kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

今は昔ソニーショック

2018-05-01 05:11:19 | 日記
27日のNY市場でソニー株が9%弱下落しました。ソニーが東京市
場引け後に発表した2019年3月期の営業利益が9%減少する見通し
に嫌気した売りが膨らんだようです。もっとも2018年3月期の連結
決算は本業のもうけである営業利益が前の期比2.5倍の7348億円と
1998年3月期以来20年ぶりに最高益を更新するほど絶好調な内容
でした。

今期減益見通しとはいえ尚も利益水準は電機業界では5%の増益予
想を出してきた日立に次ぐ2番目の利益水準です。ソニーは安定
している金融事業に加え収益の波が大きいが競争力の高いゲーム
や半導体産業を抱えています。ゲームはヒットの有無半導体はス
マホ市場に大きく左右される収益構造ですから決算期のたびに収
益のブレは避けられません。前期に営業利益が2.5倍に急増したの
も立役者は利益規模の大きなゲームや半導体事業でした。

短期的にはゲームや半導体事業は稼ぎ頭を続けるでしょうが、それ
だけではソニーが成長軌道に乗ったと太鼓判を押せません。今後は
次の柱をどうやって育てソニーの次代を担う事業に育てられるかが
ポイントになりそうです。

ソニーにはアップルのiPhoneのような業界の地図を一変させるよう
な革新的な商品を送り出せるという期待感がファンの間にはまだ残
っているでしょう。トランジスタジオやウォークマンそれにトリニ
トロンカラーテレビなど革新的な商品を出してきたソニーでしたが
その頃とは世界の勢力地図は一変しています。復活の道を歩みだし
たソニーですが、本当に大事なのはこれからです。

今日のソニー株はADRの大幅な下げから東京市場でも売りで反応し
そうです。3月末の安値から8%弱戻していただけに減益決算見通
しで多少の失望売りは避けられないでしょう。もっともソニーの
収益基盤は2003年に大幅減益決算が株価が急落した当時とは雲泥
の差があります。株価の調整は長くは続かないでしょう。まして
市場全体が悲観ムードに包まれることも考えられません。

ソニー発の調整の可能性は小さいとしても気になるのがこのとこ
ろの米国株の勢いの感じられない動きです。足元の決算はおおむ
ね好調のようですが、決算発表で起爆剤になり1月高値を窺うと
いう期待は低下しているようです。このところの米国株のモタツ
キがあるなかでも円安を頼りに上昇してきた日本株も110円という
心理的な節目に差し掛かり円安だけで一段高を期待するのは厳し
い状況のように感じられます。そろそろ円安が一服した後の事も
考えながらのスタンスが必要な場面になってきたようです。
コメント
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