kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

ワクチン相場第2弾

2021-06-30 04:17:28 | 日記
日本株は早くも夏枯れ相場の様相です。東京オリンピック開幕まで1ヶ月を
切った時点でも国民の間で開催の賛否は完全に分かれています。投資家の立
場としては五輪開催で感染拡大が懸念されるだけに五輪は中止にしてワクチ
ン接種に集中した方が先々のリスクは小さいように思えます。

菅政権は何が何でも開催にこだわっているようですから今は五輪成功と感染
防止が両立することを願うしかないようです。これだけ開幕する前から盛り
上がらないビッグイベントも早々あるものではありません。期待が低いこと
から例え日本人選手が活躍できず不発に終わっても市場への影響は少ないか
もしれません。

しかしオリンピック後の感染が再拡大すれば市場の重しになりそうです。英
国で行われたサミットでもその後感染が拡大していることから規模からして
サミットの比ではない人流の増加が予想されるオリンピックが感染拡大の引
き金を引いてしまうのではないかという不安はあります。

もっとも悪いニュースばかりではありません。ワクチン接種のスピードがこ
こにきて加速しています。政府は一日100万回の接種を目標としていますが
6月第3週からウィークディはすべて目標の100万回を超えています。週末の
土、日は少なくなりますが、90万回に達する日も出てきました。

週平均700万回のペースが続くとオリンピック開幕時の23日にはさらに3千万
回の上乗せも夢ではありません。最近のように1回目と2回目は半分半分とい
う前提に計算すると1回目の接種を終えた人が4300万人、2回目が2000万人と
いうことになります。感染者数の抑制や重症者数の減少が期待できます。

もしこのシナリオ通りに進めばオリンピック後の感染者拡大も市場が懸念し
たほど拡大せず欧米市場のようにワクチン相場第2弾が期待できるかもしれま
せん。月末最終日の今日の東京市場はどんな展開でしょう。先月まで9か月連
続で最終営業日は割ときつい下げが続いています。29日の予想外の下げは前
倒しでだったのでしょうか。

それとも続落するのでしょうか。現在の時刻のNYダウは小幅高で推移してい
ます。もっとも日経平均が来月以降この水準から大きく崩れるとは現状では
確率は低いようです。現在の閑散相場は「夜明け前が一番暗い」という相場の
格言通りで次の上昇相場のスタートになるのでしょうか。ワクチン接種拡大
がいずれにしてもカギを握っています。


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稼ぐ力が試される

2021-06-29 05:07:35 | 日記
先週のNYダウは売り叩いて見えてくる相場の強さというところでしょうか。
日経平均も先週の大幅安を取り戻しましたが節目の3万円回復はまだ遠いと
いう感じでしょうか。対してNYダウは5月高値更新まで600ドル程度です。
もっともNYダウは3万4500ドルあたりをスンナリ抜けられるかが7月相場の
焦点でしょうか。

一方ハイテク銘柄中心のナスダック市場はチャートから判断すれば2月と4月
の抵抗ラインの1万4000ポイントを先週抜けてきた形になっています。W天
井が一転W底形成になり夏相場の主役はハイテク銘柄中心というシナリオも
出てきます。

ワクチン接種の進展で景気敏感銘柄が多いNYダウが春相場の主役でしたが
今回は高成長期待のハイテク銘柄中心のナスダック市場がリードしそうです。
今年前半の存在感の薄かったGAFA+Mが今回は高値更新や高値圏奪回の水
準まで上昇しています。

四半期決算が1か月後に迫りやはり利益成長期待の銘柄に市場の関心が向く
のでしょうか。高成長株には逆風となる10年物国債利回り低下も追い風です。
市場の関心は金融政策などマクロから個別企業業績選別されるミクロに向い
そうです。

東京市場に元気がないのは米国市場のように大型成長株が見当たらないこと
です。経済が正常化に向かい企業業績に関心が移ると稼ぐ力のある米国株に
世界の投資家が資金を振り向けるのは当然です。世界中でまんべんなく稼ぐ
力のある企業は米国株に多いという一方日本株は中国景気に左右される製造
業が多くこのところの中国の引き締め観測も影を落としているようです。

トヨタや東京エレクトロンなど世界の同じセクターと企業と比較しても遜色
のない或いは欧米企業以上に稼ぐ力を持っている企業は存在します。しかし
既に市場の評価が高い銘柄はバリエーションが銘柄によっては欧米株以上に
なっているところもあるようです。これらの銘柄がさらに上値をどんどん更
新するような展開は当面に限っては難しそうです。

