kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

神様、仏様、訪日中国人観光客様

2015-07-31 08:44:05 | 日記
日産の役員が決算発表で中国市場について次のように語っています。「4月
から6月にかけて新車販売はどんどん悪くなっている。7月はさらに悪い。株
安の影響を受けているのは間違いない。ただ政府が介を宣言しているので
落ち込みはそんなに長くは続かないだろう。新車投入を機に7~12月は1~6月
に比べて大幅販を狙う。だが足元は本当に厳しいので楽観はできない。そんな
に余裕はなが130万台の販売目標をギリギリなんとか守っていきたい」

日産自動車は日本メーカーで中国市場のシェアが首位です。その日産の役員
のはつげんですから自動車市場の減速は今年後半も楽観できない状況のよう
です。ピジョンの決算や良品計画の中国市場での売り上げを見る限り高額商品
以外の消費は堅調のようですが自車販売の現場ではやはり株安の影響は少な
くないようです。

現在発表が進んでいる決算でもインバウンド需要は嬉しい誤算を生んで小売り
や電鉄、ホテル業界に追い風になっています。その主役は間違いなく訪日中国
人観光客です。その意味では中国本国の自動車販売の減速と爆買いという中
国人の消費動向と無関係でいられるのかどうか下半期も上半期同様に好調を
維持できるのかどうか内需銘柄の命運を握っているのは中国景気の行方にな
ってきたようです。

中国の建機市場は4~6月期は最盛期の六分の一に落ち込んだと伝えていま
す。リーマンショック後の4兆元(56兆円)の大型景気対策の反動と言えばそれ
までですがその後も7%の経済成長を続けている中国の経済規模からしていく
らなんでも落ち込み過ぎでしょう。自動車販売にしても急激に伸びた反動が今
年顕在化しています。どうも中国人のDNAの中には熱しやすく冷めやすいとい
うものが刷り込まれているのでしょうか。

そんなことを考えると訪日観光客が急減するとは考えられませんが爆買いが
いつぴたりと止まっても不思議ではないと感じるのは私だけでしょうか。中国
国内の消費が爆発的に伸びているという話は聞きません。それではなぜ訪日
観光客の消費だけが爆発的に伸びているのでしょうか。日本製の炊飯器や化
粧品の内外価格差が大きいのでしょうか。それとも現地では手に入らないので
しょうか。謎の部分です。

小売りや運輸、日用雑貨などの内需銘柄はもはやディフェンシブ銘柄では無く
なりました。業績の変動の少なさが売りだったこれらの銘柄はインバウンド需要
といった新たな要因で業績の変動は以前に増して数段大きくなりました。これか
らは訪日観光客の増減に株価も翻弄されそうです。

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第2次内需銘柄相場

2015-07-30 06:56:25 | 日記
29日の東京市場は米国株の大幅上昇もあり高く始まりましたが下げに転じ
20200円そこそこで前場は揉み合う展開でした。後場からは戻り歩調で推移
結局大引けは25円安の20302円で終わりました。個別銘柄28日に業績予想
を下方修正したファナックと東エレクが大きく下げ日経平均の足を引っ張りま
した。

連想売りなのか両銘柄の属する機械や半導体関連銘柄のダイキンやアドテ
ストも大きく売り込まれました。設備投資に関連した銘柄は総崩れの状態です。
一方相変わらず堅調なのは食品や小売などの内需系銘柄です。新高値銘柄
87の内訳は情報通信を含めると38銘柄でした。3業種で全体の4割強を占めま
した。反対に新安値銘柄28でその内訳は機械と電機分野で18銘柄を数えまし
た。新高値、新安値銘柄分布をみれば今の相場がどんな流れなのか一目瞭
然です。

アベノミクス相場の初期にまず大きく人気化したのは円安と金融緩和で恩恵
を受ける電機、機械、自動車、精密や不動産、金融などでした。この時点では
国内の景況感も悪く円安でデメリットを受ける輸入企業の食品や売り上げ不振
の小売は蚊帳の外でした。その後も消費税引き上げによる反動もあり内需系
銘柄の活躍の場は余りありませんでした。

2年連続の賃上げもあり消費税引き上げの反動減から立ち直った内需銘柄に
は年明け以降訪日中国人観光客の爆買いという大きな追い風が予想外の長
い上昇トレンドを現在も続けている背景です。またインバウンド需要の盛り上が
りは多くの内需系銘柄の業績に明るさをもたらしました。

