋人と別れ、心が揺れているときに、クヒオに言いよられ、みごとに騙される女性。

未知子には通じなかったものの、ターゲットを選ぶのがうまい。
どこか、満たされない思いを持っている女性。
頑張っている女性。
孤独な女性。
それが本能的な嗅覚とも言うべき才能ですね。

クヒオ自身も、暴力をふるう父親との惨めな幼児体験を持ち、違う人間を生きたいという強い思いがあったようです。

人間は他人を騙そうとして行動すれば、ウソがばれると思う。
彼は、自分をクヒオだと、半分以上は信じていたのでしょうね。
だから、女たちは信じて、その夢にすがったんだと思うなあ。

決して、かっこいいとは言えない、必死にクヒオを演じているクヒオだから、とてもおかしかったし、共感を覚えました。

ただ、これで総額1億円もの詐欺ができるのか?
時代だったのかなあ?

のだめカンタービレーTV版映画版をまとめてー

2010-06-12 08:54:06 | 映画ー劇場鑑賞
ーのだめカンタービレ最終楽章後編+TV録画+前編(レンタルDVD)ー

のだめカンタービレ連続ドラマ(TV録画)



ブログの読者、megさんが「映画を見る前に見た方がいいですよ」と、TVドラマのDVDを貸してくださいました。

私は、TVドラマをほとんど見ないので、「のだめカンタービレ」の映画も見るのは諦めていました。
それが、天の助け!!
megさん、ありがとうございました。

上野樹里ののだめ、あのしゃべり方があまり好きではありませんでした。
番宣とか、映画の宣伝とかであのしゃべり方を聞くと、いらっとしていました。

ところが、ひとたび見始めると、すっかりのだめちゃんワールドにどっぷりと浸かってしまう結果となりました。
譜読みもせずに、聞いたまま弾いて、しかも自分独自の解釈まで加えてしまうのだめちゃんの才能。
本物を見分けてしまう人たち、千秋真一(玉木宏)をはじめシュトレーゼマン(竹中直人)、コンセルバトワールのオクレール先生などにとっては、愛すべき才能の持ち主です。

ただ、人格的には問題が多い。
まず、整理整頓お片づけができない。
与えられた課題をこなすのが苦手。
お料理も下手。
遅刻も常習。

一方の千秋は、音楽的には完璧な天才型のピアニストにしてヴァイオリンの名手。
指揮者を目指して、勉強も手を抜かない。
でも、決定的な欠点があった!!
それは、飛行機が怖い、船も怖い。
だから、音楽の本場、ヨーロッパへ行けない!!

このドラマ、第一に、音楽がいいよね。
難しい曲も出てきますが、おおかたは誰でも聞いたことがある曲。
特に、テーマ曲となったベートーベンの「交響曲第7番」とガーシュウィンの「ラプソディー・イン・ブルー」という選曲は秀逸です。

脇役も個性豊かで、いかにも音大生というメンツ。
気に入りました!!

千秋は、欠点である飛行機嫌いを克服してヨーロッパへ修行の旅に。
のだめは、愛する千秋先輩を追ってピアノの道へー。

若い人たちが、自分の可能性を求めて巣立って行く姿は、本当に美しいと思いました。

のだめカンタービレ最終楽章前編(DVD)



2009年 日本
監督=武内英樹 原作=二ノ宮知子 キャスト=上野樹里(野田恵)玉木宏(千秋真一)瑛太(峰龍太郎)水川あさみ(三木清良)小出恵介(奥山真澄)ウエンツ瑛士(フランク)ベッキー(ターニャ)山口紗弥加(並木ゆうこ)山田優(孫Rui)谷原章介(松田幸久)なだぎ武(テオ)福士誠治(黒木泰則)吉瀬美智子(エリーゼ)伊武雅刀(峰龍見)竹中直人(フランツ・シュトレーゼマン)

