マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

ジャージーボーイズ

2014-10-24 11:55:27 | 映画ー劇場鑑賞

ージャージーボーイズーJERSEY BOYS

2014年 アメリカ 134

クリント・イーストウッド監督 ジョン・ロイド・ヤング(フランキー・ヴァリ)エリック・バーゲン(ボブ・コーディオ)マイケル・ロメンダ(ニック・マッシ)ヴィンセント・ピアッツァ(トミー・デヴィート)クリストファー・ウォーケン(ジップ・デカルロ)

 

【解説】

『グラン・トリノ』などの名匠クリント・イーストウッドが監督を務め、ブロードウェイの大ヒットミュージカルを基に描くドラマ。1960年代にザ・ビートルズと並ぶほどの人気を誇ったアメリカのポップスグループ、ザ・フォー・シーズンズの光と影を数々の名曲と共に映し出す。ブロードウェイ版同様ジョン・ロイド・ヤングが、バンドのリードボーカル役を担当。グループの宿命でもあるメンバーの友情と不和、栄光と転落の物語が胸に響く。

 

【あらすじ】

ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の青年たちは、その掃きだめのような場所から逃れるために歌手を目指す。コネも金もない彼らだが、天性の歌声と曲作りの才能、そして素晴らしいチームワークが生んだ最高のハーモニーがあった。やがて彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」というバンドを結成し、瞬く間にトップスターの座に就くが……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

これ、ブロードウェイミュージカルなんですね。

クリント・イーストウッドが映画化するなんて、ちょっと違和感があります。

でも考えてみれば、イーストウッド監督は音楽も大好きだし、しかもこれはイーストウッド監督お得意の少年魂についてのお話でした。

 

物語は、出演者が順番に回想を語りながら進んでいきます。

 

ニュージャージーの貧しいイタリア移民の青年トミー・デヴィート(ヴィンセント・ピアッツァ)は、盗品を売買したり盗みを働いたりする不良少年で、兄のニック(マイケル・ロメンダ)とともに、刑務所を出たり入ったりする有様だったが、音楽には才能がありナイトクラブで兄とともにライブ演奏をしていた。

トミーは、美しいファルセットの歌声を持つ少年フランキー・カステルチオ(のちのヴァリ=ジョン・ロイド・ヤング)を自分たちのメンバーに加えようとしていた。

  マフィアのボスに気に入られているフランキー

フランキーの歌声は、地元の有力なマフィアのボスジップ・デカルロ(クリストファー・ウォーケン)をも魅了するが、なかなかデビューの機会がつかめないでいた。

そんなときに才能豊かなソングライター、ボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)と出会い、バンド名も「フォーシーズンズ」と改めた彼らは、「シェリー」を皮切りに、次々とヒット曲を生み出していく。

  ボブ・コーディと出会う

☆ネタバレ

スターダムにのし上がった彼らだったが、お定まりの仲間割れ、金銭トラブルに見舞われ、バンドは解散。

借金は残る。

 

フランキーは借金を返すために地方巡業に励むが、留守がちな家庭は、妻がアル中になり家族はバラバラ、才能のあった愛娘が麻薬の過剰摂取で亡くなるという悲劇に見舞われる。

  愛娘と話し合うフランキー

それでもフランキーは歌い続け、ついに「君の瞳に恋してる」が大ヒット。

1990年にロックの殿堂入りを果たし、グループが再会するところまでを描いています。

 ロックの殿堂入りを果たす 

夫と一緒に見に行ったのですが、彼は途中から泣いていたようでした。

いい映画だけど泣くほどとは思わなかったので、後で感想を聞いてみると、音楽に目覚めた頃に聞いていたのが「シェリー」で、それがポップスへの入り口となり、ビートルズファンへとつながったようです。

少年の日が蘇ったと言うわけです。

 

そう思ってイーストウッド映画を振り返ると、「グラントリノ」もピュアな少年の心を持った老人のお話でした。

「ミスティックリバー」、私はちょっとかわいそう過ぎて苦手なんだけど、あれも少年の頃を引きずっている人たちのお話でしたね。

彼の作品が男性の心をぎゅっと捉えて話さないのは、こんなふうに少年魂を語るからかなあと思いました。

 

ボブ・コーディオをフランキーたちに紹介したのが、のちの映画俳優のジョー・ペシという裏話も披露されていました。

主演のジョン・ロイド・ヤングはブロードウェイの舞台でも主演を務めている人です。

そしてラスト、出演者が揃って踊り出すシーンはとても素敵でした。

 

いつまでも少年の心をなくさないから、いくつになっても若々しい作品が撮れるのかなあ?

