マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズ

2007-07-31 20:12:40 | Weblog
パイレーツ・オブ・カリビアン(私なりの総評)
先週の水曜日、ワールド・エンドを見に行ってきました。

小さい劇場に移っていましたが、ほとんど満席の状態。
エンディングまでみなさん席を立たないし、よく知っているという感じの観客でした。
客層はいろんな年齢層だったし、レディースデイというのに、学生のような男の子も、おじいさんもいました。
私みたいな、ディープなファンも多いんだなあ、と勝手に解釈して勝手に感激しました。

今回は、劇場で見るのも最後なので(たぶん…)、疑問を持たずに素直に見ることにしました。

そして、私の総評。
このシリーズは、やはりウィルの波乱に富んだ物語と見るべきですね。
なにをいまさら、ですが…

「呪われた海賊たち」であまりにジョニーの出来が良かったから、観客ばかりではなく、制作側の人もジョニーに頼ってしまったところが混乱の原因だと思うなあ。
そこで、ウィルを中心に物語を振り返ってみましょう。

思い出してー
まず、難破船であやうく遭難しそうになったウィルをエリザベスがみつけて、助けたのがこの物語の始まりでした。



やがて、成長したウィルは腕のいい鍛冶屋となり、エリザベスの父、スワン総督から依頼され、ノリントンの昇進祝いの剣を作ります。
この剣の役割も重要なポイントです。
途中、ベケットの手に入り、その後のリントンに戻り、結局その剣がウィルの命を奪うのです。
なんと数奇な運命。

また、ノリントンにも過酷な運命が待っていました。
エリザベスに求婚したけれど、エリザベスは密かにウィルに思いを寄せていました。
ウィルもエリザベスを愛していましたが、身分違いに口に出すこともできませんでした。

その二人を結びつける役目がジャックだったのです。



ジャックが沈みそうな小さな船でポートロワイヤルに現れて、なにやら事件の予感。
プラック・パール号の海賊たちがエリザベスをさらって行きました。
ウィルはジャックを頼って、エリザベス救出に向かいます。
もともと、ブラック・ハールを取り戻すのが目的のジャック。
二人の利害は一致し、海へ…。
そこは、はらはらどきどきの海賊が活躍する冒険の世界。



しかも、海賊たちは呪われていて、月の光に照らされるとゾンビと化す!
面白かったですよね。

「死の島」でのバルボッサとの決闘の末、ジャックとウィルとエリザベスは海賊の呪いを解き、一件落着。

ところが、ジャツクの仲間はジャツクを見捨てて逃走したので、ジャックは捕まって処刑されるはめに。
しかし、ウィルが我が身の危険も顧みず、ジャックを助けたことから、彼らの運命もまた大きく変わったのであった…というのが第1話。

第2話になると、この後日談として、ノリントンはジャックを追って大海に出たが、不運続きで失敗し、あげくには提督をクビになり、失意のどん底でトルトゥーガで落ちぶれているという設定。



ウィルとエリザベスは結婚するはずだったが、結婚式当日に東インド貿易会社のベケットが、英国の権力の名代としてウィルとエリザベスに死刑を告げにやってきた。
罪状は死刑囚ジャック・スパロウの逃亡幇助罪。
これにはスワン総督も従わざるを得ず、娘かわいさにベケットの要求を聞いてポートロワイヤルはベケットの意のままに動くこととなった。

一方のジャック、13年前にブラック・パール号を海底から引き上げるため、幽霊船フライング・ダッチマン号を操るデイビー・ジョーンズとある取引をしていた。
それは、13年後、ジャツクはジョーンズの奴隷となって100年間働くというもの。
ジャックともあろう人が、なんでそんなバカな約束をしたのでしょうね。
その時になれば、得意の舌先三寸で逃げおおせると思ったのかしら?
そんな甘い相手じゃなさそうだけど。

しかも、当時一等航海士だったバルボッサの反乱にあってブラック・パールはあっというまに彼の手を離れてしまった。
やっと取り戻したと思ったら、契約の期日が迫っていたというわけ。

このことを告げにきたのが、ウイルのお父さんで、元ジャツクのブラック・パールの海賊だった靴ひものビル。
ジャックのたった一人の味方だったのに、靴ひもを大砲の弾につながれて海に落とされた。
彼もジョーンズと取引をして、命を長らえる代わりに、彼の船で奴隷として働いているという。

