kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

バリュー株人気は短命?

2020-05-31 09:05:39 | 日記
5月最終週は問答無用の強烈な上昇相場でした。ただややはしゃぎ過ぎ
と感じているのは私だけでしょうか。振り返ってみれば日本経済は消費
税引き上げの影響で10~12月期のGDPはマイナスに落ち込んでしまいま
した。

それでも年末年始に日経平均が2万3000円台を維持できたのは米中通商
協議がまとまり米国株高の支えがあったからです。1月に武漢で新型肺
炎が深刻になり都市閉鎖されても米国市場ではアジアでの出来事で余り
気に留めることも無く米国株は2月中旬まで3万ドル手前の2万9000ドル台
の高値水準で推移してきました。

米国株が崩れ出したのは感染拡大が中国からイタリアやスペインそして
欧州全体に広がってからです。そのあとはもう皆さんのご存知のコロナ
ショックで世界の株式市場は暴落しました。もうどう無用の下げ相場は
投資家に恐怖心を与えました。この時点でリスク資産を現金化する動き
が一気に広がりました。「キャッシュ・イズ・キング」です。

世界の投資家はコロナショックでの暴落をリーマンショックと重ね合わ
せました。米国株も高値からの3割下げて一様下げ止まりましたが、都
市封鎖という強硬手段で欧米は強制的な経済活動停止に踏み切るといっ
たリーマン時とは違う危機でした。

この頃市場では人の移動が禁止されたことで航空需要や宿泊需要などが
一瞬にして蒸発し経済への影響はリーマンショックを超えるという見方
が台頭しました。当然株価への影響もリーマンショックよりも深刻にな
るという弱気の見方も出てきました。

しかし世界の株式市場はここまでリーマンショック時を超える回復をみ
せています。大方の予想はどこで間違えてしまったのでしょう。おそら
くリーマンの教訓からFRBなどの中央銀行は迅速に大胆な金融緩和を決定
し、各国の政府は巨額な財政支出で経済を支える姿勢をアピールしました。

経済は落ち込むが一定の防波堤が整ったことで市場は予想以上の回復に
転じます。巻き戻しの勢いに弾みを使たのは売り方の買戻しに加え株式
の比率を大きく低下させ過ぎた投資家が再び買い始めたからでしょう。
東京市場は先々週には海外投資家が買い越しに転じおそらく先週には
かなり大きな金額の買い越しを記録したのではないでしょうか。

短期的には大きな追い風が吹き救われた東京市場ですが、この水準から
一段高するにはハードルが高いのではないでしょうか。日立の今期業績
見通しのように日本の製造業の収益環境はしばらく厳しそうです。ごく
一握りの企業を除けばコロナショック前から業績は構造的に低下傾向で
した。

コロナショックで多くの企業が業績に下押し圧力がかかていますが、軽
微な影響に止まる企業と大きく落ち込む企業と二極化が一層明白になっ
ているようです。先週バリューが大きく反発する中で中外や第一三共が
10年来の高値を更新したのは取り組み妙味だけでなく業績安心感のある
銘柄が限られ一部の銘柄に資金が集まったからかもしれません。

これだけ世界中で債券利回りが低下しているにも拘らず高配当銘柄の人
気はこれまでになく低調です。経済が厳しくなればなるほどそんな状況
でも成長できる銘柄に人気が集まります。バリュー株よりも成長株優位
は長い目で見れば揺るぎないようです。

次の更新は6月2日を予定しています。
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オーバーシュート

2020-05-29 05:31:19 | 日記
28日の日経平均は2万1500円を越えてきました。昨日までの4日続伸で
1500円を超える上昇を誰が予想したでしょうか。テレビ東京の経済番
組で専門家による今週の日経平均のもっとも高値予想は確か2万1000円
くらいじゃなかったかと記憶しています。

実際には28日時点で26週移動平均の2万1457円の節目も越えたことに
なります。短期筋による順張り相場では時として相場上昇に弾みがつ
き経済事情や分析によって、そのときの適正な基準を超えてしまうオ
ーバーシュートの発生が突飛高に繋がりました。

こんな相場の特徴は売り込まれた銘柄の大きなリバウンドです。例え
ば電通Gは20日にサイバーエージェントに時価総額を逆転されました。
テレビなど旧来型の広告媒体主体の電通をネット広告が主力事業のサ
イバーの躍進は時代の大きな変化を示していると伝えられました。広
告の主戦場がテレビからネットに移行し両社の差はますます拡大する
ということは避けられないでしょう。

実は電通もネット広告にも近年注力しています。しかしテレビなど既
存の広告媒体業界での存在が大きすぎて急には方向転換できません。
ガラケーが普及したためにスマホの普及が海外に比べて遅くなった
日本の通信業界の構造に似ています。

