幹事クリタのコーカイブログ

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クルマとアイドルの80年代

2013-02-20 00:43:22 | テレビ・芸能
 自動車雑誌「CARトップ」の別冊で「GT80'S」というムック本があります。その名の通り、80年代の国産車をテーマにした本で、昨年11月に発売された第1号が「スカイライン熱狂挽歌」、今年1月の第2号が「哀愁TURBO」というテーマ。4月発売予定の第3号の予告は「述懐と十戒のハイソカー」です。当時のクルマ好きなら、どういう国産車が取り上げられているかすぐにピンとくることでしょう。

 さて、このムック本の特徴は自動車だけではなく当時の時代風俗を振り返るページが充実していること。なにせサブタイトルが「1980年代の国産車とあなたの青春がプレイバック!!」というくらいですから。第1号で1980年、第2号では1981年のカレンダーで詳細に1年間を振り返っています。少なくとも1989年まで10冊は出す予定なんでしょう。

 さらに特徴的なのは編集者がマニアック(オタク的)にアイドル歌謡曲大好きなこと。ここまで出てきたコピーにもそれはひしひしと感じられることでしょう、って言っても40代以上にしか感じられないかも知れませんが。「哀愁」「十戒」「プレイバック」と聞けば、トシちゃん、明菜、百恵です。そして、その編集者の趣味が爆発しているページが、その年の「ザ・ベストテン」のランキングを振り返って分析しているページ。なぜ自動車雑誌に、という突っ込みは野暮です。完全に趣味なんですから。

 とにかく執拗に細かく当時のアイドル歌謡曲についてのコメントを書きこんでいる編集者の情熱には恐れ入ります。モロに聖子、トシちゃん、マッチ世代なんでしょう。特に聖子についての分析はかなり深く考察しています。まだ1981年までなので明菜がデビューしていませんが、多分明菜も好きなんじゃないかと推察されます。

 ただコメント文中にも出てくるのですが、この編集者は当時中学生だったようで、すでに大学生だった僕からすると、やはり見方や感じ方が幼いのがちょっと可愛いというか、歯痒いというか。典型的なのが「イモ欽トリオはともかく「ルビーの指輪」の超絶なヒットがいまだに信じられない」という一節。中学生男子ならではの感想です。当時の大学生なら真逆の感想を持っていても不思議ではありません。寺尾聰だけではなく、山口百恵、郷ひろみ、松任谷由実、中島みゆき、松山千春らに対するコメントでも、彼らに理解はあっても共感がないのが明らか。世代差を感じます。

 そう考えると、使っているランキングが「オリコン」ではなく「ザ・ベストテン」なのもわかります。小遣いの少ない中学生は毎週オリコン買って読んだりしないですからね。ベストテンなら毎週テレビの前に座って見ていられますが。大学生の僕はベストテンも見ていましたが、オリコンも毎週買って読んでいましたから、彼我のランキングの違いもわかって見ていましたけど、彼にはベストテンのランキングが世界の全てだったことでしょう。

 数歳しか違わないのですから、今はきっとこの編集者も僕も似たようなオヤジですが、当時の中学生と大学生の差は何かにつけて大きいなと感じました。聖子やマッチが年下か年上かで印象が変わってくるのは当然ですから。それとともに、当時の若者はクルマとアイドルが共通言語だったことも改めて認識できました。


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