さすがイーストウッド監督!という作品でした。

ブラボー!!

 


とらわれて夏

2014-10-23 10:00:38 | 映画ーDVD

ーとらわれて夏ーLABOR DAY

2013年 アメリカ 111

ジェイソン・ライトマン監督 ケイト・ウィンスレット(アデル)ジョシュ・ブローリン(フランク)ガトリン・グリフィス(ヘンリー)トビー・マグワイア(ヘンリーの大人)トム・リピンスキー(フランクの若い時)

 

【解説】

「ライ麦畑の迷路を抜けて」などで知られる作家、ジョイス・メイナードの原作を実写化したラブストーリー。ひょんなことから逃亡犯の男性をかくまうことになった女性が、彼と惹(ひ)かれ合った果てに重大な決断をする5日間を見つめていく。監督は『ヤング≒アダルト』などのジェイソン・ライトマン。ケイト・ウィンスレット、ジョシュ・ブローリンら、実力派俳優が結集する。彼らの熱演もさることながら、人生や愛のあり方に深く迫ったドラマも見応え満点。

 

【あらすじ】

9月初めのレイバーデーの連休が迫る、アメリカ東部の閑静な町。シングルマザーのアデル(ケイト・ウィンスレット)とその息子である13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわしてしまう。絶対に危害は加えることはないという言葉を信じ、アデルは彼を自宅にかくまうことに。やがて、家や車を修理し、料理を作り、ヘンリーに野球を教えるフランクに安らぎを覚え、魅了させられていくアデル。そして、人生を大きく変えかねないほどの重大な決意をする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品、脱獄犯と貧しい母子のふれあいの物語ですが、ケイト・ウィンスレットとジョシュ・ブローリン、演技派の二人が上手にフィクションの世界に誘ってくれます。

こういうラブストーリー、好きだなあ。

 

父親が出て行ってから、母アデル(ケイト・ウィンスレット)と一緒に暮らしている13歳のヘンリー(ガトリン・グリフィス)は、鬱状態にある母のことを心配している。

再婚した父から一緒に暮らそうと言われているが、母が心配で踏み切れない。

 

ある夏の終わり、母と一緒に買い物に出かけたヘンリーは、逃亡犯のフランク(ジョシュ・ブローリン)と出くわし、危害を加えないという言葉を信じて自宅にかくまう。

フランクは、虫垂炎の手術のあと隙を見て逃げ出して来たので、傷が癒えずしばらく養生するつもりだった。

 

はじめは警戒心が解けない親子だったが、フランクの人間性に触れるうちに、アデルは異性として、ヘンリーは父親のように慕うようになる。

 

たった5日間の物語ですが、短い時間でも人生の転機になる出来事を魅力的に描いています。

 

アデルにとっては一生の恋、ヘンリーには人生を決定づけるものでした。

輝くような夏の思い出。

 

とても素敵な物語でした。

 

ジョシュ・ブローリンの若い時を演じたトム・リピンスキーが、すごくジョシュに似ているので驚きました。

 

最後はハッピーエンドなのもうれしいです。


さようなら、アドルフ

2014-10-23 09:56:52 | 映画ーDVD

ーさようなら、アドルフーLORE

2012年 オーストラリア,ドイツ,イギリス 109

ケイト・ショートランド監督・脚本 ザスキア・ローゼンダール(ローレ)カイ・マリーナ(トーマス)ネーレ・トゥレープス(リーゼル)ウルシーナ・ラルディ(ローレの母)ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー(ローレの父)

 

