マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

第79回アカデミー賞授賞式ーWOWOW

2007-02-26 17:13:15 | 映画ーTV
朝からWOWOWの放送を見ていました。

去年はMプラスの番組で、主要4部門を当てて、ネックレスをいただいたので、今年の予想も当たるかなあと、とても楽しみでした。
私の予想は
作品賞ーリトルミスサンシャイン
監督賞ークリント・イーストウッド
主演男優賞ーフォレスト・ウィテカー
主演女優賞ーヘレン・ミレン
さて、どうかな?


今回も華やかに始まりました。
プレゼンターに渡辺謙さん、助演女優賞候補に菊池凛子さん(バベル)、メイクアップ賞にも日本人がノミネートされて、興味も深まります。

菊池凛子さん

司会の女性は有名なコメディアンだそうですが、同時通訳ではそのギャグもよくわかりません。



プレゼンターで3人のコメディアンがパフォーマンスを披露してくれました。
ジャック・ブラック、フィル・フェレル、ジョン・C・ライリー。
芸達者で言葉がわからなくても笑ってしまいました。



謙さんはなんと、カトリーヌ・ドヌーブとプレゼンターをつとめていました。
プレゼンターで変わったところでは、ガエル・ガルシア・ベルナル君とか、ロバート・ダウニー・Jrとかいました。

賞の発表が進んで行き、「パンズ・ラビリンス」というメキシコ映画が目立って受賞していました。
ノミネートも多かったみたいです。

特筆すべきは、視覚効果賞に「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」が選ばれたこと。
「ポセイドン」「スーパーマンリターンズ」を押さえて。
パイレーツ~は来年が正念場ですから、いい流れですよね。

うれしかったのは「マリー・アントワネット」が衣装デザイン賞を取ったこと。
長編ドキュメンタリー賞の「不都合な真実」もよかったですね。
アル・ゴアさん、大活躍でした。
これで、すこしでも、地球温暖化に歯止めがかかるといいですね。

歌曲賞に3曲もノミネートされていて、あんなにすばらしいショーを展開したのに、「ドリームガールズ」が獲れなかったのは、キムタクもスタジオで絶句していましたが、納得いった人は少ないのではないでしょうか。
他の賞でも、ジェニファー・ハドソンの助演女優賞と録音賞しか獲れなかったのは、とても残念でした。
私は、作品賞に名前が挙がっていないことも不満です。
彼らが披露してくれたパフォーマンスは素晴らしいものでした。
ここでしか聞けない、ビヨンセとジェニフアーの、お互いの曲のパートを歌い分けたり、ハモったり。めちゃお得!!
見て良かったです。

私のイチオシの「リトルミスサンシャイン」は脚本賞と助演男優賞・アラン・アーキンに留まりました。
脚本賞のマイケル・アーントさん、マシュー・ブロデリックのアシスタントだったのが、この脚本の成功でやめたとアナウンスされていたような…。
違っていたら、ごめんなさい。

さて、私の予想はどうなりましたか?
主演女優賞、男優賞は当たりました。
でも…作品賞、監督賞ともに「ディパーテッド」!!
みごとに、はずれました。
でも、それならいっそ、レオ君にも主演男優賞を取らせてあげて欲しかったなあ。

 マーティン・スコセッシ監督

いろいろ記事を探していたら、こんなのがありました。
「スコセッシ監督だが意外なコメントも…。「実はこの映画はずっと撮りたくなかった。撮っている最中も、撮り終わった後も怒りを感じている。だから批評家や観客の反応が良いことは驚いている」と何度も“怒り”という言葉を出してこの作品を語ったこと。これはリメイクをしないという信念を曲げたことによることから来ているようだ。」(@ぴあ)
でも、監督賞の時は、プレゼンターのコッポラ、ルーカス、スピルバーグといううスター監督に迎えられて満面の笑み。
念願かなって良かったと思うけど、実力のある監督だし、特に彼の音楽映画は大好きだから、リメイクじゃない作品で獲って欲しかったなあ。
アカデミー会員の皆さんは「インファナルアフェア」をご覧になっていないのかもしれませんね。

