マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

レヴェナント:蘇りし者

2016-04-28 10:01:38 | 映画ー劇場鑑賞

ーレヴェナント:蘇りし者ーTHE REVENANT

2015年 アメリカ 156

 

監督=アレハンドロ・G・イニャリトゥ キャスト=レオナルド・ディカプリオ (ヒュー・グラス) ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ) (ジョン・フィッツジェラルド) ドーナル・グリーソン (ヘンリー隊長) ウィル・ポールター (ジム・ブリジャー)

 

【解説】

レオナルド・ディカプリオと、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのアレハンドロ・G・イニャリトゥ監督がタッグを組んだ話題作。狩猟中に瀕死(ひんし)の重傷を負ったハンターが、自分を荒野に置き去りにした仲間に復讐(ふくしゅう)するため壮絶なサバイバルを繰り広げるさまを描く。主人公の宿敵には、『インセプション』でディカプリオと共演しているトム・ハーディ。オスカー常連のカメラマン、エマニュエル・ルベツキが自然光のみで撮り上げた臨場感あふれる映像にも注目。

 

【あらすじ】

アメリカ西部の原野、ハンターのヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は狩猟の最中に熊の襲撃を受けて瀕死(ひんし)の重傷を負うが、同行していた仲間のジョン・フィッツジェラルド(トム・ハーディ)に置き去りにされてしまう。かろうじて死のふちから生還したグラスは、自分を見捨てたフィッツジェラルドにリベンジを果たすべく、大自然の猛威に立ち向かいながらおよそ300キロに及ぶ過酷な道のりを突き進んでいく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

今年のアカデミー賞で主演男優賞、監督賞、撮影賞に輝いた作品。

この作品で、レオナルド・ディカプリオは念願のオスカーを手にしました。

おめでとうございます。

 

いやいや、これはレオ様の代表作となる作品でしょう。

ものすごい演技。

引き込まれました。

 

西部開拓時代、軍隊とともに毛皮を獲る人たちと、インディアンの闘い。

最初からすごい緊張感です。

この緊張感が、緩むことなくラストまで続いていきます。

でも、観客が疲れてしまうことはないです。

結構な長尺ですが、飽きることはないですよ。

 

ヒュー・グラス(レオナルド・ディカプリオ)は先住民族ポーニー族の妻との間に生まれた一人息子ホークと、毛皮を獲るグループに雇われてガイドをしている。

先住民の部族は騎兵隊に妻も含めて全滅させられるという過去を持っていた。

 

先住民族アリカラ族に襲われ、せっかく採集した毛皮を置いて船で逃げ出した一行。

アリカラ族たちは、誘拐された酋長の娘がグラスたちのグループにいると見て執拗に追ってくる。

 

リーダーのヘンリー隊長は何度も危機を救ったグラスに恩義を感じているが、毛皮ハンターのフィッツジェラルド(トム・ハーディ)は、グラスのせいで毛皮を捨てなければならなかったと恨んでいた。

 

斥候としてグループより先に出発していたグラスはグリズリーの親子に出会い、襲われる。

瀕死の状態になりながらもグリズリーを倒したグラスだったが、動けない。

そこにグループが到着し、医師の心得のあるヘンリー隊長が手当をする。

みんなはグラスを担架に乗せて砦を目指し行進する。

しかし、雪深い険しい山が待ち構えていて、瀕死のグラスを置いていく決断をする。

報奨金を出して希望者を募り、グラスの看取りと丁寧な埋葬を命じて、グループは先を急いだ。

 

残された3人の中にフィッツジェラルドがいた。

 

☆ネタバレ

フィッツジェラルドが身動きできないグラスの目の前でホークを殺害します。

仲間のブリジャーにアリカラ族が迫っていると嘘をつき、グラスを墓穴に生き埋めにし、置き去りにします。

 

冷たい土の中から蘇りし者グラスは、息子の復讐を胸に、回復の努力をしていくのがこの作品の醍醐味です。

あそこまで深手を負ったグラスが真冬の山の中を彷徨い、生き延びるなんて、あり得ないと思いますが、実に丁寧にその過程を描いています。

アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督は手練だなあと感心しました。

 

いろんな出会いがありながら、グラスは砦にたどり着き、フィッツジェラルドを追いつめるのですが…。

 

宗教色も強いです。

最後は神の手に運命を委ね、妻の幻影と会い、グラスの目は何を物語るのか!!

