kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

経営者の使命は成長させること

2017-06-30 03:14:27 | 日記
今日は月末、四半期末、半期末そして昨日は3月期決算企業の総会
集中日でした。今年も半年が過ました。大幅な円安を伴なわずに2万
円に定着しつつあるこれまでの結果は上出来と言っていいのではな
いでしょうか。原油価格が高値から2割程度下げ円相場も112円台な
ら1万8000程度に低迷していても不思議ではないところです。昨年7月
から6兆円に拡大した日銀ETFの押し上げ効果が1000円から2000円
あるといわれていますが、下駄を履いているのは間違いありません。

指標面からも割高感が指摘されている米国株は崩れそうで崩れない
状態が続いています。勿論日本株に影響の大きな米国株の堅調な動
きも忘れてはいけません。決算発表やフランス選挙などのイベントが
終わり買いの材料が乏しくなり今月は大きく調整すると言う見方もあり
ました。大方の予想では過去のケースから利上げ後の円高が懸念され
ましたが、現状ではむしろじりじりと円安に進んでいる印象を受けます。

東京市場は19日に5営業日ぶりに2万円を回復後9営業日連続で2万
円を維持しています。やっと市場関係者が期待していた2万円固めの
展開になってきました。しかし思いの他、高揚感のない大台達成とそ
の後の動きです。売買高を伴なって上昇することもありません。代わ
りに売りが売りを呼ぶような下げも当面訪れそうもありません。

10年来の高値更新銘柄の顔ぶれを見る限り外需銘柄や内需銘柄問
わず中核事業の競争力が高い銘柄が人気を集めているようです。ダ
イキンや信越化学は自社株買いで株主価値を高める戦略よりも成長
投資で業績を拡大させる経営方針を採ってきました。結果的に自社株
買い銘柄よりも積極的な投資をしてきた銘柄の株価が勝っているとい
う事実はやはり業績を拡大させることが最大の株主還元になると言う
結論になるのでしょうか。

自社株買いに積極的なNTTやJTの株価水準も切り上がっているとい
う事実もありますから。成熟産業に属する企業は自社株買いが有効で
ある一方成長産業に属する企業は自社株買いを選ぶよりも成長投資
を選ぶほうが理にかなっているということでしょうか。経営者は今必要
なのはどちらなのか見極める必要があります。株主還元がブームのよ
うになりましたが、すべての株主は大幅な増配や自社株買いだけを望
んでいる訳ではありません。丁寧な説明があれば経営陣が違う道を選
んでも納得するのではないでしょうか。

1、2日の更新はお休みします。
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東芝は「オワカン」

2017-06-29 02:09:05 | 日記
若者達が良く使う言葉で「オワコン」があるそうです。終わったコンテ
ンツという意味で使われるそうです。ただ完全に終わったコンテンツ
に使われることはほぼなく、「終わりそうなコンテンツ」や、「時代に合
わないコンテンツ」という意味でよく使われます。

例えばお笑いコンビとんねるずの二人が司会を勤めるフジテレビの
バラエティ番組がそうです。1997年にスタートしたこの番組は既に放
送開始20年を越えた長寿番組です。ピーク時は視聴率が20%を越
えるほどの人気を誇りましたが、近年は視聴率が低迷しています。
まるでフジテレビの栄光盛衰を象徴しているような番組です。これま
で番組打ち切りの噂は何度が流れましたが、不思議と続いています。

番組始まった当初駆け出しのADが今ではかなりの役職についてい
る社員が多く当時とんねるずの二人にかなり世話になったようです。
現在ではプロデューサーと言った偉いポストについていても二人には
頭が上がらない関係で視聴率が低迷していても番組が打ち切りにな
らないという噂がまことしやかに流れています。ここ数年長寿番組が
次々に姿を消しているにも拘らず何故「みなさんのおかげです」だけ
が続いているのが不思議だと言うことからそんな噂が出ています。勿
論真相は分かりません。

27日東芝は株主総会を開きました。経営陣の算段では東芝メモリの
売却先を決定し総会では新生東芝のスタートを印象付けたかったよ
うでしたが、協業先のWDが第3社への売却阻止という強行姿勢が変
わらず対立は激化するばかりです。この泥沼を何時抜け出せるのか
益々混沌としてきました。東芝にとっては来年3月までに債務超過を脱
して上場を維持するというのが最優先課題ですから東芝メモリの売却
を巡っての混乱はまだまだ続きそうです。

