kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

夏相場は建設株買いだったが

2014-08-30 09:04:38 | 日記
年初に今年の相場は一筋縄ではいかないと書きましたが、予想以上に難解な
相場になっています。東京市場は昨年の相場の延長線ならざっくり言えばNY
市場1万7000ドル、円相場が103円台なら最低でも日経平均は1万6000円、大手
証券の強気な見方に従えば1万6500円になっていても不思議ではありません。

ところが実際は1万5500円超えると途端に上値の重くなります。まあ下値も現状
の円相場や米国株の堅調さそれにGPIFへの期待もあり下値目途も1万4800円
近辺とみられます。ただし売買高の低迷は深刻です。このままでは大型株主導
の本格的な業績相場は期待できません。

マイナーSQ当日の8日の1万5000円割れからの今回の上昇局面でも円安でメリ
ットを受ける輸出関連銘柄の上昇は限定的で主役は内需株でした。それもアベ
ノミクスで上昇の目立った不動産株や金融株ではなく建設株が一番の人気でし
た。この上昇局面で新高値銘柄が連日100銘柄を超えている大きな要因は上場
銘柄の多い建設株の人気に依るところが大です。

アベノミクス相場で橋梁株や建設株が人気になり小型株の中では突飛高する
銘柄も過去にはありましたが。人気も一過性で終わることが多かった以前の
ケースとは違って建設株買いは結果的に夏相場では大きな流れになりました。
一時は人手不足による人件費の上昇が受注増加による好業績期待に水を差
すとみられていましたが、選別受注を徹底することにより工事採算は上向いて
いて息の長い相場に繋がったようです。

もっとも目先的にはテクニカル的には移動平均との乖離が警戒水域に差し掛
かっている銘柄も多くいつ調整局面が訪れても不思議ではありません。この先
どれほどの上昇余地があるのか今後はリスクとリターンを計りにかけながら
判断する必要があります。来週から9月相場になりますが、よく月が替わると
人気銘柄も入れ替わるという現象も起きています。梯子を外される前に安全な
場所に避難することも忘れてはいけません。

明日の更新はお休みします。
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コーヒー戦争始まる

2014-08-29 08:08:00 | 日記
日本のコーヒー消費量は米国、ブラジル、ドイツに次ぐ4位そして5位にフランス
と続きます。まあ首位の米国はドラマや映画でカフェチェーンのシーンが頻繁に
出てきますから日常生活ではコーヒーを飲むのはごく自然なことなのでしょう。
先進国では人口の多さも含めて納得です。2位のブラジルは世界生産のおよそ
3割を占め世界一の生産国でもあります。人口の多さ(約2億人)もありますがブ
ラジル人もやはりコーヒー好きなのですね。

驚きなのは3位のドイツです。日本の三分の二の人口ですから一人あたりの消
費量は2倍近い計算になります。ビール好きのドイツ人はコーヒー好きでもあっ
たのですね。マスコミで米国の景気や文化、日常生活ことはよく取り上げられま
す。映画や海外ドラマでも米国は政治や経済の中心地ですから日本でも目に
する機会が多いようです。それに比べて欧州の経済大国であるドイツの情報を
見にする機会が少ないことに気が付きます。ドイツ国民がこんなにもコーヒー
好きだなんて思ってもみませんでした。

その欧州でスイス企業のネスレは食品業界の巨人です。そしてコーヒー分野
でも世界一の企業です。そのネスレが日本で力を入れているのが無でのコー
ヒーマシンを設置して自社のコーヒーを飲んでもらうサービスです。28日の経
済紙によると2020年までに設置台数を現在の3倍の50万件に増やす計画です。
同社の家庭向けシェアは37%でトップですが、家庭外では3%に止まり売上ア
ップにはこの分野の強化が欠かせません。

コーヒー戦争に火をつけたのはコンビニ業界です。売上首位のセブンイレブン
は100円という低価格と入れたての美味しいコーヒーが消費者に支持され売上
だけでなく集客にも多いに役立っています。コンビニ業界が低価格で入れたて
コーヒーを強化した結果ライバルであるカフェチェーンや缶コーヒー業界にも
大きな影響が出ています。清涼飲料でも販売量も多く利益率の高い缶コーヒー
の強力なライバル出現は飲料各社の業績も左右しそうです。