ベケットはエリザベスを人質に、ウィルにジャックのコンパスを取って来るように命じた。
彼は、原住民に囚われているジャックたちを発見し、コンパスを渡すように頼むが、ジャックは人のいいウィルを利用して、ジョーンズとの交渉を有利にしようと悪知恵を働かせた。

でもまあ、お父さんの助けもあって、とにかく鍵はウィルの手に入った。

ジャックもジョーンズと、ウィルを入れて100人の魂で自分の命を助けてもらう交渉に成功した。
ひどい話だけど、ジャックらしい、その場逃れの交渉とも言える。
ジョーンズに引き渡す男たちを捜しに行ったトルトゥーガでノリントンと再会する。
復讐に燃えるノリントン。



しかし、エリザベスもここに登場し、共にブラック・ハールに乗り込むこととなる。

ジャックはエリザベスに「デッドマンズチェストを見つけ出せば、ウイルが見つかる」とうまいことを言って、チェストのありかを探させた。

孤島の砂の中、デッド・マンズ・チェストがみつかった!!

そこに鍵を持ったウィルが現れて、ウィル、ジャック、ノリントンが三つどもえで奪い合いをする。
三者三様の思惑があったからだ。



ジャックは、ジョーンズとの契約をチャラにするための交渉に使いたかった。
ウィルはジョーンズを殺して、父親を助けたかった。
ノリレントンは、ベケットに持って行き、自らの復活をお願いしたかった。

その結果、漁父の利という形でまずジャックがジョーンズの心臓を手に入れるが、結局はノリントンに奪われて、自分の復活のためにベケットに差し出された。

ジョーンズへの切り札をなくしたのを知ったエリザベスは、色仕掛けでジャックを陥れ、ジョーンズに差し出した。
ここで、2話の終わり。

この心臓の意味だけど、ジョーンズを操るツールなのよね。
本来なら、愛するカリプソの元にあるはず。
でも、カリプソに裏切られたと怒りに狂ったジョーンズが自ら隠してしまったというしろもの。

第3話では、この心臓でジョーンズを脅してベケットが海の利権を手に入れようとしていた。



ティア・ダルマによって復活したバルボッサは、ベケットに対抗するため海賊会議を開こうとしていた。
それには、9人の海賊長が必要で、その9人の中にジャツク・スパロウも含まれていたのだ。

ティア・ダルマがバルボッサを復活させた理由は?
やっぱり、元のカリプソに戻るために海賊会議を招集するというバルボッサに乗ったのよね。

さて、ジャックはジョーンズの墓場に閉じ込められていた。
そこに行くには、シンガポールの海賊サオ・フェンが持っている海図が必要。
ウィルはサオ・フェンとうまく交渉してなんとか海図を手に入れた。

彼は父親をジョーンズの手から救い出すという目的を忘れてはいなかった。
バルボッサや海賊たちとは立場が違った。
しかし、このことはエリザベスにも打ち明けていなかった。
ウィルは、エリザベスがジャックとキスするのを見てしまって、それがジャックを裏切り、みんなを助けるためだということを聞かされていなかったことに、腹を立てていたからだ。

バルボッサの導きでジャックを墓場から助け出し、ジャックの機転で、この世に戻ってきた一行。
それぞれの思惑が交錯して、なかなかわかりにくいストーリーだけど、これがウィルとエリザベスの愛を確認する結果になるように作られている、はず。



エリザベスはウィルのお父さんに会って、救うのは無理だという理由も聞いたし。
エリザベスの気持ちがここでぐっとウィルに傾いたでしょうね。

戦闘の中、ブラックパール号の上で、ウイルはエリザベスにプロポーズして、バルボッサは船長なので(ジャツクが聞いたら怒るよね)、結婚を宣言した。

その後、戦闘はフライングダッチマンへと移り、ウィルはノリントンのために自分が作った剣でジョーンズに刺されてしまう。

ジャックは、ジョーンズの心臓を瀕死のウィルに突かせ、かろうじて、ウィルをフライングダッチマンの新船長として生きる可能性を残した。

ジョーンズが海に沈み、フライングダッチマンの呪いは解けた。
ウイルの父親をはじめ乗組員は魚人間から元の姿に戻った。
そして、みんなの視線の先には、新船長ウィルの姿がありました。
このウィル、すごくかっこいいねえ。
今回、かなりぐっときました。
逞しくなったよね。泣!!

