マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

オズはじまりの戦い

2013-03-26 11:41:41 | 映画ー劇場鑑賞

ーオズはじまりの戦いーOZ: THE GREAT AND POWERFUL

2013年 アメリカ

サム・ライミ監督 L・フランク・ボーム原作 ジェームズ・フランコ(オズ)ミラ・クニス(セオドラ)レイチェル・ワイズ(エヴァノラ)ミシェル・ウィリアムズ(グリンダ)ザック・ブラフ(フィンリー)ビル・コッブス(マスター・ティンカー)ジョーイ・キング(陶器の少女)トニー・コックス(ナック)

 

 

【解説】

L・フランク・ボームの児童文学「オズの魔法使い」に登場するキャラクター、オズを主人公にしたファンタジー。魔法の国オズに迷い込んでしまった奇術師が織り成す冒険や、それによって大きく変わる運命を壮大なスケールで活写する。メガホンを取るのは、『スパイダーマン』シリーズのサム・ライミ。『127時間』のジェームズ・フランコ、『マリリン 7日間の恋』のミシェル・ウィリアムズら、実力派スターが結集。最先端VFXとライミ監督のセンスが融合した圧倒的ビジュアルにも目を見張る。

 

【あらすじ】

傲慢(ごうまん)ながらも、どこか憎めない奇術師のオズ(ジェームズ・フランコ)。ある日、気球に乗り込んだ彼は竜巻に遭遇し、カンザスから魔法の国オズへとたどり着く。そこは邪悪な魔女に支配されており、人々は予言書に記された魔法使いオズが国を救ってくれると信じていた。その魔法使いと同じ名前だったことから救世主だと思われたオズは、西の魔女セオドラ(ミラ・クニス)に引き合わされた東の魔女エヴァノラ(レイチェル・ワイズ)から、南の魔女グリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)の退治を頼まれる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

この作品は、3D鑑賞がオススメです。

テーマパークのアトラクションのような楽しさが味わえます。

槍が自分の方に飛んできたり、滝を滑り降りたり、面白いよ!!

 

この作品は1939年のミュージカル映画「オズの魔法使い」の前日譚です。

「オズの魔法使い」を見直してから行くと、もっと楽しめると思います。

「オズの魔法使い」で、ドロシーの家に押しつぶされた魔女は誰か、とか、最後に登場するおじさんがオズの正体とか、わかっていると、この作品の原作へのオマージュが楽しめると思います。

 

サーカス団で奇術師として働いている自称オズ(ジェームズ・フランコ)は、女性を騙してサクラを演じさせているような女たらし。

でも、たった一人、愛する女性がいた。

ある日、彼女が訪ねてきて、他の人と結婚すると言う。

恋しい気持ちはあるのに、引き止められないオズ。

オズには野望があったのだ。

もっと有名な奇術師になって、世界をおどろかせるという…。

 

自分の女房を寝取られたと言って、サーカス団の仲間が怒鳴り込んできた。

逃げ出したオズは気球に飛び乗るが、折しも襲いかかった竜巻に巻き込まれたしまった。

 

風にあおられて舞い上がり、落ちたところが極彩色の美しいところ。

そこで、美しい魔女セオドラ(ミラ・クニス)に会い、伝説のオズの魔法使いに間違われてしまう。

そして、セオドラの姉、エヴァノラ(レイチェル・ワイズ)にも会い、この国の無尽蔵な財宝を見せられ、悪い魔女のグリンダ(ミシェル・ウィリアムズ)の退治を頼まれるが。

  オズはセオドラに出会う。

☆ネタバレ

エヴァノラからは、グリンダが前の王様を殺したと聞かされたが、グリンダに会って、その王様はグリンダの父親であり、彼を殺したのがエヴァノラだとわかる。

グリンダの魅力にすっかり虜になったオズは、魔法使いでないことを打ち明けるが、国民の信頼をうらぎることもできず、グリンダと協力してエヴァノラを退治することになった。

 

セオドラは、オズに思いを寄せていたが、彼がグリンダと組んだことにショックを受け、エヴァノラの魔法で醜い魔女に姿を変えられた。

 

邪悪なエヴァノラとセオドラ姉妹が待つエメラルドシティへ、オズたちは戦いを挑む。

  グリンダと出会う。

最初の現実の部分が、画面も小さく白黒で撮られていて、オリジナルの映画を彷彿とさせます。

ミュージカルではありませんが、音楽はいい感じでした。

 

オズの国に着くと、画面も広がり、色も極彩色に変わります。

オズの国のキャラクターがとても素敵です。

 

特に陶器の少女。

めちゃめちゃかわいい子ですよ。

 

ジェームズ・フランコの軽さが、お調子者のオズにぴったりでした。

この作品は、オズの成長物語と行ってもいいと思います。

ペテン師まがいのダメ男のオズが、グリンダという賢い女性に出会って、実力を発揮していくところが面白い。

しかも、武器として使うものは自分の得意な奇術。

誰も死なないのもよかったです。

 

現実世界にいた人が、オズの国もいるというのも、オリジナルを思い出させて楽しかったです。

ブリキ人間や、かかしや、ライオンのエピソードがもう少しはっきり描かれていたらよかったなあと思いました。

 

でも、十分楽しい作品でした。

オススメです。

 