ここまでWDとの激しい対立が続いていることは綱川社長を中心とした
経営陣の企業統治能力に大きな疑問符が付くのではないでしょうか。
去年と今年2年続けてのドタバタ劇は名門企業として情けない限りです。
東芝のような巨大企業が生き残れるかどうかの瀬戸際の状況で果たし
てリーダーとして綱川社長が相応しいのか。出てくるニュースは後ろ向
きの話ばかりです。東芝の再生が期待できるような明るいニュースは
ほとんど出ていません。

会見で一連の不祥事で何度も頭を下げられてももはや外野筋からは
覚めた目で見られるだけです。そろそろ投資家から東芝は終わったカ
ンパニー「オワカン」というレッテルを貼られそうです。重電3社の中で
は積極的な経営姿勢が評価された時期もありました。そんな東芝に期
待して投資したこともありました。それだけに現在の東芝の姿には寂し
いものがあります。
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数々の不思議

2017-06-28 05:16:21 | 日記
27日の東京市場は前日の海外市場で米株や円相場が落ち着いた
動きだったことから3日続伸して終わりました。ザラバでは20日の2万
230円を越える場面もあり年初来高値を更新しました。ただし売買代
金は2兆1420億円と高値更新にも拘らず余り膨らまなかったのは内
外投資家が様子見を決め込んでいて買いも売りも積極的な売買が
なかったという見方のようです。

多くの投資家が強気になりきれない要因はいくつかの不思議な現象
があることです。まず米国の長期金利の低迷が続き一向に上昇する
気配が感じられないことです。長期金利は今年3月の2.6%台から5月
に2.1%台に低下しその後は2.2%から2.1%の狭いレンジ相場を続け
ています。日米金利差が広がらないことで円安が進まず円安株高期
待が高まらないことです。

米国の長期金利が上昇しないのは経済指標が好調なものと不振なも
のとまだら模様で景気の先行きに明るい見通しが広がらないことです。
それに加えて大幅減税や巨額なインフラ投資などのトランプ大統領の
目玉政策の頓挫の影響もあり先行きの景気加速期待の後退も大きい
ようです。反対に長期金利が低位安定していることが米国株高に繋が
っているとの見方もあるようです。

年初だったら原油や鉄鉱石などの資源価格の下げは株安要因でした。
しかしWTIは4月高値から2割近くも下げているのに原油安がリスクオ
フに繋がり米株が下げるということも現状では起きていません。これに
関しては既にエネルギー企業の収益は米企業全体に占める割合が低
下して以前に比べて影響は限定的だという見方があります。仮に40ドル
を割り込むようなことがあれば状況も変わるでしょうが少なくとも40ドル
前半なら株価への影響も限定的のようです。

日本株は円相場が111円台と高止まりしているにも拘らず7営業日連続
で2万円台を維持していることも昨年なら考えられないくらい堅調です。
また海外投資家が6月第1週に現物と先物を合計407億円の売り越しに
転じ第2週には2065億円と拡大したにもかかわらず相場は調整入りしま
せんでした。これまでのケースだと海外投資家が売り越しに転じるととも
に日本株も調整入りのケースがほとんどでした。

時価総額の大きな自動車や金融株の低迷にも拘らず7営業日連続2万
円台を維持していること驚きです。それ以外の銘柄の水準が大きく切り
上がったことを意味しています。主力銘柄の低迷を他所に株高を維持し
ているのも最近では無かった現象です。

日米市場は株安要因となるような材料が出ているにも拘わらず相場が
崩れないというこれまでと違った状況です。「相場は相場に聞け」という
のは良く使う格言ですが、格言に従えばすぐに相場が崩れる懸念は少
ないようです。相場の基調はしっかりしていますが、強気になれ切れない
相場が投資家を悩ます場面はまだまだ続くのかもしれません。
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電脳戦と29連勝

2017-06-27 04:27:43 | 日記
世間では最近将棋ブームが巻き起こっているようです。この春AIと将棋
のプロが対戦する電脳戦で佐藤名人が2連敗を喫し、もはや人間はAI
に太刀打ち出来ないと言うことが決定付けられました。チェス、囲碁と
将棋に関してはコンピュータよりも人間が優位性を発揮できる分野でし
た。知的ゲームで想像力も必要な分野では機械はなかなか人間を越え
られないというのが通説でした。

