マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

人生の特等席

2012-11-30 10:32:32 | 映画ー劇場鑑賞

ー人生の特等席ーTROUBLE WITH THE CURVE

2012年 アメリカ

ロバート・ロレンツ監督 クリント・イーストウッド(ガス)エイミー・アダムス(ミッキー)ジャスティン・ティンバーレイク(ジョニー)ジョン・グッドマン(ピート・クライン)ロバート・パトリック(ヴィンス)マシュー・リラード(フィリップ・サンダーソン)ジョー・マッシンギル(ボー・ジェントリー)

 

【解説】

『ミリオンダラー・ベイビー』『硫黄島からの手紙』など俳優、監督として活躍しているクリント・イーストウッドが、およそ4年ぶりに主演を務めた感動作。17年間イーストウッドからじかに映画制作を学んだロバート・ロレンツが監督を務め、疎遠だった父娘が仕事を通して絆を取り戻していく様子を描き出す。まな娘を演じるのは『ザ・ファイター』のエイミー・アダムス。不器用な父親と、長い間そんな彼を遠くに感じていた娘がたどる再生のドラマが胸を揺さぶる。

 

【あらすじ】

ガス(クリント・イーストウッド)は長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたが、ここのところ年のせいで視力が弱ってきていた。それでもまったく引退する素振りを見せない彼に、チームは疑いの目を向ける。窮地に陥った父親に救いの手を差し伸べたのは、あまり関係が良好とはいえない娘のミッキー(エイミー・アダムス)だった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

クリント・イーストウッド、やはりこのお名前に魅かれて見に行ってしまいますね。

最新主演作品「人生の特等席」。

 

冒頭から、おしっこが出にくい。

老いを前面に出した演出です。

でも、イーストウッドの顔の皺やしゃがれ声は、なんとも魅力的で不思議な気持ち。

 

ガス(クリント・イーストウッド)は長年メジャーリーグのスカウトマンをしている。

スカウト部長のピート(ジョン・グッドマン)とは長年の信頼関係で結ばれている良き友だ。

今年も、ドラフト会議の季節が近づいてきた。

ドラフトの目玉、高校生のボー(ジョー・マッシンギル)の実力を見極めるために、ガスは地方球場でボーの試合を見守っていた。

 

ピートは、ガスの体の異変に気が付いていた。

どうも、目が悪いようだ。

ガスの娘で弁護士をしているミッキー(エイミー・アダムス)に連絡を取り、ガスの様子を見るように言った。

ミッキーは、昇進に関わる大切な訴訟を抱えていた。

しかも、付いていっても父に歓迎されるわけはない。

でも、問い合わせた医師の答えはとても深刻なものだった。

 

☆ネタバレ

こうして、仕事も父の手伝いも必死に頑張るミッキーの悪戦苦闘が続きます。

そして、頑なミッキーにも恋の予感が。

 別球団のスカウトマン、ジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク)と意気投合するが。

それが何もかもダメにしてしまった親球団の決定。

父は引退も考え、娘も昇進を諦めたその時ーミッキーが発見したのは、手垢のついていない金の卵でした!!

 

ストーリーは、出来過ぎです。

そんなところに金の卵は転がっていないと思うし、それがすんなり受け入れられるはずも無い。

でも、そういうおとぎ話にしてしまうところが、イーストウッドのマジックなのでしょう。

 

真面目過ぎてイタい感じさえするミッキー、エイミー・アダムスのキャラクターとぴったり合っていました。

どんな親子にもある感情の行き違い。

特に父と娘って、こんな感じですよね。

うまく思いが伝わらないもどかしさ。

いいなあ。

 ぎくしゃくする父と娘

最後は恋もうまくいきそうで、なにもかもハッピーエンド。

この年末に、心を温めるにはぴったりの映画ではないでしょうか?

オススメです!!

 

イーストウッドが年を取ることについてこんなことを言っています。(Yahoo映画)

 

「少なくともある時点までは、失うよりも得ることの方が多いよ。多くの知識や経験を得ることができる。もちろん、年を取る大きな秘訣(ひけつ)は、今の時代に追いついていくということだ。うまくアプローチすれば、年を取ることはとても楽しくなりうることがわかったんだ。もし、座って鏡を見つめて「これはひどい」と思っていたら、幸せにはなれない。年を重ねても、新しい人々に会って、新しいアイデアを得ることができるんだ。学ぶのを決してやめることはないんだよ。それが、僕が映画の仕事を続けている理由の一つだ。映画をやって何か新しいことを学ばなかったことは一度もない。他の人々について、自分自身について、人生全般について、そして演技や監督することについてもね。」

 

年老いて行く身に、心強いお言葉です。


コーチ・カーター

2012-11-30 10:26:57 | 映画ーDVD

ーコーチ・カーターーCOACH CARTER

2005年 アメリカ

トーマス・カーター監督 サミュエル・L・ジャクソン(コーチ・ケン・カーター)リック・ゴンザレス(クルーズ)ロブ・ブラウン(ケニヨン)ロバート・リチャード(ダミアン)アシャンティ(キーラ)アントウォン・タナー(ワーム)ナナ・グベウォニョ(ジュニア・バトル)チャニング・テイタム(ライル)

 

【解説】

高校のバスケット・チームを舞台に教師の苦悩と葛藤を描く感動の人間ドラマ。監督は『ネゴシエーター』のトーマス・カーター。RB界の歌姫・アシャンティが本作で映画デビューを飾っている。サミュエル・L・ジャクソン演じるコーチ・カーターの人間らしいキャラクターはハマリ役。

 

【あらすじ】

スポーツ店を経営するコーチ・カーターは高校時代、伝説のバスケット・ボール選手だった。ある日、カーターは母校のコーチとなる。しかし、そのチームは負けてばかりで生活態度もよくない、最悪のチームだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

実話を元にしたストーリー。

 

普通のスポ根ものだと思っていましたが…、なかなかテーマには深いものがありました。

私は、バスケットボールの試合は見たことがないし、興味も無かったのですが、この映画の中の試合のスピードにびっくりしました。

これなら、面白いね!!