 

グラスの最後の表情、すごいです。

深く刻まれた額のしわが、彼の波乱の人生を語っているのでしょう。

 

グリズリーとの闘いもすごいし、凍りそうな川を流されていくシーン、死んだ馬のはらわたを掘り出して馬の腹に裸で隠れるシーン、ヘンリー隊長の死体を発見した時の遠景の雪崩もすごい。

このカメラワーク、確かにアカデミー賞ものでしょう。

 

命、弱くはかないものではあるけど、すごく強靭だったりします。

それはなぜかと考えてしまう。

神の意思なのか?

 

ホークの死体を発見して、寄り添って眠るシーンは悲しいです。

あれが彼の復讐心の拠り所ですね。

 

グラスが殺したグリズリーの毛皮が体温低下を防いで歩けない彼を助けてくれるとか、助けてくくれた一匹狼のインディアンがフランス軍に殺されて、フランス軍の中に酋長の娘がいて、グラスが彼女を助けたことが、最終的には彼の命も救うとか、因果応報みたいな話にもなっています。

 

悪の権化を演じたトム・ハーディもすごくよかったです。

彼あってこその作品、と思いました。

 

ぜひ、劇場でご覧下さい。

お薦めです。

 


春を背負って

2016-04-28 09:56:26 | 映画ーDVD

ー春を背負ってー

2014年 日本 116

 

監督=木村大作 原作=笹本稜平 キャスト=松山ケンイチ (長嶺享) 蒼井優 (高澤愛) 檀ふみ (長嶺菫) 豊川悦司(ゴロさん) 新井浩文 (中川聡史) 吉田栄作(工藤) 池松壮亮(須永幸一) 

 

【解説】

日本映画界を代表する名カメラマンであり初監督作『劔岳点の記』が絶賛された木村大作による人間ドラマ。笹本稜平の小説を原作に、これまでの生活を捨て亡き父が遺(のこ)した山小屋を継いだ青年と、それぞれに居場所を求め小屋に集う人々との交流や家族の絆を描く。山での暮らしや父を知る人々と接するうちに成長していく主人公を、松山ケンイチが熱演。共演には蒼井優、小林薫、豊川悦司ら実力派がそろう。立山連峰で長期ロケを行い山々の光景を映し出した映像は圧巻。

 

【あらすじ】

立山連峰で暮らしてきた長嶺亨(松山ケンイチ)は、山小屋を経営する厳しい父・勇夫(小林薫)に反発し都会で暮らしていたが、父が亡くなったため帰郷する。そこで気丈に振る舞う母やその姿を見つめる山の仲間、遭難寸前で父に救われ今は山小屋で働く高澤愛(蒼井優)らと接するうち、組織の歯車として働く今の生活を捨て山小屋を継ぐと決める。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ヤフーのレビュー欄はなかなか手厳しい。

でも、私はそんなに悪くないなあと思いました。

 

舞台は立山。

若い時から山登りが趣味の友達もいるし、最近立山に惚れ込んで毎年登るという友達もいます。

私には山の魅力がわからないので、山の映画もいまひとつ食指が動きません。

 

それでも、この作品は美しいです。

立山に惚れる気持はわかりましたよ。

立山好きの方は、ぜひご覧下さい。

それほどまでに、立山が主役だと思いました。

 

トレーダーとしてばりばり働く長嶺亨(松山ケンイチ)は少し仕事に行き詰まっていた。

そんなときに、故郷で民宿を営む母から留守電が入っていた。

「お父さんが山で死んだ」

父は、立山で山小屋を管理運営する山男で、一人息子の亨にも厳しかった。

 

父の死後、その山小屋を管理する人がいないというので、亨が継ぐ決心をする。

高澤愛(蒼井優)やゴロさん(豊川悦司)に助けられて、人間的にも成長していく物語です。

 

最初のうちは、ラッセル・クロウ主演の「プロヴァンスの贈り物」と同じテーマだなあと思って見ていました。

もちろん、展開してからは全く違いますけどね。

 

主人公が自分の道を歩み始めたときに、何を発見するかが全く違いましたね。

でも、ラストは同じ。

自分しかできない仕事と、最愛の人と、家族。

まあ、ありふれた結末になってしまったというとで、評判も悪いのでしょうね。

 

でも、この結末しかないし、こうあって欲しい。

めでたしめでたしで、良かったと思いました。

 