クラウドアトラス

2013-03-18 15:12:39 | 映画ー劇場鑑賞

ークラウドアトラスーCLOUD ATLAS

2012年 アメリカ

ラナ・ウォシャウスキー、トム・ティクヴァ、アンディ・ウォシャウスキー監督 デイヴィッド・ミッチェル原作 

★トム・ハンクス(ドクター・ヘンリー・グース/安ホテルの支配人/アイザック・サックス/ダーモット・ホギンズ/『カベンディッシュの大災難』の主演俳優/ザックリー)

★ハル・ベリー(農園で働くマオリ族、ジョカスタ・エアズ/ルイサ・レイ/出版パーティーのインド人女性客/ソンミの首輪を外す闇医者オビッド/メロニム)

★ジム・ブロードベント(モリヌー船長/ビビアン・エアズ/ティモシー・カベンディッシュ/路上の二胡弾き/プレシエント族)

★ヒューゴ・ウィーヴィング(ハスケル・ムーア/指揮者ケッスルリング/殺し屋ビル・スモーク/女看護師ノークス/メフィー評議員/オールド・ジョージー)

★ジム・スタージェス(アダム・ユーイング/安ホテルを追い出される客/メーガン(シックススミスの姪)の父親(写真)/スコットランド人のサッカーファン/ヘジュ・チャン/ザックリーの義弟アダム)

★ペ・ドゥナ(ティルダ/メーガン(シックススミスの姪)の母親(写真)/違法工場のメキシコ人女性/ソンミ451/ソンミ351/売春婦ソンミ)

★ベン・ウィショー(船の給仕係/ロバート・フロビシャー/レコード店店員/デニーの妻ジョージェット/部族の男)

★ジェームズ・ダーシー(若きルーファス・シックススミス/老年のルーファス・シックススミス/施設の看護師ジェイムズ/記録官)

ジョウ・シュン(死体を発見する男性ホテル従業員/ユナ939/ザックリーの妹ローズ)

★キース・デヴィッド(召使いクパカ、ジョーネピア/アンコー・アピス将軍/プレシエント族)

★デヴィッド・ジャーシー(オトゥア/ルイサの父レスター(写真)/プレシエント族のデュオファイサイト)

★スーザン・サランドン(ホロックスの妻、アーシュラ/男性科学者ユースフ・スレイマン/アベス)

★ヒュー・グラント(ホロックス牧師/高級ホテルの警備員/ロイド・フックス/デニー・カベンデ

 

【解説】

19世紀から24世紀へと世紀を超えて、六つの時代と場所を舞台に人間の神秘を描く壮大なスペクタクル・ドラマ。兄が性転換を経て姉弟となったラリー改めラナ、アンディ・ウォシャウスキー監督と、『パフュームある人殺しの物語』のトム・ティクヴァが共同でメガホンを取る。時代をまたいで存在する同じ魂を持つ複数の人物という難役に挑むのは、名優トム・ハンクスをはじめ、ハル・ベリーやスーザン・サランドンといった豪華キャストたち。過去や未来を映す迫力ある映像や、深いストーリーなど、ロマンあふれる世界観に圧倒される。

 

【あらすじ】

1849年、太平洋諸島。若き弁護士に治療を施すドクター・ヘンリー・グース(トム・ハンクス)だったが、その目は邪悪な光をたたえていた。1973年のサンフランシスコ。原子力発電所の従業員アイザック・スミス(トム・ハンクス)は、取材に来た記者のルイサ(ハル・ベリー)と恋に落ちる。そして、地球崩壊後106度目の冬。ザックリー(トム・ハンクス)の村に進化した人間コミュニティーのメロニム(ハル・ベリー)がやって来て……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

トム・ハンクスが何役もやっている映画と聞いていましたが、主要役者がこんなにも何役もやっているとは!!

エンドロールで紹介されますが、ほんと、驚愕の一言です。

 

長くてややこしい作品ですが、わかりにくくはありません。

あっという間の172分間です。

 

お話は、いろんな時代の6つの物語です。

1.1849年の弁護士、アダム・ユーイング(ジム・スタージェス)が書いた航海日誌。

2.1936年、クラウドアトラス6楽章を作曲したロバート・フロビッシャー(ベン・ウィショー)が、愛人であるルーファス・シックススミス(ジェームス・ダーシー)に当てた手紙。

3.1973年のルイサ・レイ(ハル・ベリー)最初の事件。

4.2012年、ティモシー・キャベンディッシュ(ジム・ブロードベント)のおぞましき試練。

5.2144年、クローン人間ソンミ451の物語。

6.2321年、世界崩壊後106年後のザックリー(トム・ハンクス)とその後。

 

これでだいぶ整理されましたが、すべての物語が終結したのか、検証してみないとわからないなあ。

 

輪廻転生がテーマなので、手塚治虫の「火の鳥」のようです。

でも、生まれ変わった魂の記憶にはまったく触れていないし、脈絡もないようだし、思想的な描き方ではなく、さらりとしていました。

 

2組の恋人たちが時空を超えて出会い、愛し合いますが、ここがテーマかな?

 

そして、最後の物語の主人公ザッカリー(トム・ハンクス)がメロにム(ハル・ベリー)と出会い、新しい世界で幸せに暮らすというエンディングが、この物語の集約された希望となっていました。

人は、愚かなことを繰り返し、取り返しのつかないことをやってしまうが、希望は人と人との出会いだ、ということかな?