 

リッチモンド高校バスケットボール部。

そもそもリッチモンドという立地が下町なんですね。

リッチモンドはかつて治安が非常に悪い都市として知られていたそうです。

コーチ・カーター(サミュエル・L・ジャクソン)が、コーチに就任するために高校に入って行くシーン、空港にあるような金属探知期をくぐるところにびっくりしました。

高校なのに、武装警官!!

これで、この高校の描写は十分ですね。

 

負けっぱなしのバスケット部コーチとなったカーター。

彼は、この部の0Bであり、伝説の選手だった。

でも、部員たちは尊敬もしない。

彼らは、未来の無い将来の前で、ただやみくもに反抗するしかできない子供たちだった。

 

カーターは、まず契約書を作り、それに賛同できない選手たちを立ち去らせた。

自分への服従と、成績を評価2.3まで上げることと、試合にはネクタイ着用でくること。

そして、まずやったのは体力を付けるハードな練習だった。

 

前半は、よくあるスポーツ根性物語でした。

でも、この選手たちが常勝チームとなったあたりから、物語は展開をみせます。

勝つことに天狗になっていった選手たちに、学業の成績を上げるという試練を与えるのです。

 

高校卒業率が数パーセントで、犯罪を犯して刑務所に入る割合は50パーセントというこの町。

カーターには、プロになるという夢に賭けるより、大学に行って自分の可能性を広げた方が、彼らのためなんだと言う強い信念があったのです。

評価2.3は大学から奨学金をもらえる目標だったのです。

そして、カーターの取った行動ー体育館をロックアウトしたことが、学校も町もマスコミも巻き込んでの大騒動に。

最終的には公聴会が開かれ、カーターの決断は否定されました。

 

校長も、父兄も、町の人たちも、強くなった彼らが勝ち続けることだけを求めていました。

それが、町の希望の星でもあったのです。

でも、選手たちはもっと深く理解していました。

カーターの、彼らへの思いを。

 

その道は本当に簡単ではなかったと思います。

自分の価値観を変えて、周囲も自分も変わらないと前進できない過酷な環境だったと思います。

それをやり遂げた彼ら。

そこがすごい映画でした。

 

最後は、名門校との対決で、僅差で負けてしまいますが、諦めずに闘い続け、そして負けたことが彼らの糧になると確信できる、とてもいいラストでした。

 

DVDの特典にはご本人たちが出演して当時のことを証言してくれていました。

大学へ行って、いろんな進路に進んだようです。

医者や弁護士になった人もいて、若者の可能性は無限だなあと思いました。

 

一攫千金を夢見ることもいいかもしれないけど、自分の将来は賭けではありません。

やはり、現実を見据えて努力すること、それに尽きるよなあ、と改めて思いました。

 


みんなで一緒に暮らしたら

2012-11-24 23:14:11 | 映画ー劇場鑑賞

ーみんなで一緒に暮らしたらーET SI ON VIVAIT TOUS ENSEMBLE?/AND IF WE ALL LIVED TOGETHER?

2011年 フランス/ドイツ

ステファン・ロブラン監督 ジェーン・フォンダ(ジャンヌ)ジェラルディン・チャップリン(アニー)ダニエル・ブリュール(ディルク)ピエール・リシャール(アルベール)クロード・リッシュ(クロード)ギイ・ブドス(ジャン)

 

【解説】

おのおのがシニアならではの問題を抱え、人生の最後をいかに過ごすか思考を凝らす男女5人が共同生活を始めるハートフル・コメディー。誰もが直面する老いの問題を軽妙なタッチで描き、ロカルノ国際映画祭をはじめ世界各国で高い評価を得た。監督は、フランスの新鋭ステファン・ロブラン。『帰郷』のオスカー女優ジェーン・フォンダ、『チャーリー』のジェラルディン・チャップリン、『グッバイ、レーニン!』のダニエル・ブリュールら実力派キャストが織り成すストーリーを堪能できる。

 

【あらすじ】

アルベール(ピエール・リシャール)とジャンヌ(ジェーン・フォンダ)夫婦、ジャン(ギイ・ブドス)とアニー(ジェラルディン・チャップリン)夫婦、そして一人暮らしのクロード(クロード・リッシュ)は、長年の友情で結ばれた仲間たち。年齢を重ねた彼らはそれぞれに問題を抱え、ある日デート中に倒れたクロードが息子によって強引に老人施設に入れられてしまう。人生の最後を周りに決められるのではなく、自分たちらしく過ごしたい彼らは5人で共同生活をスタートさせるが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

初老を迎えた人たちが、共同生活を始めたきっかけと、その顛末。

 

今日はクロード(クロード・リッシュ)の誕生日。

長年の友達であるアルベール(ピエール・リシャール)とジャンヌ(ジェーン・フォンダ)夫婦、ジャン(ギイ・ブドス)とアニー(ジェラルディン・チャップリン)夫婦が集まってお祝いをしていた。