話を元に戻しますが、電通株は今週大きく上昇しています。28日には
1~3月期の黒字転換が好感されたこともあり急騰4営業日で3割も上昇
しました。22日には東京オリンピックが2021年に開催できなければ中
止というニュースでダメ押しがあり結果的にアク抜けになったようです。

同社株はPモルガン証券が5月1日に目標株価を従来の3600円から2200円
に引き下げたとの報道もあり売り安心ムードが以外高の背景でしょうか。
結局電通に限らず今週の日経平均の大幅上昇を演出したのは叩かれた銘
柄の逆襲です。この銘柄群のここまでの急騰を読めた投資家は大きなご
褒美が貰えました。

コロナショックで安値を付けた3月中旬以降相場のリード銘柄は目まぐ
るしく変わっています。まず最初に物色対象になったのは重症患者に欠
かせない人工呼吸器メーカーや治療薬その次にワクチン開発企業でした。
また巣籠り消費関連銘柄やテレワーク関連銘柄も人気化しました。

今後も市場が拡大が確実視される5G関連の半導体銘柄も一時人気になり
ましたが永くは続きませんでした。来週からは6月相場入りですが、今週
の人気銘柄が引き続き人気を持続できる保証はありません。今は期待先
行相場ですが在宅勤務やテレワーク、オンライン診療が根付くようであ
ればいずれ投資家は成長産業に注目するようになるでしょう。
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歴史は繰り返さなかった?

2020-05-28 15:32:58 | 日記
本当に驚かせる相場です。日経平均は2万1000円回復から上昇に弾みが
ついてしまったようです。5月相場最終日の29日には一時的でも2万2000円
回復もあり得るんじゃないかというくらい勢いを感じます。

買戻しだけでなく海外投資家の現物買いも流入しているのではないかと
思えるくらいです。先週まで信用買いをしていた投資家は利益確定売り
を出しているでしょう。今や日本株の最大の買い手である日銀は18日以
降買っていません。

例年に比べて激減した企業の自社株買いはSBG以外の買いは限定的でし
ょう。国内勢を見渡しても順張りで買いを入れる投資家は殆ど見当たり
ません。残るは海外投資家の買いです。それも売り方の買戻しだけでは
この大幅高を説明できるでしょうか。

売り越しを続けていた海外の長期投資家も株式のポジションを大きく低
下させた状況で世界的な株高で流石に株式の割合を高めているのでしょ
うか。よく証券会社の株式部長が使うセリフの「持たざるリスク」って
やつです。

まあもっともこのペースの上昇がいつまでも続く訳でもなく経済再開と
いう魔法の言葉もいずれ色あせる時が来ます。経済再開しても景気がV字
回復すると信じている人は現時点ではほとんどいないでしょう。

いくら株式市場が半年先から1年先を先取りするとしても期待通り回復し
ているか現時点では不明です。値動きの良さが目先筋の買いを集め静観を
決め込んでいた投資家の一部が買い始めたというところでしょうか。

リーマンショック時と同じくらいの大幅な下落でしたが、その後の戻りは
遥かに今回の方が上回っています。危機の内容が違うとはいえもしプロブ
ラム売買がリーマンショック時と同じコースを辿ることを前提に売買して
いれば目論見は外れたことになります。本当に不景気の株高が来るのでし
ょうか。
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結局「相場は相場に聞け」

2020-05-28 04:50:23 | 日記
全国での緊急事態宣言解除で東京市場は2万1000円の節目を抜けて
きました。宣言解除で経済活動が正常化の一歩を歩み出したのは良
いニュースですが、外食や空運企業などは当面は感染症対策で国民
の生活スタイルへの変化などもあり本格回復には遠いところです。

外食大手のすかいらーくは新常態で深夜の来店客の減少は続くと判
断し7月から11時以降の営業は取りやめると発表しました。ファミ
レスだけでなく居酒屋業態も現状では営業を再開しても客足の大幅
な回復は期待できません。

日本が終息に向かうとしても冬にかけての第2波の懸念もあります。
ワクチンが実用化され多くの人達が接種を受けられる状況にならな
ければ本格的に訪日客を受け入れられる体制にはなりません。日経
平均が3営業日で1000円ちょっと上昇しました。上昇を主導したの
はコロナでダメージを受ける業種でした。

「解除相場」をけん引したのは売りポジションを買い戻す短期マネ
ーだと囁かれています。世界的なコロナの蔓延で経済の疲弊は激し
く当面は日経平均が2万1000円を超えて上昇する可能性は低く早晩
2番底が来るとの予想でしたが、相場が予想外の強さで買戻しを余
儀なくされたのでしょうか。