スポットライト 世紀のスクープ

2016-04-26 08:51:51 | 映画ー劇場鑑賞

ースポットライト 世紀のスクープーSPOTLIGHT

2015年 アメリカ 128

 

監督=トム・マッカーシー キャスト=マーク・ラファロ (マイク・レゼンデス) マイケル・キートン (ウォルターロビーロビンソン) レイチェル・マクアダムス (サーシャ・ファイファー) リーヴ・シュレイバー (マーティ・バロン) ジョン・スラッテリー(ベン) ビリー・クラダップ(エリック・マクリーシュ) スタンリー・トゥイッチ(ミッチ・ギャラベディアン) ジェイミー・シェリダン(ジム・サリヴァン) 

 

【解説】

アメリカの新聞「The Boston Globe」の記者たちが、カトリック教会の醜聞を暴いた実話を基に描くスリリングな社会派ドラマ。カトリック系住民が多いボストンで、神父による児童への性的虐待事件を暴露した新聞記者らの困惑と共に、次々と明らかになる衝撃の真実を描き出す。『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』などのマイケル・キートンが記者を好演。複雑に絡み合う事件の根の深さに慄然(りつぜん)とする。

 

【あらすじ】

2002年、ウォルター(マイケル・キートン)やマイク(マーク・ラファロ)たちのチームは、「The Boston Globe」で連載コーナーを担当していた。ある日、彼らはこれまでうやむやにされてきた、神父による児童への性的虐待の真相について調査を開始する。カトリック教徒が多いボストンでは彼らの行為はタブーだったが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

スポットライトというのは、ボストングローブという新聞社のコラムのタイトルです。

ひとつの事柄をじっくり取材して連載しています。

チームのリーダー、ウォルター(マイケル・キートン)を中心にマイク(マーク・ラファロ)、サーシャ(レイチェル・マクアダムス)たち4人。

 

ローカル新聞社ですが、このたび大新聞タイムスの傘下に入り、タイムスから新しい編集長マーティ・バロン(リーヴ・シュレイバー)がやってきた。

彼の指示でスポットライトチームはゲーガンという司教が起こした子供への性的虐待事件を調べることになった。

 

日本ではなじみの薄いテーマですが、実話だそうです。

彼らが洗い出した性的虐待をした司教は90人、この記事は全世界に反響を呼び、エンドロールではその事実がおびただしい協会の数で示されました。

 

あっけにとられると言うか、全くひどい話です。

聖職者たちは、特に立場の弱い子供を狙い、多くの子供が自殺しています。

自分の心に封印をして生きている人たちの心の傷も深い。

実に、おぞましい犯罪ですが、それをローマ教会を頂点とするカソリック教会の組織が守っているという構図です。

それが証拠に、この地区の枢機卿が、この事件が明るみに出たとたんヴァチカン教区へ転勤になりました。

これは更迭ということではないですよね。

 

日本でも、学校の教師や警察官などの猥褻事件も社会問題になってはいますが、アメリカのこの数は、あり得ない。

 

この事件が明るみになった後、カソリック教会はなんらかの措置をとったのでしょうか?

そちらの方がよほど気になりました。

 

信仰と教会のシステムは違う、取材の中でそういう言葉がありました。

どんな組織でも、長年のうちには腐っていくということでしょうか?

 

記者たちが、こつこつと誠意を持って裏付けを取っていくところ、チーム力、個々の魅力、見所はたくさんありました。

 

今年のアカデミー賞の作品賞、脚本賞を受賞した作品。

見終わってスカットするという作品ではありませんが、見応えはありました。

 

ルーム

2016-04-22 17:40:33 | 映画ー劇場鑑賞

ールームーROOM

2015年 アメリカ 118分 

監督=レニー・アブラハムソン 原作=エマ・ドナヒュー キャスト=ブリー・ラーソン (ママ/ジョイ) ジェイコブ・トレンブレイ (ジャック) ジョーン・アレン (ばあば/ナンシー) ショーン・ブリジャース (オールド・ニック) ウィリアム・H・メイシー(じいじ/ロバート) トム・マッカス(レオ)

 

【解説】

エマ・ドナヒューの小説「部屋」を、『FRANK −フランク−』などのレニー・アブラハムソン監督が映画化。7年間も密室に監禁された女性が、そこで生まれ育った5歳の息子のため命懸けで脱出に挑み、長い間世間から隔絶されていた彼らが社会に適応していく過程を描く。主演は、『ショート・ターム』などのブリー・ラーソン。生まれて初めて外の世界に触れた息子の戸惑いを、子役のジェイコブ・トレンブレイがみずみずしく演じる。