【解説】
二ノ宮知子の同名ベストセラーコミックをテレビドラマ化し高視聴率を記録した「のだめカンタービレ」が前後編の映画版になって登場。天才的なピアノの腕と独特な感性を持つヒロイン、通称・のだめと、一流の指揮者を志すエリート青年・千秋の恋と音楽に懸ける青春が展開する。上野樹里、玉木宏をはじめ、テレビシリーズのキャストが続投。フランスをはじめとする計5か国で撮影が行われ、新キャストも登場するなど、映画版にふさわしくパワーアップした内容が見どころだ。

【あらすじ】
プラティニ国際音楽コンクールでの優勝後、千秋(玉木宏)はルー・マルレ・オーケストラの常任指揮者に。早速オケの偵察に行く千秋だったが、まったくやる気の感じられない団員たちの態度を目の当たりにし、がく然としてしまう。一方、のだめ(上野樹里)はコンセルヴァトワール(音楽学校)の進級試験を控え、練習に励む毎日を送っていたが……。(シネマトゥデイ)

のだめカンタービレ最終楽章後編(劇場鑑賞)



2010年 日本
監督=川村泰祐 原作=二ノ宮知子 キャスト= 上野樹里(野田恵)玉木宏(千秋真一)瑛太(峰龍太郎)水川あさみ(三木清良)小出恵介(奥山真澄)ウエンツ瑛士(フランク)ベッキー(ターニャ)山田優(孫Rui)谷原章介(松田幸久)なだぎ武(テオ)福士誠治(黒木泰則)吉瀬美智子(エリーゼ)伊武雅刀(峰龍見)竹中直人(フランツ・シュトレーゼマン)蒼井優(ヤドヴィ)

【解説】
日本中にクラシック旋風を巻き起こした人気コミックをテレビドラマ化し、好評を博した「のだめカンタービレ」待望の映画版後編。今回は、天才的なピアノの腕を持つポジティブキャラの通称のだめが一流の指揮者を目指す千秋との恋愛に、珍しく思い悩む姿をシリアスに描く。今作でも上野樹里や玉木宏のほか、前編同様豪華キャストらが共演。音楽的に大きな成長を遂げながらも、私生活では恋に苦悩する、のだめと千秋の恋愛模様も見逃せない。

【あらすじ】
のだめ(上野樹里)と千秋(玉木宏)は、しばらくの間お互いに距離を置くことを決める。そんな折り、千秋の元にピアニストの孫Rui(山田優)との共演話が持ち込まれる。その演奏曲であるラヴェルの「ピアノ協奏曲ト短調」は、のだめが千秋との演奏を熱望した曲だったが、二人の圧倒的な演奏に打ちのめされたのだめは激しく落ち込む。(シネマトゥデイ)

【感想】
もうそろそろ公開期間も終わろうとしています。
ラッキーなことに、貯まったポイントで、プレミアシートで楽しむことができました。

TVドラマをふまえて!!
前編は千秋の成長、後編はのだめの成長を描いています。

一言で言ったら、そうなんだけど、単純な恋愛ドラマではないところがこのドラマの魅力ではないかな?
ありがちな、すれ違いとか、横恋慕とかがありません。
ドラマは、快適なスピードで進んで行きます。

相思相愛ののだめと千秋ですが、その間に割って入る音楽がなかなかの曲者。
ある時は、味方となり、ある時は二人を苦しめます。

たぶん二人は永遠のライバルとして、自分の音楽の理想を追い求めて行くのでしょう。
それが、とても素敵なことなのですね。

☆ネタバレ
のだめの成長には目を見張るものがあるのですが、結局のだめはのだめ、変わらないことは頑として変わりません。

整理整頓ができないとか、夢中になったら食べることも寝ることも忘れてしまうとか。

千秋の方は、逆に人間的に成長して、指揮者の資質である寛容さ持てたようです。
それというのも、彼はのだめのピアノの大大大ファンなのですね。
惚れ込んでいるのです。
それは、最初から最後までぶれないことでした。