両企業ように1社でも多くの世界基準に照らし合わせても遜色のない収益力を
備えた企業が出てくれば東京市場の景色も変わってきます。今や日本の個人
投資家でも世界の有力企業に簡単に投資できる時代です。個人金融資産が2000兆円
に達しようとしている状況なのですから国内で資金が不足していることは考え
られません。投資の原点である収益力を評価される企業がもっと出てきて欲し
いものです。
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ナンバー2の憂鬱

2021-06-26 16:16:21 | 日記
株主総会で永山取締役会議長の再任案が否決されました。取締役会議長には
暫定で綱川智社長兼最高経営責任者(CEO)が就きましたが、経営陣と監督
する取締役議長を会社の最高経営責任者が兼務するという異常な状態です。

会社経営陣と大株主であるアクティビストの対立はそもそも巨額損失を出し
た東芝が債務超過を回避して上場を維持するために海外ファンドのマネーに
頼ったことです。一連の資本増強を主導したのは当時のCEOであった綱川氏
です。

会社は資本増強で上場を維持できましたが、その代償として当時の時価総額
と同額の増資を行ったことで名だたる海外のモノ言うファンドが株主に名を
連ねました。ファンド勢の一部はその後の7000億円という巨額な自社株買い
で株価が上昇したことで保有株を手放しましたが、手ごわいアクティビスト
であるファンドは株価上昇が限定的だったことから株主として残っています。

投資家から資金を集めて運用し少しでも高い利回りを目指すのがファンドです。
特にアクティビストと呼ばれるファンドは株価が低迷すれば一段と厳しい要求
を突き付けてきます。当時の東芝経営陣には余裕がなく本当に手ごわいアクテ
ィビストというファンドに余り警戒心を持たなかったのでしょう。いずれに
しても東芝とアクティビストの戦いは長期戦になりそうです。

重電業界1位の日立が構造改革で評価が高まっただけに2位の東芝の迷走は一層
際立ちます。重電業界だけでなく業界トップを争う1位企業と2位企業で差が開
いています。業績好調で再評価されたトヨタは初めて株価1万円を達成しました。
再建の目途が未だに不透明な日産と明暗を分けました。

素材産業でも紙パ業界の首位の王子製紙に2位の日本製紙は業績や時価総額で大
きく水をあけられました。ガラス業界は首位のAGCの復調が目立つ中で日本板
硝子は海外企業の巨額買収が失敗に終わり首位追撃は幻に終わりました。

家電業界では完全復活したソニーに対してパナソニックは未だに成長軌道を描け
ません。非鉄業界でも首位の住友鉱山が時価総額を大きく増やした一方2番手集
団は低迷しています。1位企業を意識するあまり背伸びし過ぎた経営が頓挫した
からなのでしょうか。製造業に多いトップ企業と2番手企業との明暗はここ5年
程度でさらに大きくなったようです。

次回の更新は29日を予定しています。
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東芝vsアクティビスト

2021-06-25 05:39:55 | 日記
企業のガバナンス改革が市場でも大きな話題になっていますが、東芝が物
言う株主への対応で揺れています。先ごろ明らかになった調査報告書は「東
芝と経産省が一体となって、株主に圧力をかけた」と官の力を借りて対立す
る物言う株主への対応が大きな問題になっています。

債務超過で上場廃止寸前まで追い込まれた東芝は市場からの資金調達が断た
れ海外投資家に頼りました。その中には多くのアクティビストと呼ばれるファ
ンドも名を連ねました。上場廃止を免れその後半導体子会社をファンドに売却
した結果、余裕資金に生まれたことで7000億円の自社株買いを実施しました。

しかし自社株買い発表で株価は上昇しましたが、売りに応じたのは個人投資家
など国内勢が多かったようです。アクティビストと呼ばれる海外のファンドは
60社が増資に応じましたが、40社は継続して保有しています。

ファンドの多くは大きな値上がりを期待しているのでしょう。物言う株主だっ
て最終的には1円でも多くの利益を上げることを目的にしています。会社側に厳
しい要求をするのは企業価値を少しでも上げて売却益を増やしたいからです。

株価6000円の価値があると主張しているファンドもあります。裏を返せばその
くらいの上昇がなければ売却しないということかもしれません。会社側の期待
では6000億円の第3者割当で調達した資金を7000億円の自社株買いをしたのだ
から海外ファンド勢は資金回収に動くと期待していたのかもしれません。

