昭和生まれの老翁の面白話。第31話 「自信過剰の女」
B子は背が高く男気を引く風貌でなかなかの美人でした。「私は東大なんか簡単に入れるので大学なんか馬鹿らしくていかなかったの」と言う、大変な自信家でした。このセリフは東大に受かってから「授業が面白くないのでやめたと言え」と言いたくなります。確かに、彼女の書く文章は機知に富んだ頭の良さを感じさせるものでした。
初対面の時、小生が電話番号を教えると「はい」と言っただけで手帳に電話番号を書きません。小生が「電話番号をメモしないの?」と聞くと「覚えたからもういいの」と言うのでした。
「忘れないの」と聞くと「忘れない」と言います。「どうしてかな?」と聞くと「文字や数字、音に色がついているの、文字と色の組み合わせで覚えているから」と言いました。確かに土曜日の土は「青」、日曜日の「日」や祝日の「祝」は赤と言うことはわかるとしても文字、数字、音に色の付いた状態で見える感覚はにわかには信じられませんでした。このような感覚を共感覚(→検索)というそうです。そのような人は人口の数パーセントいるそうです。低気圧、高気圧にも敏感で、明日は低気圧で雨、気分が悪いなどと言います。
こうすれば男はこうすると読み切って男心を弄ぶようなところありました。彼女と話している時突然「あなた、今、私と寝たいと思ったでしょう」と言われたことがあります。なんとなくそのように思っていたので、図星で言われ赤面したことがあります。小憎らしい女でした。その後、彼女は体調を崩して千葉の実家に帰り、音信不通になってしまいました。頭も大事だが健康も大事です。
今週の一花
ロベリア ‘カリブアイス’