こうして、今年のアカデミー賞も終わりました。
あーだ、こーだとぶつぶつ言っていても、映画評論雀には楽しい季節でした。

詳しい結果はこちらをどうぞ。 -->

アンジェラ

2007-02-26 00:12:29 | 映画ーDVD
ーアンジェラー
2005年 フランス リュック・ベッソン監督 ジャメル・ドゥブーズ 、リー・ラスムッセン 、ジルベール・メルキ 、セルジュ・リアブキン

【解説】
リュック・ベッソンが約6年ぶりに監督を務めた壮大なラブストーリー。人生を諦めかけた男が、ある不思議な美女に出会ったことで、愛と人生について再認識していく物語。主演はフランスの人気コメディアンのジャメル・ドゥブースと、彼を魅了する謎の美女アンジェラにスーパーモデルのリー・ラスムッセンがふんする。全編白黒で撮影された映像が、パリの町並みをより美しく幻想的に描き出している。

【あらすじ】
アレクサンドル三世橋からセーヌ河の見下ろす男アンドレ(ジャメル・ドゥブース)は、身投げをして何もかも終わりにしようとしていた。そこへ透けるような白い肌と神々しく輝く金色の髪、さらには滑らかな曲線を描く肢体を持つ謎の美女アンジェラ(リー・ラスムッセン)が現れ、彼よりも先に河へ飛び込んでしまうが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
いきなりネタバレです☆

身長が180センチでブロンド美人で、娼婦の格好をしていて、タバコを吸う天使?
そんな天使はいないよ。ない、ない。
でも、いたのねえ。
その名もアンジェラ。

うそつきの小悪党アンドレ、理由は解らなかったけど、終始右腕がポケットに入ったまま。
自分にさえも嘘をつき続ける、自信のない男。
借金まみれ、うまい話に乗っては失敗する。
28歳?には見えないけど、それも、ウソ?

まあ、いいわ。
とにかく、ふたりは世をはかなみ、金ぴか(白黒だけど)のアレクサンドル三世橋から身を投げて、アンドレがアンジェラを助けた。
アンジェラはアンドレのために身を売って(たぶん)お金を作るけど、アンドレはそれを甘い言葉に騙されて競馬ですってしまう。

人生の真実がわからないアンドレ。
やがて、アンジェラを愛しているとに気がつき、自分を愛する大切さに気がつきます。
そう、人生を生き抜くために一番大切なのは、自分を愛し、自分を信じること。
アンドレは、やがて、アンジェラの孤独な魂にも気がつき、愛の力で彼女をも救うのでした。

リュック・ベンソンの渾身のファンタジー。
いいなあ。
私はこの単純さがいいと思いました。

ザスーラ

2007-02-26 00:08:05 | 映画ーTV
ーザスーラー
2005年 アメリカ ジョン・ファヴロー監督 ジョシュ・ハッチャーソン 、ジョナ・ボボ 、ダックス・シェパード 、クリステン・スチュワート 、ティム・ロビンス 、フランク・オズ 、ジョン・アレクサンダー

【解説】
1995年に公開され大ヒットした『ジュマンジ』の舞台を宇宙に移して描くSFアドベンチャー。監督は『ウィンブルドン』などに出演を果たした俳優、ジョン・ファブロー。最新のCG映像の中でボード・ゲームをはじめ、現れる宇宙船やロボットのデザインすべてがレトロな雰囲気を漂わせているところに監督のセンスがうかがえる。クライマックスの思わぬドンデン返しに心温まる。

