候補者が乱立しそうな自民党総裁選。ただ有力とされるのは国民人気と知名度が高く「選挙の顔」となりやすい小泉進次郎、石破茂、河野太郎、高市早苗あたりのようです。自民党は自分たちが選挙さえ勝てれば、総理大臣であろうと「顔」だけで選ぶつもりのようで、本当に国のことを考えているのかと嘆かわしくなります。総理大臣がこれほど軽い扱いを受けているのを見ると、平安時代の摂関政治に1000年以上逆戻りしたのかと思うほどです。
小泉、石破、河野、高市の4択なら僕は石破しかいないと思っていました。小泉は何を言っているのかわからないので論外、河野は「ブロック太郎」と呼ばれるほど他人の意見を聞かない独裁者、高市は右寄り過ぎて危うくて仕方ありません。要職の経験豊富で正論を真っ直ぐいう石破は理想主義過ぎるところはありますが、安部菅岸田と政治倫理が崩壊し続け腐敗臭が漂う自民党を、石破ならいったん漂白できるのではないかと言う期待が持てるからです。
ところが石破は9月2日放送の『深層NEWS』(BS日テレ)に出演し、そこで金融所得への課税強化を「実行したい」と断言したそうです。何という経済音痴ぶりでしょう。3年前の「岸田ショック」を忘れてしまったのか、それとも株価が暴落することなど国民は関係ないと思い込んでいるのか。せっかく新NISAの拡充で、タンス預金が投資に回るようになってきたのに、金融所得課税強化なんて打ちだしたら一気に資金が外国に逃げていきます。石破は国民目線の政治を訴えているのに増税を言い出す神経がわかりません。
このまま石破が金融所得課税強化を言い続けるなら、自民党員も自民党国会議員も石破を支持するとは思えません。喜ぶのは財務省だけです。裏金問題でトーンダウンして持ち前の正論を引っ込めた上に、こんな誰も喜ばない訳のわからない増税をいま言い出してしまうあたり、やはり政治センスがない人なんだなと思いました。仲間がいないのも本当のようです。参謀的な人が側にいれば、こんな受けない話はさせないでしょう。
とは言え、じゃあ誰がよりマシなんだと言われると、これもまた難しいです。強いて言えば人気は全くないけれど、茂木敏充幹事長、林芳正官房長官、上川陽子外相あたりになるのかも。少なくともこの3人は頭が良くて政治家としてだけではなく民間での経験も豊富なだけに、ボンボン過ぎる小泉河野よりはずっと世の中を知っていそうで安心感があります。ただ「選挙の顔」にはなりにくいので、自民党の国会議員が選ぶかどうかは怪しいです。