飲料業界にすれば今まで有力な販売チャンネルだったコンビニが一転最大の
ライバルになった訳です。コンビニが利益率も高い入れたてコーヒーに注力す
ればするほど缶コーヒーを購入していた顧客はコンビニコーヒーに奪われます。
コンビニが仕掛けたコーヒー戦争は先々飲料業界の再編のキッカケになるか
もしれません。

順調に上昇してきた東京市場も1万5500円以上では売り圧力も強いようです。
今日の東京市場も米国株安、103円台後半の円相場という外部環境を考えれ
ば1万5400円前後の攻防でしょうか。7月末の1万5602円でしたが果たして8月
末はいくらで終わるのでしょうか。1万6000円は近くて遠い目標になりそうです。
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企業間格差広がる

2014-08-28 08:09:13 | 日記
小売り分野では成長期待の大きなコンビニ業界でも次第に企業間格差が広が
っています。増税後は上位3社(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)の
中でも既存店売上げが唯一プラスを維持しているセブンが独走状態です。一方
業界3位のファミリーマートの落ち込みが目立ちます。親会社である伊藤忠が
持ち株比率を高めテコ入れに動くようです。ファミマにとってこの1、2年が勝負
になりそうです。ファミマ以上に業界下位企業の状況は厳しそうです。特にセブ
ンが大量出店を続ける西日本が地盤のコンビニには試練が待っています。

また国内市場が飽和状態のビール業界でもアサヒの強さが目立ちキリンの不振
と明暗を分け業界1位、2位でも差は広がっています。業界3位ながらサントリーは
プレミアムビールの好調と第3のビールである金麦のロングヒットが貢献してシェ
アを伸ばしています。国内市場が飽和状態のビール業界では当然どこかがシェア
を伸ばせば他社は苦戦を強いられます。かつてはビール業界で国内の巨人と言
われたキリンが一人負けの状態です。キリンが今後そのような巻き返し策に出る
か注目されます。

事務機器業界では下位企業が予想外の強さを発揮しています。欧州やアジア
市場での複合機の好調な売れ行きで好調なコニカミノルタや新興国市場でイン
クの大型タンクを搭載したプリンターが大ヒットしたエプソンなど上位企業に比
べて売り上げ規模では劣っていても業績を伸ばしている企業もあります。また
情報機器が今や主力事業になったブラザーも海外売り上げが伸びて業績は
絶好調です。事務機器業界では企業規模の小さい3社の好調さは必ずしも規模
の大きさが競争力の強さとは結びつかないことを示しています。

自動車業界でもここ数年の躍進が目立つのは富士重工やマツダそれにスズキ
です。生産台数で大手に劣っていても特定の市場に強かったり競争力のある特
定の分野で強みを持っている企業です。円相場が104円台の乗せたにも拘らず
自動車各社の株価は余りパッとしません。その中でも3社の株価は昨年末に比
べて堅調です。

外需企業、内需企業問わずこれからは益々企業間の業績格差や株価の格差が
広がりそうです。既定概念を捨て企業の本質をもう一度見極めることが投資家と
して益々重要になりそうです。
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個人消費に黄信号?

2014-08-27 06:35:39 | 日記
8月初旬にはテレビ各社が盛んに流していた猛暑関連ニュースも今週は
すっかり鳴りを潜め前線停滞による猛烈な雨で土砂災害に見舞われた
広島の災害を伝えています。果たして今年の夏は結果的には猛暑だった
のでしょうか、それとも西日本や東北地方の天候不順が響き全国的には
例年よりも暑くない夏だったのでしょうか。

どうやら8月も7月に続いて家電量販店やデパート各社の売り上げは不振
だったようです。比較的反動減の少ないと言われたコンビニ業界でもセブン
以外のコンビニチェーンの既存店売り上げ不振が伝えられています。消費
に関する限り芳しいものが少ないようです。GDPの6割を占める個人消費の
不振は本当に気になるニュースです。

