kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

過去の失敗から何を学ぶか

2018-05-24 06:03:39 | 日記
数年前不振を極めていた電機業界でしたが、何とか各社それぞれ
の生きる道を見つけたようです。尚も業績不振から抜けだせない
企業もありますが、電機業界全体の一寸先が見えない状況ではな
くなりました。

過去5年の電機業界を振り返ってみるとまず経営危機が表面化した
のはシャープでした。液晶市場を切り開いた過信からか身の丈以
上に液晶分野に多額の資金をつぎ込んだことが結果的に深刻な経
営危機の引き起こしました。日本での液晶テレビ市場で一時は4
割超の市場シェアを握り確かにシャープのテレビはブランド力が
ありました。

しかしこの過信が過大な目標に会社を駆り立てました。海外市場
ではやはりシャープ製品は二流扱いだったのでしょう。液晶テレ
ビのブランド力は日本のように高まらず、海外メーカーとの価格
競争に敗れ巨額な資金を投じた大型パネル工場は低稼働に苦しみ
ました。液晶事業への巨額な投資が裏目に出て経営危機に陥りま
した。太陽電池事業の不振も重なり最終的には鴻海に救済される
ことになりました。

次に経営危機が表面化したのは東芝でした。不正会計問題で会社
の屋台骨が揺らいでいる状況でさらに巨額な資金で買収した米国
の原子力子会社の経営危機が一気に東芝を窮地に追い込みました。
東芝は結局次の成長の柱である医療機器子会社と半導体子会社を
売却することで何とか経営危機を乗り切りました。

もっともそのツケは決して小さくありません。世界の大手ファン
ドから資金提供を受けたことで次の成長ストリーをどのように経
営陣が描けるのか。大株主に収まった大手ファンドからのプレッ
シャーを逆手にとって東芝再生を軌道に乗せられるのか経営陣の
責任は大きいようです。

企業の成長に欠かせないのは投資です。積極投資はしばしば株式
市場に好意的に受け止められますが、リターンを生まず大きな足
枷になることもあります。今や電機業界は日米欧企業だけが競争
相手ではありません。ここ10年大きな力をつけてきた韓国や中国
企業には多くの分野では既に日本企業は太刀打ちできません。ど
の分野で勝てるのか確かなストリーが必要です。

自動車メーカーと違って電機業界は家電から重電それにFA関連な
ど事業領域は多岐にわたっています。大事なのは過去競争力があ
り主力事業だった分野でも環境の変化で会社の足を引っ張るお荷
物分野になることもあります。シャープや東芝のケースで示唆し
ているのはたとえ黒字事業でも事業の将来性が見えなくなったら
如何に早くその事業から撤退するかです。ずるずると事業を続け
て結果的に大きな損失を抱えることはもっとも愚かなことです。

勿論、事業撤退だけでは会社の将来は見えてきません。ですから
常日頃から次の主力事業を育てる準備が必要です。主力事業が
健在なうちに次の柱となる多くの新規事業を生み出せるか経営者
には求められるようです。
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楽天からサイバーエージェント

2018-05-23 05:50:19 | 日記
22日の東京市場は膠着感の強い一日でした。21日のNY市場は
298ドル高と大幅上昇でした。米中の貿易摩擦問題の不安が後
退したという材料で大幅高しましたが、東京市場は前日の2万
3000円回復過程で既には織り込んでいたために米国株の大幅高
は支援材料にはなりませんでした。

2万3000円を回復したことで一種の目標達成感もありこの上昇
が続くのかどうか見方はまだ分かれていることも見送りに拍車
をかけたようです。まだ上値余地は多少あるとしても日米とも
1月高値を更新するほどの相場の勢いが余り感じられないよう
に思います。

相場全体が大きく動かないのであれば市場の目は少ないエネ
ルギーで値幅の稼げる新興銘柄に向かいそうです。もっとも
今はキッカケ待ちの状況でしょうか。市場の注目は来月19日
に新規公開されるメルカリへの期待が大きいようです。

未公開株で1000億円以上の評価がついた企業をユニコーンと
呼んでいますが、日本には現状ではメルカリとAI開発のリ
ファードネットワークスがあります。FXサービスや家事代行
サービスなどのBtoCサービスや格安携帯電話やソーラパネル
などかなり多角的に事業を展開しています。

もっともアダルト系を中心とした動画サービスも手掛けてい
ますから上場へのハードルは高いという見方もあります。い
ずれにしても日本にはユニコーンと呼ばれる有力な未上場企
業はまだ少ないのが現状です。

彼らの先輩格のIT系ベンチャーの楽天とサイバーエージェ
ントのこの1年の評価は対照的です。楽天が時価総額を42%
減らしたのに対してサイバーエージェントは時価総額が倍増
しています。期待の高さをある意味現すPERは楽天が10倍程
度、方やサイバーは149倍と対照的です。

両社とも新規事業として携帯事業やネットテレビ事業に経営
資源をつぎ込んでいます。市場での評価を見る限り土管屋で
ある携帯事業よりもネットでの動画配信の将来性に軍配が上
がっているようです。ネット企業の将来は一にも二にも創業
者の力量次第です。

米国にもアマゾンのべゾスCEOやFacebookのザッカーバーグ
CEO、テスラのマスクCEO、日本でもソフトバンクの孫正義氏
ファーストリテイリングの柳井正雄氏などが代表です。創業
経営者イコール会社の顔です。躍進するか衰退するかトップ
次第です。今後三木谷楽天が巻き返すのはそれとも藤田サイ
バーが逃げ切るのか外野席から見守るつもりです。
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先物の買戻しは続くの?