エリザベスはウィルの妻として、陸の上でたった1日の新婚生活を送った。
フライングダッチマンの船長であるウィルは10年に1日だけ陸の上の生活がゆるされているのだ。
名残惜しい別れの末に、船は地平線に緑の閃光を残して消えて行った。

長くなりましたが、3部作、これでかなり整理できたなあ。
自己満足。

エンドタイトルの後で示された、ウィルとエリザベスの愛の結晶。
これで、彼らの物語は完結ですね!?

後日談のように描かれているのがトルトゥーガでのジャック。
女に自分の船を自慢しているが、船はまたしてもバルボッサに持って行かれた。
しかし、そこは抜け目のないジャック、海図の重要な部分をくりぬき、「永遠の命」を求めて、いざ出航。
まず、コンパスがラムのありかを指すところが、ジャックらしい憎い演出でした。
次の作品が作られるとしたら、ジャックの冒険物語しかないでしょう!!
ねっ!!


プリティ・ヘレン

2007-07-28 14:21:42 | 映画ーDVD
ープリティ・ヘレンー
2004年 アメリカ ゲイリー・マーシャル監督 ケイト・ハドソン 、ジョン・コーベット 、ジョーン・キューザック 、ヘイデン・パネッティーア 、スペンサー・ブレスリン 、アビゲイル・ブレスリン 、ヘレン・ミレン 、ケヴィン・キルナー 、フェリシティ・ハフマン 、ジェーン・モリス 、マシュー・ウォーカー 、パリス・ヒルトン 、アンバー・ヴァレッタ

【解説】
『プリティ・ウーマン』のゲイリー・マーシャル監督が、ロマコメの女王ケイト・ハドソンを主演に迎えたハートフル・コメディ。3人の子供を育てることになったNYのキャリアウーマンが、悪戦苦闘しながら成長していく姿を描く。共演に『スクール・オブ・ロック』のジョーン・キューザック、『マイ・ビッグ・ファット・ウェディング』のジョン・コーベットら実力派がそろい、お騒がせセレブのパリス・ヒルトンもカメオ出演している。

【あらすじ】
NYのモデル・エージェンシーで働く敏腕エージェントのヘレン(ケイト・ハドソン)は、ある日姉夫婦が交通事故で他界し、残された3人の子供を彼女が引き取るハメに。それまでの気ままな生活は一変、生意気な子供たちを相手に悪戦苦闘の日々が始まる。 (シネマトゥデイ)

【感想】
よくあるコメディと思っていたら、きゅっと胸を締め付けられるような感覚におちいりました。

NYのモデル・エージェンシーで働くヘレン(ケイト・ハドソン)が、最愛の姉(フェリシティ・ハフマン)とその夫を亡くして、その悲しみに浸る間もなく、3人の遺児を引き取ることになった。
ヘレンにはジェーン(ジョーン・キューザック)という結婚している姉もいたが、長姉が親権者として指名したのは独身のヘレンだったのだ。

ヘレンの上司、モデル・エージェンシーの社長ドミニクにヘレン・ミレン。
登場の仕方は、「プラダを着た悪魔」のメリル・ストリープを思い出させるほど、存在感がありました。
また、ファションも素敵。
シンプルな洋服に大ぶりのアクセサリー。
参考にしたいです。

さて、NYの下町に住まいを移し、3人の子供たちと生活をはじめたヘレンだったが、すぐに職を失ってしまう。
それでも、近所のママや学校の牧師さんに助けられて、3人の子供たちとうまくやろうと努力するのですが…。

子供たちが芸達者。
長女はヘイデン・パネッティーア、「タイタンズを忘れない」の女の子です。
長男と次女は兄妹。
アビゲイルちゃんはもちろん「リトル・ミス・サンシャイン」のオリーヴ役の子。
このときは、もっと幼かったのね。

子供たちの演技が光っています。
この3人がそれぞれに両親を亡くした傷を表現するところで、思わずうるうるしてしまいます。
ヘレン自身もまだ悲しみをちゃんと受け止められていないし。

そこを引き締めるのがジェーンを演じているジョーン・キューザック。
いつもなら、この人を見ているだけで笑ってしまいそうになりますが、この作品では一番シリアス。
二人の子供を持っていて、さらに妊娠中というママ業のプロ。
ヘレンと対立しながらも、正しい道を示していました。