 

それにしても、悲惨な未来でした。

こんな未来にならないように、いまからしっかりとみんなで努力したいと思いました。

 


21ジャンプストリート

2013-03-18 15:07:05 | 映画ーDVD

21ジャンプストリートー21 JUMP STREET

2012年 アメリカ

フィル・ロード、クリストファー・ミラー監督 ジョナ・ヒル(シュミット)チャニング・テイタム(ジェンコ)ブリー・ラーソン(モリー)デイヴ・フランコ(エリック)ロブ・リグル(ウォルターズ氏)アイス・キューブ(ディクソン警部)ダックス・フレイム クリス・パーネル エリー・ケンパー ジェイク・ジョンソン ニック・オファーマン ホリー・ロビンソン・ピート ピーター・デルイーズ ジョニー・デップ

 

【解説】

ジョニー・デップの初主演作で出世作となった同名テレビシリーズを映画化。監督は3DCGアニメ「くもりときどきミートボール」を手がけたフィル・ロードとクリストファー・ミラー、脚本は「スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団」のマイケル・バコール。主演は「マネーボール」のジョナ・ヒルと「G.I.ジョー」のチャニング・テイタム。全米で1億ドルを超える興行収入をたたき出し大ヒットとなった。
 犯罪特別操作課に配属されたジェンコとシュミットは、青年犯罪を撲滅するため高校での潜入捜査を開始するが、あまりの楽しさに高校生活をエンジョイしてしまう。だが彼らはそこで、高校にはびこる凶悪犯罪を目の当たりにし(シネマトゥデイ)

 

【感想】

私はジョニー・デップファンなので、アメリカでヒットしたTVシリーズの「21ジャンプストリート」をDVDのボックスで見ています。

もう20年くらい前の作品で、若く見える刑事が学校へ潜入捜査をして、悪と闘うという青春刑事物です。

中途半端で終わっていたので、結末が気になっていたのですが、続編というわけではありませんでした。

そのムービーということで、心待ちにしていたのですが、ビデオスルーになっていたのですね。

残念!!

 

ムービーは、主演がチャニング・テイタムとジョナ・ヒルで、全くのコメディーとなっていました。

コメディーは苦手なので、あんまり笑えなかったのですが、ジョニーのカメオ出演は面白かったですよ。

 

当時と同じ役、トム・ハンセンがダグと一緒に麻薬組織に潜入捜査していたけれど、それがバレて死んでしまうというもの。

 

興味のある方はそこだけでいいので、見てくださいね。

 

エンディングに「21ジャンプストリート」の主題歌が調子ハズレに流れていたり、当時の出演者がちらりと顔を出したり、マニアにはなかなか面白い作品でした。

 


トータルリコール

2013-03-18 14:59:02 | 映画ーDVD

ートータルリコールーTOTAL RECALL

2012年 アメリカ

レン・ワイズマン監督  フィリップ・K・ディック原作 コリン・ファレル ケイト・ベッキンセイル ジェシカ・ビール ブライアン・クランストン ジョン・チョー ビル・ナイ

【解説】

フィリップ・K・ディックの短編小説「トータル・リコール(旧題:追憶売ります)」を映画化し、大ヒットした『トータル・リコール』をリメイクしたSF大作。監督を務めるのは『ダイ・ハード4.0』のレン・ワイズマン。かつてアーノルド・シュワルツェネッガーが演じた主人公を『フライトナイト/恐怖の夜』などのコリン・ファレルが演じ、その妻を『アンダーワールド』シリーズのケイト・ベッキンセイルが熱演する。迫力満点のアクションがさく裂する斬新な映像に目を奪われる。

 

【あらすじ】

容易に記憶を金で手に入れることができるようになった近未来、人類は世界規模の戦争後にブリテン連邦とコロニーの二つの地域で生活していた。ある日、工場で働くダグラス(コリン・ファレル)は、記憶を買うために人工記憶センター「リコール」社に出向く。ところが彼はいきなり連邦警察官から攻撃されてしまう。そして自分の知り得なかった戦闘能力に気付き、戸惑いながらも家に帰ると妻のローリー(ケイト・ベッキンセイル)が襲ってきて……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

シュワルツネガー主演の前作は見ていないので、比較はできません。

コリン・ファレルが主演、というので劇場鑑賞はスルーしましたが、夫が見たいというのでレンタルしました。

 

でも、彼もそんなに喜んでいなかったようです。

 

地球のほとんどが大きな戦争で住めなくなってしまった近未来。

富裕層が住むブリテン連邦と貧しいものが住むコロニーに別れていた。

この二つの地点を結んでいるのが地球のコアを貫く乗り物。

コロニーに住む労働者はこの乗り物に乗ってブリテン連邦へ働きにいくのだ。

 

ダグラス(コリン・ファレル)はコロニーに住む労働者。

妻は、コロニーの警察に勤めているローリー(ケイト・ベッキンセイル)。

ダクラスは眠ると見る、同じ悪夢に悩まされていた。

 

ある日、記憶を買えると言うトータルリコール社に出向き、諜報部員の記憶を楽しもうとすると、突然連邦警察が襲ってきた。

ダグラスは、自分でも信じられないほどの攻撃力で、警察官を皆殺しにしてしまう。

 

