幹事クリタのコーカイブログ

テニスをはじめあれこれ好き勝手書いています。「幹事クリタのコーカイ日誌」のブログ版です。

大学合格者数ランキング

2024-03-14 23:28:12 | 時事
 毎年恒例で掲載される高校別大学合格者数ランキング。これまで「サンデー毎日」と「週刊朝日」が長年にわたって競い合い、新聞社のネットワークを駆使して調べ上げてきました。しかし週刊朝日が昨年5月で休刊したことでサンデー毎日の独壇場になるのかと思っていたら、きっちりと「AERA」に引き継いでいました。なんだかんだ批判はあってもやはり売れるんだなと改めて再認識しました。僕が週刊朝日を初めて買ったのも高校に入って1年生の時にこの大学合格者数ランキングを読みたかったからでした。まあ受験生が興味があるのは当然と言えば当然ですが、その後もこの年齢になるまでつい本屋でチェックしてしまうのですから、その魔力恐るべしです。

 特に見たいのは当然東大の合格者数ランキングで、ついでに京大のランキングもチェックします。それ以外は名大だろうが阪大だろうが早慶だろうが興味はありません。単純にいま受験に強い「強豪校」がどこかを興味本位で知りたいだけなので、東大と京大のランキングさえチェックすれば事足りるからです。1970年代前半は東大の1位が日比谷から灘に変わった頃。愛知県では旭丘が全国トップ10に食い込むくらいダントツの1位でした。

 その後、東京でも愛知(他に千葉や岐阜、三重、福井)でも学校群制度が導入されて、公立高校が一気にランキングを落とし、代わりに国立と私立の中高一貫校が躍進しました。僕が受験した頃は灘、開成、麻布、筑駒、ラサールといったところが上位を独占していました。愛知県でも旭丘と学校群を組んでいた千種が躍進し、さらに学校群を嫌った受験生が私立に流れて東海も肩を並べるレベルになっていました。旭丘全盛期の合格者数を三等分した感じでした。代わって旭丘に次ぐ2番手、3番手だった明和と瑞陵はすっかり落ち込んでしまいました。

 その後に学校群が廃止されて、東京も愛知もかつての伝統校がある程度までは復活しましたが、一度築かれた私立の優位も崩れることはなく、特に日比谷や旭丘などトップ校はともかく、それ以下の公立はかなり苦戦しています。学校群制度は公立のレベルを落として私立優位の流れを作っただけで、何のためにそんな制度を始めたのか、誰も当時の関係者は責任を取っていませんが、大失敗だったと思います。家庭の経済的事情で塾にも通えず私立への進学もままならない意欲の高い子どもたちの受け皿である公立高校のレベルアップは、これからの少子化と貧困化の時代において必須でしょう。

 そして近年はさらに新しい私立が台頭してきて、渋谷教育学園幕張、桜陰、西大和学園など我々の時代には見かけなかった高校が、かつての名門私立をも追い落としています。今年の東大合格者数ランキング1位は開成ですが、2位には神奈川の聖光学院が入りました。我々の時代で神奈川と言えば県立湘南か、私立栄光学園でしたが、本当に「受験強豪校」も甲子園同様に栄枯盛衰が激しく、どんどん変わっていきます。

 それにもはや東大だけが頂点という時代でもないですし、進学先も海外も含めて多様化していますから、そのあたりの進路指導にも対応できる高校が真に素晴らしいと思いますから、大学合格者数ランキング自体がオリコンのCD売上ランキングのように意味をなさくなる時代も遠くないかも知れません。
コメント
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