のだめは違います。
千秋が好きで、彼について行くためのピアノでした。
千秋とRuiの完璧と思えるコンチェルトに打ちのめされて、絶望の中で、のだめは道を見失い、シュトレーゼマンの魔法陣の中に入って行ってしまいました。
まるで、アナキンがダークサイドに入って行く時のように…。
天国か地獄か、その一線を越えてしまったのだめ。
そして、あの神懸かりともいえる奇跡の演奏。



燃え尽きてしまったのだめは、もはや、のだめでなくなってしまったか!
観客が固唾をのんで見守る中、かつて二人が出会いのときに弾いたモーツァルトの連弾へと続いて行きます。
音楽の中で二人の気持ちが解け合って行くのは、至福のシーンでした。

ああ、TV版から見てよかったー!!

ポスターの二人。
素敵ですねえ。
二人の関係をすべて言い表しているかのようです。

葛藤があっても、嫉妬に苛まれても、音楽への純粋な情熱がある限り、二人の愛は永遠でしょう。
私には理想のカップルに見えました。
お幸せに!!

最後に、峰龍太郎(瑛太)三木清良(水川あさみ)のカップルも素敵でした。
彼女の成功のために、2年も会わずに頑張るなんて、すごいことだと思います。
再会のシーンは、二人の凝縮した思いが溢れていて、すごくよかったです。

きよら

オープニングのタイトルでパリが映し出されたとき、パリでピアニストとして活躍している友達を思い出して、ジーンとしました。
彼女も、長い間ひたむきに努力を続けてきたのだと思いました。
彼女がこのドラマを見たら、なんて思うかしら?
見てもらいたい気がしました。


マイ・ブラザー

2010-06-10 19:56:04 | 映画ー劇場鑑賞
ーマイ・ブラザーーBROTHERS
2009年 アメリカ
ジム・シェリダン監督 トビー・マグワイア(サム・ケイヒル)ジェイク・ギレンホール(トミー・ケイヒル)ナタリー・ポートマン(グレース・ケイヒル)サム・シェパード(ハンク・ケイヒル)クリフトン・コリンズ・Jr(カヴァゾス少佐)メア・ウィニンガム(エルシー・ケイヒル)テイラー・ギア(マギー・ケイヒル)ベイリー・マディソン(イザベル・ケイヒル)キャリー・マリガン(キャシー・ウィリス)

【解説】
デンマーク映画『ある愛の風景』を、トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンらの豪華共演でリメイクした家族ドラマ。秘密を抱えた元兵士の男と妻、そして二人の娘に男の弟を巻き込んで、家族の崩壊と再生を情感豊かにつづる。監督は『マイ・レフトフット』『イン・アメリカ/三つの小さな願いごと』などのジム・シェリダン。戦争のもたらすあらゆる悲劇と家族のきずなが胸を打つ珠玉の感動作。

【あらすじ】
アフガニスタンで兵役に当たっている夫・サム(トビー・マグワイア)の帰りを待つグレース(ナタリー・ポートマン)の元に、サムの訃報が届く。絶望のふちにいるグレースと二人の娘を慰めてくれたのは、サムの弟、トミー(ジェイク・ギレンホール)だった。そんなある日、まさかの帰還をしたサムだったが、まるで別人のように変ぼうしていて……。(シネマトゥデイ)

【感想】
これ、リメイクだったんですね。
デンマーク映画『ある愛の風景』。
オリジナルも見てみたいと思います。

海兵隊の隊員で、もうすぐアフガニスタンへ行く大尉のサム。
彼には、妻のグレース(ナタリー・ポートマン)と二人の幼い娘がいた。
そして、刑期を終えて出所した弟のトミー(ジェイク・ギレンホール)と、ベトナム戦争の経験を持つ父(サム・シェパード)と、義母(メア・ウィニンガム)。

☆ネタバレ
最初の食事のシーンで、家族の関係を見事に描いています。

自分が死んだら妻に渡してくれと同僚に渡した「遺書」。
サムの覚悟のほどか伝わってきます。

アフガニスタンでは、ヘリコプターが撃墜され、サムは反政府・反アメリカグループの捕虜となりますが、グレースの元には、戦死が伝えられました。
遺書も手渡されますが、開くことができないグレース。