もちろん、無事にハッピーエンドにたどり着くわけですが、よい余韻を残しています。
いい作品でした。

ウエディング・クラッシャーズ

2007-07-28 14:17:49 | 映画ーDVD
ーウエディング・クラッシャーズー
2005年 アメリカ デヴィッド・ドブキン監督 オーウェン・ウィルソン 、ヴィンス・ヴォーン 、クリストファー・ウォーケン 、レイチェル・マクアダムス 、アイラ・フィッシャー 、ジェーン・シーモア 、エレン・アルベルティーニ・ダウ 、キーア・オドネル 、ブラッドレイ・クーパー 、ロン・カナダ 、ヘンリー・ギブソン 、ドワイト・ヨーカム 、レベッカ・デモーネイ 、デヴィッド・コンラッド 、キャサリン・ジョースタン 、ネッド・シュミッケ 、ウィル・フェレル

【解説】
全米で2億ドルを超えるメガヒットを記録した日本劇場未公開の痛快ラブコメディ。主演は「シャンハイ・ナイト」のオーウェン・ウィルソンと「ドッジボール」のヴィンス・ヴォーン。離婚仲裁人として働くジョンとジェレミーは無二の親友。彼らの趣味は“結婚式荒らし”。身分を偽り他人の結婚式に紛れ込んでは、言葉巧みに女性たちを口説き、“お持ち帰り”してしまうのだった。そんなある日、2人は財務長官の娘の結婚式に忍び込む。そして長官の2人の娘に狙いを定めたジョンとジェレミーだったが、今回ばかりはいつもと勝手が違い…。
(yahoo映画)

【感想】
ジェレミー(ヴィンス・ヴォーン)のマシンガントークとジョン(オーウェン・ウィルソン)のおっとり具合が絶妙におかしい。
大阪漫才の間だなと感心してみていました。
日本未公開とは、もったいないなあ。

二人の仕事は離婚調停。
日本だと当事者同士が会うことはないと聞いているけど、アメリカは当事者に弁護士がついて、調停人が話をまとめていくのですね。

そして、二人のお楽しみは結婚式荒らしーウエディング・クラッシャーズ。
決して誉められたことではないけど、心底楽しんでいる様子。
目的は女性を落とすことであっても、本当にパーティーを盛り上げています。
このシーンはすごく楽しい。

ところが、財務長官(クリストファー・ウォーケン)の結婚式に紛れ込んだ二人は、花嫁の妹二人とそれぞれがかかわり合って、抜き差しならなくなって起こる大騒動です。

ジョンが初めて女性に恋をしてしまった。
お相手はクレア(レイチェル・マクアダムス)。
でも、クレアには名門出身の恋人がいた。
それでも、諦めようとはしないジョン。
一方、ジェレミーはクレアの妹グロリア(アイラ・フィッシャー )に気に入られて…。

恋愛モードになってからは結構お決まりだけど、最後まで楽しく見れました。

ウィル・フェレルもいつものように、変な人の役で出ています。

X-メン

2007-07-24 16:15:24 | 映画ーDVD
ーX-メンー
2000年 ブライアン・シンガー監督 ヒュー・ジャックマン 、パトリック・スチュワート 、イアン・マッケラン 、ファムケ・ヤンセン 、ジェームズ・マースデン 、タイラー・メイン

【解説】
「ユージュアル・サスペクツ」のブライアン・シンガー監督が放つ、米人気コミックの映画化。遺伝子の突然変異により超人的パワーを持つミュータント“X-メン”。人類に疎まれながらも、人間たちのために闘うX-メンの活躍を描く。出演にパトリック・スチュアート。雪深い国道沿いのバーで、見せ物に興じていたミュータントのウルヴァリン。謎の敵に襲撃された彼は、そこで自分と同じ能力を持つ男女に救われる。彼らは“X-メン”の本拠地から派遣されたメンバーだった……。

【感想】
シリーズを見終わってからまとめてアップしようと思いましたが、「ナイト・ウォッチ」と比べてみるのも面白いなあと思って、アップすることにしました。

この章では、キャラクターの紹介とその世界の説明だったと思います。
いつの世も、異形のものに取っては生きにくい世の中。
しかし、そんな世の中でも、弱きもののために生きるか、自分のためにだけ生きるのかー永遠のテーマですね。

まあ、シリーズ第一作ということで、次に期待。

米国の二大コミック、マーヴェルの人気コミックの映画化。
その後「スパイダーマン」(2002)、「デアデビル」(2003)、「ハルク」(2003)とマーヴェル・ヒーローが続々映画化されて行くことになった、きっかけの映画だそうです。