【解説】

2次世界大戦の終戦直後、ナチス親衛隊高官の父と母が去ったあと、14歳の少女が小さい妹弟と共に祖母に会うために困難な旅をする姿を描くヒューマンドラマ。旅の過程で、ナチスの行ったユダヤ人虐殺の真実に動揺し、葛藤する加害者の子どもたちの繊細な心の動きが映し出される。監督は、『15歳のダイアリー』のケイト・ショートランド。ヒロインは、ベルリン国際映画祭シューティングスター2013に選出されたザスキア・ローゼンダール。過酷な現実に直面し、さまざまな経験を経た少女の成長の物語に心を揺さぶられる。

 

【あらすじ】

1945年、敗戦して間もないドイツ。ナチスの幹部だった両親が去り、14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、妹と弟と共に南ドイツから900キロ離れたハンブルクの祖母の家へ向かうことに。途中、貼り出されたホロコーストの写真を見たローレは困惑する。翌日、連合軍兵士に呼び止められたローレはユダヤ人青年のトーマス(カイ・マリーナ)に助けられ……。(シネマトゥデイ)

 

【あらすじ】

原題のローレは主人公の少女の名前。

ナチス将校の娘として何不自由なく暮らしていた14歳のローレが敗戦と同時に孤児となり、妹と双子の弟、末っ子の赤ちゃんを連れて、900キロ離れた祖母の家まで逃げ延びる話。

 

逃げ延びれたら奇跡だなあと思いながら見ていました。

 

途中でユダヤ人の青年と出会い、保護されないと生き延びれないと知りながらも偏見と葛藤するという描写もありました。

子供目線で描かれているからか、少し納得の行かないところもありましたが、一夜にして価値観がひっくり返っても、生き延びなくてはならない子供たちの悲劇が描かれていました。

 

ローレが途中で出会うさまざまな大人たち、ナチスがやった虐待の事実、戦争の実態を知ることなど、見応えのある作品でした。

 

戦争とは何か、また違った切り口で見せてくれた作品でした。

 


アメイジング・スパイダーマン2

2014-10-23 09:53:05 | 映画ーDVD

ーアメイジング・スパイダーマン2THE AMAZING SPIDER-MAN 2

2014年 アメリカ 143

マーク・ウェブ監督 アンドリュー・ガーフィールド(ピーター・パーカー)エマ・ストーン(グウエン・ステイシー)ジェイミー・フォックス(マックス・ディロン)デイン・デハーン(デイン・デハーン)キャンベル・スコット(リチャード・パーカー)エンベス・デイヴィッツ(メアリー・パーカー)コルム・フィオール(ドナルド・メンケン)ポール・ジアマッティ(アレクセイ・シツェビッチ)サリー・フィールド(メイおばさん)

 

【解説】

キャストとスタッフを一新した人気アメコミ超大作の第2弾。超人的能力を駆使して正義の味方スパイダーマンとして活躍する青年ピーターが、ニューヨークの平和を脅かす敵たちに立ち向かう。監督のマーク・ウェブ、主演のアンドリュー・ガーフィールド、エマ・ストーンと前作のメンバーが再結集し、『Ray/レイ』などのジェイミー・フォックス、『クロニクル』などのデイン・デハーンが新たに参加。迫力満点なアクションはもとより、ピーターに降り掛かる試練を見つめたドラマも見もの。

 

【あらすじ】

スパイダーマンとしてニューヨークの平和を守り、グウェン(エマ・ストーン)との関係も好調なピーター(アンドリュー・ガーフィールド)。だが、旧友のハリー・オズボーン(デイン・デハーン)がニューヨークに戻ってきたのを機に、充足していた生活が微妙に変化していく。そんな折、サイ型パワードスーツを装着したライノ(ポール・ジアマッティ)、人間発電機エレクトロ(ジェイミー・フォックス)という敵が出現。苦闘を強いられる中、追い打ちをかけるように怪人グリーン・ゴブリンとなったハリーが襲い掛かってくる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

主人公のアンドリュー・ガーフィールドとエマ・ストーン、悪役のジェイミー・フォックスやお目当てのデイン・デハーンと、キャストはいいんだけどなあ。

 

だんだん、サム・ライミ版の方が良かったんじゃないか?と思ってしまった。

 

長いわりに退屈でした。

ほんと、キャストは素敵なんだけど。

 