チェスで人間の世界チャンピオンがコンピュータに負けたと話題になっ
たのは1996年に行われたカスパロフとIBMのディープブルーとの対戦
チェス名人の敗北が始まりでした。今年5月にはグーグルの開発したア
ルファ碁が世界トップ棋士で中国の柯潔(かけつ)との3番勝負で全勝
して世界をあっと言わせました。

AIに深層学習をさせることにより能力は飛躍的に向上しました。AI活
用でイノベーションを起こせる分野は自動運転や新薬開発支援、農業
や工場の生産現場など多くの分野にこれから広がるでしょう。AIが業
界地図を乗り換えることもあるかもしれません。かつてT型フォードの
出現で自動車の大量生産時代がやってきましたが、AI革命はその衝
撃を遥に超えるほどあらゆる業界に変革をもたらしそうです。

電脳戦で人間がコテンパンに負けて無力感が広がった将棋界を救っ
たのが史上最年少の14歳でプロ棋士になった藤井4段です。彼がデ
ビューから連勝記録を伸ばすたびにマスコミからの注目が高まりこれ
まで世間からの注目が低かった棋士たちが次々に表舞台に登場する
ようになりました。

26日にはデビューから負け無しで29連勝を達成し30年ぶりに神谷八
段の記録を更新しました。特筆すべきことは14歳の中学生が前人未
到の記録を更新したです。AIには人間は太刀打ちできなくともなんか
人間の持っている無限の可能性を改めて気づかせてくれました。



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脱デフレはイルュージョン

2017-06-26 07:11:00 | 日記
梅雨入り宣言後も晴天が続き空梅雨だった関東地方がこの先雨や
曇りの日が多くなりやっと梅雨らしい季節になりました。梅雨が明け
れば夏本番を迎えますが、今年の夏は猛暑予想が出ているようです。
猛暑になれば株式市場でもエアコンや清涼飲料や冷菓それにビール
メーカーなどが注目を集め賑わうこともこれまで何度もありました。

ところが週末のニュースによるとビール各社が猛暑で増産を予定す
るのはビールじゃなく缶チューハイだというのです。6月から始まった
ビール類の適正価格に対する規制で小売価格は1割前後上昇しまし
た。値上げ前の駆け込み需要の反動もあり6月前半のビール類の販
売数量は2割ほど減少した模様です。

ビール各社もビール類の値上げで需要は価格に敏感な消費者中心
に缶チューハイなどに流れる傾向がしばらく続くと判断したのでしょう。
やはり需要が盛り上がる夏場に値上げでビール類が売れないという
のは消費者の生活防衛意識がまだまだ根強いという証明なのかもし
れません。ビール類に限らずメーカーの今度の価格戦略は難しい対
応になりそうです。

イオンの岡田社長の発言のように脱デフレは大いなるイルュージョン
というのはあながち大げさな言い方ではないのかもしれません。ビー
ルに限らずチーズやパンなど多くの食品価格が大幅に上昇しました。
人手不足や働き方改革で宅急便の料金も今後大きく上昇します。
健康面での機能性などを追求した一部の商品は消費者に値上げを
受け入れられましたが値上げで需要が落ちた商品もあったようです。

やはりサービスの質や商品のクオリティが伴なわない値上げはなか
なか浸透し辛いようです。日本の小売の現場はかなり過当競争です。
食品や日用品を買い求めるのはスーパー、ディスカウント店、ドラッグ
ストアコンビニ、それにネット通販などがあり差別化できなければ最後
は価格競争に走ります。メーカーよりも現場の小売業のほうが力の強
い日本の市場構造も影響しているようです。

人口減や高齢化で国民の胃袋は年々小さくなることが予想されこれ
までの延長線上のビジネスモデルでは立ち行かなくなる業態も出て
きそうです。デフレ経済の申し子のように言われ小売業界の勝ち組
みという評価の高かったしまむらでさえ気温が低かったことで春の販
売が振るわず株価は急落しました。その後も内需人気の波にも乗れ
ず低迷したままです。
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