アルベールは物忘れがひどくなり、ジャン夫婦は、子供や孫たちが寄り付かず寂しい思いをしている。

クロードは、連れ合いをなくし気ままな一人暮らしだが、50歳になる息子が細々と生活に介入してくるのがうっとうしい。

ジャンは「みんなで一緒に暮らそうか」とつぶやくが、アニーは「バカなこと言わないでよ!」と取り合わない。

 

ジャンヌは医師から見放された癌を患っていたが、夫のアルベールには内緒にしていた。

アルベールは大型の犬を飼っていて、犬の散歩中に転んで怪我をした。

それで、二人は犬の散歩係として大学院生のディルク(ダニエル・ブリュール)を雇った。

 

ある日、クロードが娼婦のアパートで倒れ、病院に運ばれた。

息子は、療養施設に入れた。

 

お見舞いに駆けつけたジャンヌたちは、こんなところにクロードを置いておけないと、施設から連れ出し、ジャンとアニーの家に運び込んだ。

 

アニーは、庭にプールを作りたがっていた。

プールがあれば、孫たちが遊びにくると考えたからだ。

ジャンは反対だったが、みんなで暮すことを条件にプールも許した。

 

こうして、みんなで一緒に暮らすことと、プールの工事が同時に始まった。

 

民俗学を研究しているディルクは、老人の実態調査のために、彼らと同居することに。

こうして、奇妙な共同生活が始まった。

 

☆ネタバレ

生活はきれいごとではないし、痴ほうも冗談ではないので、本当に大変なことも起きてしまう。

みんなの過去も暴かれるし(40年前の不倫)、大騒動。

でも、みんなが一緒にやっていきたいという強い絆さえあれば、たいていのことは乗り越えられるんだと思わせてくれる作品でした。

 

結局、ジャンヌは亡くなり、みんなの心に大きな穴をあけてしまう。

ラスト、ジャンヌが亡くなったことを忘れてしまったアルベールが、ジャンヌを探すのを手伝って、みんなで夕暮れの空に「ジャーンヌ!!」と叫ぶ声は、とてもせつなく聞こえました。

 

マンションに住んで、コミュニティとは何かを考えさせられている今日この頃。

私の終焉も近づいているからこそ、彼らの試みに勇気をもらった気がしました。

人との交わりって、厄介なことだらけだけど、人生には必要なことなんです、きっと。

それも、人生の彩りと思えて来たから、私も熟成されてきたと言えるのではないかな?

まだまだあかん?

うーむ、人生は奥が深い。

 

桃(タオ)さんのしあわせ

2012-11-24 13:58:57 | 映画ー劇場鑑賞

ー桃(タオ)さんのしあわせー桃姐/A SIMPLE LIFE

2011年 中国/香港

アン・ホイ監督 アンディ・ラウ(ロジャー)ディニー・イップ(桃/鐘春桃)チン・ハイルー(チョイ主任)ワン・フーリー(ロジャーの母)チョン・プイ(キン)アンソニー・ウォン(バッタ)サモ・ハン(映画監督)ツイ・ハーク(映画監督)

 

【解説】

『女人、四十。』などで知られるアン・ホイ監督が、老いをテーマにつづる感動の人間ドラマ。いつも空気のようにそばにいた老メイドが病に倒れたことをきっかけに、やがて肉親以上の強い絆で結ばれていく主従の関係を描き切る。『サイクロンZ』などの演技派女優ディニー・イップが昔気質の使用人を演じ、介護に奔走する主人公を、香港の大スターアンディ・ラウが熱演する。ユーモアと優しさを交えて描かれる人生の転機に勇気をもらう。

 

【あらすじ】

広東省生まれの桃さん(ディニー・イップ)は、13歳から60年もの間梁家の使用人として4世代の家族の世話をしてきた。今は、生まれたときから面倒を見てきたロジャー(アンディ・ラウ)が彼女の雇い主で、彼は映画プロデューサーとして中国本土と香港を往復する多忙な日々を送っていた。そんなある日、桃さんが脳卒中を起こして倒れ……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

鐘春桃(ディニー・イップ)、通称桃さんは、幼くして両親と死に別れ、養父母の元に引き取られたが、彼らとも死に別れて、13歳から梁家3代に使用人として仕えてきた。

梁家が中国からアメリカに移住してからは、香港に住む映画監督の3代目ロジャーの世話をしている。

ロジャーは中年になっても独身で、香港と北京を忙しく行き来して仕事をしていた。

 

ある時桃さんが脳梗塞で倒れ、ロジャーに「解雇してくれ」という。

ロジャーは「これからは僕が面倒を見る」と言って、老人施設に入所させた。

貧しい施設。

でも、桃さんにとってはこれからの我が家。

 

それから、桃さんが次第に年老いて亡くなるまでの、ロジャーやロジャーの親や兄弟たちとの交流を描いた作品で、別に大きな事件もなく、淡々と日常が描かれているだけです。

でも、ロジャーと桃さんの距離感が抜群で、近過ぎもせず、遠過ぎもせず、お互いを思いやる様子が絶妙で素晴らしいと思いました。

演技とは思えない二人の間の空気感がステキでした。

 

それから、なんと言っても、桃さんの他人への接し方。

媚びる事無く、はっきりものは言うけど、感謝の仕方、個人への思いやりが素晴らしい。

こういう人になりたいものだと思いました。

人は、だれしも年を取る。

病んで一人で死んで行く。

でも、人と関わって生きていくことが大事なんだと、この作品は教えてくれたのだと思いました。

 


ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋

2012-11-23 13:47:31 | 映画ー劇場鑑賞

ーウォリスとエドワード英国王冠をかけた恋ーW.E.