 

【あらすじ】

施錠された狭い部屋に暮らす5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)と、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)。彼女はオールド・ニック(ショーン・ブリジャース)によって7年間も監禁されており、そこで生まれ育った息子にとっては、小さな部屋こそが世界の全てだった。ある日ジョイは、オールド・ニックとの言い争いをきっかけに、この密室しか知らないジャックに外の世界を教えるため、そして自身の奪われた人生を取り戻すため、部屋からの脱出を決心する。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

最近、日本でも痛ましい少女監禁事件がありました。

この作品も、高校生で誘拐され、7年間も狭い納屋に監禁され、誘拐犯の子供を産んだ女性の話です。

とても辛い作品ではないか、あるいはとても怖い作品ではないかと、半ば及び腰で鑑賞しました。

でも、そんな心配は全くありませんでした。

それよりも、被害者が解放されてからの方が何倍も不自由な生活を強いられ、トラウマからの解放の方が数倍難しく、辛いものだということがよくわかりました。

朝霞の事件の被害者の方も、自力で逃げ出したサバイバーです。

彼女をトラウマから助け出すのが、大人の使命だと思いました。

 

この作品が成功したのは、女の子に間違えられるくらいかわいい5歳の男の子ジャック(ジェイコブ・トレンブレイ)の、ピュアな感性で語られる世界観にあります。

彼はこの小さな世界に生まれ、それがすべて。

 窓は天窓があるだけのルーム

でも、彼の目には何でも新鮮に見えます。

それは、母親ジョイ(ブリー・ラーソン)が、ジャックに狭い世界を広く感じさせているからです。

絵本を読み、運動をさせ、規則正しく暮していました。

でも全くダメな日もあるのですがね。

  たまごの殻で作った蛇で遊ぶジョイとジャック

二人の世界を荒らすもの、それが誘拐犯オールド・ニック。

悪者からジャックを守るため、ジョイは必死です。

 

しかしある日、必死に隠してきたジャックを悪者に見つかり、ヒーターを止められ命の危険を感じたときに、ジョイはジャックを逃がす決心をしました。

 

たった5歳の子供が、死んだ振りをして絨毯に巻かれ、トラックに乗せられて、スピードが緩んだときに飛び降りる。

そんなことができるのでしょうか?

観客は、息をのんでこの脱出劇を見守りました。

 絨毯に巻かれてルームから脱出するジャック 

☆ネタバレ

ジャックは無事に脱出し、機転のきく警察官によってジョイも救われました。

明くる朝、ジョイの両親がお見舞いに来て、ジョイは娘に戻りました。

 

しかし。

7年間でいろんなことが変わっていました。

両親の離婚、母の新しい恋人。

父が、誘拐犯の子供ということで、ジャックの顔をまともに見られない。

世間の好奇な目。

「なぜいままで逃げ出さなかったのか」

「ジャックが大きくなったら、事実をどう話すのか」など、ジョイには辛い質問が投げかけられて、どんどん追いつめられていきます。

 

監禁から解放されてめでたしとはならないのが、とても辛いところです。

 

ジャックも、いきなり広がった世界に戸惑い、引きこもってしまいます。

 

でも、ジョイもジャックもそこから歩き出さないわけにはいかないのです。

まずは家族の力を借りて、明るい光の射す方へ歩き出して欲しいと思いました。

 

実のお父さんより、お母さんの新しい恋人のレオの方が、接し方がうまくいきそうな感じでした。

少し距離のある関係の人が適役なのかもしれないなあと思いました。

 

お薦めです。

ジョイ役のブリー・ラーソンが、今年度のアカデミー賞主演女優賞を獲得しています。

 


バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生

2016-04-16 12:07:49 | 映画ー劇場鑑賞

ーバットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生ーBATMAN v SUPERMAN: DAWN OF JUSTICE

2016年 アメリカ 152

 

監督=ザック・スナイダー キャスト=ベン・アフレック (ブルース・ウェイン/バットマン) ヘンリー・カヴィル (クラーク・ケント/スーパーマン) エイミー・アダムス (ロイス・レイン) ジェシー・アイゼンバーグ (レックス・ルーサー) ダイアン・レイン(マーサ・ケント) ローレンス・フィッシュバーン(ベリー・ホワイト) ジェレミー・アイアンズ(アルフレッド) ホリー・ハンター(フィンチ上院議員) ケヴィン・コスナー(ジョナサン・ケント) ガル・ガドット(ダイアナ・プリンス/ワンダーウーマン)