記憶探偵と鍵のかかった少女

2014-10-07 10:34:07 | 映画ー劇場鑑賞

ー記憶探偵と鍵のかかった少女ーMINDSCAPE/ANNA

2013年 99分 アメリカ

ホルヘ・ドラド監督 マーク・ストロング(ジョン・ワシントン)タイッサ・ファーミガ(アナ・グリーン)サスキア・リーヴス(ミッシェル・グリーン)リチャード・ディレイン(ロバート・グリーン)インディラ・ヴァルマ(ジュディス)ノア・テイラー(ピーター・ラングレン)アルベルト・アンマン(トム・オルテガ)ブライアン・コックス(セバスチャン)

 

【解説】

他人の記憶に入り込める特殊能力を持つ探偵が、謎めいた依頼人の少女の記憶に隠された謎に迫るミステリー。スペインのホルヘ・ドラド監督が、巧妙な伏線がいくつも存在する不穏な空気漂うドラマを構築。『ビトレイヤー』などで存在感を放つマーク・ストロングが初めて単独で映画主演を果たす。彼を翻弄(ほんろう)するヒロインに『ブリングリング』などのタイッサ・ファーミガがふんするほか、『ボーン』シリーズなどのブライアン・コックスらが共演。

 

【あらすじ】

人の記憶に入れる特別な能力を駆使して、いくつもの難事件を解決に導いてきた記憶探偵ジョン(マーク・ストロング)。問題を抱えた16歳の少女アナ(タイッサ・ファーミガ)の記憶を探る依頼が舞い込み、彼女の記憶に潜入したジョンはショッキングな出来事の数々を目撃する。その記憶に隠された謎に迫るため事件の関係者たちを訪ねるが、どの証言もアナの記憶とは異なるものばかりで……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

これは邦題の勝利かも。

強面のマーク・ストロングが繊細な演技を見せて、最後はぐっときます。

でも、サスペンスにしたらインパクトがイマイチだなあ。

 

有能な記憶探偵(他人の記憶に入れる能力のある探偵)のジョン(マーク・ストロング)だが、最愛の妻の死からなかなか立ち直れない。

仕事にも支障を来すほどだった。

名誉回復を狙うジョンは、問題行動を起こすアナ(タイッサ・ファーミガ)が、まったく食事を取らなくなって困っているという両親からの依頼を受けることになった。

 

アナの記憶に入ったジョンは、事実とされていることとは違う世界を見る。

なにが真実なのか、しだいにアナにのめり込んで行くジョン。

 

そして迎えた結末は、ジョンにとって残酷なものだった。

 

記憶探偵、この設定がかなり曖昧で、うそ発見機よりは信頼度が高い程度とされていました。

でも本人は自分の能力を信じているので、こういうラストになったのかと思います。

冷静に考えたら、この結末しかないなあ。

ジョンがいい人なだけに、とても気の毒でしたが。

 

最近、悪い子は生まれながらにして悪いという流れの映画が多い気がします。

古くは「オーメン」みたいな。

「少年は残酷な弓を射る」とかね。

私はこういう映画、あまり好きじゃないなあ。

悪い子になるには、それなりの理由があると思うんだなあ。

後味が悪いです。

 

17歳

2014-10-07 10:27:55 | 映画ーDVD

17歳ーJEUNE & JOLIE/YOUNG & BEAUTIFUL

2013年 フランス 94

 フランソワ・オゾン監督 マリーヌ・ヴァクト(イザベル)ジェラルディーヌ・ペラス(シルヴィ)フレデリック・ピエロ(パトリック)シャーロット・ランプリング(アリス)

 

【解説】

『スイミング・プール』などのフランソワ・オゾン監督が、少女から大人へと変化を遂げる17歳の女子高生の心理とセクシュアリティーをあぶり出す青春ドラマ。不特定多数の男と性交を重ねる名門高校に通う美しい女子高生。ある事件をきっかけにその問題行動が発覚、行動の裏にある少女でも大人でもない17歳の女性の揺れ動く気持ちを描き出す。主演は、モデル出身のマリーヌ・ヴァクト。『輝ける女たち』などのジェラルディーヌ・ペラスや『まぼろし』などのシャーロット・ランプリングが共演。オゾン監督らしい繊細で鋭い心理描写に心を揺さぶられる。