【あらすじ】
ダニー(ジョナ・ボボ)は兄のウォルター(ジョシュ・ハッチャーソン)にかまってほしいためにボールを投げてふざけていると手もとが狂いボールがウォルターの顔に当たってしまう。怒ったウォルターはダニーを地下室に閉じ込めてしまうが、ダニーはそこで「ザスーラ」というボード・ゲームを見つける。 (シネマトゥデイ)

【感想】
バカにしていて、ごめんなさい。
まあ、あり得ないんだから、あり得なーいと見ていて、とても面白かったです。
どこにでもある兄弟喧嘩がテーマです。
なんか、わかるなあ。
そこに離婚して仕事が忙しいパパ、思春期でややこしいお姉ちゃん、横暴な宇宙飛行士がからんで、宇宙すごろくが進んで行きます。
単純故に、楽しかったです。
宇宙と言っても、いろいろなアイテムがどこかクラシカルなところが郷愁をそそるのでしょうか?
お薦めです。

16ブロック

2007-02-26 00:03:09 | 映画ーDVD
ー16ブロックー
2006年 アメリカ リチャード・ドナー監督 ブルース・ウィリス 、モス・デフ 、デヴィッド・モース 、ジェナ・スターン 、ケイシー・サンダー 、シルク・コザート 、デヴィッド・ザヤス 、コンラッド・プラ

【解説】
証人護送の任務を言い渡された刑事が、留置所から裁判所までのわずか16ブロックの間に過酷なトラブルに巻き込まれるアクション。監督は『リーサル・ウェポン』シリーズのヒットメイカー、リチャード・ドナー。主人公の刑事を『ダイ・ハード』シリーズのブルース・ウィリス。彼に護送される証人を『チョコレート』のモス・デフが演じる。物語と映画の時間がほぼシンクロするリアルタイム進行と、怒涛(どとう)の銃撃戦が展開する迫力のアクションが満載。

【あらすじ】
張り込み明けの刑事ジャック(ブルース・ウィリス)は、仮釈放中に悪事を犯した囚人エディ(モス・デフ)を16ブロック先の裁判所まで護送し、証言させることに。しかし、その途中、何者かに襲撃された2人は近くのバーに身を潜め、応援を待つことになる。やがて、ジャックの元相棒フランク(デヴィッド・モース)が現れるが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
正直言って、あまり期待していなかったのです。
だって、ブルース・ウィリスの刑事物って…
でも、お色気なし、ヒーローもいない、たった2時間のリアルタイムのストーリー、その意気込みにと成功は、評価したいと思いました。

主人公は、盛りを過ぎたくたびれ老いぼれ刑事、彼が16ブロック護送する証人エディ(モス・デフ)は饒舌にしゃべり続けて、前半はうんざり。
彼ら追いつめる刑事フランク(デビッド・モース)。
この3人を中心にむさ苦しい男たちが画面いっぱい駆け回る作品。
ねえ、いい男も美女もひとりもいない。

でも、見せて行くのはリアルタイムの緊迫感と落ちぶれた刑事がやっと気づいた不正への怒り。
この3人の演技が、観客を引きつけます。

特典にはもうひとつのエンディングが付いていて、私は、こっちの方がお気に入りですが…。
ハッピーエンドではない、とだけ言っておきましょうか。
気になるでしょう?


ドリームガールズ

2007-02-23 18:42:36 | 映画ー劇場鑑賞
ードリームガールズー
2006年 アメリカ ビル・コンドン監督 ジェイミー・フォックス 、ビヨンセ・ノウルズ 、エディ・マーフィ 、ジェニファー・ハドソン 、アニカ・ノニ・ローズ 、ダニー・グローヴァー 、キース・ロビンソン 、シャロン・リール 、ヒントン・バトル 、ジョン・リスゴー 、ロバート・チッチーニ