買戻し主導の相場のまま終われば相場は短命です。長期投資家を中
心にした実需が追随して買ってくるかが今後の相場を左右します。
しかし2万1500円どころの節を抜けてさらに一段高するかどうかは
見方が分かれています。連休明けの米国市場でも値上がり上位には
金融、空運、旅行・レジャー株が派手に値を飛ばしました。

底流にはワクチン開発が進むという期待があるようです。幸運にも
年末から年明けにかけて実用化されることになれば株価は業績回復
を先取りする形で売り叩かれた銘柄の一段の戻りも期待できるでし
ょう。しかし期待が先走り過ぎると反動も大きくなります。

今回のミニ反発で売り方が買戻しを進めれば相場環境次第では再び
売り攻勢もあり得ます。相手は人ではなく機械ですから今回の買戻
しで損失が出ても不安に駆られたり臆病になることはありません。
淡々とヘッドラインに反応してプログラム通り再び売りが出てくる
でしょう。

きっとリーマンショック時にはこれ程システム売買が普及しておら
ずあの時は違った相場になるのかもしれません。歴史は繰り返すこ
ともあり全く違う面を出してくることもあるようです。相場が一旦
底入れした後一定のレンジ内でのもみ合いがしばらく続きそうとい
うのがメインシナリオでしたが、実際の動きは少し違ってきている
ようです。

その根拠は日経平均が高値から3割近く下落したリーマンショック時
とほぼ同じ下落率でした。しかし一番の違いは中央銀行の対応の速さ
と財政支出な迅速な手当です。リーマンの教訓がもたらした結果です。
結局、固定観念は捨て「相場は相場に聞け」ということでしょうか。
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高PER銘柄を空売りするな

2020-05-27 04:36:35 | 日記
26日、日経平均は500円を越える大幅上昇で2万1200円台に乗せてき
ました。自粛解除が先週の大阪などに続いて東京都などの5都道県で
も解除になり5月末までという当初よりも前倒しになったことで経済
活動が正常化に向かうということが好感されたようです。

少し前は自粛解除で感染の再拡大が懸念され株価の頭を押さえていま
したが、経済活動再開を前向きに捉えるようになり風向きは少し変わ
ってきたようです。25日には9割近い銘柄が上昇、26日も7割の銘柄が
上昇しました。

節目の上限2万1000円をこの時点で越えてきた背景には日銀がETF購入
枠を2倍に引き上げたことで結果的に海外投資家の売りを吸収できたこ
とが下値不安を軽減させたようです。

2番底懸念も言われましたが、需給関係の良さでカバーしリーマンショ
ックのような2番底は回避できそうな見方が急激に台頭したようです。
景況感や企業業績のニュースからは中々上値を追い辛い状況ですがここ
は「相場の事は相場に聞け」ということなのでしょう。

26日の市場で目立った動きではJALやANAの空運株やひらまつやペッ
パーなどの外食株、ぴあや電通Gも上昇しました。コロナの影響で大
きく売り込まれた銘柄が値を飛ばした格好です。この動きは25日から
続いていたようです。全国的な自粛解除を先どる動きだったようです。

もっともひらまつやペッパーの業績不振は昨年から続いていました。
自粛解除で各足が戻ればこれ以上悪化しないだろうという見方とおそ
らく回復はするが低空飛行が続き業績が回復軌道に戻るかどうか慎重
に見極める必要があるという見方もあります。

業績を考えると買い難い銘柄ほど大きく上昇しています。おそらく空
売りしていた投資家の買戻しが梃になり値動きの軽さが短期資金を引
き付けたのでしょう。将来性よりも需給関係、値動き重視の短期決戦
相場です。

目先は短期資金中心の動きで値動きの良さが最大のアピールポイント
です。割り切った投資家が参加する相場ですからそれなりの対応が必
要です。とにかく今は悪いニュースも買い材料になるくらい叩かれた
銘柄への投資家の注目は高そうです。

一方10年来高値を更新した中外製薬や第一三共のケースと上記に挙げ
た銘柄とはやや異なります。エムスリーやモノタローにも共通する市
場平均を大きく上回るPERで割高感の強い銘柄です。将来の収益に対
する強弱感があり弱気筋の空売りの対象にもなります。

しかし業績が一変してしまう可能性がある銘柄には売り方が窮地にな
り易い傾向があります。業績面から安心して買える銘柄が今の日本株
には少ないだけに上記のような銘柄に人気が集中します。短期決戦銘
柄と違って空売り筋が避けたい長い上昇相場に発展する可能性があり
ます。PERが市場平均に比べて異常に高いという理由だけで空売りす
るのは避けるべきかもしれません。

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