家に帰ると、妻のローリーも突然襲いかかり、わけもわからないまま町を逃げ回る。

携帯電話からのヒントを頼りに、貸金庫に行くと、自分からのメッセージがあった。

追っ手から逃れてブリテン連邦に入るが、たちまち正体がばれさらに追いかけられる。

そこに夢で見た女メリーナ(ジェシカ・ビール)が現れ、助けてくれた。

 

☆ネタバレ

ダグラスの正体は、ブリテン連邦の諜報部員ハウザー。

当局から記憶を塗り替えられていたのだ。

昔、レジスタンスのメリーナと知り合い、ブリテン連邦の陰謀を知ったハウザーはレジスタンスに寝返ったのだが、当局に捕まり、記憶を変えられてしまっていたのだ。

 

真実を知ったハウザーはメリーナとともに人々のために闘う。

 

すんなり受け入れられるアクション映画ですが、アクが少ないのがいいのか悪いのか…という感じでした。

 


フライト

2013-03-16 14:31:51 | 映画ー劇場鑑賞

ーフライトーFLIGHT

2012年 アメリカ

ロバート・ゼメキス監督 デンゼル・ワシントン(ウィップ・ウィトカー)ドン・チードル(ヒュー・ラング)ケリー・ライリー(ニコール・マッゲン)ジョン・グッドマン(ハーリン・メイズ)ブルース・グリーンウッド(チャーリー・アンダーソン)メリッサ・レオ(エレン・ブロック)ブライアン・ジェラティ(ケン・エヴァンス)タマラ・チュニー(マーガレット・トマソン)ナディーン・ヴェラスケス(カテリーナ・マルケス)ジェームズ・バッジ・デール(男性患者)ガーセル・ボヴェイ(ディアナ)

 

【解説】

『フォレスト・ガンプ/一期一会』のロバート・ゼメキス監督と『トレーニングデイ』のデンゼル・ワシントンがタッグを組んだ話題作。旅客機の緊急着陸を成し遂げたものの血液中から検出されたアルコールにより英雄から一転、糾弾される主人公の機長の苦悩を描く。弁護士を『アイアンマン』シリーズのドン・チードルが演じ、友人を名脇役のジョン・グッドマンが好演。善悪では割り切れない人間の業の深さを描いた深遠な心理描写にうなる。

 

【あらすじ】

ベテランのウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)は、いつものようにフロリダ州オーランド発アトランタ行きの旅客機に搭乗。多少睡眠不足の状態でも一流の操縦テクニックを持つ彼の腕は確かで、その日もひどい乱気流を難なく乗り越えた。機長は機体が安定すると副操縦士に操縦を任せて睡眠を取るが、その後突然機体が急降下を始め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

ド派手な予告編に興味をそそられての鑑賞となりましたが、意外!!

映画のテーマは、パニックとか、危機管理ということではありませんでした。

パニックものとか、ヒーローものを求めていくと、がっかりしますよ。

 

☆ネタバレ

ネタバレは最初のシーンからあります。

フライトの朝だというのに、ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)はホテルの1室でフライトアテンダントのカテリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)と熱い夜を過ごし、さらにお酒をあおり、コカインを吸って、搭乗機に乗り込んだ。

 

悪天候で気流も悪く、離陸直後は不安定だった飛行機も、ウィトカーの確かな操縦で安定飛行に入った。

ウィトカーは、乗客に説明している間も、隙をついてウォッカ入りのオレンジジュースを飲み、操縦室で眠り込んでしまった。

 

もうすぐ目的地という時、機体に衝撃があり、飛行機はコントロールを失った。

ウィトカーはまさに超人的な操縦技術と強い決断で、不時着し、ほとんどの乗客の命を救った。

 

予告編で飛行機が逆さまに飛んでいる、あのシーンです。

 

しかし、犠牲者の中にはカトリーナの名前があった。

 

事故調査委員会が組織され、公聴会が開かれることとなった。

ウィトテカーの血液からは濃度の高いアルコールが検出されていた。

会社が雇った敏腕弁護士ヒュー・ラング(ドン・チードル)は、ウィトカーに不利な証拠をどんどん消していくー。

 

この映画で一番印象に残ったのは、アルコール依存症や薬物依存症が、アメリカの深部にまで入り込み、深刻な社会現象を起こしているということです。

大手航空会社のベテラン機長までが!という驚きでした。

 

そして、そういう人たちが周囲にバレずに仕事ができるということも驚きでした。

そこが、薬物依存、アルコール依存の見えにくい闇の部分なのだということがわかりました。

 

さらに、弁護士のすごさ。

どこに正義があるのだろうと、見ていました。

 

最後には、ウィトカーの良心が呼び覚まされ、身も心も薬物やアルコールから開放されるのですが、それが刑務所の中とは皮肉な結末でした。

 

パニックともヒーローともほど遠い作品ですが、アメリカの病める一面を理解するための映画と見れば、面白かったです。

ダメ男をここまでやるかと思わせるデンゼルの演技力、ラスト、彼の良心が目覚めるその一瞬を切り取る脚本力に、見るべきものがあった作品でした。

 