【解説】
トニー賞で6部門を受賞した伝説のブロードウェイミュージカルを映画化した極上のエンターテインメント作。コーラスガールの女性3人組が歩んだ成功と挫折の物語を、数々の名曲に載せて描き出す。『シカゴ』で脚本を担当したビル・コンドンが監督と脚本を担当し、コーラスガール役にはグラミー賞受賞者のビヨンセ・ノウルズがふんする。共演者にはジェイミー・フォックスやエディ・マーフィなどの人気と実力を兼ね備えたスターが顔をそろえる。ビヨンセ率いるコーラスガールたちが披露する歌声と魅惑的なパフォーマンスは圧巻。

【あらすじ】
エフィー(ジェニファー・ハドソン)、ディーナ(ビヨンセ・ノウルズ)、ローレル(アニカ・ノニ・ローズ)の3人組は、コーラスグループ“ドリーメッツ”を結成し、成功を夢見てニューヨークへ旅立った。やり手マネージャーのカーティス(ジェイミー・フォックス)に見出され、大スターのジェームズ・“サンダー”・アーリー(エディ・マーフィ)のバックコーラスとしてデビューするが……。 (シネマトゥデイ)

【感想】
世間でも大評判。
今朝も「とくダネ」でおすぎさんが大絶賛していました。
東京での最後の日、何を見ようかと考えて、日劇の大スクリーンでこの作品を見ることにしました。
大成功、大満足。
新幹線の中でパンフレットを読んでいると、頭の中では「ワンナイトオンリー」が鳴りっぱなし。
実にいい気分でした。

ミュージカルは大好きですが、映画ではなかなかこれと言った作品に出会えませんでした。
ミュージカルって、舞台表現にあっている手法かなあ、と思いかけていたところ、いえいえ、ここにありました、本物の映画のミュージカル。

ミュージカルはセリフが歌になるところで、わざとらしかったり、違和感があったり、退屈だったりするんですね。
でも、この作品は違いました。
セリフではいえないこと、態度でも表現できない心情を歌で表現するということで、とても成功したと思います。

そこは、出演者の実力によるところが大きいのでしょう。
心の底から歌い上げる実力。


まず、エティ・マーフィ。
彼はいままでの映画のイメージが強すぎるので、助演であるこの作品ではどうなの、と心配でした。
でも、そんな心配はご無用でした。
演技はうまいし、歌もパフォーマンスもすごい。
落ち目の歌手の哀愁も十分伝わってきました。

歌ったり、パフォーマンスをすることを控えて、裏方に徹したジェイミー・フォックス。
唯一の悪役を、地味だけど存在感溢れる演技で、この映画の要の役所でした。

そして、ビヨンセ・ノウルズ。
前半はエフィーの陰に隠れて地味に、けれども、後半は素晴らしい歌声とパフォーマンス、それ以上に美しさで観客を魅了します。
それはそれは、うっとりするほど。
プロポーションもパーフェクト。
役作りのために10キロやせたとか。
衣装も素晴らしい。

だけど、みんなが言っていることですが、エフィー役のジェニファー・ハドソンがすごい!!
 彼女が歌うたびに鳥肌が立ちます。
この人が新人?
ウソでしょう!
なんという層の厚さ。
こういう人が埋もれているとは。
菊池凛子さんには悪いけど、アカデミー賞も彼女が持って行くんじゃないかしら。
「バベル」みてないのにこんなことを言うのもなんだけど…。

この作品はシュープリームスとダイアナ・ロスがモデルと言われています。
 ダイアナ・ロス

自動車産業の町、デトロイトで花開いたモータウンミュージック。
カーティス(ジェイミー・フォックス)は野心を持っていました。
黒人の音楽を白人の市場で成功させ、巨万の富を手に入れること。
そのためには手段を選ばないと決心します。
終始冷徹に事を運び、野望を達成するのですが、その裏で見捨てられ、傷つき、自分を見失って行く人たちの物語です。

カーティスは言います。
「メッセージはいらない、人々は踊れる曲を求めているんだ、リズムだけでいい」と。
R&Bからディスコミュージックへと大衆の好みが移行して行く様子がよくわかりました。
あのころは、そうでしたよね。