2011年 イギリス

マドンナ監督 アビー・コーニッシュ(ウォリー・ウィンスロップ)アンドレア・ライズブロー(ウォリス・シンプソン)ジェームズ・ダーシー(エドワード)オスカー・アイザック(エフゲニ)

 

【解説】

ミュージシャンや女優として多方面で活躍するマドンナが監督を務めた壮大なラブロマンス。結婚生活に悩む現代女性と、かつて英国王に王位を捨てさせた悪女として非難を浴びたアメリカ人ウォリス・シンプソンの姿を通して愛の本質を浮き彫りにする。悩める人妻を『エンジェルウォーズ』のアビー・コーニッシュが演じ、世紀のヒロインを『わたしを離さないで』のアンドレア・ライズブローが熱演。豪華な衣装や宝石に彩られた魅力的な物語におぼれる。

 

【あらすじ】

1998年、ウォリー(アビー・コーニッシュ)は著名な分析医の夫(リチャード・コイル)と結婚し、ニューヨークで何不自由ない生活を送っていた。だが、多忙な夫はなかなか家に寄り付かず、子どもを欲しがる彼女との溝は深まるばかりだった。ある日、ウォリーは以前務めていた職場で開かれるウィンザー公爵夫妻の遺品オークションに足を運ぶ。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

2011年のアカデミー賞作品賞に輝いた「英国王のスピーチ」の、裏のエピソード、「英国王冠をかけた恋」とスキャンダラスに語られた、エドワード8世(ジェームズ・ダーシー)とウォリス・シンプソン(アンドレア・ライズブロー)の物語です。

 

この映画の構成は複雑です。

ひとつは過去のウォリスとエドワードの物語、もうひとつは、ウォリスに憧れながら現代を生きているウォリー(アビー・コーニッシュ)と警備員のエフゲニ(オスカー・アイザック)の、二組のWEの物語でした。

 

「英国王のスピーチ」で二人のことは少し触れられていましたが、「一人の女性のために王位を捨ててしまうなんて、ロマンチックなんだか、無責任なんだか」と思って、興味津々でした。

でも、その思いをはぐらかすかのような、マドンナの演出。

始めのうちは、現代の話か過去の話か、よくわからなかったです。

 

ウォリスの最初の夫は軍人でしたが、DVに耐えかねて離婚。

エドワートと出会ったときには、裕福なアーネスト・シンプソンと再婚していました。

 

エドワードの愛人であったテルマのパーティーで、二人は知り合い、2年後くらいには二人は恋仲になったようです。

夫のアーネストの方にも愛人がいて、お互い大目に見ていたようです。

 

一方の物語の主人公、ウォリーは、人もうらやむ売れっ子の精神分析医の妻で、裕福なマンション暮らし。

でも、夫が子供を欲しがらず、家庭を顧みないのが不満でした。

かつての職場、サザビーズでウォリスとエドワードにまつわるオークションがあるのを知り、見学にやってきました。

そこで、ウォリスの遺品の数々に魅入られて行きます。

何日か後、オークションに参加して手袋のコレクションを競り落としているウォリーがいました。

そして、その夜、夫が多額の現金が引き出されたことに激怒、乱暴されたウォリーは家を飛び出しまた。

 

ウォリーとエフゲニ

顔見知りになっていたエフゲニが自分家に連れ帰って、ウォリーを慰めてくれ、本当に大切な人が誰か気づかせてくれました。

 

エドワードは、ウォリスと生きる道を選び、王冠を弟に譲り、晴れて結婚するのですが、二人は英国には死ぬまで歓迎されませんでした。

エドワードは、異国であるフランス・ブルゴーニュの家で亡くなりました。

 

エドワードは、ウォリスがアメリカンミュージックに乗って踊るのを見るのが好きで、亡くなる間際もウォリスにせがんでいました。

エドワードは、ウォリスが体現しているアメリカ的なもの、自由の象徴みたいなものを生涯愛したのではないかな?

 

ウォリスが付けていた婚約指輪、インドの王様が持っていたものを半分にしたエメラルドですって。

ウォリスの華奢な手にはあまりに大きくて、ひときわ目を引いていました。

本物も、あんな感じだったのでしょうね。

うっとり~。

そのほかにも、私にはその価値がわからないような豪華な品物の数々。

そのへんは、さすがマドンナ!と思いました。

 

この二組のWEの描き方が、すごくややこしかったのですが、現代のウォリーの迷いと選択の物語を主として見れば、少しは整理できました。

そして、ウォリスの失ったものの大きさが、ずしんと心に残った作品でした。

 

エドワードに求婚され、とまどうウォリス

いくら英国一国と引き換えにと望まれても、ウォリスは幸せな生涯を送ったと言えるのでしょうか?