ナイト・ウォッチ

2007-07-24 16:07:34 | 映画ーTV
ーナイト・ウォッチー
2004年 ロシア ティムール・ベクマンベトフ監督 コンスタンチン・ハベンスキー 、ウラジーミル・メニショフ 、マリア・ポロシナ 、ガリーナ・チューニナ 、ヴィクトル・ヴェルズビツキー 、マリア・ミロノーワ 、イリア・ラグテンコ 、ジャンナ・フリスケ 、ディマ・マルティノフ 、ワレーリー・ゾルツキン 、ユーリ・クッシェンコ

【解説】
セルゲイ・ルキヤネンコのベストセラー小説の3部作の内の第1章を映画化し、ロシアで興行収入ナンバーワンの大ヒットを記録した、過去から連綿と続く“光”と“闇”の戦いを描いた壮絶なファンタジー。ロシアの人気俳優、コンスタンチン・ハベンスキーが自らの内なる悪と戦う主人公を演じ、彼のボス役に『モスクワは涙を信じない』の監督でもあるウラジミール・メニショフがふんする。世界共通の善悪の反目というテーマを、スタイリッシュかつ重厚に描く。

【あらすじ】
1992年、モスクワ。妻(マリア・ミロノーワ)に逃げられたアントン(コンスタンチン・ハベンスキー)は呪術使いの元へ行き、そこで彼は自分が特殊能力を持つ“異種”だと知る。光の戦士である“ナイト・ウォッチ”か、闇の戦士の“デイ・ウォッチ”かの選択を迫られる。12年後、彼は光の側で活動しており、ある事件に関わる。 (シネマトゥデイ)

【感想】
珍しいロシアの作品。
かなりハリウッドを意識して作られていると思いました。
でも、その水準に達するにはまだだなあ。
これを見たら、「X-メン」がいかに洗練されているか、よくわかりました。

さて、発想は面白いと思いました。
「光の世界」と「闇の世界」の争い。
その勢力が均衡しているので、闘い続けると双方が滅びると考えた両陣営が、協定を結んだ。
その協定が守られているかどうかを見張る役が「デイ・ウォッチ」と「ナイト・ウォッチ」。
異形の人間が勤める。
彼らが、光に属するか闇に属するかを決めるのは本人次第。

私の理解が正しければ、ですが、でも、光と闇、何を根拠に選べばいいのかしら。
ただの好き嫌いや、人間関係で選んで良さそうでしたが。
なんか、そのへんがいい加減だなあと思いました。

でも、ハリウッド映画みたいに光=善=西洋民主主義社会ーみたいな方程式ではないところは、新鮮かもしれません。
光と闇は世界の話であって、善悪とは関係ないようなのです。

これは第1作でシリーズ化されるようです。
ここから父と子が光と闇に別れて、対立していくみたいなのですが、どうでしょう?
スターウォーズみたいに、うまく続けていくことができるのでしょうか?

白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々

2007-07-23 18:42:14 | 映画ーTV
ー白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々ー
2005年 ドイツ マルク・ローテムント監督 ユリア・イェンチ 、アレクサンダー・ヘルト 、ファビアン・ヒンリヒス 、ヨハンナ・ガストドロフ 、アンドレ・ヘンニック 、フロリアン・シュテッター 、ヨハネス・シューム 、マキシミリアン・ブリュックナー 、リリー・ユング 、ユーグ・フーベ 、ペトラ・ケリング 、フランツ・シュターバー

【解説】
第55回 ベルリン国際映画祭で最優秀監督賞と最優秀女優賞を受賞した、史実に基づく人間ドラマ。近年新たに発見された尋問記録や関係者の証言を基に、反ナチス運動を展開した「白バラ」メンバーのゾフィー・ショルが逮捕され、5日間という短い尋問の末の判決、処刑に至るまでを描く。監督はドイツの新鋭マルク・ローテムント。主演のユリア・イェンチと、尋問官を演じた『ヒトラー~最後の12日間~』のアレクサンダー・ヘルトの迫真の演技が光る。

【あらすじ】
1943年、反政府組織「白バラ」のメンバーであるゾフィー(ユリア・イェンチ)は、兄とともに大学構内で反戦ビラを配っていたところを逮捕される。厳しい尋問に屈せず信念を貫く彼女に、尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)はある取引を提案するが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
この映画は「ヒトラー~最後の12日間」と並べて見ていただきたい作品です。

たった21歳の女子大生ゾフィー(ユリア・イェンチ)にもわかるヒトラーの狂気を、なぜ当時の人々は見抜けなかったのか?