2018-05-22 07:22:51 | 日記
週明け21日に日経平均が2万3000円を回復しました。2万2000円
に乗せたのが4月18日、以来終値ベースでは一度も2000円を割り
込まず、1ケ月で次の大台を回復しました。2万2000円台後半は過
去売買代金が膨らんだ水準でこの水準を抜けているのにはかなり
売買代金が増えないと難しいという見方もありました。

21日も売買代金は2兆1000億円弱と売買面では活況という状況と
は程遠い相場でした。確か今月はまだ1度も売買代金が3兆円に乗
せたことはないと思います。それでも2万3000円回復したことを
前向きに捉えるべきなのでしょうが、売買高を伴わない先物主導
の相場に脆さを感じるのは少々偏った見方でしょうか。

先週は米国株が週間ベースで下落したのに日本株は小幅ですが上
昇しました。110円台に定着しそうな円安と米中の貿易問題の過
度な悲観が後退したことが21日の日本株を押し上げたのでしょう。
しかしこの上昇に半信半疑な投資家は国内中心に少なくありませ
ん。堅調な相場が続けば証券会社がよく使うセールストークであ
る「持たざるリスク」というフレーズが前面に出て相場の先高観
を煽る言葉が今後出てくるかもしれません。

予想外の堅調な相場のリード役は海外投資家の先物の買いだとい
う見方で間違いないでしょう。騰落レシオはTOPIXの全銘柄より
も日経225銘柄のほうが高水準だということからも推察できます。
売買が膨らまないのにも拘わらず相場がここまで戻したのは1~3
月期に5兆円の売り越しとも言われていた先物の買戻しがまだ続い
ているのでしょうか。ヘッジファンドの中間決算を控えて買戻し
を急いでいるのでしょうか。

海外投資家が比較的関心を持っている安倍内閣の支持率もどうや
ら底入れしたようです。森友・加計問題に加えて財務次官のセク
ハラ問題で安倍政権の支持率が急落しアベノミクス相場の終わり
にかけた売り方が買い戻しているのでしょうか。

「もうはまだなり」なのでしょうか。強気の投資家はまだ少数派
だけに株高の流れはまだ続くという逆説的な見方もあるのかもし
れません。2月2日と2月5日の窓は2万3122円と2万2967円となっ
ていますが、今日の取引で窓埋めする可能性もあります。窓埋め
は前値戻しという強気の見方もありますが、窓埋めで力尽きると
いう相場もありました。

人気銘柄も日替わりで目まぐるしく替わっています。2万3000円
回復したといっても相場のリード役が見当たらない状況です。勿
論今後リード銘柄が出てくることも無くはありません。しかし既
に上昇相場2か月を超えようとしています。上昇、下落局面を繰り
返す相場のリズムから考えれば転機がいつ起きても不思議ではあ
りません。
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Sell in Mayは杞憂か?

2018-05-21 05:55:30 | 日記
東京市場は3月第4週から先週まで8週連続上昇しました。NY
市場は5月第2週に4週ぶりに上昇に転じたにも拘わらず先週
は早くも下落しました。米国株が軟調だったにも拘らず先週日
本株が上昇したのは110円を超えた円安の影響がやはり大きか
ったようです。

3月期決算企業の多くは想定為替レートを105円で設定していま
す。ファナックやコマツのように100円という企業もあります。
このまま110円台が夏まで続けば中間決算時に業績上昇修正する
企業が増える可能性は高まりそうです。全産業で今期純利益が
2%ほど下落する予想が一転プラス転換する期待が持てます。

もっとも11月の中間選挙に向けて対日貿易赤字増加につながる
円安牽制が米国側から出てくるかもしれません。イラン核合意
離脱から米国からの経済制裁でイラン原油の供給不足から一段
と原油高が進むかもしれません。ベネズエラの原油生産減少も
原油需給に影響を与えます。

原油価格の上昇は原油を輸入に頼る新興国にとっては米国の金
利上昇で新興国通貨安が進行しているのと合わせ新興国経済に
打撃を与えます。世界の景気敏感株という位置付けの日本株に
とっては円安や市況高でコストアップが業績の足枷になること
と新興国景気の停滞で輸出減少も懸念されます。

110円程度であれば円安だけを頼りに日経平均の2万3000円台
突破から一段高を期待するには無理があるかもしれません。5
月の海外投資家の買いも先物主導の買戻しで現物株の買いが膨
らんでいないのも気になります。

