マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

蛇イチゴ

2006-11-04 18:25:40 | 映画ーDVD
2003年 日本 西川美和監督 宮迫博之 、つみきみほ 、平泉成 、大谷直子 、手塚とおる 、絵沢萠子 、寺島進 、蛍原徹 、笑福亭松之助

【解説】
明智家の娘・倫子は、幼い頃から真面目で優秀。現在は小学校で教師をしており、同僚で恋人の鎌田との結婚を控えている。そんな彼女は働き者の父、優しい母、ボケてはいるが明るい祖父に囲まれ、平穏な毎日を過ごしていた。だがある日、痴呆の進んだ祖父が亡くなり、その葬式に10年間も行方知れずだった長男・周治が姿を現わしたのをきっかけに、一家の和やかな雰囲気が一変する。やがて、世渡り上手の周治は、家族に内緒で多額の借金をしていた父の窮地を救い、家に迎えられるのだが、倫子だけはお調子者の兄をどうしても受け入れることができずにいた…。

【感想】
「ゆれる」見て、をすごいと思って、この作品も見ることにしました。
西川監督のデビュー作。
やっぱりすごい監督でした。
なにげない、家族の朝の風景から始まるのに、ただものではない。
作品の世界に引き込まれて行きます。

お父さん(平泉成)はリストラされて、再就職先を探している。
いままでの経験に自負があるから、納得できる職場はなかなかみつからない。
しかも、クビになったことは家族に内緒。

お母(大谷直子)さんは、認知症の進んだ義父(笑福亭松之助)の面倒を見ている。
とても信頼し合っていて、それはお母さんの生き甲斐ではないかと思えるほどだけど、本当は円形脱毛症になるくらいのストレスを抱えている。

余談ですが、この映画を見る前に、「きみに読む物語」を見ていたから、同じ認知症を扱って、日米で何と言う違いだ、と思いました。
そう言えば、アメリカの映画で認知症の人や障害の重い人が自宅にいるお話は見たことがありません。
日本は貧しいのでしょうか?

まあ、それは置いておいて、映画の続き。
娘の倫子(つみきみほ)は小学校の教諭。同僚との結婚を考えている。
恋人を家に招き、ささやかでも幸せな団らんを見てもらった。

義父が亡くなった。
お葬式のまさに出棺というとき、借金取りが出てきて、リストラのことも山のような借金のこともばれてしまう。
その窮地を救ったのが10年前、大学の学費を使い込んで勘当された長男・修二(宮迫博之 )だった。
しかも彼の正体は!!

崩壊してしまった家族。
もう、何が正義かもわからなくなってしまった。
倫子が一人、正気を保とうと努力するのですが、壊れてしまったものは、もう元通りになることはないのでしょう。
机の上の蛇イチゴ、いったい何を象徴するのか。

役者さんの個性が生きて、セリフも面白く、楽しめる映画でした。


きみに読む物語

2006-11-04 18:18:47 | 映画ーDVD
2004年 アメリカ ニック・カサヴェテス監督 ライアン・ゴズリング 、レイチェル・マクアダムス 、ジーナ・ローランズ 、ジェームズ・ガーナー 、ジョーン・アレン 、ジェームズ・マースデン 、サム・シェパード 、ヘザー・ウォールクィスト 、ケヴィン・コナリー 、デヴィッド・ソーントン 、ジェイミー・ブラウン[女優] 、スターレッタ・デュポワ

【解説】
『メッセージ・イン・ア・ボトル』などで知られるニコラス・パークスのベストセラー小説を映画化。身分違いの純愛を貫く若き恋人同士の情熱的な愛と彼らの行く末がつづられる。監督は『シーズ・ソー・ラヴリー』のニック・カサヴェテス。出演は『16歳の合衆国』の若手トップスター、ライアン・ゴズリング、本作の演技で一躍注目を集めたレイチェル・マクアダムス、カサヴェテス監督の実母ジーナ・ローランズら。涙なしには見られない、珠玉のラブストーリー。

【あらすじ】
家族とひと夏を過ごすためにノース・カロライナにやって来た良家の子女アリー(レイチェル・マクアダムス)は、地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)から熱烈なアプローチを受け、やがて愛し合うようになる。 (シネマトゥデイ)

【感想】
あまりいい評判を聞かなかったので、ありきたりの純愛映画だと思っていました。
一生一人の人を激しく愛した男の純愛の映画で、女性の立場からはくすぐったいような、うらやましいような愛の物語でした。


認知症が進んだ老婦人の元へ、ラブストーリーを聞かせにくる老人がいます。
それは、かつての自分たちの物語。
読み聞かせていると、彼女の記憶が戻り、自分のことをまた思い出してくれるからです。
その愛の力に泣かされました。

本編のラブストーリーは、子供だった二人が辛い別れを経験して、また出会って恋に落ちるのですが、その単純な恋も、稚拙になることなく、納得いくものになっていました。
身分違いの失恋を乗り越えて、新しい恋にのめり込んで行くアリーって、どうなの?となるところを、お金持ちのお嬢さんの奔放さ、逞しさという感じで乗り切っていました。
私は、ステイで複雑な役を演じていたライアン・ゴズリングが、その個性の強さを出来るだけ隠して、彼女に献身する様子に惚れました。

この映画が気に入ったのはひとえに彼の存在が大きいかもしれないなあ。