「この戦争は無駄だから早く止めよう」というビラを作って撒いたという、ただそれだけの罪。
当時のナチスがいかに焦ってヒステリックになっていたかということが証明されただけのような事件です。

しかし、ゾフィーは死の恐怖に立ち向かい、自らの運命を潔く受け入れます。
魂の「自由」のために。
父も母も兄も、立派な行いでした。

尋問官モーア(アレクサンダー・ヘルト)とゾフィーの尋問室でのやり取りは、ほんとうにすごい。
ゾフィーの考えは、どんなに誘導されようと、脅されようとぶれることはありません。
なぜなら、彼女が正しいからです。
そして、それは歴史が証明していることを、私たちは知っているから、余計腹立たしい思いで見ていました。

2月21日に起訴をして、その夜に国選弁護人の接見、次の日には裁判、即判決でした。
裁判は史実を忠実に表したというこですが、最初に有罪ありきのひどいものでした。

刑が確定して、両親と別れを告げた後のゾフィーの涙を見ていたモーアの表情。
彼の心も動揺していたに違いないと思いました。

映画は、ゾフィーの揺れる思いも見逃していません。
家族を想って泣いて、恋人を想って泣いて…。
それだけに、あのギロチン台は酷いものでした。

戦争は人間の良心をダメにしてしまいます。

007カジノロワイヤル

2007-07-23 18:40:34 | 映画ーDVD
ー007カジノロワイヤルー
2006年 アメリカ/イギリス マーティン・キャンベル監督 ダニエル・クレイグ 、エヴァ・グリーン 、マッツ・ミケルセン 、ジュディ・デンチ 、ジェフリー・ライト 、ジャンカルロ・ジャンニーニ 、サイモン・アブカリアン 、カテリーナ・ムリーノ 、イワナ・ミルセヴィッチ 、セバスチャン・フォーカン 、イェスパー・クリステンセン 、クラウディオ・サンタマリア 、イザック・ド・バンコレ 、トビアス・メンジーズ

【解説】
英国諜報部に属する敏腕スパイ、ジェームズ・ボンドの活躍を描く人気スパイ・アクションのシリーズ第21弾。原点に戻った今作ではボンドが殺しのライセンスを持つ“007”になる前の物語から始まり、国際テロ組織の壊滅が初任務となるボンドの奔走を活写する。6代目ボンドに『ミュンヘン』のダニエル・クレイグ、ヒロインのボンドガールに『ルパン』のエヴァ・グリーン。豪勢なカジノを舞台に繰り広げられる駆け引きがスリル満点。

【あらすじ】
英国諜報部MI6のスパイである‘00’の地位に昇格したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)は、最初のミッションとして国際テロ組織のネットワークを絶つ任務を課される。テロ組織の資金源であるル・シッフルと接触を命じられたボンドは、モンテネグロのカジノでル・シッフルと高額の掛け金のポーカー対決を開始する。 (シネマトゥデイ)

【感想】
私はこの映画の感想を書く資格がないなあと思いながら…。
なぜって、007シリーズをまともに1本も見たことがないからです。

そんな私の目には、スパイ映画というよりも、アクション映画という感じでした。
最初から、すごいアクション。
生身の人間が走る、飛び降りる、また走る。
あの、爆弾背負って逃げていた人もすごかった。
オリンピックだったらいくつの種目で優勝かしら。

公開前からいろいろ言われていたダニエル・クレイグのジェームス・ボンド。
確かに、今までのイメージとは違うなあ。
でも、あの惜しげもなく見せてくれる素晴らしい肉体美。
血まみれで傷だらけで無様でも、決して死なないタフさ。

恋に落ちる不器用さも、人間ボンドらしくていいと思いました。
結末もせつなかった。

飽きさせないアクションとストーリー展開で楽しめました。

ただ、望むなら、やっぱり美男がいいなあ。

ハリウッドランド

2007-07-19 11:12:23 | 映画ー劇場鑑賞
ーハリウッドランドー
2006年 アレン・コールター監督 エイドリアン・ブロディ 、ダイアン・レイン 、ベン・アフレック 、ボブ・ホスキンス 、ロイス・スミス 、ロビン・タネイ 、ラリー・セダー 、ジェフリー・デマン 、ブラッド・ウィリアム・ヘンケ 、ダッシュ・ミホク 、モリー・パーカー 、カロリン・ダヴァーナ 、キャスリーン・ロバートソン 、ジョー・スパーノ 、ギャレス・ウィリアムズ 、ザック・ミルズ 、テッド・アザートン