でも、人は心からの歌を歌いたいものだし、聞きたいものです。
苦悩の中で歌われる歌は、本当に素晴らしかった。
ジェニフアーばかりを誉めるけど、ビヨンセの「Listen」も聞かせてくれますよ。

監督のビル・コンドンは白人なのですね。
ふーん。
私は「シカゴ」より数倍気に入りました。

さっそく、サウンドトラックCDを注文しました。
今日にでも届きそうです。

まず、映画館で映画を見てほしい。
これは、スクリーンで見なくちゃ!!

ー東京でジョニー三昧ー

2007-02-23 18:37:23 | 映画ー劇場鑑賞
今回の上京の目的は「日本アカデミー賞」の授賞式を見ることでしたが、この賞の外国映画部門にはジョニーの「パイレーツオブカリビアン デッドマンズチェスト」も含まれていました。



去年は「チャーリーとチョコレート工場」でもノミネートされていたから、2年連続となります。

さて、友達に教えてもらって、ジョニーの映画を見に行きました。
いまの時期に、映画館でジョニーが見られるなんてびっくりです。



まず、早稲田松竹で「妹の恋人」と「ネバーランド」の二本立てを見ました。


「妹の恋人」はスクリーンで見るのは初めてです。
デジタルリマスターもしていないようで、ときどきブチッとかって、音が途切れたりしていましたが、それも時代を感じて良かったです。
このジョニーは芸達者だし、若くてかわいいし、ビュアだし、何度見てもお気に入りです。

「ネバーランド」これは、映画館へ何度も見に行ったし、DVDでも見たし、もういいかな、と言う気が半分ありましたが、なんのなんの、しっかり泣きました。
今回は、バリ氏がビーターパンの初日に孤児たちを待っているところ。
その心情の優しさに、ほろり。
東京へ行くと、友達が優しくしてくれるので、こういうところにほろりと来たのかも。
お客さんはまずまずの入り。
ジョニーの人気は不動のようですね。




次の日、船橋ららぽーとのTOHOシネマズへ「ラスベガスをやっつけろ」を見に行きました。
都心の娘の家から約1時間10分ほどで南舟橋に着きました。
劇場はファミリーシート。
4人がけの椅子で、友達と二人だったから広々と座れました。
観客は全部で14人。
客層はいろいろでした。
老夫婦や、白髪のおじいさんもいました。
何を期待して見に来たんだろう。

この作品もスクリーンで見るのは初めて。
奇妙な映画だけど、エンタテイメントとしては成功していると思います。
まず、音楽がいいでしょ。
ジョニーのはげ頭と、ベニチオ・デル・トロの太ったお腹にもびっくりでしょ。
クリスティーナ・リッチやキャメロン・ディアス、エレン・バーキンなどのカメオ出演も楽しめる。
いまは亡き、原作者のハンター・S・トンプソン氏もしっかり出演しています。

おまけ。
JR平和島の駅前の喫茶店の前で「デッドマン」のポスターを発見。



雨の日は飾られていなかったから、ここのお店の人が大切にされているのでしょうね。
こんど通りかかったら、お店に入ってみたいと思います。

行ってきました。「第30回日本アカデミー賞授賞式」

2007-02-22 23:53:52 | Weblog
チケットぴあの先行予約のお知らせが来て、まあ当たらないだろうと申し込んだら、なんと、当たってしまいました。
ディナー付きで40000円、フォーマルウェアでという注意書き付き。
果たして。

去年は邦画の興行収入が洋画のそれを上回ったとのこと。
私の感触も、ずいぶん邦画にいいものでした。
けっこうたくさん見て、いい作品が多かったし。
まあ、行っても惜しくないかなあ、と、花のお江戸に行って参りました。