 

【あらすじ】

パリの名門高校に通うイザベル(マリーヌ・ヴァクト)は、バカンス先で出会ったドイツ人青年との初体験を終え、数日後に17歳の誕生日を迎える。パリに戻ったイザベルは、SNSを通じてさまざまな男性との密会を重ねるようになっていた。そんなある日、ホテルのベッドの上で初老の男ジョルジュ(ヨハン・レイゼン)が発作を起こしそのまま帰らぬ人となってしまう。イザベルはその場から逃げ……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品を見ていて、カトリーヌ・ドヌーブの「昼顔」を思い出しましたが、この作品の主人公の17歳、イザベル(マリーヌ・ヴァクト)には逡巡とかとまどいとかまるでないですね。

あっけにとられて、おばさんは少女売春を見ていましたよ。

 

発覚して後も悪びれない彼女に、私も彼女の母親と同じ「危ないでしょ」くらいしか言う言葉がないのにも驚いた。

 

ラストにシャーロット・ランプリングが威風堂々と登場して、この物語を締めてくれましたが、ほんと、この美しい娘は、男を手玉に取りつつ、人生を闊歩していくのでしょう。

それもまたあっぱれな人生なのかもしれないと、オゾン監督の術中にまんまとハマってしまった私でした。


サンセット大通り

2014-10-07 10:22:17 | 映画ーDVD

ーサンセット大通りーSUNSET BOULEVARD/SUNSET BLVD.

1950年 アメリカ 110

 

ビリー・ワイルダー監督 グロリア・スワンソン(ノーマ・デズモンド)ウィリアム・ホールデン(ジョー・ギリス)エリッヒ・フォン・シュトロハイム(マックス)ナンシー・オルソン(ベティ・シェーファー)フレッド・クラーク ジャック・ウェッブ ロイド・ガフ ヘッダ・ホッパー バスター・キートン セシル・B・デミル H・B・ワーナー レイ・エヴァンス ジェイ・リヴィングストーン

 

【解説】

豪邸で隠遁生活を送るサイレント映画時代の伝説的女優と、彼女が自身のために書いたシナリオの修正をまかされた売れない脚本家。ジゴロ気取りで邸宅での日々を過ごしていた脚本家が、仕事だけでなく私生活すら束縛される事に怒りを感じ始めた時、物語は悲劇を迎える……。ハリウッドの光と影をB・ワイルダーが見事に活写した傑作。(allcinema ONLINE

 

【感想】

1950年のアカデミー賞・脚本賞に輝く作品。

映画の本を読んでいるとよく出てくる作品なので、ずっと気になっていました。

 

ハリウッドの脚本家のジョーは、最近では仕事がうまくいかず、家賃も滞納して追い出されそうになっていた。

借金取りから追われて逃げ込んだお屋敷は、無声映画時代の大女優ノーマ・デズモンド(グロリア・スワンソン)のお屋敷だった。

執事のマックス(エリッヒ・フォン・シュトロハイム)が忠実に彼女に仕えていた。

ノーマはペットの猿が死んだので、棺が来るのを待っているところだった。

すでにその目には狂気が宿っているが、無一文のジョーは彼女に頼まれるまま、彼女の書いたシナリオの手直しを始め、この屋敷に住み込むことになった。

 

シナリオの仕上がりとともにノーマ高揚し、その主人公を自分が演じるんだと、ますます狂気に囚われる。

ジョーは逃げ出すが、もはや逃げ切れないほど彼女に深入りしていたのだった。

 

確かに映画史に残る作品だと思いました。

グロリア・スワンソンのラストの表情のすごさ。

いまだに脳裏に焼き付いています。

すごい!!