【解説】
テレビ版「スーパーマン」シリーズの主演俳優ジョージ・リーヴスの死の謎に迫るサスペンスドラマ。謎の自殺を遂げたジョージ・リーヴスを『アルマゲドン』のベン・アフレックがリアルに演じる。また、彼の死を追う私立探偵を『キング・コング』のエイドリアン・ブロディが熱演。ジョージ・リーブスの愛人だった映画会社の重役夫人を『運命の女』のダイアン・レインとキャスティングも豪華。ハリウッド史上最もスキャンダラスな事件の裏側に潜む人間ドラマを堪能できる。

【あらすじ】
1956年6月16日、スーパーマン役を演じたことで知られる俳優ジョージ・リーヴス(ベン・アフレック)が自宅で死亡した。彼の母親に雇われた私立探偵ルイス・シモ(エイドリアン・ブロディ)は、事件の真相を探るうちに、映画会社の重役夫人トニー・マニックス(ダイアン・レイン)とリーブスの情熱的な恋の事実を知る。 (シネマトゥデイ)

【感想】
私の幼い頃、テレビのスーパーマンはヒーローでした。
子供たちは背中にふろしきをなびかせて、スーパーマンごっこをしていました。
「弾よりも速く~」のフレーズは、懐かしさとともによみがえってきます。
この映画のなかでも、それが流れて、私の世代の人はうれしいんじゃないでしょうか。

スーパーマンは永遠のヒーロー、映画でも何度も取り上げられていますが、テレビのスーパーマンの役者さんが、実は謎の死を遂げていたというのを、私は知りませんでした。

そして、この死にまつわるお話は、スーパーマンの話とはまるで違う、陰湿でスキャンダラスなもののようです。

そもそも、ジョージ・リーヴス(ベン・アフレック)とトニー・マニックス(ダイアン・レイン)の愛人関係が、ハリウッドならさもありなんと思わせるほどスキャンダラスな関係です。
その関係のなかで、人気が出れば出るほど、テレビスターで自分の役者生命は終わるのではないかという、ジョージのあがき、焦りが、ひしひしと伝わってきました。
魅力的なんだけど、それ以上ではない俳優の哀愁も含めて、ベンの演技は素晴らしかった。

もうひとつの軸は、その事件を調査するルイス・シモ(エイドリアン・ブロディ)の話。
うらぶれて落ち目の探偵は、巨大スキャンダルを追求するも、巨大組織の壁にはじかれてしまいます。
エイドリアンも、抑え目の演技で、仕事も家庭もうまくいかない、最低の探偵家業をよく表現していました。

また、映画会社の重役を演じたボブ・ホプキンスが、真相を隠す闇となって立ちはだかっていました。
怖いくらいでした。
ダイアンも、享楽的で退廃的な金持ちおばさんを、鬼気迫る演技でみせました。

ふたつのエピソードが交錯しながら物語は進んで行きますが、編集力がすごいのでしょうね、観客は混乱することなく、二人の主人公の心情に触れることができます。

ただ、全体に暗くて重苦しいです。
役者の力量で見せて行く映画だと思いました。

シュレック3

2007-07-19 11:08:23 | 映画ー劇場鑑賞
ーシュレック3ー
2007年 アメリカ クリス・ミラー監督 マイク・マイヤーズ 、キャメロン・ディアス 、エディ・マーフィ 、アントニオ・バンデラス 、ジュリー・アンドリュース 、ジョン・クリーズ 、ルパート・エヴェレット 、ジャスティン・ティンバーレイク 、エリック・アイドル 、エイミー・ポーラー 、マーヤ・ルドルフ 、チェリ・オテリ 、エイミー・セダリス 、ジョン・クラシンスキー 、イアン・マクシェーン 、ラリー・キング 、レジス・フィルビン

【解説】
ブラックユーモアとパロディ満載のフルCGアニメーション『シュレック』のシリーズ第3弾。遠い遠い国の王様が病に倒れたことからお世継ぎ問題がぼっ発し、その期に乗じて悪役たちが王国を乗っ取ろうと反乱を起こす。声の出演は、マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィー、キャメロン・ディアスのおなじみのメンバーに加え、実生活でキャメロンの恋人であるジャスティン・ティンバーレイクも参加している。いつもはおしとやかな白雪姫やシンデレラなど、お姫様たちの格闘シーンも必見。