絶望するグレースを慰めるトミー。
兄弟ではないけど、「アルマゲドン」を思い出しますね。
しかも、兄と弟には、父も絡んだ愛憎と葛藤があるのです。



やがて、この世の地獄を味わい、辛い思いをして救い出され、帰還したサム。
そこにはあの優しい夫、父としてのサムの姿はありませんでした。

見た目には、ただ痩せて傷だらけのサムでしたが、サムの内面は血がどくどくと吹き出て苦しみ悶えていました。
子供のジョークに答えてあげられないとか、眠れないとか、短いシーンでPTSDをすごくうまく表現していました。

そして、トミーとグレースの仲を疑い、嫉妬し、幼い娘の言葉にも翻弄され、暴れ、あげくには自分の頭に銃口を当てるサム。

この物語には、結末はありません。
苦しみが続くばかりでした。

それでも、私はこの結末さえも生温いと感じました。

「ディア・ハンター」も思い出します。
帰還兵の問題に付いては、アメリカはすでに学習済みのはずなのに。

サムの罪はサムだけのものではないでしょう?
サムやサムに殺されたウィリスは、アメリカ軍の命令で戦地に行ったわけですから。
そして、アメリカ軍の最高司令官は大統領、大統領を選んだのは国民なんだから、サムの罪はアメリカ人の罪、ということにfはならないのでしょうか?

アメリカの人々は、この映画を見て、サムと一緒に苦しむ覚悟はあるのでしょうか。

日本人である私にとっては、少し距離のある分、このエンドレスの悲劇に呆然としました。

ジェイクは、ペルシャの王子より、こっちの役の方が似合っていました。
トビーもジェイクも、彼らが持っている繊細さが、さらに悲劇を際立たせていました。
うまい!

子役のお姉ちゃん役の子も、すごくうまい。
難しい表現を難なくこなして、すごいわあ。


扉をたたく人

2010-06-10 19:53:53 | 映画ーDVD
ー扉をたたく人ーTHE VISITOR
2007年 アメリカ
トム・マッカーシー監督 リチャード・ジェンキンス(ウォルター・ヴェイル)ヒアム・アッバス(モーナ)ハーズ・スレイマン(タレク)ダナイ・グリラ(ゼイナブ)

【解説】
主人公の大学教授を演じた名優リチャード・ジェンキンスがアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた感動ドラマ。911以降、移民希望者や不法滞在者に対して厳しい措置を取るようになったニューヨークを舞台に、孤独な初老の大学教授と移民青年の心の交流を描く。監督は俳優としても活躍中のトーマス・マッカーシー。共演は『シリアの花嫁』のヒアム・アッバス。人間関係を丹念に描いた心揺さぶる展開と、現代社会を反映した考えさせられるラストに注目だ。

【あらすじ】
妻に先立たれて以来、心を閉ざして生きてきた大学教授のウォルター(リチャード・ジェンキンス)。出張でニューヨークを訪れた彼は、マンハッタンの別宅で見知らぬ若いカップルに遭遇。彼らはシリアから移住してきたジャンベ奏者のタレク(ハーズ・スレイマン)と彼の恋人でセネガル出身のゼイナブ(ダナイ・グリラ)だと名乗るが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
アメリカで封切館が4館だけだったのに、口コミでヒットして、半年間のロングラン上映になったそうです。

主演のリチャード・ジェンキンスは、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされました。

妻に先立たれて、妻が弾いていたピアノの練習をしようと思い立つが、なかなか続かない。
大学の講義も、毎年同じ内容、論文は共著、学会発表も気が乗らないが、上司の命令とあれば仕方がない。
大学はコネティカットにあるので、いつもはそちらにいるウォルター(リチャード・ジェンキンス)だが、学会のために久しぶりにニューヨークのアパートに帰ってきた。
すると様子が変だ。
誰かがいるみたい。
バスルームを開けると、黒人女性が入浴していて、悲鳴が上がった。
すぐに男がやってきて、もみあいになった。