場所は、高輪プリンスホテル国際パミール館というところ。
品川から歩いてもそう遠くない。
会場に着くとひとでごった返していました。

ぴあの受付をみつけて受付を済ます。
クロークに荷物を預けて、うろうろしていたら、入場のお知らせ。
人の波について3階の会場へ。

 うっほー、広いお部屋。
私の席に美しい女性が案内してくれました。
テレビを見た人はわかると思うけど、お部屋の正面に舞台。
部屋の中央に丸テーブルが並んでいます。
ここは今回受賞した関係者が座る席です。
後ろはひな壇になっていて、カメラの放列や大きな照明器具で一杯。
テーブル席の左右に、たくさんの椅子が置いてあって、ここが観客席。
受賞者の関係者席らしいのが中央より、一般席は舞台からかなり遠い。
なので、前面に大画面モニター。
大島ミチルさんが作曲した30回を記念する音楽が生演奏される中、歴代の受賞作品がモニターに映し出され、いよいよ始まりです。

司会の関口宏さん、吉永小百合さん、その他各賞受賞者の入場。
顔までは見えないけど、華やかな感じでうきうきします。

その後の様子はTVでご覧になった方はほとんどその通り。
笹野さん(「武士の一分」)の「よっしゃ」よかったですね。
中谷美紀さんも、私は「嫌われ松子の一生」大好きなので、ジーンと来ました。
よくがんばりましたね。
そして、渡辺謙さん(「明日の記憶」)、初めての主演なんですね。
それはびっくり。
しかもご自分のプロデュース。
ご苦労なさったのでしょう。
胸が熱くなるようなスピーチ。
主演男優賞、本当におめでとうございます。

この日一番多くの賞を獲ったのが「フラガール」だったのではないでしょうか。
李 相日監督が「インディペンデント系の映画が作品賞をいただくなんて、日本アカデミー賞も変わっていく」とスピーチしたのがとても印象的でした。
日本映画好きの一人として、こういう映画が賞を獲って、日本アカデミー賞の権威も不動のものとなって行けば、日本映画ももっとよくなると思うなあ。
1年くらい成績が良くなったくらいで、手を抜かず、よい作品を世に問うていただきたい。
ファンからのお願いです。

3時45分から始まって6時半頃まで、休みなしで授賞式が続いて行くので、とてもつかれちゃいました。
カメラも近くへは来ないし、なんでフォーマルウェアなんだろ。
ただの拍手要員じゃない?とちょっと不満。

で、このあとお部屋を変えてディナー。 
ひとりでフルコースなんていやだなあ、と思っていたら、お隣に座ったお嬢さんも一人で来ていて、とても気さくな優しい人で、映画の話や旅行の話なんかをしながら、楽しくお食事が出来ました。
松山ケンイチ君のファンだとおっしゃっていましたよね。
食事の内容も、映画にちなんだ名前がついたメニューで、シャンペンも赤白ワインもとても美味しかったです。

帰り道もご一緒させていただいて、お陰でとてもいい思い出になりました。
名も知らないお嬢さん、ありがとうございました。

東京で働いている娘の家に帰り着いたらちょうど9時、テレビではこの模様が放映されていました。
「この奥当たりに座っていたのよ」と娘に説明しながら、楽しく見ました。
結構満足な夜でした。

詳しい結果はこちらで確認してください。

ブロードウェイミュージカル スウィーニー・トッド

2007-02-16 00:53:07 | 舞台


ーブロードウェイミュージカル スウィーニー・トッドー
スウィーニー・トッド 市村正親
ミセス・ラヴェット 大竹しのぶ
乞食女 キムラ緑子
ジョアンナ ソニン
アンソニー 城田優
ターピン 立川三貴
ビードル 斉藤暁
トバイアス 武田真治
阿部裕、大須賀ひでき、岡田誠、越智則英、小関明久、さけもとあきら、中西勝之、水野栄治、山田展弘、秋園美緒、北澤装子、菅原さおり、高橋桂、福麻むつ美、三木麻衣子、山崎ちか
演出・振付 宮本亜門

