ー人生の特等席ーTROUBLE WITH THE CURVE
2012年 アメリカ
ロバート・ロレンツ監督 クリント・イーストウッド(ガス)エイミー・アダムス(ミッキー)ジャスティン・ティンバーレイク(ジョニー)ジョン・グッドマン(ピート・クライン)ロバート・パトリック(ヴィンス)マシュー・リラード(フィリップ・サンダーソン)ジョー・マッシンギル(ボー・ジェントリー)
【解説】
『ミリオンダラー・ベイビー』『硫黄島からの手紙』など俳優、監督として活躍しているクリント・イーストウッドが、およそ4年ぶりに主演を務めた感動作。17年間イーストウッドからじかに映画制作を学んだロバート・ロレンツが監督を務め、疎遠だった父娘が仕事を通して絆を取り戻していく様子を描き出す。まな娘を演じるのは『ザ・ファイター』のエイミー・アダムス。不器用な父親と、長い間そんな彼を遠くに感じていた娘がたどる再生のドラマが胸を揺さぶる。
【あらすじ】
ガス(クリント・イーストウッド)は長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたが、ここのところ年のせいで視力が弱ってきていた。それでもまったく引退する素振りを見せない彼に、チームは疑いの目を向ける。窮地に陥った父親に救いの手を差し伸べたのは、あまり関係が良好とはいえない娘のミッキー(エイミー・アダムス)だった。(シネマトゥデイ)
【感想】
クリント・イーストウッド、やはりこのお名前に魅かれて見に行ってしまいますね。
最新主演作品「人生の特等席」。
冒頭から、おしっこが出にくい。
老いを前面に出した演出です。
でも、イーストウッドの顔の皺やしゃがれ声は、なんとも魅力的で不思議な気持ち。
ガス(クリント・イーストウッド)は長年メジャーリーグのスカウトマンをしている。
スカウト部長のピート(ジョン・グッドマン)とは長年の信頼関係で結ばれている良き友だ。
今年も、ドラフト会議の季節が近づいてきた。
ドラフトの目玉、高校生のボー(ジョー・マッシンギル)の実力を見極めるために、ガスは地方球場でボーの試合を見守っていた。
ピートは、ガスの体の異変に気が付いていた。
どうも、目が悪いようだ。
ガスの娘で弁護士をしているミッキー(エイミー・アダムス)に連絡を取り、ガスの様子を見るように言った。
ミッキーは、昇進に関わる大切な訴訟を抱えていた。
しかも、付いていっても父に歓迎されるわけはない。
でも、問い合わせた医師の答えはとても深刻なものだった。
☆ネタバレ
こうして、仕事も父の手伝いも必死に頑張るミッキーの悪戦苦闘が続きます。
そして、頑なミッキーにも恋の予感が。
別球団のスカウトマン、ジョニー(ジャスティン・ティンバーレイク)と意気投合するが。
それが何もかもダメにしてしまった親球団の決定。
父は引退も考え、娘も昇進を諦めたその時ーミッキーが発見したのは、手垢のついていない金の卵でした!!
ストーリーは、出来過ぎです。
そんなところに金の卵は転がっていないと思うし、それがすんなり受け入れられるはずも無い。
でも、そういうおとぎ話にしてしまうところが、イーストウッドのマジックなのでしょう。
真面目過ぎてイタい感じさえするミッキー、エイミー・アダムスのキャラクターとぴったり合っていました。
どんな親子にもある感情の行き違い。
特に父と娘って、こんな感じですよね。
うまく思いが伝わらないもどかしさ。
いいなあ。
ぎくしゃくする父と娘
最後は恋もうまくいきそうで、なにもかもハッピーエンド。
この年末に、心を温めるにはぴったりの映画ではないでしょうか?
オススメです!!
イーストウッドが年を取ることについてこんなことを言っています。(Yahoo映画)
「少なくともある時点までは、失うよりも得ることの方が多いよ。多くの知識や経験を得ることができる。もちろん、年を取る大きな秘訣(ひけつ)は、今の時代に追いついていくということだ。うまくアプローチすれば、年を取ることはとても楽しくなりうることがわかったんだ。もし、座って鏡を見つめて「これはひどい」と思っていたら、幸せにはなれない。年を重ねても、新しい人々に会って、新しいアイデアを得ることができるんだ。学ぶのを決してやめることはないんだよ。それが、僕が映画の仕事を続けている理由の一つだ。映画をやって何か新しいことを学ばなかったことは一度もない。他の人々について、自分自身について、人生全般について、そして演技や監督することについてもね。」
年老いて行く身に、心強いお言葉です。