白馬に乗った王子様が求愛しても、簡単にYesと言えないところが、現代女性の生き方の難しいところです。

ウォリーの出した答えが、マドンナ監督は「正解!」というところなのでしょう。

 


インモータルズ

2012-11-20 14:05:02 | 映画ーDVD

ーインモータルズ-神々の戦いーIMMORTALS

2011年 アメリカ

ターセム・シン・ダンドワール監督 ヘンリー・カヴィル(テセウス)ミッキー・ローク(ハイペリオン)ジョン・ハート(老ゼウス)スティーヴン・ドーフ(スタブロス)フリーダ・ピント(パイドラ)イザベル・ルーカス(アテナ)ルーク・エヴァンス(ゼウス)ケラン・ラッツ(ポセイドン)

 

【解説】

ギリシア神話の世界を舞台に、世界支配をたくらむ暴虐な男の蛮行を阻止すべく立ち上がった勇者の活躍を描くアクション・アドベンチャー。『ザ・セル』『落下の王国』のターセム・シンが監督を務め、光の神であるオリンポスの神々と闇の神タイタン族の戦いが壮大なスケールで展開する。主演は、新スーパーマンに抜てきされた注目株のヘンリー・カヴィル。共演には『レスラー』のミッキー・ローク、『スラムドッグ$ミリオネア』のフリーダ・ピントら豪華キャストがそろう。

 

【あらすじ】

神話の時代のギリシア、全能神ゼウス(ルーク・エヴァンス)は人類の平和と繁栄を願い地上の営みを見守ってきた。そんな彼の前に、ギリシアを滅ぼし世界支配をたくらむ邪悪な王ハイペリオン(ミッキー・ローク)が現れる。彼のたくらみを阻止するためゼウスに選ばれた人間の勇者テセウス(ヘンリー・カヴィル)が立ち上がり、やがて世界を揺るがす戦いへと発展していく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

インモータルズとは、モータルズ=死ぬ存在に対して、死なない存在=神のこと。

ギリシャ神話の神の時代には、神が不死の存在であることは当然のことと考えられていたが、あるとき、お互いに闘えば死ぬのだということを知り、タイタン族とオリンポスに分かれて闘いがあった。

これがティーターノマキアー、タイタンの闘いです。

 

破れたタイタン族はタルタロス山の奥深くに封印された。

 

ギリシャ征服を狙うハイペリオン(ミッキー・ローク)が、タイタン族を解放するためにエピロスの弓を探していることを、巫女のパイドラ(フリーダ・ピント)が夢に見た。

ほどなく、ハイペリオンが軍隊を率いて神殿を襲い、巫女たちを幽閉した。

 

一方、貧しい農夫のテセウス(ヘンリー・カヴィル)が、信心深い母と暮す平和な村にも、ハイペリオンの噂が伝わってきた。

村はハイペリオン軍に征服され、テセウスの母はハイペリオンに殺され、テセウスも捕虜となった。

 

囚われの場所で出会ったパイドラとテセウスは、囚人たちを仲間に率いれて脱獄することに成功した。

パイドラの夢のお告げのお陰で、テセウスは弓を手に入れ、ミーノタウロスを倒し、ハイペリオンの屋敷に行くが、それは罠だった。

危ないところを神たちに助けられたが、弓はハイペリオンの手に渡った。

ゼウス(ルーク・エヴァンス)は、神たちに「これ以上人間に関与してはならない」と言い渡した。

 

ハイペリオンを追ってタルタウロス山へ。

タルタロスの大壁の向こうには、大勢のギリシャ人が避難していた。

 

ギリシャ軍対ハイペリオン軍、テセウス対ハイペリオン、神対タイタンの凄まじい闘いが始まった。

 

この作品の見所は、もちろんこの戦闘シーンです。

それまでは、ちーと退屈です。

でも、この闘いは徹底しています。

これでもかというくらい、人の首が落とされ、まっぷたつに切られ、あるいは見るかげもなく潰され、血が飛び散ります。

ちょっとしつこいくらい。

最後には、気持ち悪いとも思わなくなるから、怖いです。

 

そのくらい、闘いというのは無意味で虚しいものだということかな?

というより、この作品は映像表現を楽しむものでしょうね。

 

ミッキー・ロークがいい!

悪の化身。

これぞ悪役の極みでした。

 


ザ・セル

2012-11-20 12:52:24 | 映画ーDVD

ーザ・セルーTHE CELL

2000年 アメリカ

ターセム・シン監督 ジェニファー・ロペス(キャサリン・ディーン)ヴィンス・ヴォーン(ピーター・ノヴァク)ヴィンセント・ドノフリオ(カール・スターガー)マリアンヌ・ジャン=バプティスト(ミリアム・ケント)ジェイク・ウェバー(ゴードン・ラムジー)

 

【解説】

TVCFやミュージック・ビデオで活躍しているターセムの初監督作品で、サイコ殺人鬼の心の中に入り込んで事件解決をしようとする心理学者の異様な体験を描いたスリラー。「アウト・オブ・サイト」のジェニファー・ロペスが初主演している。シカゴ郊外にあるキャンベル研究所。若き心理学者キャサリンは人間の潜在意識や夢の中に入り込む技術を研究していた。そんな彼女のもとに、ガラス張りのセル(独房)に女性を閉じ込め溺死する姿を見て性的快楽を得る殺人鬼の心の中を覗いて欲しいという依頼が舞い込む……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

「白雪姫と鏡の女王」で興味を持ったターセム・シン監督。

これが彼の最初の作品です。

 

犯罪映画としてはヒッチコック監督の「サイコ」や「羊たちの沈黙」のようなサイコ・ホラー。

でも、作品の作り方は「マトリックス」のようで、映像はターセム・シン的としか言えません。

面白かったです。

 

精神分裂症患者の心の中に入り、深層心理の中から原因を突き止めるという実験的な治療に取り組んでいる心理学者のキャサリン(ジェニファー・ロペス)。

 

そこへ、発作を起こし意識を失った犯罪者スターガー(ヴィンセント・ドノフリオ)の心理の中へ入り込んで、誘拐された女性の居場所を突き止めて欲しいと言う以来が、FBIからもたらされた。

スターガーは若い娘を誘拐し、水死させたあと、漂白剤に漬けた姿を見て興奮すると言う異常者だった。

しかも、誘拐された女性がどこかに囚われていて、今にも水死しそうだというのだ。

 

キャサリンは、スターガーの心理の中に入って行った。

そして、彼女の見たものとは…?

