ーメリダとおそろしの森ーBRAVE
2012年 アメリカ
マーク・アンドリュース、ブレンダ・チャップマン監督 ジョン・ラセター製作総指揮 ケリー・マクドナルド(王女メリダ)ビリー・コノリー(ファーガス王)エマ・トンプソン(エリノア王妃)ケヴィン・マクキッド(マクガフィン卿)クレイグ・ファーガソン(マッキントッシュ卿)ロビー・コルトレーン(ディンウォール卿)ジュリー・ウォルターズ(魔女)
【解説】
『カールじいさんの空飛ぶ家』などの名作を手掛けてきたディズニー&ピクサーのタッグによる冒険ファンタジー。幻想的なスコットランドの森などを舞台に、自ら招いた不運と対峙(たいじ)することになるヒロインの活躍を描き出す。監督を務めるのは、『プリンス・オブ・エジプト』の共同監督のブレンダ・チャップマンと、『ジョン・カーター』の脚本を担当したマーク・アンドリュース。広大な森の風景と共に勇敢な主人公の成長に目を見張る。
【あらすじ】
王女メリダは王家のしきたりや伝統に反発を覚え、娘に女性らしい優雅さを身に付けるよう願う母と度々ぶつかっていた。そんなある日、彼女は鬼火に誘われるようにして森の奥深くへと入り込み、魔女の家にたどり着く。そこで彼女は自分の運命を変えてもらいたいと訴え、その願いがかなうと同時に、それまで安泰だった王国が災禍に見舞われてしまい……。(シネマトゥデイ)
【感想】
ピクサー映画では初の時代物、女性物ですって。
言われてみれば…。
でも、ディズニーのようなロマンス物ではありません。
結構硬派な、母と娘の葛藤。
かなりガチンコです。
字幕上映館が少ないですね。
なんとか2D字幕板で見てきました。
(配給会社様、アニメはお子様と思っているでしょう?でも、純粋に映画作品としてみたいと思っている大人のファンも多いのですよ。ないがしろにしないでね)
時代は大昔のイギリスのようです。
ストーンヘッジを連想させる巨石の遺跡が登場します。
ロンドンオリンピックも意識したのかな?
優しい母エレノア王妃(エマ・トンプソン)と勇猛な父ファーガス王(ビリー・コノリー)の愛に包まれて、すくすくと育つ赤毛のおてんば王女メリダ(ケリー・マクドナルド)。
誕生日に父から弓矢をもらい、有頂天になるメリダですが、母は気にいりません。
王女として、もっとすることがあるからです。
そこへ、大きなクマが現れ一家を襲います。
月日は流れ、メリダにも三つ子の弟たちができ、メリダも年頃になっていました。
父の片足は、あのときのクマとの闘いで義足になっていて、それが父の自慢の武勇伝でした。
メリダはすっかり弓の名手となり、愛馬を駆って森の奥で修行を積んでいました。
ところが母は、メリダに貞淑な王妃になることを望んでいました。
連合国であるこの国には、あわせて4つの王国があり、王女が年頃になったら、他の王の第1子と結婚させることが和平につながると約束されていたのです。
あとの3つの国には、それぞれ第1子となる王子がいて、エレノアの呼びかけに応じて各国の王たちが家来も連れ、ここファーガスの城に大挙してやってきました。
それぞれの王子が武勇を競い、1位になった者がメリダの婿となるというもの。
自分の意志や希望を何も聞いてくれない母に、メリダはいらだち、とうとう大げんかして森の中に飛び出しました。
☆ネタバレ
愛馬から投げ出され、ストーンサークルに入ったメリダは、鬼火に導かれ、魔女の家へとたどり着きました。
魔女の木彫りの作品を全部買う見返りに、母の気持ちを変えて欲しいと頼みます。
そして、作ってもらった魔女のケーキ。
メリダは母と仲直りする振りをして、一口食べさせました。
そのケーキは母の気持ちを変えるのではなく、クマへと変身させてしまったのです。
クマ嫌いの父に見つかったら、母は殺されてしまうでしょう。
三つ子の弟に手伝わせて、なんとかクマの姿をした母を森に連れ出しました。
ところが魔女は留守。
伝言で、「2つ目の朝を迎えたら魔法は解けない」と言われました。
母は、時間が立つごとに人間である自分を忘れ、クマになっていくようでした。
森の奥深くで、廃墟となった城を見つけ、古い言い伝えである滅びた王国が実在し、その第1王子がクマになってしまった事実を知ったメリダ。
魔法使いの残した伝言から、魔法を解く鍵が切り裂いたタペストリーを繕うことだと悟ったメリダは、再び母を連れて城へ戻ります。
王女と王妃がいなくなった城では、王様たちが酔っぱらって大げんかをしていました。
割って入ったメリダは、母のように知的で論理的な方法でみなをなだめ、王子たちにも「自分の好きな人と結婚して、幸せになるように」と説得しました。
ところが、クマの姿をした母は見つかってしまい、みんなに追われて森へ逃げていきました。
メリダはタペストリーを繕い、ケーキを食べてクマに変身した三つ子たちとともに、みんなの後を追いました。
そこへあの憎き大熊が現れ、メリダに襲いかかりました!!
メリダはこの危機を乗り越えられるか?
クマになった母や弟たちを助けることはできるのでしょうか?
母娘ものなので、誰にでも好かれる内容とはいかないでしょうが、私のように母と濃い時間を過ごしている者には、いろいろ思い当たることもあり、ジーンと涙の出るシーンもありました。
母の愛を、わかっていても受け入れがたい季節もあるし、いまでも、皮肉や意地悪な言葉で応じてしまって、自分で傷ついているような至らない娘です。
母と娘ならではの、女同士故の葛藤って、男の人には理解しにくいでしょうね。
姉妹のような仲良し母娘にも理解できないかも。
でも、よくぞ作ってくださいました。
さすがフィクサーと、恐れ入った次第です。
森の描写も素晴らしいし、人々の動きも素晴らしい。
そして何より、メリダの真っ赤なカーリーヘアーが、メリダの活躍とともに揺れる様は、うっとりするくらい素敵です。
技術力も高いですね!!