そして友よ、静かに死ね

2013-03-16 14:29:30 | 映画ーDVD

ーそして友よ、静かに死ねーLES LYONNAIS/A GANG STORY

2011年 フランス

オリヴィエ・マルシャル監督 ジェラール・ランヴァン(エドモン・ヴィダル(モモン))チェッキー・カリョ(セルジュ・ステル)ダニエル・デュヴァル(クリスト)ディミトリ・ストロージュ(モモンの青年時代)オリヴィエ・シャントロー(セルジュの青年時代)パトリック・カタリフォ(マックス・ブロナー)フランソワ・レヴァンタル(ジョアン・シャベーズ)フランシス・ルノー(ブランドン)リオネル・アスティエ(ダニー)ヴァレリア・カヴァッリ(ジャヌー)

 

【解説】

『あるいは裏切りという名の犬』の監督を務め、『すべて彼女のために』には俳優として出演したオリヴィエ・マルシャルが放つクライム・ストーリー。1970年代のフランスで「リオンの奴ら」と呼ばれたギャング、エドモン・ヴィダルの波瀾(はらん)万丈な半生を、虚実織り交ぜながら活写していく。エドモンには『この愛のために撃て』のジェラール・ランヴァン、その親友セルジュに『ドーベルマン』のチェッキー・カリョと、実力派俳優が共演。裏社会に生きる男たちの友情と裏切りを見つめた熱いドラマに加え、重厚感にあふれたガン・アクションで観る者を魅了する。

 

【あらすじ】

仲間との連帯感と忠義を重んじ、裏社会で生きていることに誇りを抱いているエドモン(ジェラール・ランヴァン)。親友のセルジュ(チェッキー・カリョ)と共に強盗事件を起こし続けていくうちに、「リオンの奴ら」と呼ばれる伝説的ギャングとなって恐れられるようになった。しかし、悪名をとどろかせていた彼も還暦を迎えて、かつてのギャングとしての生活を忘れようとしていた。だが、13年ぶりにセルジュと思いも寄らぬ再会を果たしたことをきっかけに、再び危険な世界へと足を踏み入れる。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

主人公の、リタイアしたギャングのモモンを演じるジェラール・ランヴァンの渋い魅力に魅かれて、没頭してみましたが、終わってみれば、邦題通り「友よ、静かに死ね」そのものだったので、男の友情の結末がこれか、と肩すかしでした。

 

エドモン(=モモン ジェラール・ランヴァン)は、ロマ族出身で、裏社会で生きるギャングだったが、すでに引退し、仲間や家族と平穏に暮らしていた。

 

モモンには、幼い頃イジメからかばってくれて以来の親友セルジュ(チェッキー・カリョ)がいたが、セルジュは13年前に姿を消していた。

 

そのセルジュが、娘と孫の前に姿を現し、彼らの目の前で警察に逮捕された。

麻薬取引に関係するギャンググループを裏切り、警察にも協力しないセルジュ。

刑務所に送られると、間違いなく消される運命にあった。

 

モモンたちは、若い手下を使い、セルジュを奪還することに成功したが、セルジュにまつわる人々が次々と殺されていく。

その刺客の手は、モモンの家族にまで及ぼうとしていた。

モモンはなんとかセルジュを匿おうとするが…。

 

☆ネタバレ

しかし、真相は、ギャング時代からの裏切りはセルジュによるものだという、モモンにとっては受け入れがたい事実だった。

そこで、せめてもの友情の証にと、自殺することを示唆したのだった。

 

この映画の教訓は、「友達は選ぼう」ということかな?

 

格好良かったんだけど、人があまりにたくさん死んだあとのこの結論は少しがっかりでした。

 


すーちゃんまいちゃんさわ子さん

2013-03-11 16:56:57 | 映画ー劇場鑑賞

ーすーちゃんまいちゃんさわ子さんー

2012年 日本

監督=御法川修 柴咲コウ(すーちゃん)真木よう子(まいちゃん)寺島しのぶ(さわ子さん)染谷将太(千葉恒輔)井浦新(中田誠一郎)木野花(カフェのオーナー(木庭葉子))銀粉蝶(さわ子さんの母(林信子))風見章子(さわ子さんの祖母(林静江))佐藤めぐみ(すーちゃんの同僚(岩井美香))上間美緒(カフェのアルバイト(竹田ちか))吉倉あおい(木庭オーナーの娘(木庭みなみ))高部あい(まいちゃんの後輩(前田千草))

 

【解説】

益田ミリ原作の漫画「すーちゃん」シリーズを映画化し、柴咲コウ、真木よう子、寺島しのぶが共演を果たした人間ドラマ。お互い日々の暮らしの中で傷ついたり、迷ったりしながらも小さな幸せを糧にプラス思考で生きていこうとする3人の女性たちの人生を映し出す。メガホンを取るのは、『人生、いろどり』の御法川修監督。『ヒミズ』の染谷将太と『かぞくのくに』の井浦新が共演する。ごく平凡な彼女たちのリアルな日常に心がなごむ。

 

【あらすじ】

すーちゃん(柴咲コウ)、まいちゃん(真木よう子)、さわ子さん(寺島しのぶ)の3人は、以前同じアルバイト先で働いていた。出会ってから10年以上がたった今も年齢や職業が異なる彼女たちの友情は変わらず、時間を見つけては集まっている。だが、一見平和に暮らしているように見える彼女たちも、それぞれ悩みや不安を抱えていて……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