今見ても、全く古い感じのしない作品でした。

 


バレット・オブ・ラブ

2014-10-07 10:16:37 | 映画ーDVD

ーバレット・オブ・ラブーTHE NECESSARY DEATH OF CHARLIE COUNTRYMAN

2013年 ルーマニア/アメリカ 103

 

フレデリック・ボンド監督 ジョン・ハート(ナレーション)シャイア・ラブーフ、エヴァン・レイチェル・ウッド、マッツ・ミケルセン、ティル・シュヴァイガー、ルパート・グリント、オーブリー・プラザ、ジェームズ・バックリー、ヴィンセント・ドノフリオ、メリッサ・レオ

 

【解説】

『トランスフォーマー』シリーズのシャイア・ラブーフ主演のバイオレンスラブストーリー。亡き母のお告げを信じ、ルーマニアのブカレストを訪れた米国人青年が、美人チェロ奏者に恋をする。だが、彼女の夫がギャングのボスだったことから命を狙われる。エヴァン・レイチェル・ウッド、マッツ・ミケルセンら実力派キャストが、クセのある裏社会の住人たちを熱演。純愛と暴力が交錯するスリリングなドラマを白熱させる。(TUTAYA

 

【あらすじ】

日本未公開の作品。

でも、なかなか面白かったですよ。

 

母の死で何かを感じたのか、亡き母の亡霊に会い、その予言に従ってルーマニアに向かった主人公(シャイア・ラブーフ)。

たまたま隣に乗り合わせた男性が、着陸間際に亡くなっているのを発見。

ブカレストの空港に着いて、彼の娘(エヴァン・レイチェル・ウッド)に会ったとたん、彼女に一目惚れしてしまった。

彼女はオーケストラのチェリストだったが、ギャングの夫(マッツ・ミケルセン)がいた。

 

でも、主人公の恋はますます燃え上がり、ギャングを追いつめて行く。

 

シャイア・ラブーフが演じる主人公のひたむきさがいいです。

でも、亡き母の予言はブカレストではなく、ブタペストの間違いだったんですけどね。

 


アバウト・タイム~愛おしい時間について

2014-10-06 12:23:39 | 映画ーDVD

ーアバウト・タイム~愛おしい時間についてーABOUT TIME

2013年 イギリス 124

リチャード・カーティス監督

ドーナル・グリーソン(ティム)レイチェル・マクアダムス(メアリー)ビル・ナイ(ティムの父親)トム・ホランダー(ハリー)マーゴット・ロビー(シャーロット)リンゼイ・ダンカン(ティムの母親)

 

【解説】

タイムトラベルの能力を持つ家系に生まれた青年が意中の女性との関係を進展させようと奮闘する中で、愛や幸せの本当の意味に気付くヒューマンコメディー。『ラブ・アクチュアリー』などで知られるラブコメに定評のあるリチャード・カーティス監督が、恋人や友人、家族と育む何げない日常の大切さを描く。『ハリー・ポッター』シリーズなどのドーナル・グリーソンを主演に、『きみに読む物語』などのレイチェル・マクアダムス、『ラブ・アクチュアリー』にも出演したビル・ナイらが共演。

 

【あらすじ】

自分に自信がなく恋人のいないティム(ドーナル・グリーソン)は21歳の誕生日に、父親(ビル・ナイ)から一家の男たちにはタイムトラベル能力があることを告げられる。恋人を得るため張り切ってタイムトラベルを繰り返すティムは、やがて魅力的な女性メアリー(レイチェル・マクアダムス)と恋をする。しかしタイムトラベルによって生じたアクシデントにより、そもそもメアリーと出会っていなかったということになってしまい……。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

タイムトラベルをごくプライべートにだけ使える能力を持った青年の恋と人生のお話。

はじめは、すごく軽い感じだったけど、ラストには人生の意味がずっしりと。

普通の人たちの、かけがえのない大切な人生のひとときに気が付く。

平凡に見える毎日毎日が命の輝きだということを。

とっても普通の青年のドーナル・グリーソン。

味のあるお父さんのビル・ナイ。

そして、かわいいレイチェル・アダムス。

一癖あるトム・ホランダー。

キャストもいいですよ。

 

タイムトラベル能力のある家に生まれたティム(ドーナル・グリーソン)は、21歳になったばかりの新年の朝に、父親(ビル・ナイ)からその秘密を聞かされる。

まず試したことは、大晦日の失敗を取り戻すこと。

 

そして、新米弁護士としてロンドンでの新生活を始めたのが、父の友人で脚本家のハリー(トム・ホランダー)の家。

 

しばらくして、暗闇バーでメアリー(レイチェル・マクアダムス)と出会い恋に落ちる。

でも、ハリーの一大事をタイムトラベル能力を使って回避したために、メアリーと出会っていなかったことになった!!