また6月のヘッジファンド決算で5月から6月には過去相場が下
落傾向を示しているのも気になります。目先は下げにくい相場
になっていますがこの状態がいつまで続くのか半信半疑の投資
家は意外に多いのではないでしょうか。

個別銘柄の動きもそんな不安を現しているようです。週末18日
の市場は海運株など景気敏感株が上昇する一方、高値を更新し
てきたディフェンシブ銘柄には値を下げる銘柄もあったようで
す。相場変動が起きても下げ余地の少ない銘柄に資金がシフト
しているのは投資家の守りの姿勢の証しょうでしょうか。

2万3000円という節目に差し掛かっているのも相場の強弱感を
誘っているようです。1月に2万4000円をつけたときには多くの
投資家がこのまま2万5000円を目指すと考えていました。しか
し2万4000円をつけてから相場は一転急降下しました。

順調だった相場があっという間に変調を起こす展開は過去にも
経験したことです。1月高値から2か月で凡そ3800円急落した
記憶はまだ月日があまり経過していないことで投資家の心に残
っていても不思議ではありません。米国株のモタツキも日本株
に強気になり切れないな背景にあるようです。日本株も5月高値
という不安はなかなか払拭できません。
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勝ち組外食産業の変調

2018-05-17 07:16:07 | 日記
決算シーズンは終了しました。決算前のアナリストの取材が制限
されるようになった影響でしょうか。決算発表時までアナリスト
予想を基にした業績予想が以前より株価に織り込まれなくなり決
算発表時に株価が大きく動くケースがこれまで以上に目立ったよ
うに感じます。

資生堂の1~3月期の決算は確かに素晴らしい内容でした。しかし
12月決算の資生堂にとってまだ四分の一が終ったに過ぎません。
このペースで1年間業績絶好調が続くという保証はありません。
一般消費財の化粧品メーカーとして今後広告宣伝費が増えるかも
しれません。

昨年10月には2019年と2020年に相次いで国内で新工場建設を発
表いました。今後新工場稼働に向かって減価償却費も人件費も増
加します。売り上げが現在のように伸びればカバーできるでしょ
うが、少しでも減速すれば固定費が重くなります。

行間を読むことがないコンピュータによる売買は単語のひとつで
大きく反応します。コンピュータの世界では0と1の組み合わせだ
けですから黒か白どちらかしか答えは出ません。勝ち組に乗ろう
と提灯もつきより一層反応は極端になります。

上下いずれでも株価の変動が大きくなればシステムトレードの
出番は多くなり機械対機械の空中戦だけが目立つようになります。
とても人力での作業ではこの激しい変動を伴う相場で勝つことは
初めから不可能です。

為替相場や海外景気の要因など見通しの難しい外需銘柄に比べて
比較的内需銘柄の業績見通しは分かり易いと思いがちですが今年
の決算シーズンでは必ずしもそうとばかりは言えないようです。

日本にはハンバーガーチェーンやラーメン店、牛丼店、ファミレ
ス居酒屋、うどん店など様々な外食チェーンが存在します。消費
者にとっては選択肢が多く喜ばしいことですが、外食産業にとっ
ては業種間、企業間の競争は激しく勝ち組と持てはやされたチェ
ーン店でもあっという間に負け組に転落というケースが増えてい
るようです。

「丸亀製麺」といううどん店を主力にとんかつ店なども展開して
いるトリドールはここ数年積極的な海外進出も話題を呼び株式市
場では外食産業の中で勝ち組という位置付けでした。ところが決
算発表翌日の16日の株価は10%と大きく下落しました。

4月には低価格のイタリアンレストランをチェーン展開するサイ
ゼリアが中間決算で二桁減益が伝わると大きく下落しました。株
価は1か月経過した現在も底値圏から抜け出せません。また低価
格の焼き鳥チェーンを展開している鳥貴族は10月の値上げで客足
が遠のき11月には一時持ち直す月もありましたが、回復は続かな
かったようです。

サイゼリアもトリドールも鳥貴族もデフレ経済下で同業他社より
も低価格でありながら一定の品質が評価されて業績を伸ばしまし
たが勝ち組でいられる時期は永くなかったようです。外食産業に
ように参入障壁が低い産業はあっという間にモノマネ業者が現れ
競争優位が失われることも多いようです。チェーン展開している
外食産業はなかなかブランドによる差別化が難しく一度価格競争
が激化すると急速に存在感が低下します。

外食産業の現在の勝ち組は株価が今月相次いで年初来高値を更新
した回転ずしチェーンでしょうか。業態としては客単価も高く地
場のチェーン店は地方では存在しますが、全国展開している大手
は4社だけです。個人経営のすし店が減少する中でファミリー層
の支持が業績好調の要因でしょうか。もっとも国内市場に限定さ
れる状況だったらいずれ成長の壁にぶつかりそうです。どこまで
上昇について行っていいのか判断が難しくなる場面も出てきそう
です。

明日は所用のため更新はお休みします。
次回の更新は21日になります。
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