二人は不法滞在の移民のカップルだった。
悪い仲介人にだまされたらしい。
ウォルターは、いくところのない二人をしばらく置くことにした。

シリアから来たタレク(ハーズ・スレイマン)とセネガルから来たゼイナブ(ダナイ・グリラ)。
ウォルターは、ジャンベ奏者のタレクからジャンベを教わり、公園でみんなとセッションするまでに上達した。

しかし、ちょっとしたトラブルからタレクは逮捕され、不法滞在ということで勾留されて、さらに強制送還の不安がタレクを苛む。
心配したタレクの母モーナ(ヒアム・アッバス)がニューヨークに出て来るのだが、彼女も不法滞在者なので収容所に面会にいけない。
モーナとタレクの仲を取り持つ形になったウォルターと、モーナは心を通わせるようになるのだが…。

9.11以来、外国人と見ると、不審な目で見る不寛容なニューヨークの様子が映し出されます。
「俺はテロリストではない」と叫ぶタレク。
でも、法律の分厚い壁の前に、誰も助けられない。

ウォルターは地下鉄の駅で、タレクに習ったジャンベを叩き続けるのでした。

人々の深い思いが、ひしひしと伝わってくるような、とてもいい映画ですよ。

幸せのセラピー

2010-06-10 19:49:19 | 映画ーDVD
ー幸せのセラピーーMEET BILL/BILL
2007年 アメリカ
メリッサ・ウォーラック 、バーニー・ゴールドマン監督 アーロン・エッカート(ビル)ジェシカ・アルバ(ルーシー)エリザベス・バンクス(ジェス)ティモシー・オリファント(チップ・ジョンソン)

【解説】
逆玉のこしに乗って結婚したものの仕事も容姿もさえない中年男が、運命の女性と出会って本来の自分を取り戻すヒューマン・コメディー。『ダークナイト』のトゥーフェイス役の、アーロン・エッカートが情けないダメ男を好演。『ファンタスティック・フォー』シリーズのジェシカ・アルバが主人公の運命を左右する女性を演じる。監督は本作がデビューとなるメリッサ・ウォラックとバーニー・ゴールドマン。ダメ男から抜け出すための行動力と勇気がさわやかな笑いと感動を呼ぶ。


【あらすじ】
ストレス太りで自信喪失気味の中年男、ビル(アーロン・エッカート)。銀行頭取の娘で妻のジェス(エリザベス・バンクス)はいけ好かないテレビレポーターのチップと浮気中で、ビルは嫌々セレブ生活に甘んじながらもドーナツ・チェーン・ビジネスをひそかに画策している。ある日、若く美しいルーシー(ジェシカ・アルバ)に出会ったことから、妻ジェスを嫉妬(しっと)させる計画を実行することになり……。(シネマトゥデイ)

【感想】
「ダークナイト」(2008年 クリストファー・ノーラン監督)で、悲劇のトゥフェイス演じたアーロン・エッカート主演。
「サンキュースモーキング」や「幸せのレシピ」でもいい感じだったので、この作品も楽しみにしていました。

ところが、この作品では、中年太りの冴えないオトコの役で、ちょっとがっかり。

ビル(アーロン・エッカート)は、妻ジェス(エリザベス・バンクス)が銀行頭取の娘と言うことで、義父の経営する銀行の役職に就いているが、それは形だけ。
仕事もなく、ただ銀行に通っているだけの生活でした。

ジェスは、そんな不甲斐ない夫に飽きたのか、テレビレポーターのチップ(ティモシー・オリファント)と浮気。
その、決定的な証拠を押さえたビルだったが、そのビデオが流出して大変な騒ぎに。

でも、ビルには、自分で事業を興すという野心があったのです。

逆玉の輿生活に甘んじているへたれなオトコをどう見たらいいのかなあ?
そして、浮気をする金持ちの妻にどう共感したらいいのか?