EC圏の追加緩和観測期待もあり再び日米市場が7月の末以来の高値圏
まで上昇し、ドイツ市場も下落分の半分程度を回復しました。東京市場は
9月末には1万6000円回復なんて期待記事も目にします。もっとも円安効果
で輸出の増加→輸出企業のさらなる業績改善→従業員の給与増→国内
消費の押し上げと言った図式が円安基調にも拘らずほとんど輸出数量増
加が期待されたほど起きてないことが誤算のひとつです。

当初の目論見通り短期間に消費引き上げによる反動減が早期に収束する
という楽観論は修正を迫られています。確かに日本企業のPERは米国株に
比べて低く割安だと言われる日本株ですが、景気回復が着実に進んでいる
米国と消費税引き上げ後の国内消費に注意信号が灯りつつある日本と比
較で同じ土俵で比較してよいのかどうか、PERというものさしでどの水準ま
でが割安の範疇なのか判断をくだすのは難しいそうです。

アベノミクス効果で円安による輸出回復と個人消費が引っ張ってきた日本
の景気回復が消費税引き上げの影響で個人消費が腰折れするようでは次
の増税に黄色信号が点滅してしまいます。個人消費の回復具合が日本の
景気にとってさらに重要になりそうです。

8月の日本株が堅調なのはNY高のおかげです。それでも米国株に比べて
日本株の上昇が限定的なのは増税後の日本経済の回復具合が今ひとつ
鈍いためでしょうか。個人消費が回復しなければこれからも日本株は米国
株に比べてアウトパフォームを余儀なくされそうです。今日の東京市場は
個別株物色でしょうか。この水準から指数の大きな上昇は今日は期待でき
ません。
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条件は整いつつあるが

2014-08-26 05:34:05 | 日記
25日の東京市場は104円台の円安になっても輸出株が全面高するような展開
にはなりませんでした。山パンや明治HGなどの食品株や花王、それに三菱
ケミカルHGなどの化学株、マブチやパイオニアなどの電機株、東武、京成の
電鉄や情報通信などなど新高値銘柄を見る限り円安でメリット受ける業種と
いう括りでは説明できません。円安イコール輸出株全面高という図式は余り
当てはまらないようになってきたのでしょうか。

昨年のことは忘れてもう一度頭を整理しなおして銘柄選びをしなければ日経
平均は上昇しても利益が出ないと言うこともありそうです。トヨタを筆頭に円安
メリットや市場平均を下回るPERなど自動車銘柄には割安な銘柄も多いので
すが、年初からその低水準なPERは一向に市場平均に鞘寄せされません。

海外投資家が本当に日本の自動車メーカーを割安だと判断したなら長期投資
家中心にもっと買いが入っても良いようなものですが現状ではそうではありま
せん。あくまでPERは同業他社との比較程度の物差しで測るべきかもしれませ
ん。しかしこのところの自動車各社の株価推移を見る限り市場を引っ張るよう
な値動きはしていません。

電機株の中でも微妙に人気銘柄は入れ替わっています。一時はスマホに押さ
れカーナビ各社の株価は低迷を続けていましたが電機株の中ではこのところ
根強い人気が続いています。火をつけたのがクラリオンです。3月末まで100円
台半ばが指定席だった株価は4月以降順調に上昇して今や400円台半ばが定
着しつつあります。車の電子化でカーナビ各社が再び光が当たる場所に躍り
出たのかもしれません。クラリオン人気がパイオニアやケンウッドにも波及して
きました。

業種でまとまって買われることなく個別株物色が続いているのは昨年までの
円安株高トレンドをリードしていた短期投資家のヘッジファンドが動きが鳴り
を潜め市場のリード役が内外の年金等の長期投資家に代わったことからか
もしれません。東京市場の株高が続いているにも拘わらず売買代金が2兆円
を越えることができないのも短期間に売買を繰り返す海外の短期投資家の
動きが鈍いことも影響しているのかもしれません。

資源安にも拘わらず商社の中では資源関連の売り上げ比率の高い三井物産
の株高持続の背景にあるのは株主配分の強化だけでなく少々の価格下落で
も収益基盤が強い三井物産の事業内容が評価されているようです。今後も投
資家の銘柄選択の良し悪しが明暗を分けそうです。
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