【あらすじ】
18世紀末のロンドン。好色なターピン判事に妻を横恋慕され、無実の罪を着せられ流刑にされた床屋のスウィーニー・トッド。若い船乗りアンソニーに命を救われ、15年ぶりに街に戻った彼は、妻の自殺と、娘ジョアンナがターピンに養育されている事実を知る。彼への復讐を期して、ラヴェット夫人のパイ屋の2階に店開きをするスウィーニー。その素晴らしい腕前から店は大繁盛。素性を偽る彼は、その過去を知る人間たちのひげをあたるふりをして喉をかききっていく。一方、ろくな肉を仕入れられないラヴェット夫人のミートパイはロンドン一まずいことで有名だったが、スウィーニーが殺した人間の肉でパイを焼くことを思いついて…。人肉パイはこの上もなく美味で、店は瞬くうちに大繁盛。死体も隠滅でき、一挙両得と高笑いの二人。一方アンソニーは偶然知りあったジョアンナと恋に落ちる。二人は駆け落ちを企てるが取り押さえられ、ジョアンナは精神病院に隔離される・・・ ターピンへの復讐を画策するスウィーニー、彼の知らない秘密を握りながら彼を愛し始めるラヴェット夫人、愛を成就したいアンソニーとジョアンナ、ジョアンナに邪な欲望を抱くターピン、スウィーニーの正体を疑う小役人ビードル、ラヴェットを慕う頭が弱い使いっ走りの青年トバイアス、不吉な予言を吐く謎の乞食女…それぞれの欲望が渦を巻き、物語は恐怖の終幕に突き進んでいく。
(スウィーニー・トッドブログより)

【感想】
大好きなジョニー・デップが盟友ティム・バートン監督と、この作品の映画化で撮影に入ったと聞きました。
それで、興味を持って今回の公演に行くことに決めたのですが、連続殺人犯の役なんてどうなの?とあまり乗り気ではありませんでした。

大阪公演の初日。
シアターBRABAの5番目のセンター。いい席!!
A子ちゃんのお陰。いつもありがとう。

スウィーニー・トッドは18世紀のロンドンに実在した人物のようですね。
150人近くの人を殺して、逮捕され、衆人の前で絞首刑にされ、死体は切り刻まれたそうです。
共犯のミス・ラヴェットはやはり逮捕され、牢屋で毒殺されたとか。
それが大衆紙の小説となって、実話ということで大評判となり、舞台化され大ヒットとなったそうです。

とはいうものの、ほとんどいま流行の都市伝説化していて、各説あり。
それを復讐劇として確立させたのがクリストファー・ボンドで、それに感銘を受けたのが作詞作曲のソンドハイム、彼に依頼を受けたヒュー・ホイーラーが脚本を書いて、このミュージカルを完成させたそうです。

このミュージカルに登場する人物はみんな一筋縄ではいかない人間ばかり。
特に、主人公のスウィーニー・トッド、復讐の鬼となり、分別のたがが外れ、ただの殺人鬼と化し、最後には最愛の人まで手にかけてしまう。

こんなにも残酷でグロテスクなミュージカルも珍しいと思います。
しかも、歌がどれもとても難しそう。
でも、演出の宮本亜門さんは演技中心に選んだとのこと。
そこがとても成功したんだと思いました。
ハーモニーがどうとか、声がどうとか言うより、それぞれのキャラクターの感情がストレートに伝わってきました。

市村さんのスウィーニーは復讐だけを一途に思い詰めていいるのに、かっこいい。
しのぶさんのラヴェット夫人は、孤独で欲深いんだけど、かわいげがありました。
曲が複雑な分、観客も聞き流すことなく、集中して聞いて、劇中の人物とともに考え、苦しんだと思います。
メイクも死人のようで変わっていました。
それぞれのキャラクターの性格付けが明確にできていたんだと思いました。

