幹事クリタのコーカイブログ

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鳥山明と言えば

2024-03-08 23:11:15 | マンガ
 突然の訃報でした。鳥山明が亡くなりました。まだ68歳。さすがに早いと思います。鳥山と言えば「アラレちゃん(『Dr.スランプ』)」「ドラゴンボール」「ドラクエ」。どれもデビュー以降、主に1980~90年代に手掛けた仕事です。しかもドラクエはキャラクターデザインであって、本業のマンガの長編作は上記2作品だけ。もしかしたらすでに為すべきことは成していたのかもと思うと、これが天命だったのだと、ファンとしては無理に納得するしかないのかも知れません。

 初めて少年ジャンプでアラレちゃんを見た時は衝撃的でした。新人のはずなのに最初から完成されていて、しかも全く新しかったのです。それまで少年マンガの世界で最先端は江口寿史だと思っていましたが、鳥山明は一気に江口を抜き去りトップランナーになりました。しかも地元愛知県出身で、どんなに売れてもずっと愛知県在住。作品の中には名古屋弁を喋るキャラクターまで登場します。まさに地元の誇り。信長、秀吉、家康の「三英傑」以来の地元の誇りでしたが、地元を出て行かなかっただけ鳥山の方が「誇り」度は上かも知れません。

 『Dr.スランプ』のあとに『ドラゴンボール』がさらに上をいくような大ヒットとなり、加えてドラゴンクエストのキャラクターデザインと、1980年代から90年代の鳥山は無敵状態でした。国民的マンガ家として手塚治虫の後を継ぐのかとも思いましたが、その後が続きませんでした。『ドラゴンボール』を引っ張り過ぎたこともあるでしょうが、手塚のように並行して他誌にも描くような時代でもありませんでした。結局生涯で代表作2作品以外は短期集中連載したものや短編にとどまりました。若い頃にもっと自由に描かせていたら、どんな傑作をいくつ生みだしていたかと思うと、ジャンプ編集部の責任は重いです。

 12年ほど前に「日本の5大マンガ家」を考えた時に「手塚治虫、石ノ森章太郎、藤子不二雄、萩尾望都、鳥山明」かなと書きました。ただ鳥山明を入れることをこの時に迷ったのは、鳥山の作品数が他のマンガ家に比べて圧倒的に少ないからです。鳥山明と言えば、の後が限られてしまいます。逆に言えば、それでも5人の中に入れたいほど魅力的なマンガ家でしたし、後世に与えた影響力の大きいマンガ家でした。謹んでご冥福をお祈りいたします。 
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