 

この映画の衣装も石岡瑛子さんが担当していて、スターガーの心の中の姿やジェニファーの衣装など、とても面白かったです。

 

ターセム・シンって、どこかユーモラスな造形を好むみたい。

それが、私の感性ともあう感じがして楽しめます。

 

犯人が悪いんじゃない、親や育った環境が悪かったんだ、ということは簡単だけど、歪んでしまった人物が犯す犯罪は、容認できない。

いつか、こんな治療法が確立される日がくるんだろうか?

精神の疾患で苦しんでいる人が、楽になる日も来るのだろうか?

そもそも、心の中に入るなんてことができるのかしら?

 


声をかくす人

2012-11-20 12:10:41 | 映画ー劇場鑑賞

ー声をかくす人ーTHE CONSPIRATOR

2011年 アメリカ

ロバート・レッドフォード監督 ジェームズ・マカヴォイ(フレデリック・エイキン)ロビン・ライト(メアリー・サラット)ケヴィン・クライン(エドウィン・M・スタントン陸軍長官)エヴァン・レイチェル・ウッド(アンナ・サラット)ダニー・ヒューストン(ジョセフ・ホルト総監(検察))ジャスティン・ロング(ニコラス・ベイカー)アレクシス・ブレデル(サラ)ジョニー・シモンズ(ジョン・サラット)コルム・ミーニイ(デヴィッド・ハンター)トム・ウィルキンソン(リヴァディ・ジョンソン上院議員(元司法長官))

 

【解説】

『明日に向って撃て!』などの名優ロバート・レッドフォードが、『大いなる陰謀』以来となる監督作として放つ実録ドラマ。リンカーン大統領暗殺の一味としてアメリカ初の女性死刑囚となったメアリー・サラットの姿を、担当弁護士との絆を絡めて映し出す。『ギルティ・オブ・ラブ』のロビン・ライトが、死刑を求刑されてもかたくなに無実を訴えるメアリーの強さや、その中に秘めた思いを体現。『つぐない』のジェームズ・マカヴォイをはじめトム・ウィルキンソン、ケヴィン・クラインら、実力派ぞろいの共演陣も見ものだ。

 

【あらすじ】

南北戦争終結から間もない1865年のワシントンで、アメリカ合衆国大統領リンカーンが暗殺される。すぐさま犯行グループは拘束され、その一人として下宿屋を営む南部出身のメアリー・サラット(ロビン・ライト)も捕らえられる。罪状は犯行グループへのアジト提供であったが、彼女は一貫して無実を主張。メアリーの担当弁護士を引き受けることになったフレデリック(ジェームズ・マカヴォイ)は、北軍の英雄であったこともあって彼女と向き合うことに抵抗を覚えるが、実際に無実で何かの事情から自身を捧げようとしているのではと考える。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ロバート・レッドフォード監督は、2007年の「大いなる陰謀」も国家の大義と正義について、観客に何かを問題提起しているような作品でしたが、この作品も、アメリカ史で初めて女性で死刑判決を受けたメアリー・サラットの事件を題材に、正義とは何かを問いかける内容でした。

中身が濃いです。

なかなか素晴らしかったです。

 

南北戦争で北軍の大尉として陣頭指揮を執ったフレデリック・エイキン(ジェームズ・マカヴォイ)だったが、南軍の攻撃に倒れ、救援を待っていた。

戦友のベイカー(ジャスティン・ロング)は、瀕死の重傷を負って横たわっていた。

救援隊が駆けつけたとき、自分も傷が深いにも関わらず、瀕死の戦士を先に助けろというような人物だった。

 

そんな戦争の英雄として、フレデリックは恋人サラ(アレクシス・ブレデル)の待つワシントンに無事に帰還した。

そして、サラと再会したパーティーのその夜、1865年4月14日、リンカーン大統領暗殺事件が起きた。

 

フレデリックは、もう軍人はこりごりと弁護士になった。

自分が尊敬するジョンソン上院議員(トム・ウィルキンソン)から、大統領暗殺事件の犯人の一人、メアリー・サラット(ロビン・ライト)の弁護をするよう頼まれる。

戦争で南軍に殺されそうになった経験を持つフレデリックは、自分の周りの人間同様、大統領を暗殺した犯人に怒りと憎しみを持っていたが、「彼女は弁護を受ける権利がある」という強い主張に、彼女の弁護を引き受けた。

 

メアリーの裁判は、一般の法廷ではなく軍法会議で行われた。

すでに主犯のブースは逃亡中に射殺されていて、共謀者とされる8人がこの法廷で裁かれることになっていた。

 

メアリーは、夫を亡くした未亡人で、南部から息子と娘とともにワシントンに引っ越してきて、下宿屋をやっていた。

息子のジョンがブースと知り合い、仲間たちが集まるようになった。

メアリーは、暗殺計画と知って彼らに場所を提供していたのか?

共謀はあったのか?