朝日新聞にこの映画の原作者益田ミリさんがエッセイを書いておられて、それが面白くて見に行こうと思いました。

等身大の女性たち、なかなかよかったですよ。

 

今を生きる女性たちは、本当に過酷な日常を生きていると思います。

この映画に登場する女性たちは、かつてはバイトで一緒だった仲良しさん。

だから、年齢的にも少しばらつきがあるようです。

アラフォーの、そろそろ人生が見えてきた女性たちの話。

 

すーちゃん(柴咲コウ)は小さなレストランで正社員として働いています。

社員が二人、バイトが二人、朝に顔を出すオーナー(木野花)とちょっと気になるマネージャーの中田さん(井浦新)。

でも、恋愛が苦手なすーちゃんは、思いは胸の奥にしまったままです。

 

企業でばりばり働くまいちゃん。

仕事に熱心になればなるほど、上司からは仕事を押し付けられるし、後輩の要領の良さに苛立つし、ストレスの貯まる毎日です。

まいちゃんには、恋愛だけと割り切った不倫関係の男がいます。

でもなあ。

 

さわ子さんは、自宅でデザインの仕事。

おばあちゃんと母親との女ばかりの三人暮らし。

ある日、出前を取ったら、幼なじみが店を継いだと言ってやってきた。

ドライブに誘われて、付き合い始め、いい感じになったのだが、「子供が産めるか検査してくれる?」と言われ、ガーン!!

この恋ははかなくも終わってしまいました。

 

すーちゃんの恋も、同僚と彼が結婚することになり、終わってしまい、まいちゃんも、不倫なんかきっぱりやめた。

女の子は、涙をこらえて前へ進むのです。

まいちゃんは、結婚相談所に入会、ダンナさんを見つけて結婚、出産と、進みます。

 

すーちゃんは、真面目に働いていたのがオーナーの目に留まり、マネージャーになりました。

 

妊娠中はこれでよかったのかなあ、捨てた道も見たかったなあとすーちゃんに愚痴を言ったまいちゃんですが、赤ちゃんが産まれてたらとても幸せそう。

 

さわ子さんは、相変わらずです。

認知のおばあちゃんの世話をしてるお母さんのことも心配だし。

 

こういう三人の女性のお話でしたが、結末は、それぞれ穏やかなものでした。

お話としては、みんな自分なりの幸せを見つけて、いい終わり方だと思うけど、過酷な人生を生きている女性にはあまり指針にもならないと、ちょっとがっかりしました。

 

まいちゃんは、仕事と結婚を両立させる道はなかったのかしら?

いま、ダンナの給料だけで暮せるカップルなんて、少ないというはなしだけど。

友達が結婚相談所で長年働いていたけど、たいていの人がダブルインカムを望んでいたというけど。

結婚相談所→専業主婦って発想が古いと思うなあ。

実は、私は結婚で専業主婦になったことがいまでも心残り。

自分は、社会でもやれるはずだった、という思いがあります。

だから、娘には仕事を続けるようにと励ましています。

たった一度の人生だから、欲張って生きて欲しいのです。

 

すーちゃんはよかったと思う。

真面目に働いていたら、道は開けるということかな?

恋愛、結婚だけが女性の幸せではないと言うメッセージは伝わりました。

 

問題はさわ子さんだなあ。

どんどん孤独になっていきそう。

もう少し、社会と関わる努力が必要だと思いました。

がんばってね、さわ子さん。

 

でも、優しいおばあちゃんと、献身的なお母さん。

美しい日本だと思いました。

 

それにしても、出てくる男性が情けない人ばかり。

日本男児、どうなってるの?

 

恋愛だけじゃダメかしら?

2013-03-11 16:47:21 | 映画ーDVD

ー恋愛だけじゃダメかしら?WHAT TO EXPECT WHEN YOU'RE EXPECTING

2012年 アメリカ

カーク・ジョーンズ監督 キャメロン・ディアス(ジュールズ)ジェニファー・ロペス(ホリー)エリザベス・バンクス(ウェンディ)チェイス・クロフォード(マルコ)ブルックリン・デッカー(スカイラー)アナ・ケンドリック(ロージー)マシュー・モリソン(エヴァン)デニス・クエイド(ラムジー)クリス・ロック(ヴィク)ロドリゴ・サントロ(アレックス)ベン・ファルコーン(ゲイリー)

 

【解説】

ラブコメクイーンことキャメロン・ディアスと、歌姫ジェニファー・ロペス共演の大人向けラブストーリー。世界中でベストセラーの妊娠エッセイを基に、親になろうとする5組のカップルそれぞれの喜怒哀楽をユーモアを交えて映し出す。共演は『バトルシップ』のブルックリン・デッカーや『マイレージ、マイライフ』の実力派女優アナ・ケンドリック。昨今の知られざるパパママ事情や男女の本音トークに引き込まれる。

 

【あらすじ】

テレビのダイエット番組で人気のジュールズ(キャメロン・ディアス)は、ダンス選手権の優勝とともに妊娠が判明。一方、フリーカメラマンのホリー(ジェニファー・ロペス)は妊娠しづらい体質のため養子をもらうことを考え始める。ショップオーナーのウェンディ(エリザベス・バンクス)は、計画を立てて子作りに励んだことで、ついに2年越しの妊娠の夢がかなうのだった。(シネマトゥデイ)

 

【感想】

5組のカップルの恋愛、結婚、妊娠、出産へと至る人生模様。

どの話も面白かったですよ。

  ジュールズとエヴァン

ジュールズ(キャメロン・ディアス)は、人気ダイエット番組の司会者。

私生活でもパートナーであるエヴァン(マシュー・モリソン)とダンスコンテストで優勝したその時、妊娠したことがわかった。

出産することに決めたとたん、エヴァンとは宗教上の問題などで口喧嘩が絶えなくなった。

なんで?