 

【解説】

世界的人気を誇るスーパーヒーロー、スーパーマンとバットマンが互いに全力を尽くしてバトルに挑む姿を描くアクション大作。英雄から一転、悪に傾倒したスーパーマン相手に激しい戦いを繰り広げる人類の最後の希望バットマンとの最終対決を映し出す。二大ヒーローを熱演するのは、『マン・オブ・スティール』に続きヘンリー・カヴィルと『アルゴ』などのベン・アフレック。人知を超えた能力を持つ男たちの死闘の行方も見どころ。

 

【あらすじ】

バットマン(ベン・アフレック)は、両親の殺害現場を目撃したという過去のトラウマから犯罪者一掃に力を注ぎ、一方超人的能力を持つスーパーマン(ヘンリー・カヴィル)は、その力を人類のために惜しみなく使ってきた。だが、その破壊力の強大さゆえに、スーパーマンは人々からバッシングを受けるようになり……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

スーパーマンもバットマンも私が幼いときからのヒーローで、何度もアニメ化、TV実写化、映画化がされてきました。

それなのに、この二人のヒーローが闘うなんて、ありえへーん、と思いながら鑑賞しました。

 

ところが、なかなか面白かった。

 

前半は、二人のヒーローの生い立ちが簡単に語られていくけど、これだけでは知らない人には難しいでしょうね。

特に、この作品はスーパーマンの「マン・オブ・スティール」の続編になっているので、これくらいは見ていった方がいいと思われます。

監督とキャストが同じです。

 

反対にクリストファー・ノーラン監督の「バットマンシリーズ」とは方向性が違うので、参考にはならないかもしれません。

この作品では、バットマンはベン・アフレックが演じています。

 

そもそも地球人であるバットマンと宇宙人のスーパーマンが闘っても、パワーが違うので勝ち負けは明らかだと思われますが、そうはならないところが面白かったです。

 

しかも、真の悪役レックス・ルーサー役のジェシー・アイゼンバーグが秀逸。

 

この闘いにワンダーウーマンが参戦。

時空を超えて活躍する超人ですが、かっこいいです。

 

これでDCコミックのスーパーヒーローチーム、ジャスティス・リーグが誕生したという流れになっています。

 

マーベルのアベンジャーズと同じですね。

 

こちらの方が少しダークな感じ。

これからのシリーズも楽しみですね。

 

わたしに会うまでの1600キロ

2016-04-05 12:06:14 | 映画ーDVD

ーわたしに会うまでの1600キローWILD

2014年 アメリカ 116

 

監督=ジャン=マルク・ヴァレ 原作=シェリル・スレイド キャスト=リース・ウィザースプーン (シェリル・ストレイド)ローラ・ダーン (ボビー)トーマス・サドスキー (ポール) ミキール・ハースマン(ジョナサン) ギャビー・ホフマン(エイミー)

 

【解説】

『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』などのリース・ウィザースプーンが、1,600キロの距離を3か月かけて1人で歩き通した女性を演じたヒューマンドラマ。第二の人生を歩むために、自然歩道のパシフィック・クレイスト・トレイルに挑んだ実在の女性、シェリル・ストレイドのベストセラーを基に、『ダラス・バイヤーズクラブ』などのジャン=マルク・ヴァレが映画化。『ランブリング・ローズ』などのローラ・ダーンが共演する。美しく壮大な情景、過酷な旅と共につづられるヒロインの人生を体現したリースの演技に圧倒される。

 

【あらすじ】

砂漠と山道を徒歩で旅することにしたシェリル(リース・ウィザースプーン)。旅をスタートさせる少し前、シェリルは母の死を受け入れられず、薬と男に溺れる日々を送り、結婚生活は崩壊してしまう。シェリルは人生について思い直し、自分自身を取り戻そうと決意。こうして彼女は旅に出たが、寒さが厳しい雪山や極度の暑さが体力を奪っていく砂漠が彼女を苦しめ……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

つい最近見た、ミア・ワシコウスカ主演の「奇跡の2000マイル」は、若い女性がオーストラリアの砂漠をラクダとともに歩くお話でした。(ブロクセにアップしていません。ごめんなさい)