いわゆる心の闇ー人間の一番醜い部分をあからさまに描いて、なお、この感動。
殺人のシーンで笑いが起こる、究極のブラック・コメディでした。
参りました、ブロードウェィミュージカル。
それを日本語で歌いきった、このカンパニーはすごいと思いました。
最後はスタンディングオーベーションでした。

こういうお話なら、ジョニーが興味を持つのも納得しました。
この破綻した人物をジョニーがどう演じるか、楽しみに待ちたいと思います。

不都合な真実

2007-02-14 22:50:55 | 映画ー劇場鑑賞
ー不都合な真実ー
2006年 アメリカ デイヴィス・グッゲンハイム監督 アル・ゴア

【解説】
アメリカで公開されるやいなや、ドキュメンタリー映画史上に残る記録的大ヒットとなった話題作。アメリカの元副大統領アル・ゴアが、温暖化へと突き進む地球を憂い、温暖化によって引き起こされる数々の問題を説く。監督は「24 TWENTY FOUR」や「ER緊急救命室」など、人気TVドラマのエピソード監督として手腕を振るってきたデイビス・グッゲンハイム。地球の危機を訴えるアル・ゴアの真摯(しんし)な姿勢とユーモラスな話術が作品の魅力を高めている。

【あらすじ】
地球の温暖化によって引き起こされる数々の問題に心を痛め、人々の意識改革に乗り出すべく、環境問題に関するスライド講演を世界中で行うアメリカ元副大統領アル・ゴア。そんな彼の勇気と希望に満ちた闘いを追いながら、人類が滅亡するまでの真実のシナリオを明らかにしていく。 (シネマトゥデイ)

【感想】
「1日だけアメリカ合衆国の大統領だった」と自己紹介するゴア氏。
2000年に彼はブッシュ大統領と争って、得票率では上回ったのに、負けているのですね。
そして、今日、ブッシュではなく、ゴア大統領になっていたら、アメリカはどうなっていいたのでしょうか。

それはさておき、環境問題、地球の温暖化問題です。
もちろん、みんな知っている内容ばかりです。
1時間半ほどゴア教授の講義を聴いたという感じ。
彼の熱意に動かされます。
だから、興行映画として成り立っているのでしょう。
マイケル・ムーアの作品とは違う趣。
でも、十分楽しめるし、考えさせられます。

100キロ泳いで氷原を見つけられず溺れ死ぬ北極熊の悲劇。
新型ウィルスが続々と発生している恐怖。
大都会が水没し、何十万人もの人が難民が彷徨うという未来予想。
様々なデータを駆使して、スライドを駆使して、訴える合間に、人間ゴアのプライベートな部分も見せてくれます。

この問題に取り組むようになったきっかけの息子の難病。
自分の裕福な生い立ちに影をさす、愛する姉の若い死の原因となった家業であるタバコの害。
たくさんの資料を抱え、全世界を好演して回る、ゴアさんの真摯な取り組みに胸を打たれます。

私はいいよ。しかたがないわ。
もう人生も半ばを過ぎた、きりぎりすのような享楽的な生活。
近い将来に都市に水が溢れて、屋根に登っても首まで水につかって、「神よ、仏よ助けて」と叫ぶ結果になったとしても。
でも、子供たち、何の罪もないのに、私たちの罪を背負わされて苦しむ、この子供たちのために、地球温暖化をふせがなくては。
人口爆発を阻止しなくては。

大国のエゴ、各国の思惑、いろいろ透けて見えるけど、唯一無二の故郷地球。
私たちはここでしか生きていけないのです。

今日は映画館の中、暑かった。
2月というのに、この暖かさ。気味が悪い。
ゴアさんの言葉がしみ込んできます。
みんな、まず、この映画を見て。
ゴアさんの言葉に耳を傾けて。