ロシアのウクライナ侵攻が続いています。プーチン大統領は当初数日で片がつくと思っていた節があるようですが、ウクライナの激しい抵抗もあって半月経ってもまだ首都キエフは陥落していません。とは言え、戦争による被害は既にかなりのものになっていて、ウクライナの各都市は破壊され、民間人の死者数も相当な数になってきています。これが自然災害だったら大災害レベルで各国から救援隊が駆けつけているところですから、人為的な戦争による被害と言うのは本当に甚大なものだということがよく理解できます。
これまでも人類はずっと戦争を続けてきたわけで、76年間も戦争を体験せずに過ごしてきた今の日本は稀に見る幸福な時代だったと思います。この76年間に朝鮮でもベトナムでも中東でもアフガニスタンでも、とにかく世界の各地で戦争は勃発していて、そのニュースに我々はずっと接してきたわけですが、今回のウクライナ侵攻ほど刻々と現地からレポートと映像が届き、その被害状況をリアルタイムで目の当たりにしているのは人類史上初めてのことかも知れません。
スマホで動画を撮影してすぐに配信できるインフラが世界中で整ったからこそ、現地からの生の映像にすぐに接することができるわけですが、またそれがアジアやアフリカ、中南米などではなくヨーロッパで起きているからこそ世界中のメディアもこここまで克明に伝え続けているわけです。そこはアジア人として少々複雑な気持ちにならざるを得ません。もし中国が台湾や尖閣諸島に攻め込んだ時に世界は同じくらい関心を払ってくれるのでしょうか。
世界中にリアルに戦時下の様子が伝えられていることで、非人道的な行為が少しでも抑止されるのなら、どんどんこれからも戦争の現場を伝え続けていくことが必要でしょう。NATOもアメリカも核を持つロシアに軍事的なパワーで立ち向かうことが難しい状況ですから、何とか言論の力でロシアの暴挙を止める手立てを考えていかなければなりません。またここをしっかり止めないと、ロシアと中国が隣国である日本もまた危機がより高まるということも合わせて考えると本当に他人事ではなく、明日は我が身と思ってウクライナの状況を注視する必要があります。