あまりに感覚が違いすぎて、ちょっと引いてしまうような映画でした。


劇団「モケレンベンベプロジェクト」公演「桃の実」

2010-06-07 11:09:10 | 映画ー劇場鑑賞
ー桃の実ー

<劇団「モケレンベンベプロジェクト」HPより>
2010年は『桃の実』(再々演)を全国8ヶ所の路面電車内で公演します。
東京(追加公演決定!)・大阪・鹿児島・高知・豊橋・札幌・広島・長崎(公演順)
1945年、広島に原爆が投下されたとき、路面電車を運転していた女学生たちがいた。
戦時中、男たちが出征したあと労働力を補う目的で設立された家政女学校。学業と勤労を兼務した学校だったが、戦火が激しくなると終日勤務に。しかし戦後、男たちが復員して来るため職を追われ、女学校は廃校となる。原爆投下の廃墟を生き抜き、自らも傷つき、瀕死の仲間たちを看病しながら、電車の復旧に尽くした女学生たち・・・
2010年、走るチンチン電車の中で65年前の女学生たちの物語に出会ってほしい。過去の物語ではなく、いまだ核兵器を廃絶できない私たちの物語として。



先々週末、「祝春一番」でもらったチラシの中にあった、劇団「モケレンベンベプロジェクト」の公演「桃の実」を見てきました。

この演劇は、全国各地の路面電車を貸し切って行われる、ちょっと変わった演劇でした。


演劇が行われた電車です。写真は終点「浜寺公園」駅に着いたところ。

私は大阪なので、天王寺から貸し切り電車に乗りました。
この電車は、私が長年通った学校のすぐそばを通る、懐かしい電車です。
演劇は、ノンストップで終点の浜寺公園駅まで走ります。
その間1時間余り。



乗り込む時から、もんぺに車掌の制服を着た女学生姿の俳優さんが、切符に見立てたチケットにちょきんとハサミを入れてくれました。
乗客は観客でもあります。
ほぼ満席で、発車しました。

この日は、ほんとうにいいお天気でした。
発車寸前にひとりの若者が飛び乗ってきました。
彼が、現代の私たちを戦争中の広島に連れて行くキーパーソンとなります。

女学生たちは15歳で、広島の家政女学校の生徒さんでした。
貧しい農家出身の彼女たちは、働きながら勉強できると言うので、寮生活をしながら学校に通っていましたが、戦争が激しくなり、男たちが戦場に駆り出されて行ったので、市民の大切な足である市電の乗務員として、勉強もそっちのけで働いていたのでした。

戦争が激しくなると、電車の運転や整備まで任せられるようになりますが、お腹を減らしながらお国のためにと頑張っていました。

ところが、1945年8月6日、快晴の暑い日、広島に原爆が堕ち、彼女たちの乗った市電も被爆したのでした。
町は、一瞬のうちに地獄に変わりましたー。

路面電車という限られた空間で、わずかな小道具や黒い大きな布だけで、広島で起きた惨劇を演じます。

乗客の頬には大粒の涙がこぼれ、観客もタイムスリップしてあの日の広島にいるようでした。

でも、見終わった後は、悲劇よりもむしろさわやかな印象でした。
戦争の悲惨さよりも、ひたむきな女学生の姿に観客は心を打たれていました。

ムダを省いた脚本と、洗練された演出と、よく訓練された俳優さんの力量にとても感心しました。

この演劇は、2006年に東京で公演した後、2007年に広島・長崎を始め各地で上演され、好評を博し、今回の全国ツアーとなったようです。

皆さんのお近くで上演されているのを見つけられましたら、ぜひご覧いただきたいと思います。
日程表

午前の部を見たので、終点の浜寺公園内のレストランで、俳優さんたちと一緒にお昼ご飯を食べました。
観客と俳優さんが、心を開いて語り合って、気持ちのいいひとときを過ごしました。

南海浜寺公園駅から電車に乗って帰りました。

浜寺と言えば、昔は海水浴場のあったところ。
駅舎は、その名残のような佇まいでした。


南海浜寺公園駅