また、2007年にショーン・ペンが監督した「イン・トゥ・ザ・ワイルド」という作品もありました。

原作がノンフィクションで、世俗社会から大自然の中へ入っていくというもの。

孤独の中に身を置いて、自分探し、哲学的な感じです。

なかなかそういう心境になることがないので、私からはかなり遠いお話に思えます。

 

この作品は、主演のリース・ウィザースプーンのリアルな演技で、かなり引き込まれることができました。

 

愛する夫がいるにも関わらず、麻薬とセックスに溺れどん底から這い上がれないシェリル(リース・ウィザースプーン)は、夫と別れ、メキシコからカリフォルニアまで続く砂漠を歩き出した。

 

「いつでも止めれる」と自分に言い聞かせながら始まった旅。

なんのトレーニングもなく、乏しい予備知識しか持たず。

とんでもなく重い荷物。

足にあっていない靴。

燃料も役に立たず、失敗だらけから始まった旅。

 

でも、シェリルには歩かないといられない理由だけはしっかりあったのです。

 

DVの夫から逃れて、自分と弟を無償の愛で包んで、育ててくれた母。

教養がないことに気づき、娘と一緒に大学に通った母。

貧しくても歌を歌い、どんなときにも明るかった母。

そんな最愛の母が、癌を患いあっけなく死んでしまった。

 

シェリルの心の中にぽっかりあいた喪失感は、麻薬でもセックスでも消すことはできなかった。

何もかも失って、どうすることもできず、ただ歩くことだけがシェリルが見つけたたった一つの生き方だった。

 

歩いても歩いても、どんなに体を痛めて歩いても、シェリルの心にあいた穴は消えることはないと思われた。

でもやがて、神の橋と呼ばれる場所にたどり着いたときに、心が穏やかになって、自分を受け入れることができるようになっていたのです。

 

アメリカはすごいですよね。

こんなワイルドなトレッキングのための道があるんですね。

屈強そうな男でも挫折する道を踏破したシェリルはすごいです。

 

日本だとこういう場合、お遍路ということになるのでしょうか?

 

本当に悩んで困ったときには、人は歩くものなのでしょうか?

日々怠惰に過ごしている私には、想像もできない話です。

 

リースが『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でアカデミー賞主演女優賞を獲った時、スピーチで「もう私これで終わっちゃうんじゃない?いい役を下さい」と言っていたのを思い出しますが、この役はある意味その答えですよね。

今まで見たこともない顔を見せてくれました。

さらに、母さん役のローラ・ダーンも素敵です。

「きっと星のせいじゃない」でも、いい母親役でした。

 

酔いどれDV夫と結婚したことさえ「子供たちを授かったんだもの、後悔はない」と言えるシェリルのお母さん。

そんな素敵な母だからこそ、シェリルは母の死に引きずられてしまったのでしょうね。

 

いい作品でした。

お薦めです。

 

彼は秘密の女ともだち

2016-04-05 12:02:35 | 映画ーDVD

ー彼は秘密の女ともだちーTHE NEW GIRLFRIEND

2014年 フランス 107

監督・脚本=フランソワ・オゾン キャスト=ロマン・デュリス (ダヴィッド/ヴィルジニア) アナイス・ドゥムースティエ (クレール) ラファエル・ペルソナーズ (ジル) イジルド・ル・ベスコ (ローラ)

 

【解説】

『スイミング・プール』『危険なプロット』などのフランソワ・オゾン監督が、偽りなき自分を受け入れ自分らしく人生を歩む勇気を問い掛けるドラマ。親友の死をきっかけにその夫の秘密を知った平凡な主婦が、奇妙な友情を育む中で人生を輝かせていくさまを描く。主人公を演じるのは、『間奏曲はパリで』などのアナイス・ドゥムースティエ。彼女の友達を『真夜中のピアニスト』などのロマン・デュリスが演じるほか、『黒いスーツを着た男』などのラファエル・ペルソナーズらが共演。

 

【あらすじ】

親友が死去し気を落としていたクレール(アナイス・ドゥムースティエ)は、残された夫ダヴィッド(ロマン・デュリス)と赤ん坊の様子を見るために彼らの家に行くと、亡き妻の服を着て娘の世話をするダヴィッドに出くわす。彼から女性の服を着たいと打ち明けられ困惑するクレールだったが、やがてダヴィッドをヴィルジニアと呼び夫に内緒で交流を重ねるうちに、クレール自身も女性としての輝きが増していく。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