 

ジュールズのダイエット番組でダイエットに成功した歯科医のゲイリー(ベン・ファルコーン)。

絵本作家で赤ちゃんグッズのお店を経営する美しい妻ウエンディー(エリザベス・バンクス)と幸せに暮らしていたが、二人には早く赤ちゃんが欲しいと言う切なる願望があった。

  ウエンディー

 ホリーとアレックス

ウエンディーの店で赤ちゃんの写真を撮るフリーカメラマンのホリー(ジェニファー・ロペス)は不妊に悩んでいた。

パートナーのアレックス(ロドリゴ・サントロ)を説得して、養子を迎えることを決心した。

一度は同意したアレックスだったが、父親になる覚悟がなかなかできない、そこで、イクメンパパたちのグループに入れてもらって、パパ修行を始める。

  ロージーとマルコ

移動の自動車で軽食を売っているロージー(アナ・ケンドリック)は、同業者の中に高校の同級生のマルコ(チェイス・クロフォード)を発見。

軽い気持ちでセックスをしてしまったが、その結果、妊娠していることがわかった。

マルコとの甘い恋人生活が始まるが、残念なことに流産してしまい、その結果マルコとも気まずくなって別れてしまった。

 

ゲイリーとウェンディのカップルに念願の赤ちゃんができた。

妊娠の報告をしに、ゲイリーの父親ラムジー(デニス・クエイド)宅に行くと、ラムジーと若い妻スカイラー(ブルックリン・デッカー)の間にも赤ちゃんができたという。

  スカイラーとラムジーの年の差カップルにも赤ちゃんが。

やっとできた赤ちゃんだけど、悪阻など次々襲ってくる不快な体調に、ウエンディーは対処するだけでへとへとだ。

 

ところが、若いスカイリーは双子を妊娠したというのに、ピラティスやエクササイズを続け、楽々と暮していた。

 

さて、ジュールズとエヴァン、ウエンディーとゲイリー、スカイリーとラムジーののカップルが同時に同じ病院で出産することになった。

 

ジュールズは出産でエヴァンとの絆が深まり、結婚することに。

 

ウエンディーは、あまりの痛さに麻酔を注入してもらったが、自然分娩ができなくなり、帝王切開に。

出血多量で危険な状態にもなったが、なんとか健康を取り戻した。

 

スカイリーは、陣痛の痛みもあまり苦痛に感じず、楽々と双子の女の子を産んだ。

 

ホリーとアレックスのカップルはエチオピアへ養子を迎えにいき、このカップルの絆も強くなったようです。

 

ロージーとマルコは再会し、関係を始めからやり直すようだ。

 

この邦題も問題あり。

恋愛が問題ではなく、すべて妊娠出産にまつわるカップルたちの深刻な悩みと選択です。

コメディを装いつつも、真面目にテーマをとらえているところがよかったです。

 

ただいま、私の周りは子供世代の出産、子育てが続いているので、私自身も身近な問題として興味深かったです。

 

子供たちの世代は、夫婦で妊娠・出産・子育てを乗り越えて行こうと言う意識が高く、とても頼もしく思っています。

それに比べたら、私は今の子たちより早く結婚して若くしてお母さんになったせいか、自覚が足りなかった気がします。

妊娠中も、お酒を飲んだり、煙草を吸ったり、夜遊びがしたかったり。

子供だったなあ。がーん!!

 

最近も、若いお母さんに出産のことを聞いたら、この中のエピソードと似たような経験をしていて、私にとってとてもタイムリーな作品となりました。

 

 

イクメンパパ軍団。

日本にも、こういうグループがあったらいいのにね。

楽しそうでした。


ジャンゴ繋がれざる者

2013-03-04 11:18:33 | 映画ー劇場鑑賞

ージャンゴ繋がれざる者ーDJANGO UNCHAINED

2012年 アメリカ

クエンティン・タランティーノ監督 ジェイミー・フォックス(ジャンゴ)クリストフ・ヴァルツ(Dr.キング・シュルツ)レオナルド・ディカプリオ(ムッシュ・キャンディ)ケリー・ワシントン(ブルームヒルダ)サミュエル・L・ジャクソン(執事スティーブン)

 

【解説】

『イングロリアス・バスターズ』などの異才クエンティン・タランティーノ監督が、前作からおよそ3年ぶりに放つ骨太のアクション大作。19世紀中期のアメリカ南部を舞台に、かつて奴隷だった男の妻奪回のし烈な闘いを描き出す。レオナルド・ディカプリオが本作で初めてとなる悪役に挑むほか、ジェイミー・フォックスやクリストフ・ヴァルツら個性と実力を兼ね備えた俳優たちが豪華共演。緊迫感あふれる人間模様と、驚きのストーリー展開に言葉をなくす。

 