原題はザ・コンスピレーター、共謀者という意味。

彼女は、自分が無罪と主張するだけで、肝心なことは何も言わなかった。

彼女には守らなければならない秘密があった。

 

エイキンがメアリーの弁護をすることを、誰もが快く思わなかった。

彼自身も最初は気が進まなかったようだ。

しかし、民間人が軍事裁判で一方的に裁かれる不平等に彼の正義感が燃えた。

証言をたどっても、彼女が有罪という証拠は出て来ない。

そして、せっかく探し出した証人も、法廷では証言を翻した。

 

そこには、スタントン陸軍長官(ケヴィン・クライン)の「(世間を納得させるために)犯人に重罰を課して、早く事件を終わらせる」という意向が強く働いていた。

 

☆ネタバレ

結局、軍法会議は彼女を含め4人を絞首刑にした。

フレデリックはぎりぎりまで彼女の延命に尽力するが、最後は大統領命令で処刑台に連れて行かれた。

 

彼女が守り通した秘密は、息子のジョンの共謀だった。

ジョンは逃亡先で母の処刑を知り、そののち囚われるが、一般法廷で裁かれ、無罪となったそうです。

母の有罪の証拠(逃亡した犯人に武器を供給したこと)が、息子のした行為だったのだから、それが母がやったこととなれば息子は無罪というわけです。

母の死が、みごとに息子をかばったというわけですね。

 

エイキンは、このあと法律の世界も離れ、ワシントンポストの初代社会部長になったそうです。

 

そのへんが、レッドフォード監督の「アメリカにも正義を守る人間はいるぞ」という気骨の表れだと思いました。

 

国家の大義と法の正義。

たいていは、国家の大義に潰されてしまうと思うけれど、そこに光を当てて、しかも自分の感情とは違うところへ自分を理性で導くという、これぞ正義!という結論にしびれました。

それを体現してくれたジェームズ・マカヴォイ。

今回も素晴らしい演技だったと思いました。

 

ロビン・ライトも素晴らしかった。

決して嘘はつかないが、母として息子は守る、信仰も崩さないという毅然とした態度。

処刑台に向かう気高い表情がメアリーの生き様を示していました。

 

いろんなことを考えさせてくれるいい映画だと思いました。

 


君への誓い

2012-11-12 09:47:59 | 映画ーDVD

ー君への誓いーTHE VOW

2012年 アメリカ

マイケル・スーシー監督 レイチェル・マクアダムス(ペイジ)チャニング・テイタム(レオ)サム・ニール(ビル)スコット・スピードマン(ジェレミー)ジェシカ・ラング(リタ)

 

【解説】

ある実在する夫婦のエピソードをベースにしたラブストーリー。事故で記憶を失ってしまった妻と、彼女の記憶から消えてしまった夫が、さまざまな試練を乗り越えながら再び愛を取り戻そうとする姿を追い掛けていく。『きみに読む物語』『シャーロック・ホームズ』シリーズの実力派女優レイチェル・マクアダムスと『G.I.ジョー』シリーズや『親愛なるきみへ』のチャニング・テイタムが、記憶をよみがえらせるよりも新たに愛ときずなをはぐくもうと前を向く夫婦を好演。監督は、テレビ映画「グレイ・ガーデンズ追憶の館」のマイケル・スーシー。

 

【あらすじ】

結婚式を挙げたばかりのペイジ(レイチェル・マクアダムス)とレオ(チャニング・テイタム)。幸せに満ちた日々を送っていた二人だが、自動車の追突事故に遭遇してペイジが記憶障害に陥る。レオと出会ってからの4年間の記憶が消えてしまい、夫のレオが誰なのかわからなくなってしまったのだ。ショックに打ちひしがれながらも自分たちの思い出の場所にペイジを連れ出し、改めて心の距離を縮めようとするレオ。しかし、ペイジの元婚約者ジェレミー(スコット・スピードマン)が、よりを戻すチャンスだと彼女に近づこうとする。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

実話が基のラブストーリー。

興味津々で見ましたが、なんか、薄っぺらい感じだなあ。

「一枚のめぐり逢い」のすぐあとに見ちゃったからかな?

 

新婚ラブラブのペイジ(レイチェル・マクアダムス)とレオ(チャニング・テイタム)。

ペイジは新進の彫刻家、レオは録音スタジオを経営していた。

寒い日に車の中でいちゃいちゃしているところに暴走トラックが突っ込んできて、二人は大けがをする。

 

ペイジは脳挫傷の重傷を負い、目覚めたときには直近の4年間の記憶を失っていた。

レオのことをお医者さんと勘違いして、レオは大ショック。

ペイジと絶縁状態だった両親(サム・ニール・ジェシカ・ラング)が駆けつけて、高校生に戻ったかのようなペイジと親しげ。

 

それでも、レオは主治医から「日常生活に戻った方がいい」というアドバイスを盾に、ペイジを自宅へ連れて帰った。

無理強いしないという約束で生活を始めたが、「他人と暮らす」という強いストレスがペイジを苦しめる。

 

妹の結婚の準備を理由に実家に戻ったペイジは、かつてのようなお嬢様スタイル、髪の毛の色を変え、高校生時代の友達や昔の婚約者ジェレミーとも盛り上がっている。

 

妹の結婚式の当日、とうとう切れてジェレミーを殴ってしまったレオ。

「あなたを落胆させることに疲れた」とペイジが言い、二人は別れを決意した。

 

☆ネタバレ

ペイジが両親と絶縁状態になっていたのには理由があった。

ペイジの父が、ペイジの親友と不倫をしたのだ。

その事実を再び知り、ショックを受けたペイジは、また、美術への意欲がわいてきて、今回は円満に家を出て独立し、美大に復学して学び始めた。

 

そして、半年後、再会した二人は新しい恋人同士として、交際を始めるのだった。

 

最後にご本人たちの写真が映し出され、幸せな家族の様子がうかがえます。

ペイジの記憶がまだ戻っていないというテロップには驚かされますが、二人の努力と深い愛情にはジーンと来ます。

 

それはそうなんだけど、この作品自体は軽い感じでした。

今売り出し中のチャニング・テイタムの肉体美が印象に残っています。

彼のための作品として作られたのじゃないかなあ?