 

☆ネタバレ

妹にも協力してもらって、なんとかメアリーと再び出会うことに成功したティム。

メアリーと結婚して、かわいい娘にも恵まれた。

しかし、妹が悪い男と恋をして、アルコール中毒になって、事故にあい、大けがをしてしまった。

過去に戻って、その恋人との出会いを妨害するが、現実に戻ってみると、娘のはずが息子に変わっていた。

父の説明では、タイムトラベルは時空を遡っている間にできた子供に影響が出ると言う。

 

妹には悪いが、現実に戻り、新しい恋人をみつけてもらった。

 

やがて、父が死の病という現実が突きつけられた。

しかも、自分にも新しい命が授かり、過去に戻って父と卓球をするという楽しみもなくなった。

 

そのうちにティムは悟る。

タイムトラベルをして過去をやり直すことより、まっさらな今日を生きることがどんなに素晴らしいことかを。

 

ここが素晴らしかったですね。

 

私も60歳を過ぎて、思うことがあります。

残された時間を楽しみたいと。

これって、ティムが悟ったことに近いのではないかなあ。

平凡でも、人から見たら退屈そうな毎日でも、決してつまらない日ではありません。

毎日命の輝きを感じていることが、人生の彩りだなあと、最近つくづく思うのです。

 

さりげない日常の中にあるとても大切なひととき。

 

父と息子、いい時間が流れています。

オススメ!!

 


フィルス

2014-10-06 12:21:03 | 映画ーDVD

ーフィルスーFILTH

2013年 イギリス 97

ジョン・S・ベアード監督 アーヴィン・アッシュ原作 ジェームズ・マカヴォイ(ブルース・ロバートソン)ジェイミー・ベル(レイ)イモージェン・プーツ(アマンダ)ジョアンヌ・フロガット(メアリー)ジム・ブロードベント(ドクター・ロッシ)エディ・マーサン(クリフォード)

 

【解説】

『トレインスポッティング』の原作者でもある作家、アーヴィン・ウェルシュの小説を実写化したクライムコメディー。頭脳明晰(めいせき)ながらも、酒や麻薬に溺れ、さまざまな不正行為を働く刑事が、留学生殺人の捜査に乗り出したことから思わぬ事態に遭遇する。『つぐない』『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』などのジェームズ・マカヴォイが、下劣を絵に描いたような主人公を怪演。次々と繰り出されるブラックでシニカルな笑いに加え、ジェイミー・ベルやジム・ブロードベントといった実力派たちの共演にも魅了される。

 

【あらすじ】

スコットランド警察の刑事、ブルース・ロバートソン(ジェームズ・マカヴォイ)。優秀な頭脳を誇り、活力あふれる彼だったが、その裏ではアルコールとドラッグの依存症に陥り、売春や不倫に手を出し、残業の不正申告を欠かさないという、刑事の風上にも置けない人物だった。そんな中、日本人の留学生が殺されるという事件が発生。目撃者ゼロという、この難事件を解決すれば出世コースに乗れると張り切るブルースだが、捜査を進めれば進めるほど自身の問題アリな過去も噴出するようになり、精神的に追い詰められていく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ジェームズ・マカヴォイの熱演というより、怪演という一言に尽きるんじゃないかな?

とにかく、すごいダメ男の話。

警察官なのに、アル中、ヤク中。

さらに同僚の足をすくって自分が出世することしか考えていない男。

 

前半はとにかくえげつないことばかりで、ジェームズ・マカヴォイでなければ、見るのを止めていたかも。

でも、後半はがらりとトーンが変わる。

なんだか、主人公が哀れになってくる。

いままでのひどいありさまさえも、同情したくなる。

痛々しくさえある。

 

そして、ラストもねえ。

マカヴォイさんのファンはなんと言うだろう。

女装もあるしね。

 

とにかく、ジェームズ・マカヴォイに魅せられた作品でもありました。