【あらすじ】

1858年、アメリカ南部。奴隷ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)は、賞金稼ぎのキング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)の手によって自由の身となる。やがて2人は協力し、次々とお尋ね者たちを取り押さえることに成功する。その後、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を捜す目的のあったジャンゴは、農園の領主カルヴィン・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)のところに妻がいることを突き止め……(シネマトゥデイ)

 

【感想】

「イングロリアバスターズ」では、徹底的にナチスをやっつけたタランティーノ監督。

今回は、彼自身も大好きな西部劇で奴隷制度をぶった斬ります。

発想が独特。

ドイツ人の歯医者が西部で賞金稼ぎをやり、奴隷から買い取ったジャンゴの運命に肩入れして、ジャンゴの妻を助けに行くなんて。

荒唐無稽とはこのことですが、かなり面白いです。

 

「イングロリアバスターズ」で極悪人を演じたクリストフ・ヴァルツが、この作品ではジャンゴを窮地から救い出すキーマンとして、アカデミー賞助演男優賞を獲得しました。

いろんな国の言葉を操る賞金稼ぎを、とても生き生きと賞金稼ぎを楽しんでいました。

 

また、タランティーノが脚本賞も獲得しています。

 

南北戦争の2年前、テキサスのどこかでお話は始まります。

白い息を吐きながら、10人くらいの奴隷が鎖で繋がれて奴隷商人に連れられて歩いています。

そこへ、ドクター・キング・シュルツ(クリストフ・ヴァルツ)が現れて、ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)に話しかけた。

 

この物語は3つのパートに別れています。

ひとつは、シュルツとジャンゴの出会い。

そして、ジャンゴはキング・シュルツに仕込まれて西部一の早撃ち、黒人の賞金稼ぎへと成長していきます。

  ジャンゴ(ジェイミー・フォックス)

二つ目は、ジャンゴの妻・ブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)を取り戻しにいく話。

ここに、ムッシュ・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)と、黒人でありながら、キャンディの信頼厚いスティーブン(サミュエル・L・ジャクソン)が登場します。

この極悪人たちとの対決が見所。

タランティーノ監督お得意のガンアクション。

  右がムッシュ・キャンディ(レオナルド・ディカプリオ)

3つめは、物語の終結です。

最後の闘いです。

果たして、ジャンゴは妻を救い出し、ハッピーエンドを迎えることができるでしょうか?

  ジャンゴと妻のブルームヒルダ(ケリー・ワシントン)

長い映画ですが、長さを感じさせない面白さでした。

ドイツの伝説「ニーベルング」を盛り込んで、うまい作り方でした。

ジャンゴがジークフリート、妻がブリュンヒルトというわけです。

 

ジェイミー・フォックスがかっこいいです。

タランティーノの正義感が、ストレートに現れている作品でした。

 

QTファンならずとも、気に入ると思います。

 


アタメ

2013-03-04 10:48:12 | ハイキング

ーアタメーATAME!

1989年 スペイン

ペドロ・アルモドバル脚本・監督 ビクトリア・アブリル アントニオ・バンデラス ロレス・レオン フランシスコ・ラバル フリエタ・セラーノ

 

【解説】

食事と休息を得るために、精神病院に入退院をくりかえす風がわりな男リッキー(バンデラス)。彼は結婚して、まともな生活に戻ることを決意する。彼が相手に選んだのは、ポルノ女優のマリーナ(アブリル)だった……。(allcinema ONLINE

 

【感想】

邦題が「アタメ!私を縛って」という、なんとも危ない感じのタイトルが気になっていました。

鬼才ペドロ・アルモドバル監督とアントニオ・バンデラスのコンビ。

バンデラスが若いよ!!

 

3歳で孤児になったリッキー(アントニオ・バンデラス)。

施設で育ったが、ある時から精神がおかしい振りをして精神病院に入院。

そこの女院長や看護婦たちの夜のお相手をしたり、たまに脱走して町で遊んだりして暮していたが、まともな暮らしがしたいと一念発起。

無事に退院までこぎ着けました。

 

リッキーの考えるまともな暮らしとは、愛する女性と結婚して家庭を持ち子供を持つこと。

普通ですが、簡単なことではありません。

特に精神病院しか知らず、お金も院長がくれたお小遣い程度しか持っていないリッキーには。

 

リッキーがお相手に考えたのが、AV女優のマリーナ(ビクトリア・アブリル)。

一度、精神病院から脱走したときに彼女と出会い、一夜をともにしていたのです。

でも、男性関係の多いマリーナはすっかり忘れていました。

 

映画の撮影も最終日を迎えたマリーナ。

撮影が終わって、パーティの着替えするためにアパートに戻ったら、いきなりリッキーに襲われた。

もちろん、悲鳴をあげて抵抗するマリーナ。

「いつか僕を愛させてみせる」とリッキーに言われても、軟禁状態では恋愛は無理!!

 

マリーナの気持ちが軟化していくところが見所です。

女は同情から恋愛に発展するものなのでしょうか?

 

マリーナのお姉さんがステキです。

自分はバツイチで妹ほど美人じゃないけど、妹思いで明るい性格。

ずいぶん助けられることでしょう。

 

タイトルほど過激ではなく、むしろ女性向き。

ラブコメです。

途中、危ない感じで落ち着かない部分もあるけど、そこはバンデラスの若さと純粋さと、マリーナの器の大きさということで、ラストはハッピーですべてよし。