シニカルな笑いを届けてくれるフランソワ・オゾン監督の、またまた性倒錯っぽい作品。

でも、このところ「キャロル」や「リリーのすべて」を見たせいか、垣根は低く感じ、面白かったです。

 

ロマン・デュリスの濃いひげ面が女装?と思いましたが、どんどんきれいになっていくし、背が高くスレンダーで、とても素敵な女装でした。

 

反対にクレールが実に平凡な感じで、引き立て役って感じに配置されていたところもよかったです。

相変わらず、映画全部がおしゃれだしねー。

 

8歳で出会い、大親友になったクレール(アナイス・ドゥムースティエ)とローラ(イジルド・ル・ベスコ)。

成長し、お互いに愛する人とめぐりり会い結婚する。

ローラには一人娘が生まれ、クレールは名付け親になる。

しかし、その命と引き換えるようにローラは死んでしまう。

 

親友を亡くしたクレールと、妻を亡くしたダヴィッド(ロマン・デュリス)。

悲しみが癒えないクレールは会社を長期欠席し、ダヴィッドを訪ねると、そこには女装して赤ちゃんを抱くダヴィッドの姿が…!!

 

このお話、女装した男性がゲイという単純な話ではありません。

男でありながら女になりたい男。

このギャップをクレールがどう理解し受け入れていくのか、興味深いところです。

 

最終的には、その人が好きかどうか。

そういうことなんでしょう。

二人にとって大切な赤ちゃんもいるしね。

 

私はオゾン作品にしては、素直に楽しめましたよ。

ネタバレになるから書けないけど、ラストもいいんじゃないかな?

 

海街diary

2016-04-05 11:57:28 | 映画ーDVD

ー海街diary

2015年 日本 128

 

監督=是枝裕和 キャスト=綾瀬はるか (香田幸) 長澤まさみ (香田佳乃) 夏帆 (香田千佳) 広瀬すず (浅野すず)

 

【解説】

ベストセラーを誇る吉田秋生のコミックを実写化したドラマ。鎌倉に暮らす3姉妹と父親がほかの女性ともうけた異母妹が共同生活を送る中、さまざまな出来事を経て家族の絆を深めていく姿を追う。メガホンを取るのは、『そして父になる』などの是枝裕和。テレビドラマ「八重の桜」などの綾瀬はるか、『潔く柔く きよくやわく』などの長澤まさみのほか、夏帆や広瀬すずらが共演。実力派女優たちが繰り出す妙演はもちろん、舞台となる鎌倉の美しい四季の風景も見どころ。

 

【あらすじ】

鎌倉で暮らす、幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)。そんな彼女たちのもとに、15年前に姿を消した父親が亡くなったという知らせが届く。葬儀が執り行われる山形へと向かった三人は、そこで父とほかの女性の間に生まれた異母妹すず(広瀬すず)と対面する。身寄りがいなくなった今後の生活を前にしながらも、気丈かつ毅然と振る舞おうとするすず。その姿を見た幸は、彼女に鎌倉で自分たちと一緒に暮らさないかと持ち掛ける。こうして鎌倉での生活がスタートするが……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

今年の日本アカデミー賞、最優秀作品賞、最優秀監督賞などを獲得した作品です。

3姉妹の幸(綾瀬はるか)、佳乃(長澤まさみ)、千佳(夏帆)と腹違いの妹すず(広瀬すず)がスクーリーンに大写しになると、ほんと素敵です。

魅力的な女優さんたち、カンヌ映画祭の時の映像も見ましたが、日本人として鼻が高くなるほどの美しさした。

 

姉妹が住む鎌倉の町も四季も素晴らしい。

日本の映画だなあと嬉しくなります。

 

でも、あまりに毒がない内容で、かなり退屈です。

なぜかなあ。

姉妹も個性的に素敵に描かれているにもかかわらずですよ。

 

「4姉妹はいつまでも仲良くしあわせに暮しました」で、もちろんいいのですが。

姿形も心も美しい女性たち、美しい町、美しい景色、確かにそれで十分ですよねー。

 

個人的には、幸には恋人と一緒になって、家を出て新しい生活を始めて欲しかったなあ。

 

4姉妹には明るい未来があるし、これからどんどん前向きに発展して行くのでしょうね。

見所は、この映画が終わった後ということですね。

4姉妹の未来を想像しましょう。

そんな楽しみ方もいいですね。