幹事クリタのコーカイブログ

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名古屋ウィメンズマラソン

2024-03-10 23:32:07 | スポーツ
 今や名古屋の早春の風物詩となった名古屋ウィメンズマラソン。今年はパリ五輪の選手選考の最終レースとなったことで、より注目度が上がりました。MGCで決まった上位2人の鈴木優花、一山麻緒に加え、3人目の代表は大阪国際で日本記録を出して優勝した前田穂南か、この名古屋ウィメンズで前田の記録を破って日本人最上位になった選手のどちらかということになりました。当然、目標タイムは前田の作った2時間18分59秒となります。順位もさりながら日本記録の更新が条件となるため、記録を狙って積極的なレースになることが予想されました。

 レース序盤から上位グループに入って記録を狙ったのは3人。東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子、初マラソンの日本記録を持つ安藤友香、昨年の世界選手権代表の加世田梨花です。そしてこの3人とも名古屋に縁がある地元でのレースでした。鈴木は地元愛知の時習館高校から名古屋大学に進学した才女です。高校時代から名を知られていただけに地元での人気も抜群。安藤は岐阜出身で愛知の強豪豊川高校に進み、全国高校駅伝で2回優勝しています。また初マラソンの日本記録を作ったのもこの名古屋ウィメンズでした。加世田は名城大学でエースとして1年生からずっと駅伝部を牽引しました。今の名城大の強さも加世田が築き上げた伝統の賜物と言っていいでしょう。

 みな地元ゆかりの選手だけに沿道の声援も大きく、僕もテレビで見ながら3人とも応援していました。レースは海外勢とこの3人がずっと先頭集団となって進んでいきましたが、前田の日本記録のペースからは徐々に遅れ始め、25kmで14秒遅れ。そしてこの給水で隊列が乱れ、まず鈴木が後退。さらに30km手前で安藤と加世田も外国人選手2人に置いていかれました。このあたりですでに1分以上日本記録に遅れたので記録更新、すなわちパリ五輪代表は難しい状況になりました。

 ところが、そこから3人が諦めることなく粘りの走りを見せました。安藤は徐々にトップとの差を詰めていき、39km付近でバーレーンのチュンバに追いつき、残り800mでスパートをかけてそのままゴール。見事にマラソン初優勝と自己ベストの更新を果たしました。安藤は初マラソンが自己ベストでしたから、長年の目標を一気にダブルで達成したことになりました。パリの切符はつかめなかったものの、大きな成果を挙げたと言えます。

 さらに鈴木も見事な猛追でチュンバに迫り3位、しかも自己ベストを更新しました。鈴木もすでに32歳になりましたが、まだ自己ベストを出せるわけですから、さらに上を目指してまだどん欲にチャレンジして欲しいです。加世田も4位に入りました。3人が記録更新が難しくなってからも粘って走れたのは、沿道の大きな応援の力もあったのではないかと思います。中継でも彼女たちを応援する声が聞こえていました。地元ならではの良さです。

 考えてみれば高橋尚子は岐阜、野口みずきは三重と、マラソン金メダリスト2人もこの地域の出身です。これからも名古屋ウィメンズマラソンから優れた女子ランナーがどんどん出てくることになれば、毎年3月の日曜日に交通規制で不自由な思いをしていることも許せる気がします。 
コメント
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