アベノミクス相場初期段階では人気化しなかった銘柄が次々に高値更新して
いるのが今年の特徴です。化粧品など日用雑貨銘柄がこれほどまでの上昇
したことが今まであったでしょうか。インバウンド消費はそれ程東京市場の風
景を変えてしまったようです。円相場次第で輸出株と内需株が交互に物色さ
れた2013年から14年と違って円相場の関係なく内需銘柄に人気が集中して
います。

2月から3月も内需銘柄中心の相場がありましたが今回は第2弾の内需株相場
のようです。内需銘柄はPERは割高でも一段高一方外需銘柄の中には値ごろ
感があっても買いが一向に向かわない銘柄も見られます。相場で勝つには銘
柄を買うのではなく流れを買うのだと今更ながら痛感しました 。
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中国発波乱相場第2幕

2015-07-29 08:33:22 | 日記
上海市場の急落による不安から欧米市場が大きく下落これを引き継ぐ形で28日
の東京市場は一時前日比280円安の20070円まで下げる場面がありました。しか
し上海市場が下げ幅を縮めると東京市場も上昇に転じ一時はプラス圏に浮上す
る場面もありました。結局大引けは前日比21円安の20328円でした。

中国経済に対する先行き懸念は一向に収まらず上海市場の下げはその象徴に
ようにみられています。上海市場に対する小手先の株価対策よりも思い切った景
気対策を講じる方が世界の市場を落ち着かせる効果が高いという指摘も出てい
るようです。

中国関連銘柄と言われる建機大手のコマツや日立建機、工作機械やベアリング
や非鉄それに加えて半導体関連銘柄などの今月の下げは大きくとても日経平均
が2万円弱で推移しているという実感がわかない投資家も多いでしょう。内需銘柄
と非内需銘柄と完全に二極化した相場はアベノミクス相場スタート以来なかった
現象です。ポスト内需銘柄も内需銘柄といった相場の流れがこれからも続くので
しょうか。

非内需銘柄の多くのチャートは完全に上昇トレンドが崩れ今はたたき売りが起き
ています。どの時点かで売られ過ぎの反動で反発する場面はあるでしょうけど上
昇トレンド入りには程遠い動きでしょう。本格的な立ち直りにはかなりの時間が必
要かもしれません。

決算発表が始まり中国景気減速の影響が業績面に影を落としています。今のと
ころ影響が出ているのは機械や素材分野です。個人消費分野は堅調を保ってい
るようです。中国の個人消費が落ち込まなければ訪日中国人の爆買いもしばらく
続きそうですがいずれにしても東京市場にとって今年後半の最大の注目材料は
中国景気の行方に移ってきました。

中国の景気失速は輸出を通じて関係の深い東南アジアに大きな影響を与えます。
東南アジアで稼ぐ日本企業は多く、中国景気減速の影響は二重に日本企業の重
しになります。世界第2位の経済大国になった中国の影響は日本のみならず世界
の最大の関心事になりそうです。

6月の中国発波乱相場第1幕に続いて今回第2幕の幕が開きました。この夏はまだ
まだ上海市場や中国景気の行方に振り回される展開が続くかもしれません。中国
景気の先行き不安はかなり前からくすぶっていました。市場の目がギリシャ債務
問題にくぎ付けになっていたこともありました。ギリシャ債務問題がひと段落した
ことも市場が改めて中国の景気先行き懸念に注目が集まったのかもしれません。
上海市場の暴落はそのキッカケにもなりました。








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時代を映す鏡

2015-07-28 09:42:08 | 日記
27日の東京市場は欧米株安と円高を嫌気して続落しました。一方好決算を
発表した協和発酵キリンや富士通ゼネラル、エムスリー株の上昇が目立ち
ました。経済紙の観測記事で4~6月期大幅増益との見通しが出た日産や
富士重工は上昇して始まりましたが終わってみれば小幅下落でした。この
違いは前者が内需銘柄、後者が輸出銘柄という違いと中小型株と大型株と
の違いでしょう。

現在の市場の流れでは同じ好業績でも中国経済など新興国経済に不安が
残るなかで外部環境に左右されやすい輸出関連株にはなかなか買いが続
かない状況です。そして決算での短期勝負では市場エネルギーが不足気味
の現在の東京市場では中小型株優位の展開は不動のようです。