しかし結果は多くの海外ファンドは残りました。当然残ったファンド勢の要求は
厳しくなります。結果的に前CEOの車谷氏とファンド勢との対立は深まり車谷体
制を維持するために経産省の力を借りることになりました。

今回東芝の経営陣だけでなくガバナンス改革を引っ張ってきた経産省が実際は改
革と正反対のことをしたことを批判されています。東芝は防衛庁の装備品調達に
も関係している企業ですから経産省は安全保障を盾に民間企業とファンド勢と対
立に首を突っ込む形になりました。しかし東芝とアクティビストとの対立がどう
して安全保障を脅かすのか明確な説明はありません。

改革が遅れて割安な株価が放置されている日本企業はまだたくさんあります。そ
れだけに日本企業はアクティビストに狙われるケースが今後も出てくるでしょう。
投資家としては企業自身が変革できなくて株価低迷が続くならアクティビストで
あっても改革を実行に移し企業価値を高めてくれる投資家は不都合な存在ではあ
りません。

企業がとアクティブストと真剣に向き合い時には会社の将来ビジョンを伝え幅広
い投資家に会社の成長ストリーに賛同してもらいアクティブストが要求している
以上の企業価値向上を目指すことです。良い例がソニー経営陣の対応だと言って
います。

アクティブストの力も借り長年の懸案だった構造改革を推進し評価を高めたオリ
ンパスやJSRなど成功事例も出ています。本来はアクティブストの出番がなくて
も経営陣が問題意識を持ち抜本的な改革をできることが理想です。しかし欧米に
比べて稼ぐ力が大きく劣っている企業が多いのも事実です。

株式市場は不思議なものです。あれだけ会社のイメージが失墜したにもかかわら
ず、株価は高値圏で推移しています。今後アクティビストの攻勢が強いまり経営
改革が進展して東芝の企業価値が上昇するという図式でしょうか。東芝とアクティ
ビストとの攻防はまだ続きそうです。
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GAFA+Mはやはり強い

2021-06-24 04:58:54 | 日記
今回も米国株は10%下落するような本格調整は回避されたようです。今月
上旬の高値から月、火の2営業日でダウ平均は4割強戻しました。まだ楽観
はできませんが、本格調整まで下げる可能性は当面は回避されたようです。

ダウ平均以上に強い相場だったのは成長株主体のナスダック市場です。22日
には早くも今年の高値を更新しました。今年の2月と4月に1万4200ポイント
近辺が壁になっていましたが、明確に抜けてきた格好です。

ダウ平均が3月以降上昇気流に乗り5月初旬まで上昇が続いたのに対してナス
ダック市場はボックス相場で推移していただけに休養は十分です。FRBの利
上げ予想が前倒しになりそうな状況で本来は金利上昇が成長株にとっては逆
風になるという認識だっただけに予想外の展開です。

コロナ禍だった2020年にナスダック指数は44%上昇しました。テスラやZOOM
それにエヌビディア株はGAFA+Mをも超える上昇率でナスダック市場を牽引
しました。しかしナスダック銘柄でもバリエーションの高いZOOM株は昨年
10月の高値を付けてから上昇トレンドは終わりました。テスラも今年1月高
値から本格調整入りしました。

今回のナスダック市場の主役は再びGAFA+Mに戻ってきました。今週グーグ
ルの親会社のアルファベット、Facebookそれにマイクロソフトが相次いで
高値を更新しました。アマゾンもアップルも高値に近づいてきました。成長
性プラス安定性のあるGAFA+MはFRBが利上げに転換したとしても安心して
保有できる銘柄群なのかもしれません。

一方日本株では未公開株主体の投資会社になったSBGは業態から業績のブレ
が大きく投資先の企業価値はFRBの金融政策に影響を受けやすい構造です。
またファーストリテイリングはアジア市場中心に業容拡大期待はまだ大きい
ようですが、高値から2割下落してもPERは50倍台と高水準です。

従来型産業でもトヨタや日立それに富士フィルムHGは今月10年来高値を更
新して気を吐いていますが、GAFA+Mを横綱に例えると関脇や小結の三役に
名を連ねられるかどうかという位置付けで足元の利益率や成長率を見る限り
力不足は否めません。

海外投資家で今目立っているのは物言う株主の存在です。しかも彼らが日本
株を購入している理由は構造改革が遅れている企業に改革を迫るアクティブ
ストという立場です。海外投資家が日本企業の利益率や成長性を期待して日
本株を買ってこない限り米国市場との差は縮まりません。
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