今年で内村光良が総合司会となって3年目の紅白歌合戦。この3年間で紅白がどんどんバラエティ番組と化してきています。音楽番組というよりは「歌」をコンセプトにしたバラエティ番組として見た方がしっくりきます。それを良いとか悪いとか言うつもりはありませんが、出場している歌手は心の中で「なんだかなぁ」と思っているのではないかと少々心配にはなります。
演歌勢はまず普通に歌わせてもらえることはありません。必ずバックでアイドルが踊ったり、もしくはド派手なセットを組まれたり、コント仕立ての演出が入ったり、けん玉やマジックと組み合されたり、挙句の果てには氷川きよしのように本来の演歌ではなくアニソンを歌ったり。島津亜矢にいたっては自分の歌を歌っている姿をずっと見たことがありません。
ポップス系でも大抵過剰な演出が加えられますが、そうじゃなければメドレーばかりで、曲が細切れになっています。きちんと歌わせてもらえるのは今年の竹内まりやのように、「出てやってる」特別な歌手だけです。思い入れのある歌をじっくりと聴きたいと視聴者が願っても叶えられることは滅多にありません。
もちろんそうなっているのは単なる音楽番組ではもう視聴率が取れないからでしょう。チコちゃんが乱入するのも、たけしがボケをかますのも、綾瀬はるかがコントを披露するのも、視聴者を飽きさせないように、あの手この手を繰り出しているからで、じっくりと聴きたい国民的ヒット曲が生まれないのだから仕方がないことです。あとはこれで視聴率が上がっていれば良いですが。