米国の利上げ開始を控え世界の緩和マネーは商品市場から逃げ出し新興国
からも米国にマネー回帰しています。資源安と新興国経済の鈍化でマネーの
避難先は景気に左右されにくいディフェンシブに向かうのは必然なのかもしれ
ません。インバウンド需要もあり日本の内需銘柄には業績好調な銘柄が多い
こともあり内需銘柄優位の相場になっています。

機関投資家としても指数に負けないような運用をするには割高感はあっても
内需銘柄中心の運用を変える訳にはいきません。増益率以上に上昇する内
需株と4~6月期の好業績でも先行き不安の消えない輸出株への買いは戻ら
ず両者の株価水準は開くばかりです。株式市場が時代を映す鏡であるとすれ
ば予想以上のピッチで増加する訪日観光客増で恩恵を受ける内需銘柄人気
も当然なのかもしれません。それにしても欧米の同業と比較して日本の内需
株のPERの高さにはため息が出ます。

株式市場が経済の鏡とすればインバウンド需要が人口減で買い材料の乏しか
った内需銘柄に光を与えました。内需銘柄と言えば成長力は見劣りするします
が業績の安定感が評価され外部環境が不透明な局面では好まれました。しか
し現在の内需銘柄の人気は成長株としての側面です。

食品や日用雑貨といった地味な業種が新興国経済の成長から生活水準が向上
した国々の人たちの需要を取り込んで今までには想像も出来なかったくらいの
永い上昇相場を演じています。そこに数年前には考えられなかったインバウンド
需要が追い風をもたらしました。そこにはPERなどでは判断できない要因がある
のでしょう。その所を見誤った投資では今年の相場には勝てないのも当たり前
だったのかもしれません。
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内需銘柄人気いつまで

2015-07-27 06:54:03 | 日記
不思議なものです。世界の株式市場で先週値上がり率第1位は上海市場でした。
中国経済の減速懸念が不安視される中でも株式市場が堅調だったのは株安に
危機感を持った中国政府のなりふり構わぬ株価対策のおかげでしょうか。一方
中国経済の先行き不安から原油や金など商品市場の下げが目立ちました。

市場筋の話を総合すと株式市場が官製相場で売りにくくなったので代わりに商品
売りに繋がっていると解説されています。真相は定かではありません。上海市場
の官製相場が背景にあるとしたら今後に禍根を残しました。

商品相場下落を諸に受けたのはNY市場でしょうか。先週は21日から4日続落で
600ドル近い下げでした。1週間前までは市場予想を上回る決算でサマーラリー
が期待される状況でしたが商品安を嫌気したエネルギーや素材株の下げが重荷
になりました。ギリシャ問題収束を好感して上昇した分を全て吐き出したました。

NY市場が下げ止まらないと東京市場も再び2万円割れが視野に入りそうです。
今週のFRB開催など重要日程を消化しながら相場の下値抵抗を試すことになり
そうです。東京市場は夏休みシーズン突入で次第に市場参加者が少なくなりま
す。先物主導で予想外に相場変動が大きくなることも今後考えておかなければ
なりません。

東京市場の株高を演出しているのは食品、日用品、小売りなどです。すべてで
はありませんがインバウンド消費がこれら銘柄の業績や株価上昇に大きく貢献
しています。インバウンド関連銘柄がこれほど市場の大きな柱となるとは嬉しい
誤算ですが余りにも内需銘柄に偏った物色はインバウンド銘柄が崩れたときの
ショック安が心配になります。

尖閣列島の国有化をキッカケとした反日運動で日本製品不買運動が起きたの
は3年前の2012年9月でした。暴徒と化した国民が日本車を壊したり日系のデ
パートに乱入する映像が日本でも流れました。その時点で今日の中国人観光
客による爆買いを誰が想像したでしょうか。

今年も水素社会関連銘柄やTTP関連銘柄や株主還元銘柄など様々なテーマ
が株式市場を賑わせましたが結局業績の裏づけもあるインバウンド関連銘柄
が最後まで残った形です。

現在市場の人気のバロメーターは内需銘柄か非内需銘柄かで大きく分かれます。
割高感の強くなった内需銘柄でも外部環境の不透明感から人気は続いています。
好業績でも一向に人気の圏外の非内需銘柄が買えない裏返しとしての内需銘柄
人気だとすれば歪な市場がどこかで臨界点に達することもありえない話ではあり
ません。果たして内需銘柄優位の展開はどこまで続くのでしょうか。
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