【あらすじ】
遠い遠い国のフィオナ姫と結婚した怪物シュレックに、病に倒れた王様から王位を継ぐように言い渡される。王位には興味のないシュレックは、ドンキーや長靴をはいた猫とともに、もう1人の王位継承権を持つアーサーを探す旅に出る。その間、チャーミング王子とおとぎ話の悪役たちが王国乗っ取り計画を企て……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
シュレックを劇場で見たのは初めて。
アニメーションの美しさにまず感動しました。
すごい技術だなあ。

内容は、小ネタ満載で、ストーリーの意外さは少なかったです。
テーマも、しっかりしていたけど、新しいものではなかったなあ。

 お姫様軍団

とにかく、シュレックとドンキーとネコの掛け合いは面白いし、フィオナ姫は要所で締めるし、お姫様軍団のバトルも面白かった。
チャーミング王子のさらさらヘアーも素敵。

おとぎ話の敵キャラ集めて逆襲という発想は面白かったのに、最後は尻すぼみ。残念。

 シュレックの赤ちゃん、かわいかった!!

でも、最初に比べるとずいぶん毒がなくなってしまった…。
これで、このシリーズまだ続けられるのかなあ。

鉄板英雄伝説

2007-07-17 11:58:18 | 映画ー劇場鑑賞
ー鉄板英雄伝説ー
2007年 アメリカ ジェイソン・フリードバーグ 、アーロン・セルツァー監督 カル・ペン 、アダム・キャンベル 、ジェニファー・クーリッジ 、ジェイマ・メイズ 、クリスピン・グローヴァー 、フォーン・チェンバース 、トニー・コックス 、ダレル・ハモンド 、カーメン・エレクトラ 、フレッド・ウィラード 、デヴィッド・キャラダイン 、タッド・ヒルゲンブリンク 、ジム・ピドック 、グレゴリー・ジュバラ

【解説】
『最終絶叫計画』の脚本家ジェイソン・フリードバーグとアーロン・セルツァーのコンビが放つ、ハリウッド超大作をネタにしたパロディ映画。チョコレート工場見学で偶然出会った4人の孤児が、グナルニア国の平和を目指し奮闘する。『ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女』をベースに、『チャーリーとチョコレート工場』『パイレーツ・オブ・カリビアン』『ダヴィンチ・コード』など続々登場するパロディシーンに爆笑間違いなし。

【あらすじ】
孤児のルーシー(ジェイマ・メイズ)、エドワード(カル・ペン)、スーザン(フォーン・A・チェンバーズ)、ピーター(アダム・キャンベル)は、ウィリー・ウォンカ(クリスピン・グローヴァー)のチョコレート工場に閉じ込められる。抜け道になっている洋服ダンスを発見するが、そこは白いアバズレ魔女(ジェニファー・クーリッジ)が権力を握るグナルニア国だった。 (シネマトゥデイ)

【感想】
鉄板というのは「滑らない」という若者用語らしい。
大阪と東京1館ずつの公開。
しかも、大阪はレイトショーのみ。

もともと、ドタバタもバラエティも好きじゃない堅物の私が、なぜ見に行ったかーひとえにポスターのジャックとチャーリーに惹かれたからです。

はっきりいって、驚きの連続でした。
次から次へと、出てくる出てくるパロディの嵐。
さいわい、ほとんどの元映画を見ているか知っているかなので、退屈することはありませんでしたし、たまに笑うシーンもありました。

チャーリーは全然似ていなかったけど、ダンスがうまかったです。
ジャックも特徴をよくつかまえて、面白かった!
どちらの映画もたくさんのシーンやおなじみのセリフが登場します。

私がパロディとわかった映画は、「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」、「パイレーツ・オブ・カリビアン(シリーズ)」、「スーパーマン リターンズ」、「ダ・ヴィンチ・コード」、「チャーリーとチョコレート工場」、「V・フォー・ヴェンデッタ」、「ハリー・ポッター」、「スター・ウオーズ」、「スネーク・フライト」、「X-MEN」、「ナチョ・リブレ」、「ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習」、「007」、「もしも昨日が選べたら」、くらいかな?

どのセットや音楽も凝っていました。

でも、こういう作品の著作権ってどうなっているのかなあ。
エンドロールがすごく長かったけど、レイトショーにもかかわらず、30人くらいいた観客は最後まで席を立ちませんでした。
そのマニアの心意気に、感心しました。