 


一枚のめぐり逢い

2012-11-11 16:31:26 | 映画ーDVD

ー一枚のめぐり逢いーTHE LUCKY ONE

2012年 アメリカ

スコット・ヒックス監督 ザック・エフロン(ローガン・ティーボウ)テイラー・シリング(べス・グリーン)ブライス・ダナー(エリー・グリーン)ライリー・トーマス・スチュワート(ベン)ジェイ・R・ファーガソン(キース・クレイトン)

 

【解説】

『シャイン』のスコット・ヒックス監督が、ニコラス・スパークス原作のベストセラー小説「ザ・ラッキー・ワン」を基に描く感涙作。ある見知らぬ女性の写真を胸にイラクから帰還した海軍帰還兵と、その運命の相手との出会いを温かく見つめる。『ハイスクール・ミュージカル』シリーズのザック・エフロンが主演を務め、その相手役を『アフター・ザ・レイン』のテイラー・シリングが演じている。少しずつ距離が縮まっていく男女の関係に胸が高鳴る。

 

【あらすじ】

アメリカ海軍軍曹のローガン(ザック・エフロン)は、イラクで3度目となる職務を無事に終了し、ついに祖国の土を踏む。そのとき彼が手にしていたのは、イラクで彼の支えとなった一度も会ったことのないベス(テイラー・シリング)という女性の写真だった。やがて彼女の所在を知ったローガンは家まで会いに行き、ベスと共に働き始め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「一枚のめぐり逢い」ってよくわからない邦題で、ありふれたラブストーリーだと劇場には足を運びませんでした。

でも、間違い。

すごくよかったです。

「一枚のハガキ」みたいなお話ではありません。

 

この邦題の1枚は戦場で拾った一枚の写真、女性が写っているポートレートです。

こういう安易な邦題の付け方、止めて欲しいわ。

「ラッキーワン」で十分と思うけど。

 

☆ネタバレ

海兵隊のローガン(ザック・エフロン)は3度戦争に派遣されていた。

一度は、国のための出征だったが、あとの2回は戦友のため。

 

イラクである夜襲作戦のあと、きらりと光る物を土の中に見つけた。

近づいてみると、ポートレートだった。

裏には手書きで「安全を祈る」と書いてあった。

 

その直後、爆弾が落ちてきた。

さっきまで座っていたところが粉々になって、その周りにいた兵士にも犠牲者が出たが、ローガンは奇跡的にかすり傷ですんだ。

 

同僚たちにこのポートレートに心当たりがないか聞いて回ったが、誰も知らない。

その後、そのポートレートはお守りがわりになっていたった。

別の戦場でも、親友がなくなったときもローガンは助かった。

 

そして、帰還。

故郷に帰ったが心に深い傷を負っていて、苦しんでいた。

平和な兄夫婦の家では暮せなかった。

 

ポートレートの女性を捜す旅に出た、愛犬ゼウスとともに。

コロラドからルイジアナまで、長い距離を歩いて旅した。

そして、たどり着いたその女性の家、犬の訓練所と預かり所を経営しているベス(テイラー・シリング)の家だった。

 

ローガンの事を、求人を見てやってきた宿無しと勘違いしたベスは、祖母のエリー(ブライス・ダナー)に断るように頼むが、エリーはローガンを気に入り、雇ってしまった。

 

ベスには離婚した警官のキース(ジェイ・R・ファーガソン)がつきまとっていた。

一人息子のベンのために、ベスは耐えていた。

ベンもまた、子供らしさを押さえてやりたいことも我慢している子供だった。

 

最初は、陰気なローガンを気味悪く感じていたベスだったが、ふたりは次第に打ち解けていく。

写真の持ち主はベスの兄だった。

ベスも、兄の最後がわからず、心に傷を持っていた。

何度も打ち明けようとするが、ローガンはベスとの関係を壊すのが怖くてどんどん言えなくなっていく。

 

とうとうキースから、ローガンが最初からベスを探していたことを知り、ベスは傷つき、ローガンを追い出そうとする。

ローガンは、ベンからもらった古い写真を見て、ベスの兄がエースと呼ばれていた他の隊のリーダーだったことがわかり、ベスに兄の最後を伝えたー。

 

戦争が、兵士やその家族たちに深い傷をもたらせ、その傷はあらゆる場面でその人を苦しめ、時間や家族だけでは癒せないということをしっかりと織り込んだ作品でした。

 

ベスのポートレートが、ローガンにとっては命を守るお守りになったというところがポイントです。

ただ、届けようと思ったのではない。

自分の命の恩人に、感謝の気持ちを伝えたいという心の叫びが根底にあるというのが、この物語の深いところだと思いました。

でも、それはそんなに簡単に言葉にできるものではないのですよね。

 

最初からそういうことを飲み込んでいるような祖母のまなざしや、辛さを子供なりに含んでいるようなベン。

そして、賢いゼウス。

すべてが、癒しにつながるような設定で良かったです。

 

テイラー・シリングがとてもチャーミングだったし、ザックがこれまたステキでした。

寡黙で憂いを含んだまなざし。

よかったわー。

 

久しぶりにいいラブストーリーを見ました。