ービガイルド 欲望のめざめーTHE BEGUILED
2017年 アメリカ 93分
監督・脚本=ソフィア・コッポラ キャスト=コリン・ファレル (マクバニー伍長) ニコール・キッドマン (ミス・マーサ) キルステン・ダンスト (エドウィナ) エル・ファニング (アリシア)
【解説】
第70回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したスリラー。南北戦争期のアメリカ南部にある寄宿学園を舞台に、負傷して運び込まれた北軍兵士をめぐって、女性たちが情欲と嫉妬をむき出しにする姿を映す。監督は『ロスト・イン・トランスレーション』などのソフィア・コッポラ。『ラビット・ホール』などのニコール・キッドマン、ソフィア・コッポラ監督作『SOMEWHERE』にも出演したエル・ファニング、『メランコリア』などのキルステン・ダンストらが出演している。(シネマトゥデイ)
【あらすじ】
南北戦争下のアメリカ南部。世間から隔絶された女子寄宿学園で生活している園長(ニコール・キッドマン)や生徒(エル・ファニング)ら女性7人は、けがを負った北軍の兵士(コリン・ファレル)と遭遇する。敵方ではあるが、彼女たちは彼を屋敷に運んで介抱する。園長をはじめ学園の女性たちは、容姿端麗で紳士的な彼のとりこになってしまう。(シネマトゥデイ)
【感想】
私は小学校の時から女子クラスで育ったので、こういう閉鎖された女の世界というテーマにすごく惹かれました。
1971年のドン・シーゲル監督、クリント・イーストウッド主演の「白い肌の異常な夜」のリメイクだそうですが、私は残念ながらオリジナルは見ていません。
でも、全然違う作品に仕上がっていたのではないかな?
この作品で監督のソフィア・コッポラはカンヌ映画祭の監督賞を受賞しています。
南北戦争が激しくなり、南部の小さな村にも戦乱の影が迫っている頃、マーサ園長(ニコール・キッドマン)が経営するファーンズワース女学園には、帰る場所がない女子学生5人ともう一人の教師エドウィナ(キルステン・ダンスト)が、ひっそりと寄宿生活を送っていた。
生徒のエイミー(ウーナ・ローレンス)が森の奥できのこ採りをしていると、大怪我を負った北軍の伍長マクバニー(コリン・ファレル)と遭遇した。
マクバニー伍長
エイミーは学園まで連れ帰り、ミス・マーサたちは驚くが、まず傷の手当と学園の建物の中に彼を運び入れた。
ミス・マーサは彼の足に埋まった銃の弾を取り除き、裂けた傷を縫い合わせ、消毒をして寝かせておく。
部屋は立ち入り禁止にするが、女学生たちは興味津々で彼と接触する。
やがてマクバニーがなんとか歩けるようになると、庭の手入れなど、力仕事を引き受けて働くようになる。
しかし、マクバニーは敵である北軍の兵士であり、良くなれば出て行ってもらうとミス・マーサは宣言した。
そして、その歓送会を開いた夜、事件が起こる。
☆ネタバレ
その夜エドウィナの部屋に行くと囁いたマクバニー、しかし、エドウィナが物音を聞きつけて開けた部屋で、彼はアリシア(エル・ファニング)と抱き合っていた。
ショックを受けたエドウィナはマクバニーを階段の上から突き落としてしまう。
ミス・マーサはマクバニーの出血を止めるため、マクバニーの足を切る決断をした。
片足を失ったことを知ったマクバニーは荒れ狂う。
ミス・マーサの銃を奪い、みんなを脅かした。
もともとマクバニーはアイルランド移民で、北軍にはお金で雇われた傭兵だった。
南軍は引き上げてしまった。
北軍に引き渡すとこの学校のことが敵に知られてしまう。
ミス・マーサと女学生たちは毒キノコで彼を殺すことを思いつく。
閉鎖された世界で、誰が主導権を握るか、スリリングな展開です。
ニコールとキルスティンの男をめぐる主導権争いが見所。
そして、毒キノコ作戦を知らないキルスティンを、女学生たちの機転で切り抜けるところがとてもドキドキの展開でした。
マクバニーとエドウィナ
ここから出て行くことを夢見て、男に取り入ろうとしたキルスティンの野望も、マーサの前にしぼんでしまったところ、マーサという人のしたたかさ、強さ、見事だと思いました。
私は、ソフィア・コッポラのガーリー作品、結構気に入っています。
この作品も副題の「欲望のめざめ」みたいなことはありません。
ドロドロしていないし、あっさり、さっぱりしています。
この作品も、女性が作った品だと思いました。
女同士の付き合いって、こんな感じだなあと思いました。